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プレスリリース

平成26年9月19日

農林水産省

秋台風の接近及び通過に伴う農作物等の被害の防止に向けた技術指導の徹底について

 

台風第16号は日本列島に接近する見込みとなっており、強風及び大雨等のおそれがあります。

今後も秋台風は、日本列島に接近・通過する可能性があります。

このため、農林水産省は、本日、今秋の台風による農作物等被害防止に向けて、地方農政局を通じて、各都道府県に対して各管内の気象や作物の生育状況等に応じた適切な技術指導が行われるよう、通知を発出しました。

 

概要

気象庁発表の台風情報(9月18日6時発表)によると、現在、台風第16号が日本列島に接近する見込みとなっており、今後の進路においては、強風及び大雨による農作物等への影響が懸念されるところです。 また、気象庁によれば、秋台風(秋に発生する台風)は、日本付近に近づくことが多く、日本付近にある秋雨前線の活動を強め、大雨を降らせることがあることから、今後とも気象庁が発表する台風情報に留意する必要があます。このため、「農業技術の基本指針」(平成26年改定)(平成26年3月27日公表)(http://www.maff.go.jp/j/kanbo/kihyo03/gityo/g_kihon_sisin/sisin26.html)を踏まえ、下記事項を基本に、普及指導センター、病害虫防除所、市町村、農業協同組合等の関係機関と密接に連携をとり、各地域の状況に応じた、迅速かつ適切な対応が行われるよう、技術指導の徹底をお願いします。なお、豪雨、台風等の異常出水時においては、農作業及び農地・農業用施設の見回りは気象情報を十分に確認し、これらの状況が治まるまで行わないなど、人命を最優先に二次災害の防止を徹底するよう、併せて注意喚起をお願いします。

共通事項

1 台風が接近、通過する地域にあっては、都道府県、普及指導センター、農業協同組合など関係機関の連携体制を整備し、気象庁の台風情報を基に、地域に雨、風等によりどのような影響があるか把握しつつ、地域の品目や生育ステージに応じた対応を速やかに現場に徹底してください。

2 人命第一の観点から、ほ場の見回り等については、気象情報を十分に確認し、大雨や強風が治まるまでは行わないでください。また、大雨等が治まった後の見回りにおいても、増水した水路その他の危険な場所には近づかず、足下等、ほ場周辺の安全に十分に注意し、転落、滑落事故に遭わないよう慎重に行ってください。

3 局地的な大雨が予想される地域においては、ほ場の冠水のおそれがあることから、速やかな排水に備えておいてください。特に、これまで冠水したことのあるほ場や地域については、重点的に対応を進めてください。排水ポンプの融通等についても積極的に進めてください。
なお、各地方農政局土地改良技術事務所において、ほ場が冠水又はそのおそれがある場合、排水対策に活用できる災害応急用ポンプの貸出を行っているので、活用してください。

 4 台風通過後の対策として、適時適切な防除を心がけてください。特に、都道府県病害虫防除所から発表される発生予察情報に基づき適期防除に努めてください。
  なお、農薬を使用する際には、ラベルに記載された使用基準を遵守し、周辺への飛散低減対策を講ずるとともに、適時適切な散布に心がてください。

水稲

1 事前の対策
(1)  事前に排水路の詰まり等の点検・補修を行い、冠浸水時の速やかな排水に備えてください。
(2)  貯蔵施設において、あらかじめ浸水の被害が想定される場合には、収穫物を浸水の危険がない安全な場所に移動するなど、適切な対応に努めてください。

2 被害拡大防止のための対策
(1) 冠浸水被害を受けたほ場では、速やかな排水に努め、特に冠水した場合は、少なくとも葉先や穂先だけでも水面に出すよう努めてください。また、排水後は、白葉枯病等の防除に留意してください。
(2) 冠浸水被害を受けた稲体は水分調節、肥料吸収等の機能が低下していることから、田面の過度な乾燥に注意してください。
(3) 台風通過直後のフェーン現象の発生により稲体の水分含有率が低下し、白穂の発生等が懸念される場合には、通水による水分補給により稲体の活力保持に努めてください。
(4) 潮風害を受けた場合には、できる限り速やかな散水により除塩を実施してください。
(5) 収穫直前の地域において、稲体の倒伏や穂発芽の発生等により品質の低下が懸念される場合には、可能な限り速やかに収穫作業を開始するとともに、被害籾については、仕分けを行い、乾燥、調製作業を実施してください。
(6) 普及指導センター、農業共済組合、農業協同組合は連携を密にし、収穫前に白未熟粒の発生等被害実態の把握に努めてください。

 

大豆

1 事前の対策
大雨による冠浸水後の排水対策が速やかに行われるよう、ほ場周辺や排水路の点検整備を行ってください。

2 被害拡大防止のための対策
(1) 冠浸水の被害を受けたほ場においては、速やかな排水に努めてください。
(2) 生育期に冠浸水等を受けた場合、生育遅延や根腐れを引き起こし、日照不足と相まって、病害虫に対する抵抗性が弱まること、また、風によりさやが損傷した場合や倒伏した場合に、傷口からの病原菌の侵入によりカビ粒、腐敗粒、紫斑粒の発生が懸念されることから、病害虫の発生動向に注意し、適切な防除を行ってください。

園芸作物全般

1 事前の対策
(1) 台風が接近する前に施設やほ場周辺の点検、排水路の清掃を行ってください。
(2) 温室、育苗・集荷施設等については、強風に備えて、取付金具の緊張、抑えひもによる固定、妻面の補強等の防風対策に努めるとともに、飛来物による損傷を防止するために施設周辺の清掃、防風網の設置等に努めてください。
(3) 排水が速やかに行われるよう施設周辺の集排水路の点検、清掃を行ってください。
(4) 潮風害が予想される地域においては、除塩のための水源を確保してください。

2 被害拡大防止のための対策
(1) 台風が通過した後は、速やかに施設、機器の点検を行い、補修や修理が必要な場合には適切な処置を行ってください。
(2) 台風通過後の急激な気温の上昇に注意し、施設内の適切な温湿度管理に努めてください。
(3) ほ場や施設が冠水した場合は、排水ポンプや溝切り等によりできる限り速やかに排水を行ってください。
(4) 潮風害を受けた場合には、できる限り速やかに散水により除塩してください。また、 肥料が流亡した場合は、 土壌分析を実施し、 適正量を施用してください。

野菜

1 事前の対策
(1) ほ場内の早期排水対策として、あらかじめ溝切り、畦立て等の管理作業に努めてください。また、台風による風害・潮風害のおそれのある場合には、べたがけ資材の利用等により被害回避に努めてください。   
(2) 園芸施設については、強風に備え、フィルムの取付金具の点検や抑えひもの固定、防風ネットの設置等による防風対策を講じてください。

2 被害拡大防止のための対策
(1) 冠水や浸水等を受けたほ場においては、速やかな排水に努めてください。また、土寄せ、追肥、液肥の葉面散布等により生育の回復に努めるとともに、病害虫の発生を防止するため、折損した茎葉の除去と適切な薬剤散布を行ってください。
(2) 果菜類では、根傷みによる草勢低下を防ぐため、摘果や若どりにより着果負担を軽減してください。
(3) 園芸用施設については、できるだけ早期に施設の破損、倒壊等の点検を行い、施設内に水が侵入した場合には、換気を十分に行い土壌の乾燥を図り、施設内の湿度を下げ、病害の発生を防止してください。

果樹

1 事前の対策
(1) 強風に備えて事前に防風網や果樹棚支柱、マルチ資材の点検・補修を行ってください。また、倒伏しやすい樹体は支柱により補強してください。
(2) 収穫可能な果実はできる限り収穫してください。その際、農薬散布から収穫までの経過日数に留意してください。
(3) 強い風雨が予想される地域では、カンキツかいよう病の発生が懸念されるため、防除基準に基づき、薬剤散布を行うとともに、既に罹病葉等がある場合には、園外へ処分してください。
(4) 排水が速やかに行われるよう園地周辺の集排水路の点検、清掃を行ってください。特に、マルチ栽培に当たっては、降雨遮断により雨水の園外排出量が増加し、土砂崩れや石垣の崩壊等につながる可能性があるため、排水路や排水溝の点検、清掃に留意してください。

2 被害拡大防止のための対策
(1) 被害程度に応じて、折損した枝の修復や被害果の摘み取り、せん定及び摘果を実施し、生育の回復に努めるとともに、病害虫の防除を適切に実施してください。強風による倒伏や枝裂けが起こった場合には適切な処置を行ってください。また、落葉が激しい場合には、日焼けや樹脂病等の発生に注意し、被害程度に応じて白塗剤の塗布等を行ってください。
(2)  落下した果実については、農薬散布から収穫までの経過日数に留意し、必要に応じて低温保管、選別の徹底、早期出荷等に努めてください。また、りんごについては、果汁のパツリン汚染を防止するため、土壌に触れた果実は、原則、果汁原料用には利用せず、やむを得ず利用する場合には、低温保管、早期利用、腐敗果の除去等に努めてください。
(3) 潮風害を受けた場合は、直ちに水をかけ除塩作業を行ってください。除塩できずに落葉、落果等の被害を受けた場合には、被害程度に応じて液肥の散布、摘果、白塗剤の塗布等を実施してください。

花き

1 事前の対策
(1) 露地栽培の草丈の低い花きについては、寒冷紗等で被覆し、草丈が高く支柱を立てている花きについては、支柱の点検・補強を行い、風害に備えてください。
(2) ほ場内の早期排水対策として、あらかじめ溝切り等の管理作業に努めてください。

2 被害拡大防止のための対策
(1) 冠水又は浸水の被害を受けたほ場においては、速やかな排水に努めるとともに、倒伏した株を早急に立て起こし、茎や花穂の曲がりを防止してください。
(2) 折れた茎葉の除去、適切な薬剤散布等により、病害の発生抑制に努めてください。
(3) 天候が回復した後、被覆資材、支柱、防虫ネット等の栽培施設や資材の点検及び修復を行ってください。特にキク等の栽培に係る電照・補光関連施設(電球、タイマー等)については、速やかに作動状況の点検を行ってください。
(4) 生育初期において被害を受けた場合には、予備苗による植替えや再は種を行い、被害の軽減に努めてください。

 

畑作物・特産物

1 事前の対策
冠浸水の予想されるほ場において、作物の性質やほ場の状況に応じて、冠浸水後の排水対策が速やかに行われるよう、ほ場内に明きょ等を設けるなどの対策を講じてください。

2 被害拡大防止のための対策
(1) 潮風害を受けた場合には、できる限り速やかに散水により除塩してください。
(2) かんしょ・ばれいしょについては、ほ場が滞水した場合、塊茎(塊根)腐敗を起こしやすいので、速やかな排水に努めてください。また、台風通過後、高温が予想される地域においては、特に長時間の冠水又は浸水を避けるとともに、湿潤ほ場での収穫は行わないでください。
(3) てん菜については、ほ場が滞水した場合、生育不良等を起こしやすいので、速やかな排水に努め、長時間の冠水又は浸水を避けてください。また、過湿により病害の発生が助長されるので、状況に応じた適切なほ場管理や薬剤散布を行ってください。
(4) さとうきびについては、台風の通過後、表土の流出により根浮き等が見られることがあるので、この場合、速やかに土で被覆してください。また、塩害が懸念される場合は、スプリンクラー等のかん水施設を活用し、葉面の除塩に努めてください。
(5) 茶については、天候が回復した後、防霜ファン、茶工場等の施設や資材の点検及び修復を行うとともに、傾斜地茶園の場合は、排水溝、石垣、法面等の点検及び修復を行ってください。
(6) こんにゃくいもについては、ほ場が滞水した場合、球茎腐敗を起こしやすいので、速やかな排水に努めてください。また、強風による葉の損傷等が発生した場合は、病害の発生を防止するため、状況に応じた適切なほ場管理や薬剤散布を行ってください。
(7) そばについては、ほ場が滞水した場合、出芽不良や根腐れによる生育不良等を起こしやすいので、速やかな排水に努め、長時間の冠水を避けてください。

 

畜産

1 事前の対策
(1) 畜産施設については、損傷、倒壊等を避けるため、必要に応じて補修を行ってください。
(2) 大雨による畜産施設への浸水のおそれがある場合、明きょの施工等により排水に努めてください。また、畜舎への浸水等により家畜への被害が生じるおそれがある場合には、事前に避難場所を確認し、状況に応じて家畜を避難させる等の適切な処置を行ってください。
(3) 各地域において、あらかじめ停電や断水等の対応を確認し、被災時には自家発電機による搾乳や生乳冷却等について、早急に対応できるよう努めてください。

2 被害拡大防止のための対策
(1) 飼料作物
ア 冠水や浸水等の被害を受けたほ場においては、速やかな排水に努めてください。
イ 倒伏すると収穫量が減少し品質も低下するため、倒伏が著しく回復が見込めない場合には、高刈り等により土砂の混入を避けつつ早めに収穫してください。
   
(2) 家畜
ア 天候が回復した後、直ちに畜産施設内及びその周辺の排水を行ってください。また、土砂が流入した場合には、再度の土砂流入等の事故に十分注意しつつ、土砂を除去してください。
イ 畜舎、牧柵、防鳥ネット等の施設に破損、汚染がないか確認し、必要に応じて補修、洗浄、消毒を行ってください。飲水に適した水の給与や飼養家畜の健康観察など、家畜伝染病予防法(昭和26年法律第166号)に基づく飼養衛生管理基準に沿った衛生管理を徹底し、家畜の伝染性疾病の発生予防措置を講じてください。
ウ 養分の低下した飼料作物や品質の低下した濃厚飼料の給与をする場合にあっては、栄養価、嗜好性等にも配慮し、家畜の生産性が低下することのないよう注意してください。

 


お問い合わせ先

生産局農産部農業環境対策課鳥獣災害対策室
担当者:横地、角張、上杉(全般)
代表:03-3502-8111(内線4772)
ダイヤルイン:03-3591-4958
FAX:03-3502-0869

生産局農産部穀物課
担当者:佐藤、澁谷(水稲、大豆)
代表:03-3502-8111(内線4824)
ダイヤルイン:03-3502-5959
FAX:03-6744-2523

生産局農産部園芸作物課
担当者:秋葉、大倉(園芸作物全般、野菜、果樹、花き)
代表:03-3502-8111(内線4825)
ダイヤルイン:03-6744-2113
FAX:03-3502-0889

生産局農産部地域作物課
担当者:今野、野津(畑作物、特産物)
代表:03-3502-8111(内線4843)
ダイヤルイン:03-3502-5963
FAX:03-3593-2608

生産局農産部技術普及課
担当者:齊賀、江頭(農作業安全全般)
代表:03-3502-8111(内線4774)
ダイヤルイン:03-6744-2111
FAX:03-3597-0142

生産局畜産部畜産企画課
担当者:松本、睦門(畜産全般)
代表:03-3502-8111(内線4893)
ダイヤルイン:03-3501-1083
FAX:03-3501-1386

生産局畜産部畜産振興課草地整備推進室
担当者:杉山、松永(飼料作物)
代表:03-3502-8111(内線4916)
ダイヤルイン:03-3502-5993
FAX:03-3502-8294

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