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プレスリリース

平成22年6月8日

農林水産省

生食用野菜における腸管出血性大腸菌及びサルモネラの実態調査結果

農林水産省は、食中毒原因菌による汚染の低減対策をとる必要があるかを知るため、平成19年度と平成20年度に、国産の生食用野菜における腸管出血性大腸菌(O157及びO26)及びサルモネラ属菌の保有状況を調査しました。

調査は、レタス、キャベツ、ねぎ、トマト及びきゅうりを対象とし、細菌による食中毒の発生が多い初夏から秋にかけて、国内主要産地のほ場から試料を採取し検査しました。その結果、いずれの試料からも腸管出血性大腸菌(O157及びO26)あるいはサルモネラ属菌は検出されませんでした。

なお、今後、野菜の安全性と品質の向上のため、食中毒原因菌の汚染源となりうる農業用水や堆肥等を対象にして調査を継続します。

1 調査の背景と目的

腸管出血性大腸菌やサルモネラ属菌は、動物の腸管内に生存し、糞便とともに環境中へ排泄され、これらを含む農業用水や堆肥等を介して農産物を汚染する可能性があります。

海外においては、ほ場段階で腸管出血性大腸菌やサルモネラ属菌に汚染された生食用野菜が原因とされる集団食中毒が起きています。

そこで、農林水産省は、腸管出血性大腸菌(O157及びO26)及びサルモネラ属菌の汚染低減対策をとる必要があるかどうかを知ることを目的として、平成19年度と平成20年度に、国産の生食用野菜の収穫直後における菌の保有状況を調査しました。

2 調査の内容

(1)調査対象とした生食用野菜

年間出荷量が多い葉菜類及び果菜類のうち、主にサラダ等に使われ、生食されるレタス、キャベツ、トマト及びきゅうり並びにほ場における土と可食部の接触が特に多いと考えられるねぎを対象として選択。

(2)調査期間と対象とした産地

細菌による食中毒の発生が多い初夏から秋を調査期間とし、この時期に全国の出荷量の6割を生産する産地を対象に、出荷量に応じて調査点数を比例配分。

(3)試料の採取と検査

ア 試料の採取

レタスは、6 玉を試料1 点とし、1ほ場につき2点ずつ採取。キャベツ、ねぎ、トマト及びきゅうりは、5 個または5本を試料1 点とし、1ほ場につき1点ずつ採取。

また、予備的調査として、野菜を採取した日に、同じほ場において、野菜を収穫した場所の周辺5箇所から、表面の乾燥している部分を除いて5 gずつ表層土壌を採取して混合するとともに、農薬の希釈に使われる水を採取し、それぞれを試料1点としました。

イ 検査対象の微生物と生食用野菜の組合せ(表1)

(表1)検査対象の微生物と生食用野菜の組合せ

(表1)検査対象の微生物と生食用野菜の組合せ

(注)大腸菌の中には腹痛や下痢などを発症させるものもありますが、ほとんどの大腸菌にはヒトへの病原性がありません。しかし、大腸菌は動物の腸管内に常在し、糞便とともに排泄されるため、一般的に糞便汚染の指標としてよく検査されています(例:プールの水質検査)。本調査においても同様に、野菜における糞便汚染の指標として大腸菌を検査しました。

3 調査の結果

(1)腸管出血性大腸菌及びサルモネラ属菌の生食用野菜からの検出状況

レタス、キャベツ、ねぎ、トマト及びきゅうりのいずれの試料からも、腸管出血性大腸菌(O157及びO26)もサルモネラ属菌も検出されませんでした。しかし、糞便汚染の指標とされている大腸菌は、一部の試料から検出されました(表2)。

(表2)腸管出血性大腸菌及びサルモネラ属菌の生食用野菜からの検出状況

(表2)腸管出血性大腸菌及びサルモネラ属菌の生食用野菜からの検出状況 

(2)生食用野菜を採取したほ場の土壌及び水における微生物の検出状況

予備的調査として、平成19年度は野菜を採取したほ場の土を、平成20年度は野菜を採取したほ場の土及び農薬の希釈に使われる水を対象に、大腸菌の存在を調査しました。

その結果、ほ場の土や水の一部の試料から大腸菌が検出されました(表3)。ただし、ほ場の土や水から大腸菌が検出されることと、野菜から大腸菌が検出されることの間に統計学的な関連は見られませんでした。

なお、腸管出血性大腸菌(O157及びO26)及びサルモネラ属菌の存在についても調査する予定でしたが、これらの菌が生食用野菜から検出されなかったため、ほ場の土や水を対象にした調査は行いませんでした。

(表3)生食用野菜を採取したほ場の土壌及び水における大腸菌の検出状況

(表3)生食用野菜を採取したほ場の土壌及び水における大腸菌の検出状況 

4 まとめと今後の対応

今回、収穫直後のレタス、キャベツ、ねぎ、トマト及びきゅうりを採取し検査した結果、腸管出血性大腸菌(O157及びO26)あるいはサルモネラ属菌は検出されませんでした。この結果は、これらの生食用野菜が、ほ場段階で腸管出血性大腸菌(O157及びO26)やサルモネラ属菌に汚染されている可能性が低いことを示唆しています。

ただし、これらの菌は、動物の腸管から糞便とともに排泄され、農業用水や堆肥等を介して農産物を汚染する可能性があり、少量の摂取でもヒトに感染する場合があります。また、今回調査した全ての品目で、一部の試料から糞便汚染の指標とされている大腸菌が検出されました。

農林水産省は、これらの野菜の安全性や品質を向上させるため、食中毒の原因となる有害微生物や、糞便汚染の指標とされている大腸菌等について、今後農業用水や堆肥等における存在を調査し、その結果を活用して衛生上の重要な管理点を明らかにする予定です。

(参考)

食中毒から身を守るために役立つ情報を農林水産省のホームページで公開しておりますので、是非ご覧ください。

 

また、食中毒の原因となる有害微生物に関する情報も公開しています。

個別危害要因への対応(有害微生物)(http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_micro.html)

 

<添付資料>(添付ファイルは別ウィンドウで開きます。)

お問い合わせ先

消費・安全局農産安全管理課
担当者:調査官 古畑、生産安全班 浜谷・五島
代表:03-3502-8111(内線4507)
ダイヤルイン:03-3592-0306
FAX:03-3580-8592

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