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若林農林水産大臣記者会見概要

日時 平成19年9月28日(金曜日)9時54分~10時22分 於:本省会見室
主な質疑事項
  • 農山漁村活性化策について
  • いわゆる「出前農政(キャラバン)」の結果について
  • 地域の意見に接して
  • 米価について

大臣

本日の閣議のご報告をまずいたします。一般案件が3件、国会提出案件が1件、政令3件、人事案件と資料配付です。当省関係では、「種苗法施行令及び国立大学法人法施行令の一部を改正する政令」でございます。特段中身のあるものではございません。その他で、今日いろいろ報告事項があったんですけれども、増田総務大臣からは「労働力調査の結果」、「消費者物価指数及び家計調査の結果」について報告がありました。舛添厚生(労働)大臣からは「有効求人倍率等」についてご報告がありました。なお、官房長官から、福田内閣におけるメールマガジンは10月に創刊する予定になっておりますと、各省各閣僚の編集への協力をお願いしたいと、こういう話がございました。
そこで、閣僚懇の今のことに関連して福田総理の方からは、「福田内閣としてはできるだけ、幅広く国民との接触を深めていく方針である」ということ、そこで「各大臣もいろいろと忙しいだろうけれども、機会を見て地方に自分で出かけて行ってよく地域の皆さんの意見を吸い上げてもらいたい」というような話が懇談会でありまして、私の方からは、これからお話いたしますけれども、例のキャラバンの取りまとめを近々にするけれども、同時に、新しく農山漁村活性化のための各地域・ブロックへ出かけて行っての意見聴取をする予定だ、ということを申し上げてきたところでございます。
そこで、皆さんへの私からの発表ですけれども、今後の農政の展開に当たって、農林漁業者をはじめとして地域の関係者からの声を現場で十分聞いて来ることが重要だと、常々私が申し上げてきているところでございます。
品目横断的経営安定対策については、すでに何回か皆さんにお話をしていますが、この10月5日までの日程で各地の意見を、一応聞き終わったという形にしたいと思っておりまして、これらについて意見の報告を受けた上で、これを集約をしてできるだけ早く、10月の中・下旬には皆さん方に集約した結果を報告ができるようにしたいと、こう考えております。
しかし、同時に例の高齢者あるいは小規模農業者が安心して農業に関わっていけるような環境整備をするということを、総理談話で総理が言っておられるわけですが、それを念頭におきながら、農山漁村地域の活性化のための方策について、現場における意見交換を行いたいと、このように考えて昨日私から指示をいたしました。
具体的には、すでに農林水産省に設置されています「農山漁村活性化推進本部」、この本部長は今村副大臣にすでにお願いをしたところでありますけれども、昨日、今村副大臣に対して、この推進本部が担当をして、全国の中で数県を選んで、高齢者や小規模農業者を含む農林漁業者の方々をはじめ、幅広く地域の声を伺って、今後の農林水産政策の展開に反映させるべく意見交換をしたいということで、担当を命じたところでございます。
そういうことで、この調査は急いでまとめたいと思っておりまして、10月中には数県に渡って精力的に出かけて行ってもらって、そしてその結果をなるべく早く、10月の調査が終わり次第、考え方を取りまとめていきたいと思っております。これには、今村副大臣本部長をはじめとして、農村振興局長などにも出かけていってもらいたいと思っております。
内閣に地域再生担当の特命大臣、これは増田総務大臣が担当していますけれども、内閣全体として、この地域再生のための地域活性化のためのプログラムを作成しようという課題を持っているわけでございまして、その意味で農林水産省の所管だけで、これら地域の活性化というのを全てを担うわけにはいかない分野がかなり出てきますから、内閣との連携も取る必要があると考えております。
私からは、以上であります。

記者

今の農山漁村の活性化策なんですけれども、10月中に意見を聞いていくということなんですが、すでにもし大臣の中で具体的な案が腹案としてあるならば、教えていただけますか。

大臣

腹案としてはありません。ありませんが、今、先ほど申し上げましたように農山漁村と言えども、農林水産省所管の部分だけでこの活性化を図ることは難しいわけですから、総務省あるいは厚労省などとも協力をいただきながら地域の活性化を考えていかなければいかんと、こういうふうに思いますが、それにしても農林水産省がその所管の行政で、特に品目横断の対策に焦点がいって、なにか全て農政がそこで、その限りで進んでいくような受け止められ方を今してますから、「いや違うんだ」という意味で、もう一方の農地・水・環境の整備あるいは村づくり、こういう関係も非常に大事な分野で、これはやはり今お話しました高齢者とかあるいは小規模農業者、兼業の皆さん方、場合によっては農業に直接関わらないけれども地域に居住している人たちのみんなの協力を得ながら村づくりをしていかなければいけない。その分野において、働いてもらう役割を果たしてもらう部分が非常に強いわけです。
さらに、これは品目横断には出てきませんけれども、畜産だとか果樹だとか野菜だとか、きのこ類なんかもそうですが、多様なこの農業が展開しているわけで、これらについては品目横断では出てこないわけです。だから疎外感を持っているのではないかという気もしていますから、こういう人たちも含めた総合的に農山村地域という捉え方をした上で、幅広く活性化を考えていくという視点は持っております。

記者

今やっている品目横断のキャラバンについては、(10月)中・下旬には取りまとめるということですけれども、これについてどういう形で施策に反映させることになるのかというのが1点と、もう一つ今度新しく行かれる農山漁村活性化のための意見交換、これを10月中に実施して意見を取りまとめるということですけれども、これはどういう形で施策に反映させることになるのかについて教えていただきたい。

大臣

まず一つは通常行われる調査、そしてそれが調査の結果を報告書という形にまとめて、その報告書という形で成果物を出していくと、そういう性格のものではないんです。
行政を展開して行くに当たって、行政側がこれをどう反省の材料とし、あるいはこれから前進していくための素材にしていくかという素材集めなんです。だから行政の側がそれをどう受け止めるかということが目的なものですから、有識者に聞いたり、あるいはそういうものをまとめて報告書を出すというような調査でないことはキャラバン調査もそうですし、これから今度やろうとするのもそうなんです。
ですから今のお話で言えば、どういうふうに活かしていくかというのは、それぞれの政策分野の中で足らざるものを補って、新たなものをそこで組み立て直す、修正をする。中には十分理解がされていないということについては、理解を得られるための方策、例えばこんな説明書類をどんと作るんではなくて、ビデオみたいな形でビジブル(Visible:目に見える)に見て分かるような素材を作ってみるとかいろいろな改善策があると思うんです。そういうことに指示していきたいと思います。
これから始める農山漁村活性化の調査というのは、今言った内閣が地域再生、そしてまた地域活性化というのは大きなこの福田内閣の課題になっていくというふうに受け止めております。その中で農山漁村地域については、内閣全体でまとめていく中で重要な要素としてこれを位置付けていく必要があるとこう考えておりますから、その前に農林水産省として何ができるかということをきちんとまとめておく必要があるとそういう意味合いでございます。

記者

先週末、地元に帰られて農家の方とお話されました。「思うところはある」とおっしゃっていましたけれども、具体的な内容を聞いてなかったので、この機会に現場でお話を聞いてどういうふうなことを感じられたのか教えていただけますか。

大臣

特徴的な、全く性格の違う2地域でありました。2地域は小海線の沿線ですけれども、小海町の野菜、畑作地帯ですね。白菜を中心にした認定農業者をお訪ねして、そしてその地域の畑作、畜産の方もいらっしゃいましたけれども、10人ほど寄ってもらって一人一人からお話を聞いたんです。
畑作地帯ですから、コメを中心に政策が論じられ、そして話題がそちらにいっているという意味で、やや私たちについてあまり考えてもらっていないのではないかなというような、そういう受け止めがあるんだなと。そんなことはありませんよということをお話をしたんですけれども。やはりメディア、皆さん方も通じてですけれども、農政の課題がコメを中心とした大規模、4ヘクタールとか20ヘクタールとか、そっちの方に議論がいっているものですから、自分達とどういう関係があるんだろうと、そういう疑問をまず持っているということを知りましたね。だから、そういうバランスが取れた作目別の種々の課題というのはあるわけですから、そういうことについても我々自身がしっかり発信していかなければいけないなというふうに感じたのが一つですね。
それから、鳥獣害に悩まされ続けていると。これは自民党の鳥獣害対策の特別委員会が中間取りまとめをして、来年度の重点施策として提言がなされております。深刻な状況になってきて、これがやはり営農意欲を非常に阻害したり、その結果として耕作放棄が拡大したり、限界的な集落などでは集落を捨てていくというようなことにまでつながる恐れがあるということを言われているんですけれども。これは環境省と農林(水産)省、しっかり連携をとって新しい鳥獣害対策をしっかりと打ち出さなければいかんなと。しかし、なかなか難しいんですね。主として私が行った地域はシカの害ですけれども、「耳を澄まして下さい、今、キッと鳴いているのは、あれシカですよ」と。あれを一つ聞くということは、周辺に相当数のシカが近くまで来ているということになります。それから、ひと山越えてというか丘を越えてその先はもうイノシシが出てきています。イノシシとシカが併せて出てくると、もう本当に畑作地帯は壊滅的にやられる恐れがあるということで、これを何とかしてもらわないと大変だというような意見が出てました。
それから野菜ですから、白菜とかあるいはまたキャベツ、レタス、そういうかなり大規模な人達ですけれども、外国人研修生として中国人の研修生を有効な、研修をしながらですけれども、労働力として期待をしているわけですね。こういう外国人労働者がどうも農業の条件に合わないのではないか。つまり、8時間労働とか。農家自身の方が、先生たるべき農家が朝早くから、昼間はずっと休んで夕方涼しくなってからやるとか、いろんな勤務形態、作業従事形態が違うんですけれども。それがやや画一的で、来ている研修生も一緒に働きたいと思っているんだけれども、条件に合わないということで朝も遅く出てくるとか、夕方早く帰っちゃうとか、帰らざるをえないとかいうようなことで非常に不便だという話は出ておりました。これが小海地域での畑作地帯での話でありました。兼業はあまりないんですね、畜産にしても花き、野菜にしても主業農業者です。
もう1か所は、佐久市の水田地帯。たいへん佐久市は広いですから、地域によって違うんですけれども、やや良いコメはできるけれども低湿地、排水不良のところがかなりある。そういう意味では転作が非常に難しい、そういう元々の条件があるところなんですね。
その中で認定農業者で大豆を積極的に取り入れてこの生産調整に参加している農家を訪ね、その方から現場でいろいろ問題を聞いた上でその地域のやはり10戸ほどの皆さん方にお集まりをいただいて、その中には自分は自家消費程度だけれども農業委員をやっているという女性などもおられまして、いろいろな話をお聞きしました。
ここは、いわば生産調整の参加者の方が少なくて、参加しない認定農業者もいるという地域でした。聞いてみると、あの地域でやはり4割ぐらいの調整をしなくてはいけないんですね。だから、そういう調整を被った負担、コメの過剰の生産がなお続いている需給関係をバランスしなければいけませんから、系統組織などが中心になって調整をお願いしているわけです。品目横断に乗るとすれば、それに応えていかなければいけないわけですけれども。もうほとほと大豆を作ったり麦をやったりするというのはもうしんどいと。それよりも気楽にと言ってはいけませんけれども、自由におコメが作れるなら、もうそんな品目横断のゲタだの、ならしだのと、そんなのもらうよりは、もう自由にコメを作らせてもらった方がいいという気分が非常に強いです。
そういう人たちと、いやいやそんな勝手気ままをやったのではコメの価格は維持できなくなると大変なことになるという問題意識の人とが、混住して混在しているわけですね。これは地域の話し合いをしても、なかなかそういうタダ乗りをしていくという人を説得していくというのは農家同士だけでは難しいし、やはり生産者団体としてのJAなりあるいは農業委員会なり、市町村もかかわってもっと話合いをして、自分だけよければそれで農業できるんだというわけではないということをもっと認識を共有してもらわないと難しいなと、そんな印象を受けました。
「小規模の人たちのことをどうですか」と聞いたら、もうそれはそういう人は何といってもやりたい人はやるんで、ここは恵まれた水田の地帯でもあるんですけれども、特段これに何か梃子(てこ)入れをしなければいけないなんてことはないんで、むしろ農業を主業で、それで生活している人が将来に希望や夢を持って、さらに息子たち後継者も引き続き農業をやっていくというような、そういう形を作ってもらわないと地域の将来はないというような発言もありました。
いろいろな発言がありましたから、これは今度のキャラバンの趣旨は説得するんではない説明するんではない、話を聞いてくることだとはじめに申し上げた上で、ずっと話を聞きましたから、それは千差万別いろいろな意見が出ましたけれども、概して言えばそういう意見が強く印象に残りました。

記者

一言で言うと、では今何が必要かと、何か思われたでしょうか。

大臣

やはり、まず一つは畑作地帯は、今まであったいろいろな課題ですけれども、今申し上げたように、鳥獣害対策というのが深刻な対策で、これはきっちりとした鳥獣害対策のシステムを新しく作らなければいけないなと、そういうことですね。
水田地帯の佐久市の方は、やはりもっと、現場の担当者は大変ですけれども、なかなか意見の違う、同じコメを中心に作ってきている生産者が意見の違う者は、我々の世界でもそうですけれども、ディベート(Debate:議論、討議)しろといったって、なかなかディベートできませんよね。だから、そういう違う人達もうまく巻き込んで話し合いをしてくために、そういう場をどう作っていくのか。それにはやはり、そういう場作りのための地域リーダーというのが大変大きな役割を果たしていくんだなというふうに思いました。今、農協が中心になっている場合もあるし、農業委員が中心になっているところもあるし、市町村が前面に出ているところもあるんですね。それはそれで良いと思うんです。地域地域でどういう人が、OBなんかが話し合いの窓口になっているところもあります。そういうようなことが、上から我々が「この人が良い」、「こういうことが良い」と言うのではなくて、そういう役割を果たすような人達をまずはお願いをして、その人が汗をかいていくというような体制。上手くいっているところは、はやりそういうのがきちんと機能しているところではないでしょうか。
ただ、例の4ヘクタール、20ヘクタールについて言えば、私が行ったところは20ヘクタールのそういう集落営農がありませんでしたから分かりませんけれども。4ヘクタールの規模に関して言えば、いろいろな特例を設けていますから、その特例を弾力的にやっていって参加したいという人がいるならば、その人を参加しやすくしていくことが大事だと思いますね。ただ、参加しないという認定農業者は、もう4ヘクタールを超えている人もいるんですよ。だけれども「俺は入らない」とこう言うんですからね。それで、その中にはそれでいて「米価がこんなに下がったのではやっていけない」と言っているです。
それは、ミクロと全体との違いですか。分かるんですけれども、よく自分だけがタダ乗りのようにやれば、自分だけうまい思いをしているようだけれども、全体に大変な迷惑をかけるし、自分の経営も結局はうまくいかないんだというようなことを分かってもらわなければいけないなと、それにはどうしたらいいのかなと。こういうことですね。

記者

今、米価の話が出ましたけれども、ずっと米価が下落していますけれども、やはりこの間、農政改革の中で価格は市場で、所得は政策で守るという方針でやってこられて品目横断対策に入ったわけですけれども、また一方で生産調整の方も生産者、生産者団体主体でという移行を今年度からしました。
その中で米価の下落に対して、政策課題として対応というのはあり得るのかどうか、そこはどういうふうにお考えなんですか。

大臣

これはまさに今日、作況が出るわけですね。その作況がどうなるかというのを睨(にら)んでいるわけですけれども。
この狭い日本と言われるけれども、北海道から九州・沖縄地域までそれぞれの地域のコメ生産というのは、生産形態も違うと同時にできてきた品質も違うし、そういう品質はマーケットや何かの評価もあるし、それを消費者にどう品質の違いを理解して買ってもらうかと。
今までどちらかというと、長い間、買ってもらうための特性のアピールとか、あるいは品質の改良とか、そういう消費者志向の姿勢というのは弱かったと思うんですよね。それがだんだん今出てきているところですから。やはりどういうようなお米がどういうような地域、あるいはどういうような階層、どういうようなお店で売られていくかというようなことについて、だんだんと知見を積み重ねてきていると思うんです。
そういうことで産地と消費者との間で、消費者団体あるいは卸、小売りを通じての流通過程との間で信頼と同時に注文がきちっとついてくれば、それがやはり良い方法だと思うんですよ。価格を下支えするとか、そういうようなことは異常な事態に対応する以外は、やはり市場の需要に応じて生産をしていくという基本でやるべきだと思っていますけれどもね。
長い間、コメというのは、いわば政府が買い入れていく。昔、私らの世代は供出とか言って出される、またおコメの方も配給といったような、そんな観念にどっぷり浸かってきましたからね。それに不満もあるんでしょうけれども。

記者

今のような生産過剰による(米価の)下落というのは、異常な事態には当たらないという・・・。

大臣

今のようなことでは異常とは言えないんではないでしょうかね。

 

 

以上

 

 

 

 

 

 

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