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プレスリリース

平成28年3月10日

農林水産省

暖冬及び今後の気象動向に対応した農作物等の被害防止に向けた技術指導の徹底について

農林水産省は、本格的な農作業時期を迎え、暖冬などによる農作物等への影響が懸念されることから、本日、地方農政局等を通じ、都道府県に対して、現場での適切な対応が図られるよう、通知を発出しました。

概要

今冬の降雪に関しては、全国的に平年を下回る状況が続き積雪量が少ない状態となったものの、一部地域では平年並みの積雪が記録されました。また、全国的に気温が高く、暖冬となりましたが、一部地域では近年にない異常低温が発生し農作物等に被害が生じています。
これから本格的な農作業時期を迎えるに当たり、除雪中の事故及び積雪の多い地域においては果樹の枝折れ、融雪水の停滞による湿害等の農作物被害が懸念されるところです。
一方、本年については、今後、気温が平年より高く推移する見込みであり、農作物の生育が早まることが想定されます。このため、植物体の軟弱徒長や病虫害の発生などに加え、特に、寒気の一時的な南下による凍霜害の発生が懸念されるところであります。また、積雪量が少なかった地域では、今後の天候によっては、代かき用の水不足が懸念されるところです。
こうした状況を踏まえ、今後の気象動向に対応した農作物等の被害防止を図るため、「農業技術の基本指針(平成27年改定)」(平成27年3月30日農林水産省ホームページ公表(http://www.maff.go.jp/j/kanbo/kihyo03/gityo/g_kihon_sisin/sisin27.html))を踏まえ、人命の保護を第一としつつ、特に下記事項について十分留意の上、指導の徹底を図ってください。

共通事項

1.人命の保護を第一として、複数人で作業を行う、降雪の被害により倒壊のおそれのある施設には近づかないなど、除雪等作業時の安全確保を徹底してください。

2.また、気象情報に留意するとともに、落雪のおそれのある屋根に登ったり、軒下は歩かないようにするなど、融雪が進行する状況下の事故の防止を徹底してください。融雪に伴い、河川等が急激に増水することがあるので、そのような時は近づかないようにしてください。

3.特に、平年の降雪量が少ない地域など、これまでに大規模な融雪を経験したことのない地域においては、今後の融雪促進及び融雪に伴う農作物等の被害拡大防止に向けて徹底した指導を図ってください。

4.大雪に伴う被災施設の復旧に当たっては、農作物の栽培事情や資材の供給状況も考慮し、どの施設を優先的に復旧するか優先順位を決めて対応してください。

水稲

今年は北日本から西日本の日本海側にかけて少雪傾向にあり、東北、関東、北陸、東海、近畿及び中国・四国地方等広い範囲で春先の代かき用の水不足が心配される状況にあります。このため、農林水産省においては、本省及び地方農政局等の担当者からなる農業用水水源情報連絡チームを設置(平成28年2月19日 事務局:農村振興局水資源課水資源企画班)し、地域の条件や状況に応じた適切な対応が図られるよう関係機関との情報共有、連携等を依頼したところです。なお、融雪水に依存する地域においては、事前に利水調整に関して地域内の話し合いを進め、不足が見込まれる場合には番水や用排水の反復利用等を行い、農業用水の有効活用に努めてください。

麦類

平年よりも降水量が多い見込みの地域が多いことや、春先は融雪水の停滞により、湿害が発生しやすくなることから、土壌の状況に留意し、排水路の詰まり等の点検・補修、春先の溝切り等により排水対策を徹底し、湿害の防止に努めてください。
また、暖冬により平年よりも生育が早期化している地域が多く、今後も全国的に平均気温が高い傾向で推移することが予想されることから、麦の生育状況を的確に把握し生育ステージや生育量に応じて追肥を行う等の対策を実施してください。

野菜

1.積雪地域における融雪期の対策
育苗床の設置に当たっては、日照、風向等環境条件を十分に考慮するとともに、融雪促進剤の散布を行うほか、融雪が大幅に遅れることが見込まれるところでは除雪を行い、適期育苗に努めてください。
また、作付予定地等において平年よりも融雪が相当に遅延すると見込まれる場合には、除雪、融雪促進剤の散布等により融雪を促進するとともに、ほ場内からの排水を図ることにより、湿害の防止に努めてください。
2.暖冬に伴う栽培管理等対策
(1)栽培管理
暖冬により、軟弱徒長となることが懸念されることから、追肥量の節減等適正な肥培管理を図ってください。育苗中の密植を避ける等による軟弱徒長した不良苗の発生を防ぎ、健全苗の育成確保に努めてください。
(2)病害虫防除
病害虫の発生予察やほ場の観察による発生動向の把握に努めてください。コナジラミ類、アザミウマ類、ハダニ類等の害虫は発生の早期化による大きな被害の発生が懸念されるので、早期発見、適期防除に努めてください。加えて、罹病した株の除去等ほ場の衛生管理に努めてください。
(3)凍霜害対策
急激な冷え込みや凍霜害の懸念が予想される場合は、必要に応じ、トンネル、寒冷紗、不織布の被覆等により被害回避を図ってください。

果樹

1.積雪地域における融雪期の対策
(1)数日間の晴天が見込まれる時期を見計らい、融雪促進剤を散布してください。併せて、融雪水の排水対策を行い、湿害防止に努めてください。
(2)枝折れ等の被害状況を確認し、樹体の損傷の程度に応じて、ボルト等を使っての損傷部の癒合や改植を検討してください。また、損傷した樹体は病虫害の被害を受けやすいので、発生動向に十分注意し、適切な防除に努めてください。
(3)樹幹周囲の雪がゆるんだ際には、樹幹基部の空洞部への殺そ剤の投入や樹幹周囲の雪を踏み固めること等により、野そ害の防止を図ってください。

2.暖冬に伴う果樹の発芽・開花期の対策
(1)凍霜害対策
開花の前進化が見込まれており、開花期から幼果期における降霜及び予期しない低温による凍霜害の発生が懸念されることから、霜害警報連絡体制を整備し、降霜が予想される場合は、防霜ファンの稼働により霜害の発生防止に努めてください。燃焼で降霜を防ぐ場合は、火災防止等の観点から周辺環境に十分配慮するとともに、固形燃料や灯油、軽油等ばい煙の発生の少ない燃料を使用してください。
また、凍霜害の発生が懸念される場合は、摘蕾・摘花を控えめに行うとともに、蕾や開花の時期に霜害を受けた場合は、残存花への人工授粉を行い、結実の確保に努めてください。幼果が霜害を受けた場合は、果実の状態を十分観察した上で摘果を実施してください。
(2)栽培管理
生育の前進による品種間の開花時期の不揃い、訪花昆虫の活動低下による受粉の不良等による結実不良が懸念されるため、摘蕾・摘花を控えめに行うとともに、適切な時期に人工授粉を行い、結実の確保に努めてください。
また、日本なし等の施設栽培においては、低温要求を十分満たさず、自発休眠覚醒の遅延が懸念されるため、必要に応じ、休眠打破剤を使用してください。また、低温遭遇時間に留意して加温時期の適正化に努めてください。
(3)病害虫防除
病害虫の早期発生が懸念されるため、果樹園での発生状況や病害虫発生予察情報等に留意し、適時適切な防除に努めてください。また、罹病部位の除去等ほ場衛生の管理に努めてください。 

 1.凍霜害対策
今後、高温傾向で推移すると萌芽が早進し、春先の低温による新芽の凍霜害の発生が懸念されます。そのため、霜注意報等の気象情報に留意するとともに、新芽の生育状況を十分に把握し、生育状況に応じた適切な防霜ファンの稼働など必要な対応をとってください。
また、防霜ファン等の防霜施設の状態は事前に十分点検し、必要があればメンテナンスを行うよう努めてください。特に、スプリンクラーを使用した散水氷結法により防霜を行う場合には、事前の点検やメンテナンスに加え、途中で散水が止まることのないよう必要な水量を確保してください。

2.栽培管理
昨年の初冬期の低温と今後の高温により、新芽(一番茶)の生育不揃い、新芽数の減少等による収量減や品質低下が懸念されます。秋整枝を行わなかった茶園にあっては、樹勢状態を観察しながら、適切に春整枝を実施してください。

3.病害虫防除
害虫類の越冬数が多くなり発生の早期化も懸念されます。特に、カンザワハダニについて、現在、多くの地域で休眠あけが確認されているため、茶園の観察により害虫の早期発見に努め、適切な防除を実施してください。

4.融雪対策
樹上に雪が残っている茶園については無理に雪を落とさず、自然融雪を待つか融雪促進剤により融雪促進を行ってください。融雪後、枝折れ等の被害を受けた枝の除去を行うとともに、被害が大きく一番茶収穫が望めない場合には、樹体状況に応じ、中切りや台切りによる更新処理を行い、樹勢の回復に努めてください。

花き

露地花きでは、高温により発芽や生育が早まることにより、春期の晩霜害が発生しやすくなることから、耐寒性の弱い品目についてはトンネル、寒冷紗、不織布等による被覆を実施してください。
また、病害虫の発生予察やほ場の観察による発生動向の把握に努めるとともに、特に過湿状態の施設では、病害(うどんこ病、灰色かび病等)の発生が増加するため、施設内の換気と早期防除に努めてください。
さらに、アブラムシ、ハダニ類等の病害虫の発生が早まるため、早期発見、早期防除を徹底してください。

てん菜

播種や植え付け作業が早期に開始できるよう積極的に融雪の促進を図ってください。また、融雪水が停滞しやすいほ場では適切な排水対策に努めてください。
暖冬により、育苗ハウスの温度上昇による移植苗の徒長が懸念されるため、移植栽培においては、育苗ハウスの温度管理に注意してください。

ばれいしょ

播種や植え付け作業が早期に開始できるよう積極的に融雪の促進を図ってください。また、融雪水が停滞しやすいほ場では適切な排水対策に努めてください。

なたね

積雪期間が長くなると雪腐病が発生しやすくなるため、積極的に融雪の促進を図ってください。また、融雪水が停滞しやすいほ場では適切な排水対策を実施し、湿害の防止に努めてください。

園芸施設

1.施設保全
 気温の上昇に伴い、融雪が早まることに対応し、融雪水のハウス内への侵入を阻止するため、ハウス周囲の「額縁排水」に努めるともに、施設各部の損傷や被覆資材の緩み等を点検し、保守を行ってください。

2.施設栽培
 気温の上昇に伴い、ハウス内が高温になると、作物の生育が早まり、軟弱徒長となりやすいことから、必要に応じて施設内換気をする等、温度管理を徹底するほか窒素肥料・かん水を控えめにし、作物の軟弱化を防ぐとともに予防的に薬剤の散布を実施してください。なお、日中が晴天の場合は、夜間は放射冷却により気温がかなり低下することがあるため、ハウス内の温度確保に努めてください。
さらに、アブラムシ、ハダニ等の病害虫の発生が早まるため、早期発見、早期防除を徹底してください。

畜産

1.施設の融雪水対策
(1)施設周辺で作業等を行う場合は、落雪のおそれのある場所は避けるか、事前に雪下ろしをする等落雪事故の防止に努めてください。
(2)農場敷地やパドック等の泥濘を早期に解消するよう、必要に応じて除雪や溝きり等の排水対策に努めてください。
(3)融雪水が畜舎や飼料庫、ふん尿処理施設等の施設内に入らないよう、排水路の確保等に努めてください。特に、ふん尿処理施設内等に融雪水が入ると排せつ物が外部に流出するおそれがあることに、留意してください。

2.飼料作物の融雪対策等
積雪が多い地帯では、播種作業が早期に開始できるよう、必要に応じて早めに融雪促進剤を散布し、融雪を積極的に促進してください。

 


 

お問い合わせ先

生産局農業環境対策課
担当者:白垣、梶(全般)
代表:03-3502-8111(内線4762)
ダイヤルイン:03-3502-5956
FAX:03-3502-0869

生産局園芸作物課
担当者:宮本、豊井(野菜、果樹、花き、園芸施設)
代表:03-3502-8111(内線4825)
ダイヤルイン:03-6744-2113
FAX:03-3502-0889

生産局地域対策官
担当者:井上、矢野、三宅(茶)
代表:03-3502-8111(内線4845)
ダイヤルイン:03-6744-2117
FAX:03-3502-4133

生産局技術普及課
担当者:倉員、江頭(農作業安全)
代表:03-3502-8111(内線4774)
ダイヤルイン:03-6744-2111
FAX:03-3597-0142

生産局畜産部畜産企画課
担当者:星野、陸門(畜産(全般))
代表:03-3502-8111(内線4893)
ダイヤルイン:03-3501-1083
FAX:03-3501-1386

生産局畜産部飼料課
担当者:俵積田、日髙(畜産(飼料作物))
代表:03-3502-8111(内線4916)
ダイヤルイン:03-3502-5993
FAX:03-3580-0078

政策統括官付穀物課
担当者:佐藤、髙橋(水稲、麦類)
代表:03-3502-8111(内線4824)
ダイヤルイン:03-3502-5959
FAX:03-6744-2523

政策統括官付地域作物課
担当者:今野、二見(てん菜、ばれいしょ、なたね)
代表:03-3502-8111(内線4843)
ダイヤルイン:03-3502-5963
FAX:03-3593-2608

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