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林農林水産大臣記者会見概要

日時 平成27年10月6日(火曜日)11時01分~11時25分 於:本省会見室
主な質疑事項
  • (大臣より)TPP交渉の大筋合意について
  • TPP交渉の大筋合意について
  • 国営諫早湾干拓事業について
  • 平成27年9月7日から9月11日までの間の暴風雨及び豪雨による災害に係る激甚災害の指定について

大臣

はい。それでは、昨晩でございますが、TPP/環太平洋パートナーシップ交渉参加12カ国は、TPP交渉閣僚会合におきまして、協定の大筋合意に至りました。TPP交渉に当たっては、衆参両院の農林水産委員会の決議をしっかりと受け止め、我が国の農林水産業や農山漁村に悪影響を与えないよう、政府一体となって粘り強く交渉に取り組んでまいりました。この結果、関税撤廃を原則とするTPPの交渉にあっても、重要5品目を中心に、関税撤廃の例外に加えて、国家貿易制度・関税割当の維持、セーフガードの確保、関税削減期間の長期間化等の有効な措置を獲得することができました。一方で、一部の品目については、生産者の皆様の間には経営に影響が及ぶのではないかとの懸念もあります。先ほどの総理の記者会見において、総理を本部長とし全閣僚を構成員とする「TPP総合対策本部」を設置し、政府全体で責任をもって、できる限りの総合的な対策を実施していく旨の表明がありました。農林水産分野については、TPPの影響に対する農林漁業者を始め国民の皆様の懸念と不安を払拭するとともに、農林水産物の重要品目について、将来にわたって意欲ある農林漁業者の皆様が希望を持って経営に取り組めるようにすることにより確実に再生産が可能となるよう、交渉で獲得した有効な措置と合わせて、政府全体で責任を持って万全の国内対策を講じていく覚悟であります。農林水産省においても、私を本部長とする「農林水産省TPP対策本部」を設置し、合意の実施に伴い生ずる諸課題に係る対策を検討してまいります。農林水産業は国の基であり、国民に食料を安定的に供給し、地域の経済を支える重要な産業であるとともに、ふるさとと国土を守るなどの多面的な機能を有しております。TPPによる新たな国際環境の下でも、強くて豊かな農林水産業、美しく活力ある農山漁村を創り上げていけるよう、政府一体となって万全の国内対策を講じてまいりますので、国民の皆様の御理解と御協力をお願いをいたします。私からは以上です。

記者

二つお願いします。今、全体の大臣のコメントいただきました。具体的にお聞きしますが、昨日、大体、内容の説明ありましたけども、牛肉がですね、9パーセントというですね、大幅な関税引き下げ、これは、かなり譲歩を迫られたということになると思うんですけども、どう受け止めていらっしゃいますか。

大臣

はい。牛肉についてはですね、主要輸出国であるアメリカ・豪州からですね、関税撤廃の圧力が極めて強かった。こういう中でギリギリの交渉を行った結果ですね、米国等が近年締結をしておりますFTAではですね、類例を見ない「関税撤廃の例外」を獲得することができたということでございます。また、輸入急増に対するですね、セーフガード、これも確保することができたということであります。しかしながら、生産者の間にはですね、現行の関税水準からの引下げで、輸入牛肉と競合する乳用種を中心にですね、国内産牛肉の価格が下落して、生産者の経営に影響が生じるのではないかと懸念する声があるということを承知しておりますので、政府一体となってですね、将来にわたって意欲ある生産者が希望を持って経営に取り組めるようにすることによってですね、確実に再生産可能になるように、交渉で獲得した措置と合わせてですね、万全の措置を講じていきたいと、こういうふうに考えております。

記者

なんで、一桁まで押し込まれたんでしょうか。

大臣

これは、先ほど申し上げましたようにですね、主要輸出国であるアメリカ・豪州からの関税撤廃の圧力が極めて強い中でのですね、ギリギリの交渉を行った結果だと、こういうふうに思っています。

記者

わかりました。今後の対策ですけども、いろんな品目ありますが、先ほど総理がですね、コメについて、市場に流通する量を増えないようにして対策をすると。コメについて、市場の流通量を増やさないってことを、総理おっしゃってました。具体的に、今、コメに関する対策とか、牛肉でもかまいませんけども、大臣が持っている対策の中で、いくつか紹介していただけるとありがたいです。

大臣

はい。コメはですね、我が国にとって、国民の主食であるとともに、最も重要な基幹的な農作物であるということで、厳しい姿勢で交渉に当たった結果ですね、まず、現行の国家貿易制度を維持した上で、新しい輸入枠の設定ということになりました。しかし、これによってですね、市場に流通するコメの総量を増やすことにならないようにですね、必要な措置を講じて、農家の方々に御迷惑をおかけすることがないようにですね、していきたいと思っております。アメリカと豪州への国別枠、合計7.84万トンということですが、当該数量全量が輸入されて、国内のコメの流通量がその分増加するということでですね、国産米全体の価格水準の下落が生じるのではないかと、こういう懸念もあるところであります。このためですね、毎年の政府備蓄米の運営、これを見直しまして、国別枠の輸入量に相当する数量の国産米をですね、確実に政府が備蓄米として収穫前入札によって買い入れまして、市場に流通する主食用米の総量が増加しないようにすることを通じてですね、輸入量の増加が、国産主食用米の生産や価格に与える影響を遮断することによってですね、確実に再生産が可能となるようにしていきたいと、こういうふうに考えているところでございます。

記者

まず、そのためには、税金を使うわけですよね。その点については、どう思われますか。

大臣

はい。これは、いろんな政策にはですね、コストが伴うものがありますので、先ほど申し上げたように、再生産可能となるようにするためのですね、必要な措置に伴う経費だと、そういうふうに考えております。

記者

諫早湾干拓についてお尋ねしたいんですけれども、昨日、福岡高裁が和解協議に応じるように勧告を出しました。これに対する大臣の受け止めとですね、今後の対応についてお願いします。

大臣

はい、昨日ですね、福岡高裁から請求異議訴訟について和解の協議を勧告する内容の文書の送付を受けたところでございます。国としてはですね、和解に向けた協議が可能であればですね、それが望ましいというふうに思っておりますが、開門に反対の立場の方々もですね、踏まえた協議でなければ包括的な問題解決は困難であるとこういうふうに考えております。

記者

そうなりますと長崎県の対応次第ということでしょうか。

大臣

はい、これは仮定を前提とした御質問はなかなか難しいわけでございます。ただですね、福岡高裁から和解の協議を勧告する内容の文書が送付されたということについては、事務方からですね、開門差し止め原告の方々などにお伝えしたいとこういうふうに考えております。

記者

基本的には応じないということでよろしいでしょうか。和解協議、今回の勧告には応じないというふうな、拒否するということですか。

大臣

いや、そうではなくて、先ほど申し上げたように可能であればですね、それが望ましいことでありますけれども、開門に反対の皆様ですね、含めた協議でなければなかなか難しいであろうというふうに考えております。

記者

昨日の和解の福岡高裁の勧告文では、国がこれまでおっしゃっている司法の統一的判断を求めるというだけでは解決は予断を許さないというふうに言っていて、つまり国の今のやり方では解決は心許ないんじゃないかと指摘をしていると。その中でも、やはり、現時点でもやはり、国の司法の統一的判断を求めるという立場には変わりはないということですか。

大臣

基本的なスタンスはですね、従来から申し上げているように統一的な判断を求めていくということでございますし、各種の訴訟に対応すると同時にですね、当事者間の話合いを通じてですね、解決するというこの糸口をしっかりと見つけていく、この努力は併せてやっていくと、これも変わらずにやっていきたいと思っています。

記者

裁判所が勧告という形で協議での解決を求めるというのは異例だと思うんですけども、事ここに至ってもやはり国の姿勢が変化がないというのは、解決する気があるのかどうか疑われると思うんですね。この辺について改めて大臣の所見を伺いたいと思います。

大臣

そうですね、我々申し上げてきたように最高裁の統一的な判断ということをずっと言ってまいっておりますし、引き続きですね、解決に向けて当事者間のですね、話合いを求めていくという立場はですね、変わらずにやっていきたいと思っております。

記者

TPPに話を戻します。今、先ほど、コメの対策の話ありましたけれども、牛肉・豚肉等、畜産農家にも影響考えられると思うのですが、そのあたり具体的な対策については、どのようにお考えですか。

大臣

はい。コメの話は、先ほどいたした通りでございますが、それ以外の分野についてもですね、それぞれ、ギリギリの交渉をして、いろんなものをですね、先ほど申し上げたように、獲得ができたと、こういうふうに思っております。したがって、どういう影響が出るかも、しっかりと精査をしながらですね、この交渉によって獲得された措置に合わせてですね、万全の措置を講じていくということをですね、やっていくということで、今後ですね、しっかりと検討を、総理の本部長になった(TPP総合対策)本部でですね、それから、我が省の(TPP対策)本部、あわせて、しっかりやっていきたいと思っております。

記者

対策については、今年度補正、来年度予算等についても、早速講じていくということになるんでしょうか。

大臣

はい。必要な措置をですね、講じるために、なるべく早い段階でですね、まとめていかなければなりませんが、やはり、総理からもお話がありましたように、これをですね、TPP協定の締結について、国会に承認を求めていくことになりますので、それまでの間にですね、政府全体で責任を持って、国内対策は取りまとめたいと、そういうふうに思っております。

記者

もう1点、ガット・ウルグアイ・ラウンドのときには、6兆円という農業対策をうったということなんですが、今回、TPPについて、どのくらいの規模の農業対策必要かというふうにお考えでしょうか。

大臣

そうですね。これは、今後、どういう具体的な影響を生じるかということをですね、よく精査をしなければいけないと、こういうふうに思っています。その上でですね、先ほど申し上げたようなところで、しっかりと、万全の措置ということをですね、やっていくと、今の段階ではそういうことじゃないかと思っています。

記者

備蓄米の運営のですね、変更について、もう少し具体的に説明お願いしたいんですけれども、今、毎年20万トン、5年間で100万トンをですね、今、買い入れていると思うんですけど、それに対して、どうふうな変更をしていくのかという、今の検討の案が、もしあれば、教えていただきたいのですが。

大臣

はい。今の段階ではですね、先ほど、幹事社の方に申し上げたようにですね、国別枠の輸入量に相当するものを確実に買い入れようと、こういう方向で検討しておるところでございまして、更に詳細にですね、どういうふうにやっていくのかということはですね、先ほど申し上げたような手続の中で、しっかりと詰めていきたいと思っております。

記者

話が変わるんですが、本日の閣議で台風18号に関わるところ、農業被害について、激甚指定されました。政府一体で取り組むものだと思いますけれども、御省としてはどのように取り組まれる考えか伺います。

大臣

はい、今朝の閣議でですね、この激甚指定が決まったわけでございますが、台風18号のですね、農林水産関係の被害ということで、申し上げますと、10月2日現在でですね、26県。宮城、茨城、栃木が中心ということでございますが、農業でですね、農地・農業施設の損壊が3,155箇所。林業では林道施設の損壊等で1,542箇所。水産関係では漁港施設の損壊等で53件の報告を受けておりますが、まだこの茨城県を始めですね、調査中というところもございますので、さらに全容把握していかなければいけないと思っております。農林水産全体では、340億を超えるところのですね、報告が来ておるところでございます。この、今、お話がありましたようにですね、激甚災害の指定がございましたので、農地・農業用施設・林道の災害復旧事業の補助率ですね、かさ上げをされます。通常の8割からですね、9割程度ですが。それから農林水産業共同利用施設、これは農協とかですね、地方公共団体等の倉庫、加工施設、カントリーエレベーター等のですね、災害復旧事業、これも補助率がかさ上げになります。通常の2割の補助率が特例で5から9割程度ということでございます。こういうこともしっかりと使いながらですね、関係自治体と連携して、まずは被害状況を速やかに把握をするとともにですね、被害への迅速かつ的確な対応をしっかりと行ってまいりたいと思っております。

記者

冒頭ですね、大臣、国会決議をしっかりと受け止めて、粘り強く交渉に当たってきたというお話がありましたけれども、今回の、特に5項目についてのですね、妥結内容、合意内容なんですけれども、これは、国会決議には反しないというお考えなんでしょうか。

大臣

はい。TPPがですね、包括的で高い水準の協定を目指して、関税撤廃の圧力が極めて強い中でですね、政府としては、衆参農林水産委員会の決議をですね、後ろ盾にギリギリの交渉を行ってきたということであります。先ほども申し上げましたように、関税撤廃を原則とするTPP交渉の中でですね、重要5品目を中心に、関税撤廃の例外、国家貿易制度の維持、関税割当・セーフガードの創設、関税削減期間の長期間化等、有効な措置を獲得できたわけでございます。将来にわたって意欲ある農林漁業者がですね、希望を持って経営に取り組めることにするように、確実に再生産可能となるようにですね、交渉で獲得した措置と合わせて、万全の措置を講じていく考えでございまして、今回の大筋合意内容においてですね、再生産可能となるためのベースを確保できたというふうに思っております。

記者

TPPなんですけれども、政府は3月に、「食料・農業・農村基本計画」策定して、自給率を45パーセントに引き上げる、あるいは、各品目ごとにですね、生産努力目標を設定しておりますけれども、大筋合意によって、この目標を変える必要が出てくるのかどうか、お考えを聞かせてください。

大臣

はい。先ほど申し上げましたようにですね、これから、具体的な影響を生じ得るか、十分精査をしていかなければいけないと、こういうふうに思っております。まず、その上でですね、再生産可能となる希望を持って経営に取り組めるようにですね、確実に再生産可能となるように、この交渉で獲得した措置と合わせて、万全の措置を講じていくという考えでございまして、その上でですね、更に必要な、今おっしゃったようなことも含めてですね、見直しが必要があればですね、その時点で、また、考えていくということになろうかと、こういうふうに思っております。

記者

今、TPPの話の中で、大臣の方から、重要5項目については、再生可能の範囲内というような御紹介があったと思うんですけど、これの根拠となる部分なんですけど、今の時点で、TPP交渉に参加を決断する前にですね、農水省が試算した、影響3兆円、全ての関税撤廃でですね、影響3兆円という試算から、今回の合意内容を基に、何らかの試算をして、それで、再生産可能な範囲内というような、そういう御発言に至ったのでしょうか、それとも、そこはもうちょっとざっくりした、大臣の所感としてお話になられたのでしょうか。

大臣

はい。先ほど申し上げたようにですね、関税撤廃の例外に加えてですね、国家貿易制度の維持等々ですね、有効な措置を獲得できたということで、再生産可能となるためのベースが確保できたと、こういうふうに申し上げたところでございます。今お話のあったですね、影響試算でございますが、(平成)25年の3月にですね、政府統一試算ということで、内閣官房で経済全体への影響を試算するときにですね、農林水産省でも国内農林水産物の影響試算について協力を行っております。今回のですね、実際の交渉結果を踏まえた試算についてはですね、内閣官房の方で、TPP協定に係るですね、条約案を国会審議していただくに当たってですね、TPPの効果を説明できるように準備を進めるというふうに聞いておりますので、御依頼があればですね、我々としても必要な協力はやっていきたいと、そういうふうに思っております。

記者

そうすると、今後、今回の昨日、御紹介があった合意内容に基づいて、新たに農水省でも試算をまとめる御用意があるという。

大臣

正確に申し上げますと、内閣官房で試算をされますので、内閣官房から依頼があればですね、それに応えて、我々の範囲でやれることを御協力すると、こういうことになると思います。

報道官

他にございませんか。

記者

農業分野では、結構、やっぱ痛みというか、どれだけの痛みか分かりませんが、あると思いますけども。日本全体として、本当に、どれだけメリットがあるのか、大臣の、ちょっと、お考えをお聞きしたいんですけども、これまで、交渉中ってことで、なかなか大臣も発言を慎重にされていたと思うようなところもあると思うんですけど、日本の将来を全体考えて、これはプラスになるかどうかというのはいかがですか。

大臣

はい。これは、もう、総理が先ほど会見をしていただいたことにですね、尽きると、こういうふうに思いますが、総理が、自らおっしゃっていただいておりますようにですね、かつてない規模のですね、人口8億人、世界経済の4割近くを占める経済圏が生まれていくということでございますし、新しい31分野(30章)に及んでですね、関税の市場アクスにとどまらずですね、例えば、知的財産ですとか、労働、インターネット、幅広いところでですね、いろんな新しいルールができたということでございますので、この新しい経済圏の中でですね、大いに力を発揮していけるようにですね、大きなチャンスが生まれたと、こういうふうに思っておりますので、私は農業も、農林水産業も例外ではないと、こういふうに思っております。輸出についてもですね、従来の5千億の壁を超えて、今、伸ばしておりますけれども、こういうTPPを契機に、更に伸ばしていきたいと思っておりますし、TPPはですね、更に今後、加盟国はですね、増えていくということも想定をされますので、これが今からできていくですね、例えばRCEP(東アジア地域包括的経済連携)ですとか、さらには、その先のFTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)といったようなですね、ものの原型にもですね、なっていくのではないかと、こういう期待もされるところでございますので、攻めの農政ということをですね、広い圏域の中でもですね、しっかり出していける対策をやると同時に、攻めの農政の政策も進めていきたいと、そういうふうに思っております。

報道官

他にございませんか。よろしいですか。以上で会見を終了します。

以上

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