知って得する「栗」のこと
ちょっと意外な豆知識から、栗拾いのコツ、おいしい食べ方や保存方法など、栗に関するあれこれを紹介します。
栗のトリビア!いろいろ
みんなが果肉だと思っている部分は種
栗の木には雌花と雄花があり、受精した雌花が実をつけます。もともと雌花にはトゲがあり、これが実をつけたときにイガになります。イガは他の果物でいう皮に当たり、その中にある栗が果肉と種です。一般的に栗の皮だと思われている鬼皮が、他の果物の果肉にあたる部分。表面の皮(鬼皮)だけむいた渋皮つきのものが種。
1つのイガには通常3個の栗が入っている
雌花にあるトゲの部分は総苞(そうほう)といい、その中には将来、種となる子房が、通常3つずつ入っています。受精すると総苞はイガになり、子房が栗となります。そのため、一般的な品種ではイガの中に3個の「3つ栗」です。ただ、茨城県のブランド栗「飯沼栗」のように、栽培技術によって、1つのイガに栗が1つだけ入った大粒の栗も生産されています。
栗の木は枕木に利用されていた
材質が固く、腐りにくいため、日本では栗の木を古くから木材として利用してきました。明治時代には、線路の枕木としてもよく使われ、栗は日本の近代化に大きく貢献しました。
モンブランと栗は、関係ない
勘違いされやすいのですが、ケーキの“モンブラン”は、栗とは関係ありません。フランス語で“モン”は山、“ブラン”は白という意味です。ケーキが山のような形をしていることから、イタリアとフランスの国境にあるアルプス最高峰の山“モンブラン”にちなんで名付けられたといわれています。
丹波栗は江戸時代の参勤交代で
全国に広まった
丹波地域で採れる大粒の栗“丹波栗”は、古事記や万葉集、日本書紀にも登場するほど歴史のあるものですが、全国に知られるようになったのは江戸時代のこと。名物として京都周辺で人気になり、さらに参勤交代を通じて江戸から全国に広まったとされています。
日本一の栗の木が山形県にある
「桃栗三年柿八年」といわれているとおり、栗の木は成長が早く、すぐに大きく育ちます。樹齢20年で幹の太さが20センチメートルから30センチメートル、樹齢100年では太さが1メートルを超える巨木にまで。「全国巨樹・巨木林の会」の調査により、日本一の木と確認されたのは、山形県西川町にある「大井沢の大栗」。樹齢は300年以上と推定され、一説には800年ともいわれています。高さが15メートルで幹まわりが8.5メートル(断面を円形とすると太さ2.7メートル)にもなる巨大な木です。
栗の保存や食べ方
茨城県は栗の栽培面積も生産量も全国第1位。その中でも笠間市は、栽培面積が県内第1位で、「かさまの栗」をブランド化する取り組みも行っています。栗農園での収穫体験に力を入れている、(一財)笠間市農業公社に、上手な拾い方や食べ方、保存方法を聞きました。
栗拾いのときの服装に注意
- 栗の収穫期は虫の多い時期なので、長袖・長ズボンで肌を守る。
- 木からイガが落ちてくることがあるので、帽子を被って頭をガードする。
栗の上手な拾い方
- 栗の収穫体験ができるのは、だいたい9月から10月中旬。
- 他の果物狩りとは違い、木からもぎとるのではなく、地面に落ちているものを拾う。
- イガを足で踏んで、中の栗だけを拾う(厚手の手袋があれば、イガのまま手で拾うこともできる)。
おいしい栗の見分け方
- 鬼皮(外側の硬い皮)に張りがある。
- 鬼皮の茶色が濃い。
- 指で押してもブカブカしていない。
- 白いブツブツがついていない。
- 座(底の部分)に黒っぽい箇所がない。
- 座がベトベトしていない。
栗の手軽な食べ方
手軽に食べられるのが「ゆで栗」です。品種による味の違いが分かりやすい食べ方です。
(1)沸騰した湯に生栗を入れる。
(2)中火にして40分から50分ゆでる。
(3)ゆで上がったら、やけどしないように注意し、包丁で縦半分に切る。
(4)中身をスプーンですくい取って食べる。
皮のむき方
料理や菓子の材料にする場合は、きれいに皮むきをしましょう。外側の鬼皮、中の渋皮の順でむきます。
鬼皮のむき方
(1)生栗を熱湯に10分つけておく。
(2)包丁で座から頭に向け、切り込みを入れる。
(3)手で鬼皮をむく。
渋皮のむき方
(1)沸騰した湯に鬼皮をむいた栗を入れる。
(2)1分から2分ゆでる。
(3)火を止めて鍋から出す。
(4)手で触れるくらいに温度が下がるまで待つ。
(5)手で渋皮をむく。
栗の保存方法
栗は傷みやすい果物です。なるべく収穫したその日のうちに食べるのがおすすめです。
保存したい場合は、次のようにします。
(1)ポリエチレン製の袋に入れる。
(2)袋の口は縛らず、折るだけにする。
(3)冷蔵庫のチルド室に入れ、0度付近で保存する。
このようにしても、保存できるのは1週間程度。できるだけ早く食べるようにしましょう。
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