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平成26年2月21日
農林水産省
農林水産省は、平成24年度に実施した国産玄米及び精米中のヒ素(総ヒ素・無機ヒ素)の含有実態調査の結果を取りまとめました。 農林水産省は、コメ中のヒ素濃度低減対策の導入に向けて、水田土壌中のヒ素の実態調査や水稲による土壌中ヒ素の吸収を抑制する栽培管理方法の研究開発を進めていきます。 |
農林水産省は、「食品の安全性に関する有害化学物質のサーベイランス・モニタリング中期計画」(平成18年4月20日、平成22年12月22日公表)に基づき、国産農産物中ヒ素の含有実態を調査しています。平成24年度の国産玄米及びその玄米をとう精して得られた精米を対象としてヒ素の含有実態調査の結果を取りまとめました。
平成24年産の国産玄米及びその玄米をとう精して得られた精米に含まれる総ヒ素濃度及び無機ヒ素濃度を調査しました。調査試料は、全国のコメの集出荷施設等において、地域の水稲作付面積に応じた点数を採取しました。
その結果、調査した全ての試料において総ヒ素、無機ヒ素ともに分析値は定量限界以上でした。また、コメに含まれるヒ素のうち、無機ヒ素が占める割合の中央値(最小値-最大値)は、玄米で92%(58%-100%)、精米で90%(41%-100%)であり、玄米、精米ともに含まれるヒ素の大部分が無機ヒ素でした。
品目 |
調査物質 |
調査点数 |
中央値 (mg/kg) |
平均値 (mg/kg) |
最大値 (mg/kg) |
無機ヒ素の割合(%) 中央値 (最小値-最大値) |
玄米 |
総ヒ素 |
600 |
0.21 |
0.23 |
0.80 |
92 (58-100) |
無機ヒ素 |
600 |
0.20 |
0.21 |
0.59 |
||
精米 |
総ヒ素 |
600 |
0.13 |
0.14 |
0.44 |
90 (41-100) |
無機ヒ素 |
600 |
0.12 |
0.12 |
0.26 |
更に、玄米とその玄米をとう精して得られた精米中のヒ素濃度を比較しました。その結果、玄米中のヒ素濃度に対する精米中のヒ素濃度の比率は、その中央値(最小値-最大値)が、総ヒ素で63%(38%-89%)、無機ヒ素で60%(33%-100%)であり、精米は玄米よりも低い値を示しました。
調査物質 |
調査点数 |
玄米中のヒ素濃度に対する精米中のヒ素濃度の比率 |
|||
最小値(%) |
中央値(%) |
平均値(%) |
最大値(%) |
||
総ヒ素 |
600 |
38 |
63 |
63 |
89 |
無機ヒ素 |
600 |
33 |
60 |
61 |
100 |
(玄米中のヒ素濃度に対する精米中のヒ素濃度の比率)(%)=(精米中のヒ素濃度)/
(玄米中のヒ素濃度)× 100
農林水産省は、コメ中のヒ素濃度低減対策の導入に向けて、今後、水田土壌中に含まれるヒ素の実態を調査するとともに、引き続き、水稲による土壌中のヒ素の吸収を抑制する栽培管理方法について研究開発を進めていきます。
ヒ素は、火山活動等の自然現象や産業活動に伴って環境中に放出され、土壌や水といった環境中に広く存在しています。このため、様々な食品や飲料水は、低濃度のヒ素を含んでいます。また、農産物の中ではコメが他の農産物よりもヒ素濃度が高いことが分かっています。
食品からのヒ素の摂取に関しては、食品安全委員会は、「日本人が食品を通じて摂取するヒ素の現状に問題があるとは考えていない」、ただし、「一部の集団で多く無機ヒ素を摂取している可能性があることから、特定の食品に偏らずバランスのよい食生活を心がけることが重要」としています。
その一方で、ヒ素のように意図せず食品に含まれる有害化学物質については、食品の生産から消費までの過程において適切な対策を行い、その濃度を低減していくことが重要です。これは、国際食品規格の策定等を行う国際機関であるコーデックス委員会において合意された考え方です。
・食品中のヒ素に関する情報
http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_as/index.html
・食品安全に関するリスクプロファイルシート(ヒ素)
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem.html
・食品中のヒ素に係る食品健康影響評価書及び食品中のヒ素に関するQ&A(食品安全委員会)
http://www.fsc.go.jp/fsciis/evaluationDocument/show/kya2003070301k [外部リンク]
・食品の安全性に関する有害化学物質のサーベイランス・モニタリング中期計画
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/survei/middle_chem.html
<添付資料>(添付ファイルは別ウィンドウで開きます。)
消費・安全局農産安全管理課
担当者:土壌汚染防止班 青木、浜砂
代表:03-3502-8111(内線4507)
ダイヤルイン:03-3592-0306
FAX:03-3580-8592