ホーム > 報道・広報 > 報道発表資料 > 「平成27年度病害虫発生予報第8号」の発表について
平成27年10月20日
農林水産省
向こう1か月の主要な病害虫の発生予察情報については、次のとおりです。
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〇気象庁の向こう1か月予報(10月15日)では、北日本日本海側、西日本太平洋側及び沖縄・奄美では、平年より雨が多く、日照時間が短くなると予想されます。また、北日本太平洋側、東日本及び西日本日本海側では、平年より雨が少なく、日照時間が長くなると予想されます。一般に、雨が多く、日照時間が短いと、べと病や灰色かび病などの病害の発生が多くなり、雨が少ないと、ハダニなどの害虫の発生が多くなります。天候の推移に留意するとともに、ほ場の観察をきめ細かく行い、早期発見、早期防除に努めてください。
<イネいもち病>
〇本年は、一部の地域において本病の発生が多くみられました。本病が発生したほ場の稲わらは、次シーズンの伝染源となることから、育苗ハウスに持ち込まないようにしてください。
<イネ縞葉枯病>
〇本病は、イネ縞葉枯ウイルスに感染した稲を吸汁したヒメトビウンカが媒介し、経卵伝染します。また、ヒメトビウンカは、イネ科雑草で越冬します。本ウイルスを保毒したヒメトビウンカの増殖を防止するため、本病の発生が確認された収穫後のほ場では、伝染源となる再生株(ひこばえ)の速やかなすき込み及び周辺の雑草除去に努めてください。
作物名 | 病害虫 | 発生が「多い」と予想される地域 | 発生が「やや多い」と予想される地域 |
---|---|---|---|
大豆 | べと病 | 東海(静岡) | 中国(岡山)、九州(大分、宮崎) |
吸実性カメムシ類 | 北関東(栃木)、東海(静岡)、四国(香川) | ||
ハスモンヨトウ | 北関東(栃木)、近畿(京都) |
注1)都道府県名の下線は、その県の平年値より「多い」と予想されることを指し、下線なしは、「やや多い」と予想されることを指します。
注2)表中の「都道府県」については、必ずしも、その全域で発生がみられるものではありません。
〇ダイズべと病は、温暖・多湿条件で発生が助長されます。株間の通風を図るとともに、水はけの悪いほ場では速やかに排水を行う等の措置を行ってください。また、被害茎葉は伝染源となるため、ほ場外に埋める等、適切に処分してください。
〇吸実性カメムシ類、ハスモンヨトウの発生が、一部地域で「やや多い」と予想されます。ほ場を注意深く観察し、早期発見・早期防除に努めることが重要です。特に、ハスモンヨトウの食害を受けると、葉が白っぽく見える(白変葉)ことがありますので、これを手がかりに見回りを実施してください。
作物名 | 病害虫 | 発生が「多い」と予想される地域 | 発生が「やや多い」と予想される地域 |
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野菜共通 | アブラムシ類 | 関東(茨城、千葉、神奈川)、四国(徳島、香川、高知) | 東海(愛知)、近畿(大阪)、北九州(佐賀) |
キャベツ | 黒腐病 | 東海(愛知) | 南関東(神奈川)、近畿(京都)、中国(鳥取) |
コナガ | 四国(香川) | ||
ハスモンヨトウ | 南九州(鹿児島) | 南関東(神奈川県) | |
モンシロチョウ | 近畿(大阪) | ||
きゅうり | うどんこ病 | 南関東(埼玉、東京、神奈川)、北陸(新潟)、近畿(大阪) | |
べと病 | 関東(栃木、群馬、埼玉) | 近畿(大阪)、中国(岡山) | |
だいこん | コナガ | 中国(岡山) | |
トマト | 灰色かび病 | 南東北(福島)、北陸(石川) | |
なす | タバコガ類 | 近畿(大阪) | |
ねぎ | さび病 | 南関東(神奈川) | 北陸(新潟) |
ネギアザミウマ | 近畿(京都) | 北東北(秋田)、南関東(千葉)、北陸(新潟)、中国(鳥取) | |
はくさい | コナガ | 北関東(茨城) | |
レタス | 菌核病 | 北関東(茨城) | |
きく | 白さび病 | 近畿(奈良) |
注1)都道府県名の下線は、その県の平年値より「多い」と予想されることを指し、下線なしは、「やや多い」と予想されることを指します。
注2)表中の「都道府県」については、必ずしも、その全域で発生がみられるものではありません。
<野菜共通>
〇アブラムシ類の発生は、いちご、キャベツ、トマト、なす、にんじん、はくさい、レタスで「多い」又は「やや多い」と予想されます。本虫は、多発してからでは防除が困難となるため、ほ場の観察をきめ細かく行い、早期発見に努め、発生を認めた場合は適期に防除を実施してください。
<きゅうり>
〇一部の地域で、キュウリべと病及びキュウリうどんこ病の発生が、「多い」又は「やや多い」と予想されます。これらの病害は、多発すると防除が困難なので、早期発見に努め、適時適切な薬剤防除を実施してください。
<トマト>
〇トマト灰色かび病の発生は、20度前後で助長されることから、多くなると予想されます。本病は、多発すると防除が困難なので、早期発見に努め、適時適切な薬剤防除を実施してください。
作物名 | 病害虫 | 発生が「多い」と予想される地域 | 発生が「やや多い」と予想される地域 |
---|---|---|---|
かんきつ | かいよう病 | 四国(愛媛、高知) | 中国(広島)、南九州(鹿児島) |
黒点病 | 中国(広島)、四国(高知) | ||
そうか病 | 四国(高知) | 南関東(千葉) | |
ミカンハダニ | 四国(香川、高知) | 南関東(千葉)、中国(広島) | |
りんご | 斑点落葉病 | 南東北(宮城) | |
なし | 黒斑病 | 四国(香川) | |
黒星病 | 東海(愛知) | 中国(鳥取) | |
もも | モモせん孔細菌病 | 南東北(福島) | |
ぶどう | べと病 | 四国(香川) | |
かき | ハマキムシ類 | 東海(岐阜) | |
フジコナカイガラムシ | 東海(静岡)、北九州(福岡) | 四国(徳島) | |
茶 | カンザワハダニ | 南関東(神奈川) | |
チャノコカクモンハマキ | 近畿(滋賀) | ||
チャハマキ | 南関東(埼玉)、東海(三重) |
注1)都道府県名の下線は、その県の平年値より「多い」と予想されることを指し、下線なしは、「やや多い」と予想されることを指します。
注2)表中の「都道府県」については、必ずしも、その全域で発生がみられるものではありません。
<なし>
〇ナシ黒星病の発生が多かった園地では、来年も発生が多くなるおそれがあるため、一次伝染源となる落葉や病斑部位を除去することが重要です。各都道府県の防除指針に従い、秋季防除を適切に実施してください。
<もも>
〇モモせん孔細菌病は、翌年の発生を抑えるため、収穫後に、薬剤散布等の秋季防除を行うことが効果的です。特に今年度、本病の発生が多かった地域では、園内に病原菌が拡散していることが懸念されます。都道府県の防除指針等に従い、適時適切な防除に努めてください。
<キウイフルーツ>
〇キウイフルーツかいよう病は、早期発見、早期防除に努め、感染樹を発見した際には、適切に発症部位の除去等を行うことが必要です。ほ場の観察をきめ細かく行い、適時適切な防除を実施してください。
平成27年9月19日以降、都道府県が発表している警報、注意報及び特殊報は以下のとおりです。
重要な病害虫が大発生することが予測され、かつ、早急に防除措置を講ずる必要がある場合に発表します。
警報を発表するほどではないが、重要な病害虫が多発することが予測され、かつ、早めに防除措置を講じる必要がある場合に発表します。
発表月日 | 都道府県名 | 対象 | 対象病害虫名 |
---|---|---|---|
9月25日 | 香川県 | かき | カキ炭そ病 |
10月2日 | 愛知県 | キャベツ | キャベツ黒腐病 |
10月2日 | 愛知県 | いちご | ハダニ類 |
10月14日 | 長崎県 | いちご | ハダニ類(ナミハダニ、カンザワハダニ) |
新たな病害虫を発見した場合及び重要な病害虫の発生消長に特異な現象が認められた場合に発表します。
発表月日 | 都道府県名 | 対象 | 対象病害虫名 |
---|---|---|---|
10月1日 | 鳥取県 | トルコギキョウ | トルコギキョウえそ輪紋病(IYSV) |
10月8日 | 埼玉県 | 茶 | ヒサカキワタフキコナジラミ |
10月15日 | 静岡県 | トマト、なす | タバコノミハムシ |
第9号:11月24日(火曜日)
第10号:平成28年2月23日(火曜日)
(参考)これまでの発表
第1号:4月21日(火曜日)
第2号:5月19日(火曜日)
第3号:6月23日(火曜日)
第4号:7月14日(火曜日)
第5号:7月28日(火曜日)
第6号:8月18日(火曜日)
第7号:9月18日(金曜日)
消費・安全局植物防疫課
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