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農林水産省

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プレスリリース

「平成28年度病害虫発生予報第8号」の発表について

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平成28年10月18日
農林水産省

向こう1か月の主要な病害虫の発生予察情報については、次のとおりです。
〇大豆及び野菜では、ヨトウムシ類の発生が多くなると予想されます。ふ化幼虫の加害により葉が白く変色する等の症状を早期に発見するよう努め、発生を認めた場合は適切に防除を実施してください。
〇その他の病害虫の発生動向としては、大豆では吸実性カメムシ類、野菜ではタバコガ類、ハダニ類及びネギアザミウマ、茶ではカンザワハダニ及びチャノコカクモンハマキの発生が多いと予想されます。

気象・環境

〇気象庁の向こう1か月の予報(10月13日付け)では、気温は、北日本で平年並み又は高く、東・西日本及び沖縄・奄美で高いと予想されています。降水量は、北・西日本日本海側、東日本太平洋側及び沖縄・奄美で平年並み又は多く、西日本太平洋側で多いと予想されています。日照時間は、北日本日本海側、西日本及び沖縄・奄美で平年並み又は少ないと予想されています。
〇8月下旬から10月上旬にかけて、多くの台風の接近や通過によって、降雨や暴風が続き、国内の広い範囲で農作物の損傷や冠水等の被害が発生しました。被害が発生した地域では農作物に病害が発生しやすくなっていると考えられます。

水稲

<イネいもち病>
〇本年
は、一部の地域で穂いもちの発生が多くみられました。本病が発生したほ場の稲わらは、次シーズンの伝染源となることから、育苗ハウスに持ち込まないようにしてください。

<イネ縞葉枯病>
〇本年は、一部の地域で発生がやや多くみられました。本病は、イネ縞葉枯ウイルスに感染することにより発病し、ヒメトビウンカが当該ウイルスを伝搬します。また、経卵伝染により、次世代も当該ウイルスを伝搬することが可能となります。ヒメトビウンカは、イネ科雑草で越冬するので、本ウイルスを保毒したヒメトビウンカの増殖を防止するため、本病の発生が確認されたほ場では、収穫後に、伝染源となる再生株(ひこばえ)の速やかなすき込み及び周辺の雑草除去に努めてください。

<トビイロウンカ>
トビイロウンカは秋ウンカと呼ばれ、8月以降収穫期にかけて発生量が多くなり、急激に発生密度が上昇することにより坪枯れ等の被害を起こします。10月5日に佐賀県で注意報が発表されています。11月上旬まで晩生品種の収穫が続く九州地域では、ほ場を注意深く観察し、早期発見に努め、各県の防除基準等に従い、適切に防除を実施してください。なお、薬剤防除にあたっては、使用する登録農薬の使用時期(収穫前日数)に留意してください。

豆類

豆類で各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫及びその地域
作物名 病害虫名 発生が「多い」と予想される地域 発生が「やや多い」と予想される地域 
大豆 吸実性カメムシ類 東海(岐阜、静岡)、北九州(佐賀 甲信(長野)、四国(香川)
ハスモンヨトウ 近畿(京都)、四国(香川、愛媛)、北九州(佐賀 北陸(富山、福井)、東海(岐阜、静岡、三重)
注1)都道府県名の下線は、各地の平年値より「多い」と予想されることを指し、下線なしは、「やや多い」と予想されることを指します。
注2)表中の「都道府県」については、必ずしも、その全域で発生がみられるものではありません。

<大豆>
吸実性カメムシ類及びハスモンヨトウの発生が、一部の地域で「多い」又は「やや多い」と予想されます。ハスモンヨトウについては、病害虫発生予報第7号発表以降、9月28日に佐賀県で注意報が発表されています。ほ場を注意深く観察し、早期発見に努め、各都道府県の防除基準等に従い、適切に防除を実施してください。なお、薬剤防除にあたっては、使用する登録農薬の使用時期(収穫前日数)に留意してください。

野菜・花き

野菜・花きで各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫及びその地域
作物名 病害虫名 発生が「多い」と予想される地域 発生が「やや多い」と予想される地域
野菜共通 ハスモンヨトウ 北関東(栃木)、北陸(富山、石川、福井)、東海(岐阜、静岡、愛知、三重)、近畿(京都)、中国(広島山口)、四国(徳島、香川、愛媛) 南九州(熊本、宮崎)
シロイチモジヨトウ 近畿(京都)、中国(山口)、四国(徳島、愛媛) 北陸(富山、石川)、東海(三重)、北九州(大分)
タバコガ類 東海(岐阜、愛知)、中国(広島、山口)、四国(徳島、香川、愛媛)、北九州(大分 甲信(山梨)、北陸(石川)
いちご ハダニ類 関東(栃木、埼玉 東海(静岡、愛知)、四国(愛媛)、北九州(佐賀、大分)
うどんこ病 北関東(栃木  
アブラムシ類 北九州(佐賀  
炭そ病   北関東(栃木)、東海(静岡、愛知)、九州(大分、熊本)
キャベツ ヨトウガ 北東北(秋田  
ねぎ さび病 北陸(富山 関東(茨城、埼玉)
ネギアザミウマ 北東北(秋田)、北陸(富山)、近畿(京都 四国(徳島)
黒斑病 北陸(富山 南東北(山形)
きゅうり うどんこ病 関東(栃木、埼玉、東京) 南九州(宮崎)
ベと病   関東(栃木、群馬、埼玉)、四国(愛媛)、南九州(宮崎)
きく アザミウマ類 北陸(福井)、北九州(佐賀 北関東(栃木)
タバコガ類 東海(岐阜、愛知) 北陸(富山)
注1)都道府県名の下線は、各地の平年値より「多い」と予想されることを指し、下線なしは、「やや多い」と予想されることを指します。
注2)表中の「都道府県」については、必ずしも、その全域で発生がみられるものではありません。

<野菜共通>
ヨトウムシ類の発生が、多くの地域で「多い」又は「やや多い」と予想され、9月28日に佐賀県でハスモンヨトウの注意報が発表されています。ほ場の観察をきめ細かく行い、ふ化幼虫の加害により葉が白く変色する等の症状を早期に発見するよう努め、発生を認めた場合は適切に防除を実施してください。

タバコガ類の発生が、多くの地域で「多い」又は「やや多い」と予想されます。本虫は野菜の株や果実に食入してからでは防除が困難となるため、ほ場の観察をきめ細かく行い、早期発見に努め、発生を認めた場合は適切に防除を実施してください。

ヨトウムシの注意報

<ねぎ>
ネギアザミウマの発生が、一部の地域で「多い」又は「やや多い」と予想されます。本虫は、発生密度が高くなってからでは防除が困難となるため、ほ場の観察をきめ細かく行い、発生初期に防除を実施してください。

果樹・茶

果樹・茶で各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫及びその地域
作物名 病害虫名 発生が「多い」と予想される地域 発生が「やや多い」と予想される地域
果樹共通 カメムシ類 北九州(佐賀 四国(徳島)
なし 黒星病   東海(静岡、愛知)、近畿(滋賀)、中国(鳥取)
もも せん孔細菌病   南東北(福島)
かんきつ アブラムシ類   東海(三重)、四国(徳島)、北九州(佐賀)
かいよう病   四国(徳島、愛媛)
ミカンハダニ   東海(三重)、四国(徳島)、北九州(佐賀)
カンザワハダニ 近畿(滋賀 東海(三重)
チャノコカクモンハマキ 南関東(埼玉、東京)、東海(岐阜静岡、三重)、近畿(京都  
チャハマキ 南関東(埼玉、東京) 東海(岐阜)
注1)都道府県名の下線は、各地の平年値より「多い」と予想されることを指し、下線なしは、「やや多い」と予想されることを指します。
注2)表中の「都道府県」については、必ずしも、その全域で発生がみられるものではありません。

<なし>

ナシ黒星病については今年度、東北、東海、近畿、四国及び北九州地域で発生が多くみられ、3県では注意報が発表されました。多くの地域で今年の収穫が終了していますが、園内の菌密度が高まると、来年も発生が多くなります。来年の発生を抑制するため、一次伝染源となる落葉やりん片に形成された病斑を除去することが重要です。また、落葉前までに薬剤散布を行うと、来年の発生を効果的に予防することができるので、各都道府県の防除基準等に従い、適切に秋季防除を実施してください。

ナシ黒星病の注意報

<もも>
モモせん孔細菌病については今年度、近畿地域の一部の県で発生が多くみられ、6県で注意報が発表されました。特に、台風の接近や通過によって、激しい風雨に見舞われた地域では、樹体上に病原菌が拡散した可能性があり、来年の春型枝病斑の発生が多くなることが懸念されます。来年の発生を抑制するため、各都道府県の防除基準等に従い、適切に収穫後の防除を実施してください。

モモせん孔細菌病の注意報

<キウイフルーツ>
キウイフルーツかいよう病は、早期発見、早期防除に努め、感染樹を発見した際には、適切に発症部位の除去等を行うことが必要です。ほ場の観察をきめ細かく行い、適期に適切な防除を実施してください。
・本病は、剪定作業や風雨等により葉や枝の傷口等から病原細菌が侵入し、感染するキウイフルーツ等の病気です。枝幹部からの樹液の漏出、葉の褐色斑点、新梢の変色や枯れ込み等の症状に注意しながら園内の見回りを実施し、早期発見・早期防除に努めてください。
・感染樹を発見した際は、分散防止のため、登録農薬を施用し、速やかに発症部位の基部寄りからの切除(骨格枝あるいは主幹側に強く切り戻し)等を実施してください。
・ハサミ等の作業器具は、樹ごとに200ppm以上の濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液又は70%エタノールを用いて消毒し、枝等の切除を行った際は、切り口に登録農薬(チオファネートメチル剤)を塗布することを徹底してください。切除及び伐採を行った枝等は、土中への埋没又は焼却により処分をしてください。

<茶>
カンザワハダニ及びチャノコカクモンハマキの発生が、一部の地域で「多い」又は「やや多い」と予想されます。多発茶園では、秋冬番茶摘採後、各都道府県の防除基準等に従って適切な防除を行い、越冬個体数を削減してください。

都道府県が発表した警報、注意報及び特殊報

平成28年9月20日以降、都道府県が発表している警報、注意報及び特殊報は以下のとおりです。

警報

重要な病害虫が大発生することが予測され、かつ、早急に防除措置を講ずる必要がある場合に発表します。
・発表はありません。

注意報

警報を発表するほどではないが、重要な病害虫が多発することが予測され、かつ、早めに防除措置を講じる必要がある場合に発表します。
発表月日 都道府県名 対象作物名 対象病害虫名
9月28日 香川県 かき カキ炭そ病
9月28日 佐賀県 大豆、野菜類、花き類、果樹類 ハスモンヨトウ
10月3日 岐阜県 トマト トマト灰色かび病
10月3日 長崎県 果樹共通(かんきつ、なし、かき、キウイフルーツ等) 果樹カメムシ類
10月5日 佐賀県 普通期水稲(中晩生品種) トビイロウンカ
10月5日 熊本県 トマト トマト黄化葉巻病(TYLCV)
10月12日 徳島県 果樹全般(特に、カンキツ類、カキ、キウイフルーツ) 果樹カメムシ類(主に、ツヤアオカメムシ、チャバネアオカメムシ)

特殊報

新たな病害虫を発見した場合及び重要な病害虫の発生消長に特異な現象が認められた場合に発表します。
発表月日 都道府県名 対象作物名 対象病害虫名
9月23日 神奈川県 こまつな コマツナ黒斑細菌病(新称)
9月28日 大分県 さつまいも ヨツモンカメノコハムシ
9月29日 京都府 なす ヒメジュウジナガカメムシ
9月29日 高知県 にら カンザワハダニ
9月30日 茨城県 なす トビイロシワアリ
9月30日 栃木県 めぼうき(バジル) メボウキべと病
10月3日 岐阜県 ほうれんそう ホウレンソウべと病(レース12)
10月12日 福岡県 トマト トマトフザリウム株腐病
10月12日 高知県 かんしょ ヨツモンカメノコハムシ

病害虫防除に関する留意事項

一般

・病害虫の防除を効果的に実施するためには、注意深くほ場観察を行うことにより、病害虫の発生状況を的確に把握することが必要となります。病害虫の発生は天候の影響を大きく受けるので、天気の推移に注意しつつ、各都道府県の防除基準等に従い、適期に適切な防除を実施してください。
・薬剤防除を実施する場合は、農薬の使用基準を遵守して適切な薬剤を選択するとともに、散布対象外の農作物等に農薬が飛散しないよう対策を講じてください。また、病害虫が薬剤抵抗性を獲得しないように、同一系統薬剤の連続使用を避けてください。

露地栽培

・これまで、多雨等の病害が発生しやすい気象条件が続いたことから、引き続きほ場観察を行い、病害の早期発見に努め、発生を認めた場合は適期に適切な防除を実施してください。

施設栽培

・ウイルス病を媒介するアザミウマ類アブラムシ類コナジラミ類等の侵入や野外への飛び出しを防止するため、施設の開口部に防虫ネットを設置する等の対策を実施してください。また、雑草はこれら害虫の発生源となるので、施設内及び周辺の除草を定期的に行うよう努めてください。
・作物残さは、害虫の発生源となり、り病葉、り病果は、病害の伝染源となります。栽培終了後は蒸し込み処理等を行い、作物残さでの生存虫を死滅させてから搬出し、土中に埋める等、確実に処分をしてください。
・施設内が過湿になると、病害の発生が助長されるため、施設周辺に排水路を整備して、雨水が施設内に入らないように留意するとともに、過度なかん水を回避する、循環扇を設置する、換気を行う、作物の株間の通風を図る等により、施設内が過湿にならないように管理してください。また、病害の早期発見に努め、伝染源となるり病葉やり病果は除去し、適期に薬剤防除を実施してください。

緊急防除に関する事項

ウメ輪紋病の発生地域においては、緊急防除を実施しています。感染植物の廃棄等への御協力を引き続きよろしくお願いします。また、ジャガイモシロシストセンチュウが確認された地域では、引き続き土壌の移動防止などのまん延防止対策の徹底をお願いします。

用語解説

地域

北海道:北海道
東北:青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県
  北東北:青森県、岩手県、秋田県
  南東北:宮城県、山形県、福島県
関東:茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県
  北関東:茨城県、栃木県、群馬県
  南関東:埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県
甲信:山梨県、長野県
北陸:新潟県、富山県、石川県、福井県
東海:岐阜県、静岡県、愛知県、三重県
近畿:滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県
中国:鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県
四国:徳島県、香川県、愛媛県、高知県
九州:福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県
  北九州:福岡県、佐賀県、長崎県、大分県
  南九州:熊本県、宮崎県、鹿児島県
沖縄:沖縄県

発生量(程度)

多い(高い):やや多いの外側10%の度数の入る幅
やや多い(やや高い):平年並の外側20%の度数の入る幅
平年並:平年値を中心として40%の度数の入る幅
やや少ない(やや低い):平年並の外側20%の度数の入る幅
少ない(低い):やや少ないの外側10%の度数の入る幅
(平年値は過去10 年間の平均)

平成28年度発表予定日

第9号:11月22日(火曜日)
第10号:平成29年2月21日(火曜日)
(参考)これまでの発表
第1号:4月19日(火曜日)
第2号:5月24日(火曜日)
第3号:6月21日(火曜日)
第4号:7月12日(火曜日)
第5号:7月26日(火曜日)
第6号:8月23日(火曜日)
第7号:9月20日(火曜日)

お問合せ先

消費・安全局植物防疫課

担当者:防除班 白石、越智
代表:03-3502-8111(内線4562)
ダイヤルイン:03-3502-3382
FAX番号:03-3502-3386