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プレスリリース

「気候変動枠組条約第23回締約国会議(COP23)」等の結果について

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平成29年11月21日
農林水産省

平成29年11月6日(月曜日)から11月17日(金曜日)まで、ボン(ドイツ)において、「気候変動枠組条約第23回締約国会議(COP23)」及び関連会合が開催されました。
今次会合では、科学上及び技術上の助言に関する補助機関会合で議論されていた農業分野について、今後は科学技術面に加えて、その実施について併せて扱うことが合意されました。これにより、農業と気候変動に関する実質的な取組を検討していくための基礎ができました。また、パリ協定の実施指針等について、各指針のアウトラインや要素が具体化されました。

1.概要

気候変動枠組条約締約国会議(COP※1)は、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを究極の目標として1992年に採択された「国連気候変動枠組条約」(United Nations Framework Convention on Climate Change)に基づき、1995年から毎年開催されている年次会議で、今回は第23回の会議が開催されました。また併せて、「京都議定書」(Kyoto Protocol)に基づく、京都議定書締約国会合(CMP※2)の第13回会合、昨年11月に発効した「パリ協定」(Paris Agreement)に基づく、パリ協定締約国会合(CMA※3)の第1回第2部、科学上及び技術上の助言に関する補助機関会合(SBSTA※4)、実施に関する補助機関会合(SBI※5)及びパリ協定特別作業部会(APA※6)が開催されました。
今次会合においては、農業分野について、今後は科学技術面に加えて、その実施について併せて扱うことが合意されました。これにより、農業と気候変動に関する実質的な取組を検討していくための基礎ができたことは、世界各国、国際機関、NGO等から「歴史的合意」として歓迎されました。さらにパリ協定の実施指針等に関する議題においては、2018年のCOP24までの作成に向けて各指針のアウトラインや要素が具体化されるとともに、今後の交渉の進め方について合意しました。

※1 COP:Conference of the Parties
※2 CMP:Conference of the Parties serving as the meeting of the Parties to the Kyoto Protocol
※3 CMA:Conference of the Parties serving as the meeting of the Parties to the Paris Agreement
※4 SBSTA:Subsidiary Body for Scientific and Technological Advice
※5 SBI:Subsidiary Body for Implementation
※6 APA:Ad Hoc Working Group on the Paris Agreement

2.開催日及び場所

日程:11月6日(月曜日)~11月17日(金曜日)
場所:ボン(ドイツ)
(なお、今次会合の議長国はフィジー)

3.参加国・地域

気候変動枠組条約締約国、関係国際機関、NGO 等

4.出席者

我が国政府からは、中川環境大臣をはじめ、外務省、財務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省他が出席しました。農林水産省からは、牧元林野庁次長他が、またサイドイベント出席のため、西郷農林水産省顧問(前・技術総括審議官兼農林水産技術会議事務局長)他が出席しました。

5.当省関連の議論及び関連イベントの内容

(1)農業分野
気候変動と農業をめぐっては、2011年のCOP17において、農業に関する事項についてSBSTAの議題として検討することが決定されました。その後、議論が続けられていましたが、食料安全保障のためにはもっぱら温暖化に対する適応や実施手段が重要と主張する途上国側と、温暖化に対する適応と排出削減等による温暖化そのものの緩和のバランスを重視する先進国側の隔たりが大きく、実質的な結論が得られていませんでした。今次会合では、これまでSBSTAで検討されたことを生産現場での実施につなげることに焦点を当て、そのための気候変動枠組条約下の適切な体制について、連日、各国の農業担当交渉官が長時間に及ぶ議論を行いました。
その結果、SBSTAとSBIが共同で農業に関する事項に取り組むことで合意に達し、COP決定として採択されました。また、取り扱うテーマには、温暖化に対する適応と強靭性(レジリエンス)、土壌炭素や家畜管理が含まれ、専門家会合開催等を含む具体的な作業を進めていくことも合意されました。これにより、今後、農業に関する実質的な取組を進めていくための基礎ができ、各国、国連食糧農業機関(FAO)等の国際機関、NGO等から「歴史的合意」として歓迎されました。

(2)パリ協定の実施指針等の作成作業
パリ協定では、農林水産分野に関して、森林等の吸収源及び貯蔵庫を保全し強化する行動を実施すること、途上国における森林減少及び劣化に由来する排出の削減等(REDD+※7)を実施し支援することの必要性が規定されるとともに、農業分野における食料安全保障の優位性及び食料生産システムの気候変動の悪影響に対する脆弱性が認識されています。
当省としては、我が国の森林経営や農地管理等が吸収源として適切に評価される指針等の作成を目指しています。
今次会合では、APAやSBSTA等において、パリ協定の実施指針等の作成作業が議題ごとに行われ、2018年のCOP24での実施指針等の合意に向けて、主要な議題ごとにアウトラインや要素について各国の意見を盛り込んだ非公式文書が作成されるとともに、2018年4月下旬から開催される次回補助機関会合の成果を踏まえて、COP24前に追加会合を設けるか判断する等、今後の交渉の進め方について合意されました。当省からの参加者も関係各省の参加者と連携して関連議題に対応しました。

※7 REDD+ : Reducing emissions from deforestation and forest degradation and the role of conservation, sustainable management of forests and enhancement of forest carbon stocks in developing countries

(3)途上国の森林減少・劣化等に対する支援
REDD+など森林分野における温暖化を緩和する活動に対する支援をめぐっては、2013年のCOP19において、効果的な実施のための調整の必要性が提起され、2014年のCOP20以降、締約国等による自主的会合が計4回開催されました。その上で、今回のSBIにおいて、(ア)自主的会合の成果、(イ)支援の調整のための新たな組織・制度の必要性などを検討し、COPに勧告を行うこととなっていました。
今次会合では、我が国は、REDD+については緑の気候基金(GCF:Green Climate Fund)等既存の体制の下で、その実施に注力すべきとの観点から、他の先進国とともに、新たな組織・制度は必要ないと結論づけ、本議題における検討を終了すべきと主張しました。しかしながら、検討を継続しようとする途上国側との間で意見がまとまらず、2018年4月下旬から 開催されるSBI48で再度議論を行うこととされました。

(4)関連イベントの実施及び参加
(ア)ハイレベル円卓会議「気候変動下での小島嶼開発途上国における食料安全保障・栄養と水産業」(サイドイベント)
11月14日(火曜日)に、国連食糧農業機関(FAO)の主催により、ハイレベル円卓会議が開催されました。フィジー政府農業大臣が議長を務め、パラオ大統領、セントルシア農業大臣を始めとする閣僚及び開発支援を行う機関が一堂に会し、気候変動により小島嶼開発途上国(SIDS※8)が直面する課題、ニーズ及びその解決策について議論が行われました。日本からは、牧元林野庁次長が参加し、我が国がFAOを通じて行っている水産資源の持続的な管理に対する支援に関する報告を行い、今後、島嶼国の女性活躍を後押しする支援を強化すること等を紹介しました。

※8 SIDS:Small Island Developing States

(イ)「気候変動の下での持続可能な食料生産の実現に向けたグローバル・リサーチ・アライアンス(GRA※9)の取組」(サイドイベント)
我が国は、本年8月末から1年間、農業分野の温室効果ガスに関する国際研究ネットワークであるGRAの議長国を務めています(議長:岩永国立研究開発法人国際農林水産業研究センター(JIRCAS)理事長)。GRA議長国としての活動の一環として、11月13日(月曜日)、GRAとともに、西郷農林水産省顧問を議長として本サイドイベントを開催しました。GRAからGRAの活動及び我が国で開催したGRA理事会の結果概要を、我が国及びGRA副議長国のドイツから国際共同プロジェクトを、国際的イニシアチブ(CCAC、CCAFS※10)から途上国におけるGRAパートナー機関の活動を紹介しました。その後の議論をとおして、「持続可能な食料生産と農業由来の温室効果ガス排出削減の両立」を目指すGRAの活動の重要性への認識を高めるとともに、我が国の貢献についても十分にアピールすることができました。

【参照】サイドイベントの結果について
http://www.affrc.maff.go.jp/kokusaikenkyu/COP23_GRA.htm[外部リンク]


※9 GRA:Global Research Alliance on Agricultural Greenhouse Gases
※10 CCAC:Climate and Clean Air Coalition to Reduce Short-Lived Climate Pollutants
CCAFS:Climate Change, Agriculture and Food security

 

(ウ)「気象データを用いた農業の向上」(サイドイベント)
11月10日(金曜日)に、ニュージーランド政府主催により、本サイドイベントが開催されました。精密農業が全ての農業生産者に対して提供する機会を紹介することを目的として、世界銀行、国際農業機関等に所属するパネリストから、農業分野のデータ活用に関する発表が行われました。我が国からは西郷農林水産省顧問が登壇し、政府主導のICT農業、スマート農業について発表し、アジア地域のウンカの飛来予測シミュレーションや、ドローンを活用したほ場のデータ収集等について紹介しました。農業生産性及び効率性の向上のためにはデータの活用が有効であり、資源の有効活用及び温室効果ガスの排出削減にもつながることが示されました。

(エ)「熱帯におけるマングローブ:気候変動緩和と適応に対する潜在能力の実現」(サイドイベント)
11月13日(月曜日)、森林研究・整備機構及び国際熱帯木材機関(ITTO)の共催により、熱帯地域のマングローブが有する気候変動の緩和及び適応に対する役割や可能性をテーマとしたサイドイベントが開催されました。同イベントでは、我が国から牧元林野庁次長が出席し、我が国によるマングローブ関連の取組等を紹介するとともに、森林研究・整備機構、インドネシア環境林業省、国際森林研究センター(CIFOR)等の森林担当者による発表、マングローブの保全・管理について活発な意見交換が行われました。

(オ)「民間セクターとの連携によるREDD+の推進」(サイドイベント)
11月16日(木曜日)、森林研究・整備機構主催により、民間セクターとの連携を通じたREDD+の推進をテーマとしたサイドイベントが開催されました。同イベントでは、我が国から牧元林野庁次長が出席し、我が国によるREDD+関連の支援について紹介するとともに、カンボジア環境省、英国の民間機関や国際NGOなどのREDD+担当者による発表が行われ、民間セクターとの更なる連携に向けた意見交換が行われました。

関連リンク

国連気候変動枠組条約第23回締約国会議(COP23)京都議定書第13回締約国会合(CMP13)パリ協定第1回締約国会合第2部(CMA1-2)等(概要と評価)
http://www.env.go.jp/press/files/jp/107545.pdf(環境省HP)[外部リンク]

お問合せ先

(農業分野について)
大臣官房政策課環境政策室
担当者:長野、小林
代表:03-3502-8111(内線3296)
ダイヤルイン:03-6744-2016
FAX:03-3591-6640

(森林分野について)
林野庁森林整備部森林利用課
担当者:河内、石内
代表:03-3502-8111(内線6213)
ダイヤルイン:03-3502-8240
FAX:03-3502-2887

(グローバル・リサーチ・アライアンスについて)
農林水産技術会議事務局国際研究官室
担当者:金森
代表:03-3502-8111(内線5902)
ダイヤルイン:03-3502-7466
FAX03-5511-8788