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農林水産省

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山本農林水産大臣記者会見概要

日時 平成29年4月25日(火曜日)9時30分~9時40分 於:本省会見室
主な質疑事項
  • (大臣より)諫早湾干拓開門問題に係る長崎地方裁判所の判決への対応について
  • 諫早湾干拓開門問題に係る長崎地方裁判所の判決への対応について

 

大臣

本日、私から1点御報告をさせていただきます。
諫早湾干拓の潮受堤防排水門の開門差止を求めた訴訟、開門差止請求訴訟におきまして、去る4月17日、長崎地方裁判所から開門差止の請求を認容する判決が出されました。国としては、今日に至る経緯を振り返るとともに、開門問題に関係する方々の声をお聞きしながら、対応を検討してまいりました。
平成22年に開門を命ずる福岡高等裁判所の判決が確定し、国は確定判決に基づく開門義務の履行に向けて、諫早湾周辺の農業者、地域住民等の御理解と御協力を得るための努力を重ねてまいりましたが、事前対策工事の着手すら行えず、現実に開門することは著しく困難な状況でございます。また、平成22年の開門を命ずる福岡高等裁判所の判決が確定した後の開門の当否に係る裁判所の判断においては、当該判決の事実認定を実質的に否定する判断を含め開門しない方向での判断が重ねられてきております。
このような状況の中で、昨年1月には、長崎地方裁判所におきまして和解協議が始まりました。残念ながら和解が成立するには至りませんでしたが、開門によらない基金による和解について真摯かつ前向きな議論が重ねられてまいりました。こうした経緯とともに、我が国の司法制度の下では必ずしも最高裁判所による統一的な判断が行われるとは限らないことを総合的に考慮した結果、問題を解決するには、国として、今後の基本的な考え方を明確にする必要があると判断するに至りました。
国としては、諫早湾周辺の農業者、地域住民等が抱える将来の農業経営や日常生活の安全・安心に対する不安を払拭するとともに、漁業者を始めとする有明海沿岸の関係者に共通する思いである有明海の再生を速やかに進めるため、改めて開門によらない基金による和解を目指すことが本件の問題解決の最良の方策と考えております。その実現のため、国として開門しないとの方針を明確にして臨むこととし、今般の判決を受け入れ、控訴しないことといたしました。
国としては、引き続き、問題の解決に向けて真摯に努力してまいりますので、関係者の皆様の御理解と御協力を賜りますよう、お願いを申し上げます。本日、私からは以上でございます。

記者

今の諫早の件でお尋ねします。これでまたさらに長期間にわたってこの問題が続くということになりますけれども、関係者の皆様のいろんな不安というのが、またさらに延長するわけですけれども、これに対しての大臣のお考えをお聞かせください。

大臣

20年間の諫早の問題解決に向けまして、ここ1年の和解協議というのは、ずいぶん近寄ることができたというように思っております。昨日も原告団の皆様と大臣室で御協議をさせていただくという、そういう機会を得ることもできました。あと一歩だというような認識でございましたが、しかし、あくまで(開門方法)3-2開門にしろ、開門をするということが条件でなければ和解ができないということに対して私ども先ほど申し上げましたように開門のための準備作業もできないこの状況の中で、開門ということを決めることを前提の和解というのはなかなか厳しい、難しいものというように思っております。そして、開門に代わる基金案、これを私ども漁業関係者の皆さんが、各地域地域で真剣に検討いただいたということに対しては心から感謝を申し上げるものでございます。あと一歩の懸隔でございます。さらに、これからも問題解決のために舞台は福岡高裁に移るわけでございますけれども、農林水産省としましても、各関係者に対して真摯な努力、これを惜しみなくやっていきたいというように思っておるところでございます。

記者

もう1点関連でお尋ねします。これからのですね、福岡高裁での訴訟などですね、この先、例えば和解ですとか、和解も含めて事態が収拾していくような方向に進むために、国としてどういうことが必要になってきて、何が鍵を握るというふうにお考えか、できれば具体的にお聞かせください。

大臣

福岡高裁に至る一つの和解という考え方の中で、開門に代わる基金案ということを御提示いただいた長崎地裁よりも、福岡高裁の方は和解における議論が、いわば限定されていないということにおいて様々な選択を両者が持ち得るということでございますし、さらに、請求異議という問題の中で、法的な、今まで積み残っておった法律論、こういったものの審理もさらに進めていくことができるという両方のメリットを感じていらっしゃる訴訟関係者の皆様もあるというように認識しております。その意味で福岡高裁の審理を丁寧に積み重ねていくことにより、さらに新たな局面、和解に結びつく当事者の意識や環境が整ってくるということも十分あり得るだろうというように期待するところでございます。

記者

控訴しないという判断についてなんですが、和解協議は福岡高裁の請求異議審の中でやられていくということを期待しているということでよろしかったですか。

大臣

それで結構です。

記者

開門によらない、基金による和解を目指している。開門によらないという前提がつくんですか、和解協議には。

大臣

農林水産省の大臣としての私の立場は、あくまで長崎地裁で御提案をいただいた、開門によらない基金案というものに立ちたいというようには思っております。なぜならば、現状を変更するということにおけるその試みは、かつてもやっていきましたが、なかなかそうした準備手続すら難しいという今日の現状の中で、現実的な解決ということを図ろうとするならば、長崎地裁がとられた考え方というものに立っていくことが最も私は現実を踏まえた解決方法になるのではないかというように考えております。

記者

昨日も馬奈木さんたちとお話になられてですね、開門によらないという前提がつく限りは、和解協議は進展することはないと、馬奈木さん達は強調されていたかと思うんですが、前提をつけることで問題解決には結びつかないように感じるんですが。

大臣

しかし、関係者の大勢の皆さんが基金案について議論をいただいたということもあり、また、馬奈木原告団長も記者会見の結びには必ず和解を目指すと言っていただいたわけでございまして、我々としましてはそうした和解をするという結果の結論だけでは一致しておるわけでございまして、そのプロセス、どうするかということについて時間をかけ、また、アイデアを出し、あるいは、様々な状況の変化、こうしたものの中でお互いが和解の結論を得たいという、そういう認識で、そこは一致いたしました。

記者

今後の高裁の訴訟指揮にも関わるかと思うんですが、基金案を改めて出し直すということなんですか。国として。それとも。

大臣

それはもう高裁にお任せするところでございます。

報道官

これで会見を終わらせていただきます。

以上