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プレスリリース

平成22年7月27日

農林水産省

「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」の公表について

農林水産省は、酪農及び肉用牛生産の基本的な方向を示す新たな「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」について、本日7月27日に公表(官報掲載)しました。

1.基本方針の主旨

「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」(以下「基本方針」という。)は、「酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律(昭和29年法律第182号)」(以下「酪肉振興法」という。)第2条の2第1項に基づき、今後の酪農及び肉用牛生産の基本的な方向を示したものです。また、同法第2条の3に基づき、都道府県が作成する「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための計画」等の関連施策の運用の指針となります。
農林水産省は、酪肉振興法に基づき、基本方針の見直しを概ね5年ごとに行っており、本日7月27日に新たな基本方針を公表(官報掲載)しました。なお、新たな基本方針の本文は、以下のURLでご覧になれます。
http://www.maff.go.jp/j/chikusan/kikaku/lin/l_hosin/index.html

2.新たな基本方針のポイント

ポイントは、以下のとおりとなっています。

酪農及び肉用牛生産の近代化に関する基本的な指針

(1)我が国における酪農及び肉用牛生産の役割・機能

美味しさやたんぱく質の供給、地域の活性化・機能強化、国土の保全、資源循環等。

(2)畜産・酪農所得補償制度の導入

畜産・酪農所得補償制度については、酪農及び肉用牛生産等の特性を十分に踏まえつつ、現行の経営安定対策が果たしている機能や新マルキン事業等についての新たな仕組みの実施状況等を検証し、そのあり方や導入時期を検討。その際、生産現場の意見を十分に聴く。
口蹄疫等の発生や飼料価格の高騰等に対して緊急かつ機動的な対応を行う必要。

(3)6次産業化の取組等による持続可能な酪農及び肉用牛生産への転換

(ア)生産から加工・販売までを取り込んだ6次産業化の取組等による酪農及び肉用牛経営の所得向上

加工や直接販売といった6次産業化による付加価値の向上、販売価格の向上、販売量の増大等による所得向上。

(イ)需要に即した生産の推進と販売・出口戦略の構築

消費者ニーズ等に即した生産。
需要が見込まれる品目や海外向けに多様な販売先、出口を確保。
チーズについては輸入チーズを可能な限り国産に置き換え。国産チーズ向け生乳の供給拡大に対する支援。
脂肪交雑の多くない牛肉に対する嗜好の増加への対応。

(ウ)酪農及び肉用牛生産における多様な経営の育成・確保

規模拡大による効率化のみを追求するのではなく、多様な経営の特色ある取組による経営基盤強化。
新規参入者や後継者の育成・確保。酪農ヘルパーの活用。
多様な経営体へのきめ細かい指導。

(エ)酪農及び肉用牛生産におけるコスト低減・省力化

飼養管理技術等の高度化及び自給飼料中心の給与体系への転換。
ヘルパー等支援組織の充実・強化。
1頭当たり労働費の低減を図るための手段としての飼養規模の拡大。

(オ)家畜改良や畜産新技術の開発・普及等による生産性の向上

乳牛の改良における生涯生産性の向上。
ブラウンスイス種等の飼養管理に関する調査試験、牛群検定データの活用。

(カ)家畜衛生対策の充実・強化等

稲わら等も含めた輸入動畜産物検疫の的確な実施による検疫体制の強化。
口蹄疫等悪性伝染病の発生に備えた危機管理体制の再点検・強化、農場に出入りする車両の消毒等衛生管理の徹底、経営を大規模化する際に予め家畜等の埋却場所を確保する必要性。
口蹄疫等が発生した場合、地域の実情を踏まえ、科学的知見に基づき、迅速かつ的確な防疫措置の実施。生産者等の生活支援・経営再開のための必要な対策の実施。
効果的な家畜伝染病の発生の予防及びまん延の防止のあり方、適切な埋却場所の確保に必要な法制度の整備等についての検討。その結果に基づき、家畜伝染病予防法の抜本的な見直しを含め、所要の措置。抜本的な見直しを含め、所要の措置。

(キ)畜産物の高付加価値化・ブランド化

地域の特色ある国産ナチュラルチーズづくり。
地域資源を活用して生産された牛肉のブランド化、地場産食肉と農産物とを組み合わせた食肉加工品の開発。
放牧により機能性成分の含有量が高まった牛乳。

(ク)畜産物の輸出の促進

販売に有用なマーケティング情報等の収集、二国間における技術的協議の積極的推進。
海外の消費者にPRするためのサテライトショップや直営店の開設等。
近隣諸国・地域における富裕層に向けた牛乳・乳製品の輸出拡大。牛肉等を輸出するための輸出認定基準に適合した施設整備。

(ケ)加工・流通の合理化

集送乳の合理化及び中小・農協系乳業の再編・合理化。
肉用牛の流通について小規模な家畜市場を中心に再編整備。牛肉の流通について産地食肉センターを中心とした食肉処理施設の再編整備。
6次産業化等を後押しするための流通面からの必要な改善の検討。

(コ)アニマル・ウェルフェアへの対応

日々の観察や記録、家畜の丁寧な取扱い、良質飼料の給与等の適正な飼養管理の励行による家畜の快適性への配慮。
生産者団体が作成するガイドラインによる共通の理解の醸成。海外の動向を踏まえつつ今後の普及方策等について議論。

(4)資源循環型で環境負荷軽減に資する自給飼料基盤に立脚した酪農及び肉用牛生産への転換

(ア)資源循環型社会への貢献

自給飼料基盤への立脚、家畜排せつ物の利用促進、エコフィードの生産・利用の拡大による環境負荷の軽減。

(イ)自給飼料の利用拡大等

国産飼料の生産利用の拡大や地域の飼料資源を活かした放牧の導入の推進、コントラクターやTMRセンターなどの飼料生産組織や公共牧場の活用、粗飼料の広域流通の推進による飼料生産の外部化・省力化。
自給飼料生産・利用のための直接的な支援の充実を図る。
草地等の飼料生産基盤のためのハード・ソフト両面にわたる支援。

(ウ)農地や未利用地の有効活用等

飼料用稲に係る多収米品種・栽培技術の普及による単収向上や飼料用米の調製・給与技術の開発。特に、飼料用米について、専用品種の開発や流通段階におけるマッチング、ストックポイントの整備等。
各地域の条件に適合した品種や飼料生産利用技術の開発・普及。
飼料用稲の生産・利用、たい肥と稲わら等の農場副産物の交換など、耕畜連携による資源循環。
草地基盤整備や優良品種の導入等による飼料作物の単収や品質の向上。多収性や持続性に優れる優良品種や効率的な飼料生産利用技術の開発・普及。
放牧の推進により、飼料費の低減、ゆとりの創出、衛生対策費の低減のほか、中山間地域における自然環境の保全、良好な景観の形成や鳥獣被害の軽減。
稲わらについて効率的な生産・利用体制の構築。

(エ)コントラクター、TMRセンター等飼料生産支援組織の活用

コントラクターやTMRセンター等への飼料生産の外部化の一層の推進、これらの組織の経営の高度化。

(オ)国産粗飼料の広域流通の構築

耕種地帯から畜産地帯への効率的な粗飼料流通体制の構築。

(カ)国産飼料利用畜産物の高付加価値化

国産飼料利用畜産物の高付加価値化のための技術の開発・普及。

(キ)流通飼料の安定的な供給とエコフィード等の利用拡大

エコフィードの普及のためのTMRセンター等の活用。
不測の事態に対応した備蓄。
所得補償制度の検討とあわせ、制度のあり方について検討しつつ、飼料穀物の急激な価格上昇が経営に及ぼす影響を緩和するための措置。

(ク)家畜排せつ物の管理の適正化と利用の促進

耕畜連携の強化による地域としてのたい肥の利用。
たい肥の需要者のニーズを踏まえたたい肥の生産・供給。

(ケ)畜産経営に関する排水対策・悪臭防止対策

悪臭、水質汚濁に対する適切な対応による大気・水・環境の保全。排水対策等への支援。 

(5)消費者ニーズに応えた畜産物の生産・加工・流通と畜産に対する国民の理解の確保

 (ア)畜産物に係る安全と信頼の確保

飼料用作物の栽培に際し農薬使用基準の遵守の啓発・指導、飼料用稲の生産に当たっても、適切な栽培管理の徹底。
産業動物獣医師等の養成・確保のための措置。口蹄疫等に的確に対応するための獣医師の養成。
牛トレーサビリティ制度についての適切な運用。
飼養衛生管理基準に即した家畜の衛生管理の徹底、農場段階におけるHACCPシステムの普及・定着。
加工食品の原料原産地表示の推進。

(イ)多様化する消費者・実需者ニーズを捉えた畜産物の消費拡大

消費者の多様なニーズや、加工用・業務用などの新たに拡大する用途・需要への対応。
生乳取引における乳脂肪の基準について様々な論点を踏まえて取引関係者等と議論。
学校給食等における高付加価値な牛乳の供給、牛乳・乳製品を利用した料理の普及等。
黒毛和種についての適度な脂肪交雑による有利性の確保と肥育期間の短縮等によるコスト削減のバランス。
国産牛肉についての品種ごとの商品特性の消費者への情報提供。市場流通のメリットが少ない低価格帯の牛肉についての直接販売ルートの新規開拓・拡大。
学校給食や社員食堂、外食・中食事業者などとの連携を通じた地場畜産物の利用の拡大。

(ウ)食育など畜産や畜産物に対する国民の理解の確保

国内で酪農・肉用牛生産を行い、国産飼料の積極的な利活用を図ることについての国民理解の確保。
飼料価格が高騰する場合のコスト増分の畜産物の価格への転嫁について国民の理解を求めていく必要性。
畜産分野における食育の取組の推進。

お問い合わせ先

生産局畜産部畜産企画課畜産総合推進室
担当者:企画班 西端、上山
代表:03-3502-8111(内線4893)
ダイヤルイン:03-3501-1083
FAX:03-3501-1386

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