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太田農林水産大臣就任記者会見概要

日時 平成20年8月2日(土曜日)14時19分~15時06分 於:第2特別会議室
主な質疑事項
  • 就任にあたって

大臣

皆様こんにちは、先ほど午前中に官邸におきまして農林水産大臣に任命をされました。それに先立って、皇居で国務大臣の認証をいただいたところでございます。
今日は、初めて記者クラブ、記者会の皆様方にこうやってご挨拶をするわけでありますけれども、これまで二十数年間農業の世界、農政については、その時その時の濃淡はあれ、携わってまいりましたので問題意識は持っております。
一方で、食料価格の高騰、もちろんエネルギー価格の高騰ということがあって、そして国全体として日本経済が大きな危機に立たされているわけでありますけれども、その中で食料については、これまではむしろ主食用のコメの過剰ということが典型的に取り上げられて、そして、食料過剰に対してどういうふうに対応するのかということが、主たるテーマでありました。そのために相次ぐ減反政策をしたりいたしまして対応してきたわけでありますが、その問題自体は今も変わっていない、主食用のコメが生産過剰状態から変わっていないわけでありますから、余計、問題が面倒になるわけでありますが、一方では、輸入食料に依存する分野というのが価格の高騰で、水産も、あるいは畜産酪農も経営的に大変困難な状態にあるということが同時に起こっているわけでございます。
長い目で見れば、これは両方とも答を、我が国が持っている農地を全て有効に利用することができれば、これは何とかなるはずだと、いうふうに思うのでございます。しかしながら、物理的に物事をやれるわけではなくて、実際そこでそれを担う農家の方々、あるいはその水産業に携わる方々がおられるわけでございますから、そういった方々の人生設計、合理的な選択というものに合うように、どう政策をとっていくかということだと思います。そういう意味で、大変、食料ですからこれは他の産業とは違って日本国民が生きていけるかどうか、食料が絶対的に不足するという事態になりましたら、これは生存そのものを脅かされるわけでありますから、食料は別の話だと、特別扱いをしなければいけないというふうに思っております。その中で、様々な改革を通じて合理的な人々の行動というものに合った農政を展開しなければいけないというふうに思っております。
その他のWTOの問題や食品の安全の問題、この数年間次々と起こってきたことにつきましても、何も困難が去ったわけではなくて、引き続き前任の、歴代の農林水産大臣のご努力をきちんと踏まえて頑張ってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

記者

先日、決裂したWTO交渉の経緯を踏まえて、総理は農業に関しては執行猶予みたいな部分もあると発言されております。そして農業の体質強化が急務だとの考えも示していらっしゃいます。体質強化の必要性や具体策について大臣のお考えをお聞かせください。

大臣

WTOの交渉については、農業分野についての決裂というのをどう見るかというのは、これで今まで詰めてきたものは一応白紙に戻ったというわけにもいかない。さらなる努力をしていかなくてはいけないということでございます。であれば、例えば重要品目の割合とか、いうようなことで、ある程度の見えてきたといわれる合意がもし将来なされるとすればということは、考えておかなくてはいけない。今よりも一層コストダウンの努力はしなければいけないだろうと思います。競争力を強めることのためにいろいろなことをやって行かなくてはいけない。創意工夫を重ねていかなければいけないということだと思います。それは従来からやってきた経営安定対策というか、担い手の強化というふうなことだろうと思います。

記者

現時点で具体策について何かアイデアお持ちでしたら教えてください。

大臣

いろいろ考えていますけれども、ちょっとこれは就任したばかりで思いつきを言うことではないと思いますので、皆様とこれまでのことをよくお聞きして調整をしてまいりたいと思います。

記者

食料自給率についてです。自給率の向上につながる具体策について、大臣のお考えをお聞かせ下さい。それと、それに関して若林前大臣は自給率を今の39パーセントから50パーセント以上に引き上げるための工程表を作成するお考えを示していらっしゃいました。これに関して大臣はどうお考えでしょうか。

大臣

もちろん目標を掲げることはよいことであります。努力をして、こういうステップを踏んで作っていくことはよいことであります。そういう作業を今やっているということで45パーセントに持っていくという作業、工程表を作っているということでありますので、それをよく見て判断をしたいと思いますけれども、ただ、実際問題としてこれまで食料自給率の目標はあったのだけれども、逆にそれが低下してきたということがありますから、まずは食料自給率を何であれ上げるということをやらなければ、目標だけではいけないと思います。

記者

45パーセント以上に引き上げるという目標に加えて、若林前大臣は50パーセント以上の新たな工程表の作成を目指す考えを示していらっしゃった。それについてはどう・・・。

大臣

だから、目標を立ててそれに向かって努力をするということは必要ですから、工程表については作って、そのとおりいくように努力をしますけれども、とにかく自給率が上がる方向に持っていくということがとにかく大事なのだと思います。

記者

一点目は農業生産の基本であります土地と人対策について、まずお伺いしたいと思います。農地政策の改革の一環として、今現場では耕作放棄地の全体調査ということで、調査を地べたに張り付いて取り組んでおるところなのですが、この農地政策全般について、大臣として今後どのような展望をお持ちかと言うことをまずお伺いしたいということと、また農地を利用する担い手の育成に向けて、どのような政策をとっていくべきかということ、それから二点目についてでございますが、米の需給、たいへん生産調整強化する中で、皆農家が苦しんでおります。ただ一方、飼料米とか米粉の需要拡大に向けた政策が講じられるということで期待感も強まっております。今後のコメ政策なり、水田経営についてどのようなお考えをお持ちかお聞かせください。

大臣

農地政策について見直しというのは、このところ急速に進んでいるというふうに思いますけれども、要は利用とそれから所有ということを分けて考えるということだと思います。また利用についての規制を緩めていこうという方向であろうと思います。その場合、いったいどこがどうなっているのだ、というデータベースができていないので、今早急にデータベース化を進めているということで、それは最小限やらなければいけない大前提を今、努力をしているということだと思います。
その中で農地についての制約が多かったことが、あるいは耕作放棄地についても、そういうものを作り出してきたのではないかという見方もあるかも知れない。農地政策についてはそれがともかく農業生産の生産力を維持していくというか、守っていくということが第一であって、生産量を守るといったって、それは需要と供給があるわけですから、インフラストラクチャー、政府自体がやる仕事はあくまでも生産力を維持するということであって、そのためには農地の所有と経営の分離ということがそこに関係をしてくるというふうに思うのであります。
そういう中で担い手でありますけれども、人づくりの問題だけれども、だんだんとこれだけ担い手にいろいろな資源を集中しようということでありますから、あるいは担い手というばかりではなくて、耕作者というものにもっと焦点を当てて考える、利用する側に焦点を当てて考えるということになりますと、それが農業経営というビジネスとしての農業の経営管理能力というのを短期間のうちに集中的に高めていかなければいけない、そういう人づくりということが大事になっていると思うのであります。それを受けて農林水産省の中にも人づくりを担当する課を新設をしているということであります。そういう努力がさらに実を結ぶように努力をしてまいりたいと思います。
お互いよく分かっているとおり、日本の主食用のコメの需要というのは、十分我が国の今の耕作している水田だけで間に合うわけであって、6割ぐらいで間に合うわけであります。そうしたら、残りのそれで余ることになる水田をどう活用していくかということに、我々今、困っている食料輸入穀物の高騰というのが一つの答となるであろうと、誰もがそういうふうに思うわけであります。それがまた、できることならば水田で主食用ではないコメを作っていくことができれば、そこに大きくこれからの日本農業に期待することができるならば、それが一番いいことであります。
麦、大豆という世界はありますけれども、いわゆる飼料用のコメで相当資源を使うことができるならば、それが一番いいだろうと思っているわけであります。米粉とか、水田をそのまま活用して過剰分を吸収できればいいというふうに思っております。それがひいては食料自給率の向上になると思いますけれども、ただ、これは今データベース化しているもの、今分かっていることで、どれだけそのような低コストで生産をする飼料用のコメや米粉といったことに適する土地がどれだけあるかということはよく調べてみなければいけないというふうに思います。

記者

先ほどの質問と絡めて今のお答えがあったのかと思います。いわゆる耕作放棄地の全体調査によって、農地が現状どういうものになるのかということに、飼料米の生産という意味からもご関心が高いというふうに受け止めてよろしいのでしょうか。

大臣

そうです。

記者

WTO交渉についてお伺いします。現地で取材してまして、今回の閣僚会合の交渉で日本が存在感を発揮できたとは言い難い状況だと思うのですけれども、大臣がこちらでご覧になっておられて日本の交渉の進め方について、どのように見ておられたのかというのが一点と、もう一点は昨日官邸でも私、大臣の会見聞かせていただきましたが、WTOについては原理主義的な自由貿易論者が幅をきかせている、席巻しているということをおっしゃっておりましたけれども、その雰囲気を変えなければいけないと。具体的にどのように今の食料輸出国を中心とした議論を変えていこうと思われていらっしゃるのか、その当たりのご所見をお願いします。

大臣

最初のご質問は、我が国が果たした役割が影が薄かったではないかということをおっしゃっておられるのだろうと思いますけれども、それは交渉の過程でどう見通しを立て、あるいはどこでどこまで役割を果たすかというのは多国間の協議でありますから、そういうふうに見える場合もあると、影が薄かったふうに見える場合もあると思いますけれども、結果として我が国が何かの交渉の成立にブレーキをかけたわけではなく、こういう今の状態にあるわけでありまして、そこはその場に行ってみなければ、どうなっているかなかなか言えないことだと思います。
どの国も別に大上段振りかぶって、自己を主張してその中で何かことが実現したというのではなかっただろうと思います。誰が格好が良かったと、リーダーシップを取ったとか取ろうとしたということはなかったように思います。だから、格段日本の交渉態度について、今にわかに結論めいたことを言う気にはならないわけでございます。
結局、私が昨日申し上げたことは、多くの国が原則として自由貿易による恩恵はどの国も受けているわけであります。そのことはどの時代も、この50年とかの間でそう変わっていないわけであります。今までも原理主義的な自由貿易でなくたってちゃんと世界はうまくやってきているわけであって、それをことさら、居丈高に主張をし、それに沿った合意を取り付けようと思っても、実際には国境があって、国があって、その国の国民それぞれ自分の国の食料を守っていかなくてはいけないということがあるわけですから、全く素っ裸になって自由化をしていいという国がそんなにないのだろうと思います。
だから、そういうことがそのもう一つの国としての合理的な行動、自由貿易という目標を追うということと、自分の国の食料は自分で守る、特に最近のように価格が高騰してくるときには、自分のことは自分で守るという食料安全保障的な考えと両方あって、それがその気持ちが決裂をしたということにも出てきたのではないかと思います。
だからそこは、両方とも自国の食料を守りながら、しかし、基本的にマーケットの、自由貿易のルールと秩序というのを、それはそれで確立していくと、両方を考えなければいけないことだろうと思います。こちらだけを考えていっていいということは、冷静になってみれば誰もがそうは思ってはいない、思わないだろうというふうに思います。

記者

先程、最初の質疑の中でのWTOに関する大臣のご発言をお聞きしてますと、重要品目の割合について、閣僚会合の中で大概6%でというのを議論されてきたわけですが、将来それで合意するかもしれないことを前提に対策を考えるようなふうに聞こえたのですけれども、そういうふうな理解でよろしいのかどうかと、そのことも踏まえて、改めてWTO農業交渉に対する日本の対応方針について大臣のお考えを聞かせてください。

大臣

交渉の結果について、何パーセントになるだろうという予測の基に、6パーセントという数字が最後に出てきたということは覚えていますということ以上のことはありません。
申し上げました6パーセントに合わせて、どうこうしようとした場合、我が国は一応8パーセントと言ったわけでありますから、そこを変えることはないけれども、農業の交渉を巡る状況が大変厳しいので気を緩めないようにと、引き締めて生産性向上に取り組もうという意味です。決して6パーセントを想定して準備をするなんてことはないと。

記者

それを含めて、農業交渉全体の対処方針について改めてお願いします。

大臣

それはさっき言いましたように、我が国は食料の安全保障ということを考えて、この交渉に臨んでいるわけでございますから、多くの国々の本音を引き出して、バランスの取れた、各国の食料安全保障と自由貿易が両立するような合意にすべく努力をしていくということだと思います。

記者

若林大臣もずいぶん力を入れておられた農林水産物、食品の輸出振興についてご所見をお伺いしたいと思います。

大臣

これは、私の地元で言いますといちごの「あまおう」とか、努力をして開拓をしてきた世界もあるわけでもありますけれども、これは、通常の食料生産の話とはちょっと分けて考えなくてはいけない。これは、所得階層がずっと上の人の間の、また違うマーケットでありますので、分けて考えなくてはいけない。
しかし、シンボル的なこととして、こういう高品質の付加価値の高いものが売れるようにバックアップをしていかなければいけない。食料品の輸出1兆円という目標もありますので、それはできる限りのことをしてバックアップをしていきたいという気持ちは前任の若林大臣と同じでございます。

記者

二つお伺いします。のっけからちょっと失礼な質問で恐縮なのですが、衆院の任期を考えると余り長い時間はないと思いますが、大臣ご自身がこれだけはやりたいと思うものを一つ教えてください。もう一つは、昨日も官邸の会見でおっしゃってましたが、今までのやり方では駄目だと、今の農水省のやり方でこれは変えなくてはいけないと思うことを一つ教えてください。

大臣

任期中にこれだけやるというのは、任期中といったっていつまでが任期かは分からないのですけれども、半年か1年でやるというのは、やっぱり方向を、何か方向付けをするということでしょうけれども、さっきから申し上げたように空いている4割の水田というものについてどうするのかということを、農地政策とともに、何かこれはそのはっきりした目標を示せるようになればというふうに思っております。
私はずっと行政改革をやってきましたので、これまでの努力は多として、効率的にやろうという努力はしてきたということはよく多としております。
しかし、まだこれは簡単に政策的な答えは何か出るというわけではないけれども、その時その時の流行というか、時流に流されずにしっかり腰を付けて、みんなを、農林水産業の方(かた)を説得をして、しっかり長期的に取り組んでいくところがもっと必要だな、というふうに思っているところであります。

記者

二点お伺いしたいと思います。まず、規制改革会議で農協におけます公認会計士制度の監査の導入が指摘されておりますけれども、そちらについての大臣のご見解をお伺いしたいのと、二点目が日本の農業におけます農協の役割について大臣のお考えをお聞かせ下さい。

大臣

いわゆる公認会計士を導入せよということでありますが、農協の監査というか、ガバナンスということになるのですけれども、それは組合員による、組合員がその理事を選び、その理事が執行部を選んで、その組合員が選んだ監査人が監査をするというガバナンスの形を取っておくことが大事であって、それに公認会計士の監査を、不特定多数の投資家に向けて説明をするということと、組合員に対して説明するということは別のことであって、不特定多数に対する説明責任というのは株式会社においてもないわけでありまして、そこは何か勘違いがあったのではないかなというふうに思っております。
農協の組織については、効率化が大変進んでいる一方で、こういう短期間の間に縮小してきて、あるいは十分に営農などについて役割が果たせなくならないように、十分注意していかなければいけないと思っております。金融中心になってきてしまっているのだろうと思いますけれども、何とか営農について役割を果たしてもらえるように、よく見ていきたいと思います。

記者

二点あるのですが、一点は、昨年生産調整がうまくいかず主食用のおコメが余剰感があって、備蓄米を買い増す形でこれを買い支えたと思うのですけれども、今年も生産調整がうまくいっていないという今のところ調査もありますが、今年の秋に余剰が出た場合にそういった買い増しなり、価格維持をするというお考えがあるのかというのが一点と。あとは、先ほど行革の話をされていたと思うのですが、地方分権改革の中で出先機関を見直そうという議論を今やっていると思うのですけれども、それについての大臣のご所見を伺えますでしょうか。

大臣

出先機関の話は、これは昨日出たものは、各省に対して本来国でやるべきか地方でやるべきか曖昧な部分がないのかと、それははっきり仕分けをすべしということであったかと思いますけれども。
今、農政事務所ですか、やっているような仕事というのは、もともと本来国が自らやるべきだということになっているものばかりでございますから、その限りでは改めて何か仕分けをしていくということが増えてくると、廃止するものが増えてくるというようなことではないと思います。ただ、今政府がやっている全ての役割というのは見直していかないと、やらなければいけない仕事に集中するためには、あるいは使わなければいけない予算に集中するためには、要らないものを、優先順位が低いものを決めていかなくてはいけないと。優先順位が低いものを決めていくということは、人の問題にもなりますし、あるいは予算の問題にもなる。それは絶えずやっていかなくてはいけないことだと思います。
(コメについては)去年途中から急に買い上げることになったわけですけれども、そういうこと(余剰の状況)が、これからも起きることも十分考えておかなければいけないので、備蓄のルールについて、これから決めていかなくてはいかんと。そういう中で、急に何か、にわかな対応にならないように準備をしておく必要があると思います。今、何をするということは、まだ。十分に、事務方の説明を受けて取り組んでいきたいと思います。

記者

食品の表示のことなのですけれども、食品の表示を偽装していることが相次いで発覚したりして、消費者の方から信頼性と言いましょうか、それへの不信を招く結果となっているのですけれども、この食品表示の問題についてどのようにお考えになるのか、また今後どうしていきたいかというお考えをお聞かせください。

大臣

随分とこの問題についてはいろいろな、中国のギョウザなどいろいろな事件が起きましたし、みんなの関心が強くなってきております。
それに先立って食品衛生とか食品表示のことは蓄積をしていったと思いますけれども、それだけではまだ不十分なのかもしれない。だから、どういう方法があるのかと。今やっている仕事をきちんと、後からまずいことが起きて、そこから何か実際想定していなかったということがないように、今きちんと緊張してそのことに取り組んでおくことではないかと思います。

記者

最初の話になりますけれども、総理からの特に農政に対する指示とかがあったかどうかということと、それから大臣が指名されたことに対してわけといいますか、どのように受け止められているかということを簡単にお聞かせいただけますか。

大臣

総理からは、こういう食料価格・穀物価格の高騰や、あるいはエネルギー価格の高騰でもって国民生活に甚大な影響があるので、力強く取り組んでもらいたいということでございます。もちろん、先ほどの食料の安全性の問題についても十分配慮するというようなことの指示がありました。
私になぜということですが、それは農政については長くその時その時の濃淡はありますけれども関わってまいりましたので、いろいろな事情というか、日本の国が置かれた位置、日本農業が置かれた位置というのが分かっているだろうというふうに思っていただいたと思いますし、また、それは農業だけではなく他のあらゆる分野のことの中で、全体の中で答を出していかなくてはいけないと。行政改革も含めてそういうことを、全体の中での農政という位置付けの中から役割を果たしてもらいたいということだったと思います。

記者

昨日の官邸の会見で、大臣はエサ米についてエサ米を条件の一番いいところで作ると、主食用米は条件が悪いところで作るというような趣旨の発言をしていました。この言葉の真意をもう少しご説明をしていただけますか。どういう政策を目指すのでしょうか。

大臣

事柄はそんな簡単にはいかないことはよく分かっておりますけれども、エサ米のことを考える時に相当いろいろな犠牲を払ってもやらなくてはいけないという強い決意が必要なんだということを言いたくて、ああいうふうに申し上げたわけであります。
主食用を端っこにやって真ん中でエサ米を作るというのはできる話かどうかと、一体それでいくらで、コストがどれぐらいかかってどれぐらいの価格になるのかということも分からない段階ではそれはなかなか言えないと思いますけれども、それぐらいの気合いでやらないとエサ米が広く栽培されるということは難しいだろうということです。

記者

先ほど出先機関という質問があったかと思うのですが、これに関連しまして、地方分権改革の問題につきましてお聞きしたいと思います。
政府の地方分権改革推進委員会は、先ほどの出先機関の問題についてもそうですし、農地転用をはじめとする国から地方への権限委譲の問題について、こちらの農林水産省とかなり立場が異なるように思えるのですが、大臣のこの問題に対する基本的な立場、考え方をお伺いできればと思います。

大臣

農地転用を地方に権限を委譲した方がいいというお話ですか。誠にこれは、我が国の場合は都市というのが非常にコンパクトにできていないわけでして、すぐに周囲に拡散をしていくところがあるわけであります。だから、普通の市場メカニズムというようなことに任せておくと、あっという間に農地というのは都市周辺から消えていくことになります。ですから、やはりより強い農地を守るという決意でもって、守っていかなければいけないというふうに思います。地方に任せたら、それではできないかと、我々も、よく今までも農地転用を要請されて、それに対して、行政の方とそれに取り組んだ、折衝をしたというようなこともありますけれども、結果的には、がんばってくれていることが、今なお日本の農地を守っているのだというようなところはあります。
私は、おそらく都道府県においても同じではないかと、誰かが壁になって立ちふさがらなければいけないということは、なおあるのではないかと思います。

記者

WTOの決裂という結果を受けて、これからFTA及びEPAの推進というのが高まってくるのだろうと思いますが、日本とオーストラリアのEPA交渉、まさに昨日、第6回会合を終えたわけですけれども、農産物の問題が非常に重要なテーマになっていますが、その問題についての対応方針をお聞きしたいと思います。

大臣

オーストラリアとの関係については、それぞれの譲れないこともあるということの前提の上で、あせらずに交渉をしていこうということではないかと思います。アメリカとかEUについては、相当先の話だろうと思っております。だから、WTOがああいう結果になったから、直ちにEPAで何か結果を急いで出さなくてはいけないということではないと思います。

記者

大臣もよくご案内のことだと思いますが、諫早(湾)の干拓事業について、ちょっとお伺いしたいのですが。
開門調査を求めた漁業従事者に対して、開門しなさいという判決が佐賀(地裁)で出たのですが、それに対して、国及び農林水産省は控訴を行いました。その後、若林大臣が、アセスメントを含めて、開門調査に応じるのかどうか良く分からないのですが、とりあえず環境アセスメントをやりましょうというようなことをおっしゃっているのですが、広く今のこの干拓事業を大臣は今後も同じ形で進めていくお考えを持っていらっしゃるのかどうかお伺いしたいと思います。

大臣

私は、今までは諫早のことについては報道で知る限りのことしか知らないので、あまり無責任なことは言えないのですけれども、要するに、どこの海でも、特にああいう遠浅の海では、どこかまで埋め立てたならば、その後また上から土砂が流されてきて、そこが堆積してまた閉め切って埋め立てをしなければいけないということがあるのだと聞いております。
そうしたならば、この話について何か泰然と海と陸とが分かれていて、そのことは相当長期間にわたって固定して変わらないのだということを思えば、違う答もできるのかもしれませんけれども、そんなにスパッとした結論が出てこないというのは、これはしょうがないことだろうと思うのであります。
ただ、公共事業について、金額が大きい公共事業をどうするのかという問題は、国全体として、この埋め立て、諫早湾に限らずあると思うのですけれども、裁判の結果どうするのかと、これはおそらく、とりあえずは時間がないのだから、控訴しておかなければいかんということがあった、その中で真摯な気持ちでアセスメントをやろうということだと思います。
それが穏当な姿勢ではないかというふうに思っておりますので、これからもそういう努力を続けていきたいと思っております。

以上

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