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プレスリリース

平成26年7月7日

農林水産省

夏台風の接近及び通過に伴う農作物等の被害の防止に向けた技術指導の徹底について

 

台風第8号が日本列島に接近する見込みとなっており、強風や大雨等のおそれがあります。

また、今後も夏台風が日本列島に接近・通過する可能性があります。

このため、農林水産省は、本日、今夏の台風による農作物等被害防止に向けて、地方農政局等を通じて、各都道府県に対して各管内の気象や作物の生育状況等に応じた適切な技術指導が行われるよう、通知を発出しました。

 

概要

 気象庁の発表の台風情報 (7月7日10時45分発表)によると、現在、台風8号が接近する見込みとなっております。現在、梅雨前線の影響に伴い、九州地方で大雨となっていますが、台風は更に発達しながら猛烈な台風となり、沖縄に接近することが予想され、その後、九州、西日本に接近するおそれがある等、全国的にも大雨や暴風のおそれがあることから、農作物等への影響が懸念されるところです。気象庁によれば、夏台風(夏に発生する台風)は、秋台風(秋に発生する台風)に比べて動きが遅く、複雑な動きをするものが多いとのことであり、今後とも気象庁が発表する台風情報に留意する必要です。また、各地が梅雨期にあり、梅雨前線の活動が活発化するおそれもあることから、「農業技術の基本指針」(平成26年改定)(平成26年3月27日公表)(http://www.maff.go.jp/j/kanbo/kihyo03/gityo/g_kihon_sisin/sisin26.html)を踏まえ、下記の事項を基本に、普及指導センター、病害虫防除所、市町村、農業協同組合等の関係機関と密接に連携をとり、各地域の状況に応じた迅速かつ適切な対応が行われるよう、技術指導の徹底をお願いします。なお、豪雨、台風等の異常出水時においては、農作業及び農地・農業用施設の見回りは気象情報を十分に確認し、これらの状況が治まるまで行わないなど、人命を最優先に二次災害の防止を徹底するよう、併せて注意喚起をお願いします。 

共通事項

1 台風が接近、通過する地域にあっては、都道府県、普及指導センター、農業協同組合など関係機関の連携体制を整備し、気象庁の台風情報を基に地域に雨、風等によりどのような影響があるか把握しつつ、地域の品目や生育ステージに応じた対応を速やかに現場に徹底してください。

2 人命第一の観点から、ほ場の見回り等については、気象情報を十分に確認し、大雨や強風が治まるまでは行わないでください。また、大雨等が治まった後の見回りにおいても、増水した水路その他の危険な場所には近づかず、足下等、ほ場周辺の安全に十分に注意し、転落、滑落事故に遭わないよう慎重に行ってください。

3 局地的な大雨が予想される地域においては、ほ場の冠水のおそれがあることから、速やかな排水に備えておくでください。特に、これまで冠水したことのあるほ場や地域については、重点的に対応を進めてください。排水ポンプの融通等についても積極的に進めてください。
なお、各地方農政局土地改良技術事務所において、ほ場が冠水又はそのおそれがある場合、排水対策に活用できる災害応急用ポンプの貸出を無償で行っているので、活用してください。

4 台風通過後の対策として、適時適切な防除を心がけてください。特に、都道府県病害虫防除所から発表される発生予察情報に基づき適期防除に努めてください。
 なお、農薬を使用する際には、ラベルに記載された使用基準を遵守し、周辺への飛散低減対策を講ずるとともに、適時適切な散布に心がけてください。

水稲

1 事前の対策
事前に排水路の詰まり等の点検・補修を行い、冠浸水時の速やかな排水に備えてください。

2 被害拡大防止のための対策
(1) 浸水、冠水被害を受けたほ場では、速やかな排水に努めてください。
(2) 潮風害を受けた場合には、できる限り速やかに散水により除塩を実施してください。

麦類

1 事前の対策
(1) 成熟期を迎えた地域においては、極力早期収穫に努めてください。収穫後は、早急に乾燥調製施設において一定水準まで半乾燥(子実水分17%程度以下)を行うことにより、貯留段階における品質低下の回避に努めてください。
(2) 成熟期前の地域においては、事前に排水路の詰まり等の点検・補修を行うなど、冠浸水時の速やかな排水に備えてください。

2 事被害拡大防止のための対策
(1) 浸水、冠水被害を受けたほ場では、速やかな排水に努めてください。
(2 )倒伏や赤かび病等が発生しているほ場は、健全なほ場と分けて収穫・乾燥調製を行うことにより品質確保に特に留意してください。また、乾燥調製施設の荷受け時においても穂発芽や赤かび病のチェックを入念に行い、被害粒が確認された場合には別に乾燥調製を行い、健全粒との仕分けを徹底してください。

 

大豆

1 事前の対策
大雨による冠水又は浸水後の排水対策が速やかに行われるよう、ほ場周辺や排水路の点検整備を行ってください。

2 被害拡大防止のための対策
(1)  冠水又は浸水の被害を受けたほ場においては、速やかな排水に努めてください。また、生育遅延や根腐れを引き起こし、日照不足と相まって、病害虫に対する抵抗性が弱まるため、病害虫の発生動向に注意し、適切な防除を行ってください。
(2)  は種後の浸水や冠水により出芽数が減少した場合及び生育初期に湿害を受けた場合にあっては、被害を受けた時期や被害程度を勘案し、再は種を行う等、被害の軽減に努めてください。

また、再は種する時期により生育量が低下し減収することが予想される場合には、は種量を増やす等の対策をとってください。
(3)  土壌の多湿状態が長期間継続すると、土壌中の酸素が不足し、根粒菌の活動が抑えられるため、天候の回復後、排水後のほ場の状況等を勘案し、中耕や培土を実施してください。また、湿害により葉色や生育に不良の症状が見られる場合には、窒素の追肥等により生育量の回復に努めてください。
 

園芸作物全般

1 事前の対策
(1) 台風が接近する前に施設やほ場周辺の点検、排水路の清掃を行ってください。
(2) 温室、育苗・集荷施設等については、強風に備えて、取付金具の緊張、抑えひもによる固定、妻面の補強等の防風対策に努めるとともに、飛来物による損傷を防止するために施設周辺の清掃、防風網の設置等に努めてください。
(3) 排水が速やかに行われるよう施設周辺の集排水路の点検、清掃を行ってください。
(4) 潮風害が予想される地域においては、除塩のための水源を確保してください。

2 被害拡大防止のための対策
(1) 台風が通過した後は、速やかに施設、機器の点検を行い、補修や修理が必要な場合には適切な処置を行ってください。
(2) 台風通過後の急激な気温の上昇に注意し、施設内の適切な温湿度管理に努めてください。
(3) ほ場や施設が冠水した場合は、排水ポンプや溝切り等によりできる限り速やかに排水を行ってください。
(4) 潮風害を受けた場合には、できる限り速やかに散水により除塩してください。また、 肥料が流亡した場合は、土壌分析を実施し、 適正量を施用してください。

野菜

1 事前の対策
(1)  ほ場内の早期排水対策として、あらかじめ溝切り、畦立て等の管理作業に努めてください。また、台風による風害・潮風害のおそれのある場合には、べたがけ資材の利用等により被害回避に努めてください。
(2)  定植後の幼苗期は、支柱等により倒伏を防止してください。支柱やネットを設置している作物は、確実に固定されているか確認し、必要に応じて補強してください
(3) は種や定植を予定している場合は、台風の通過前の作業を避け、通過後に行ってください。

2 被害拡大防止のための対策
(1)  冠水や浸水等を受けたほ場においては、速やかな排水に努めてください。また、土寄せ、追肥、液肥の葉面散布等により生育の回復に努めるとともに、病害虫の発生を防止するため、折損した茎葉の除去と適切な薬剤散布を行ってください。
(2)  果菜類では、根傷みによる草勢低下を防ぐため、摘果や若どりにより着果負担を軽減してください。
(3)  生育初期において被害を受けた場合には、予備苗による植替えや再は種を行い、被害の軽減に努めてください。また、被害が著しい場合には、他の品種又は作物に転換することも検討してください。

果樹

1  事前の対策
(1)  強風に備えて事前に防風網や果樹棚支柱の点検・補修を行ってください。また、倒伏しやすい樹体は支柱により補強してください。
(2)  収穫期を迎えている果樹については、収穫可能な果実をできる限り収穫してください。その際、農薬散布から収穫までの経過日数に留意してください。
(3)  強い風雨が予想される地域では、かんきつかいよう病の発生が懸念されるため、防除基準に基づき、薬剤散布を行うとともに、既に罹病葉等がある場合には、園外へ処分してください。
(4)  排水が速やかに行われるよう園地周辺の集排水路の点検、清掃を行ってください。

2  被害拡大防止のための対策
(1)  被害程度に応じて、折損した枝の修復や被害果の摘み取り、せん定及び摘果を実施し、生育の回復に努めるとともに、病害虫の防除を適切に実施してください。強風による倒伏や枝裂けが起こった場合には適切な処置を行ってください。
(2)  落果した果実については、農薬散布から収穫までの経過日数に留意し、必要に応じて低温保管、選別の徹底、早期出荷等に努めてください。また、落葉した場合は、日焼けや樹脂病等の発生に注意し、被害程度に応じて摘果や白塗剤の塗布等を行ってください。

花き

1 事前の対策
(1) 露地栽培の草丈の低い花きについては、寒冷紗等で被覆し、草丈が高く支柱を立てている花きについては、支柱の点検・補強を行い、風害に備えてください。
(2) ほ場内の早期排水対策として、あらかじめ溝切り等の管理作業に努めてください。

2 被害拡大防止のための対策
(1) 冠水又は浸水の被害を受けたほ場においては、速やかな排水に努めるとともに、倒伏した株を早急に立て起こし、茎や花穂の曲がりを防止してください。
(2) 折れた茎葉の除去、適切な薬剤散布等により、病害の発生抑制に努めてください。
(3) 天候が回復した後、被覆資材、支柱、防虫ネット等の栽培施設や資材の点検及び修復を行ってください。特にキク等の栽培に係る電照・補光関連施設(電球、タイマー等)については、速やかに作動状況の点検を行ってください。
(4) 生育初期において被害を受けた場合には、予備苗による植替えや再は種を行い、被害の軽減に努めてください。

 

畑作物・特産物

1 事前の対策
(1) 冠水や浸水の予想されるほ場において、作物の性質やほ場の状況に応じて、冠水又は浸水後の排水対策が速やかに行われるよう、溝切り等の対策を講じてください。
(2) 茶については、摘採期を迎えている場合には、可能な限り、台風が近づく前に摘採を行ってください。

2 被害拡大防止のための対策
(1) 潮風害を受けた場合には、できる限り速やかに散水により除塩してください。
(2) かんしょ・ばれいしょについては、ほ場が冠浸水した場合、生育遅延や塊茎腐敗等を起こしやすいので、速やかな排水に努めてください。また、台風通過後、高温が予想される地域においては、特に長時間の冠浸水を避けるとともに、湿潤ほ場での収穫は行わないでください。
(3) てん菜については、ほ場が滞水した場合、生育不良等を起こしやすいので、速やかな排水に努め、長時間の冠水又は浸水を避けてください。また、過湿により病害の発生が助長されるので、状況に応じた適切なほ場管理や薬剤散布を行ってください。
(4) さとうきびについては、台風の通過後、表土の流出により根浮き等が見られることがあるので、この場合、速やかに土で被覆してください。また、塩害が懸念される場合は、スプリンクラー等のかん水施設を活用し、葉面の除塩に努めてください。
(5) 茶については、著しい被害を受けた新芽は、速やかに刈り取りを行ってください。また、天候が回復した後、防霜ファン、茶工場等の施設や資材の点検及び修復を行うとともに、傾斜地茶園の場合は、排水溝、石垣、法面等の点検及び修復を行ってください。

  

畜産

1 事前の対策
(1) 畜産施設については、損傷、倒壊等を避けるため、必要に応じて補修を行ってください。
(2) 大雨による畜産施設への浸水のおそれがある場合、明きょの施工等により排水に努めてください。また、畜舎への浸水等により家畜への被害が生じるおそれがある場合には、事前に避難場所を確認し、状況に応じて家畜を避難させる等の適切な処置を行ってください。
(3) 各地域において、あらかじめ停電や断水等の対応を確認し、被災時には自家発電機による搾乳や生乳冷却等について、早急に対応できるよう努めてください。

2 被害拡大防止のための対策
(1) 飼料作物
 冠水や浸水等の被害を受けたほ場においては、速やかな排水に努めてください。
   
(2) 家畜
 ア 天候が回復した後、直ちに畜産施設内及びその周辺の排水を行ってください。また、土砂が流入した場合には、再度の土砂流入等の事故に十分注意しつつ、土砂を除去してください。
 イ 畜舎、牧柵、防鳥ネット等の施設に破損、汚染がないか確認し、必要に応じて補修、洗浄、消毒を行ってください。飲水に適した水の給与や飼養家畜の健康観察など、家畜伝染病予防法(昭和26年法律第166号)に基づく飼養衛生管理基準に沿った衛生管理を徹底し、家畜の伝染性疾病の発生予防措置を講じてください。
 ウ 養分の低下した飼料作物や品質の低下した濃厚飼料の給与をする場合にあっては、栄養価、嗜好性等にも配慮し、家畜の生産性が低下することのないよう注意してください。

 

 

添付資料

夏台風の接近及び通過に伴う農作物等の被害の防止に向けた技術指導の徹底について


お問い合わせ先

生産局農産部農業環境対策課鳥獣災害対策室
担当者:横地、角張、上杉(全般)
代表:03-3502-8111(内線4772)
ダイヤルイン:03-3591-4958
FAX:03-3502-0869

生産局農産部穀物課
担当者:佐藤、西村(水稲、麦類、大豆)
代表:03-3502-8111(内線4824)
ダイヤルイン:03-3502-5959
FAX:03-6744-2523

生産局農産部園芸作物課
担当者:秋葉、大倉(園芸作物全般、野菜、果樹、花き)
代表:03-3502-8111(内線4825)
ダイヤルイン:03-6744-2113
FAX:03-3502-0889

生産局農産部地域作物課
担当者:今野、野津(畑作物、特産物)
代表:03-3502-8111(内線4843)
ダイヤルイン:03-3502-5963
FAX:03-3593-2608

生産局生産技術課
担当者:谷口、川村(農作業安全全般)
代表:03-3502-8111(内線4766)
ダイヤルイン:03-6744-2107
FAX:03-3597-0142

生産局畜産部畜産企画課
担当者:松本、山崎(畜産全般)
代表:03-3502-8111(内線4893)
ダイヤルイン:03-3501-1083
FAX:03-3501-1386

生産局畜産部畜産振興課草地整備推進室
担当者:丹菊、松永(飼料作物)
代表:03-3502-8111(内線4916)
ダイヤルイン:03-3502-5993
FAX:03-3502-8294

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