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農林水産省

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プレスリリース

「平成28年度病害虫発生予報第10号」の発表について

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平成29年2月21日
農林水産省
向こう1か月の主要な病害虫の発生予察情報については、次のとおりです。

・これから育苗が始まる水稲では、種子消毒等を的確に実施し、健全な苗を育てることに努めてください。
・野菜類の病害虫の発生動向として、いちごではハダニ類及び灰色かび病の発生が多く、たまねぎではベと病の発生が一部地域で多いと予想されています。
・果樹や茶では、平成29年春の病害虫防除を効率的かつ効果的に実施する必要があることから、病害虫の越冬量及び越冬密度を低下させるため、り病枝葉、越冬箇所となる粗皮下の除去等が重要です。

気象・環境

気象庁の向こう1か月の予報(2月16日付け)では、気温は、西日本で平年並み又は高いと予想されています。降水量は、北日本太平洋側及び西日本日本海側で平年並み又は多く、東日本太平洋側で平年並み又は少なく、沖縄・奄美で少ないと予想されています。日照時間は、沖縄・奄美で多く、東・西日本太平洋側で平年並み又は多いと予想されています。

水稲

・イネいもち病イネもみ枯細菌病イネばか苗病等の種子伝染性病害の発生が多かった地域では、種子消毒等を的確に実施し、健全な種子を使用して育苗するように努めてください。イネいもち病では、一部の薬剤に対して耐性菌が発生していることから、都道府県から発表されている耐性菌の分布情報等を参考にして、効果的な薬剤の選定・準備を行ってください。

イネ縞葉枯病は、ヒメトビウンカによって病原ウイルスが媒介され、経卵伝染により後世代も当該ウイルスを保毒します。そのため、ヒメトビウンカの越冬場所となるイネ科雑草の除去や再生株(ひこばえ)のすき込みを行い、当該虫の防除を実施することにより本病の発生の抑制に努めてください。なお、近年、当該ウイルスの保毒虫率が高まっている地域にあっては、ヒメトビウンカに効果の高い育苗箱施用剤による防除の実施を検討してください。

野菜・花き

野菜・花きで各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫及びその地域

作物名 病害虫名 発生が「多い」と予想される地域 発生が「やや多い」と予想される地域
いちご うどんこ病 南関東(埼玉 南東北(福島)
灰色かび病  南関東(千葉 東海(静岡、愛知)、北九州(福岡、佐賀、長崎)
アブラムシ類 北関東(栃木 東海(静岡)、四国(徳島)
ハダニ類  関東(茨城、栃木、埼玉、千葉神奈川)、東海(岐阜

南東北(福島)、四国(徳島、愛媛)、九州(長崎、鹿児島)
キャベツ 菌核病 北九州(福岡  
黒腐病 北九州(福岡  
きゅうり うどんこ病   北関東(栃木)、南九州(熊本)
べと病   東海(愛知)、南九州(宮崎)
アザミウマ類 四国(高知)、九州(鹿児島

南関東(埼玉)、東海(愛知)
コナジラミ類   北関東(茨城)、四国(徳島、高知)、九州(長崎、鹿児島)
たまねぎ べと病  近畿(兵庫)、北九州(佐賀

 四国(香川)
トマト 葉かび病 関東(茨城、千葉)、九州(佐賀、長崎、宮崎)

 
コナジラミ類 北九州(長崎  
ばれいしょ 疫病 南九州(鹿児島  
レタス 菌核病 四国(徳島、香川) 南関東(千葉)
きく アザミウマ類 南九州(鹿児島  
注1)都道府県名の下線は、各地の平年値より「多い」と予想されることを指し、下線なしは、「やや多い」と予想されることを指します。
注2)表中の「都道府県」については、必ずしも、その全域で発生がみられるものではありません。

野菜・花き共通

アザミウマ類アブラムシ類及びコナジラミ類の発生が、一部の地域で多くなると予想されています。これら害虫は、作物を加害するほか、多くの病原ウイルスを媒介することが知られています。発生密度が高くなってからでは防除が困難となるため、ほ場の観察をきめ細かく行い、発生初期に防除を実施してください。

いちご

・灰色かび病について、一部の地域で発生が多くなると予想されています。本病は、気温が20℃前後で多湿の場合に発病が助長されることから、換気等により施設内の湿度低下に努めてください。また、伝染源となるり病部は除去し、薬剤を使用する際には、都道府県の発表する予察情報等を参考に、薬剤の選定・散布を行ってください。

・ハダニ類
については、発生を認めたほ場において、気温の上昇とともに増加する傾向があります。また、発生密度が上昇してからでは、防除が困難となるため、早期発見に努め、発生初期に防除を実施してください。なお、本虫は、薬剤抵抗性を獲得しやすいので、同一系統の農薬の連続使用を避けるため、都道府県等の発表する予察情報等を参考に薬剤の選定・散布を実施してください。


たまねぎ

べと病について、一部の地域で多くなることが予想され、佐賀県、兵庫県及び香川県から注意報が発表されています。本病は、越年り病株が伝染源となり、降雨によって感染が助長されます。前年に多発した地域では、菌密度が高いほ場環境となっているので、特に注意が必要です。ほ場内をよく観察し、越年り病株の抜き取りや薬剤による防除を徹底してください。

果樹・茶

果樹共通

・果樹や茶では、平成29年春の病害虫防除を効率的かつ効果的に実施するため、病害虫の越冬量及び越冬密度を低下させ、病害虫の発生を抑制することが重要です。

・病害対策としては、平成29年春の一次伝染源となるり病枝葉の除去、病斑部の削り取りを実施してください。モモせん孔細菌病の常発地や前年にナシ・リンゴ黒星病等の病害が多発した地域では、特に徹底してください。

・虫害対策としては、ハダニ類及びカイガラムシ類の発生が多かった園地では、粗皮下の除去やマシン油散布による防除を実施してください。

・積雪等により、枝が折れる等の損傷をした樹体は、病害虫が侵入しやすくなっているので、傷口に薬剤を塗布する等の処理を適切に実施してください。

うめ

・ウメ輪紋病は、アブラムシ類によって媒介されるため、本病の拡大を防ぐためには、アブラムシ類の防除が重要となります。春先に気温が高くなるとアブラムシ類の発生が多くなるので、防除対策を実施している地域では、発生初期の防除を徹底してください。


都道府県が発表した警報、注意報及び特殊報

平成28年11月22日以降、都道府県が発表している警報、注意報及び特殊報は以下のとおりです。

警報

重要な病害虫が大発生することが予測され、かつ、早急に防除措置を講ずる必要がある場合に発表します。

・発表はありません。

注意報

警報を発表するほどではないが、重要な病害虫が多発することが予測され、かつ、早めに防除措置を講じる必要がある場合に発表します。

発表月日 都道府県名 対象作物名 対象病害虫名
12月26日 長崎県 いちご イチゴ灰色かび病
1月27日 香川県 たまねぎ タマネギべと病
1月27日 沖縄県 さとうきび メイチュウ類
(カンシャシンクイハマキ)
1月30日 宮崎県 ピーマン ピーマン斑点病
1月30日 宮崎県 トマト トマト葉かび病、トマトすすかび病
1月31日 佐賀県 たまねぎ タマネギべと病
2月1日 長崎県 いちご ハダニ類
(ナミハダニ、カンザワハダニ)
2月8日 兵庫県 たまねぎ タマネギべと病


特殊報

新たな病害虫を発見した場合及び重要な病害虫の発生消長に特異な現象が認められた場合に発表します。

発表月日 都道府県名 対象作物名 対象病害虫名
11月25日 和歌山県 めぼうき(バジル) メボウキべと病
12月21日 東京都 水稲、野菜類 ミナミアオカメムシ
12月22日 秋田県 なし ナシさび色胴枯病
12月28日 神奈川県 きゅうり キュウリ灰白色斑紋病(仮称)
1月6日 福岡県 ヒムロスギ クロトンアザミウマ
1月6日 福岡県 トルコギキョウ トルコギキョウ斑点病
1月6日 長野県 アスパラガス アスパラガス疫病
1月16日 神奈川県 さつまいも ヨツモンカメノコハムシ
1月23日 神奈川県 ローズマリー Eupteryx decemnotata Rey
(国内未記録種のヨコバイ類)
1月30日 宮城県 トマト トマト退緑萎縮病
1月31日 愛知県 なし ナシさび色胴枯病
2月14日 京都府 ほうれんそう ハコベハナバエ

病害虫防除に関する留意事項

一般

・病害虫の防除を効果的に実施するためには、注意深くほ場観察を行うことにより、病害虫の発生状況を的確に把握することが必要となります。病害虫の発生は天候の影響を大きく受けるので、天気の推移に注意しつつ、各都道府県の防除指針に従い、適期に適切な防除を実施してください。
 
・薬剤防除を実施する場合は、農薬の使用基準を遵守して適切な薬剤を選択するとともに、散布対象外の農作物等に農薬が飛散しないよう対策を講じてください。また、病害虫が薬剤抵抗性を獲得しないように、同一系統薬剤の連続使用を避けてください。
 

露地栽培

・引き続きほ場観察を行い、病害の早期発見に努め、発生を認めた場合は適期に適切な防除を実施してください。
 

施設栽培

・冬期は夜間に加温が行われるようになることから、施設内の気温が外気温より高くなり病害虫が発生しやすい環境になります。

・ウイルス病を媒介するアザミウマ類、アブラムシ類、コナジラミ類等の侵入や野外への飛び出しを防止するため、施設の開口部に防虫ネットを設置する等の対策を実施してください。また、雑草はこれら害虫の発生源となるので、施設内及び周辺の除草を定期的に行うよう努めてください。

・作物残さは、害虫の発生源となり、り病葉及びり病果は、病害の伝染源となります。栽培終了後は蒸し込み処理等を行い、作物残さでの生存虫を死滅させてから搬出し、土中に埋める等、確実に処分をしてください。
 
・施設内が過湿になると、病害の発生が助長されるため、雨水が施設内に入らないように留意するとともに、過度なかん水を回避する、循環扇を設置する、換気を行う、作物の株間の通風を図る等により、施設内が過湿にならないように管理してください。また、病害の早期発見に努め、伝染源となるり病葉及びり病果は除去し、適期に薬剤防除を実施してください。
 

緊急防除に関する事項

ウメ輪紋病及びジャガイモシロシストセンチュウの発生地域においては、緊急防除を実施しています。引き続き御協力をよろしくお願いします。


用語解説

(地域)

北海道:北海道
東北:青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県
  北東北:青森県、岩手県、秋田県
  南東北:宮城県、山形県、福島県
関東:茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県
  北関東:茨城県、栃木県、群馬県
  南関東:埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県
甲信:山梨県、長野県
北陸:新潟県、富山県、石川県、福井県
東海:岐阜県、静岡県、愛知県、三重県
近畿:滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県
中国:鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県
四国:徳島県、香川県、愛媛県、高知県
九州:福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県
  北九州:福岡県、佐賀県、長崎県、大分県
  南九州:熊本県、宮崎県、鹿児島県
沖縄:沖縄県 



(発生量(程度))

多い(高い):やや多いの外側10%の度数の入る幅
やや多い(やや高い):平年並の外側20%の度数の入る幅
平年並:平年値を中心として40%の度数の入る幅
やや少ない(やや低い):平年並の外側20%の度数の入る幅
少ない(低い):やや少ないの外側10%の度数の入る幅
(平年値は過去10 年間の平均)



(参考)これまでの発表

第1号:4月19日(火曜日)
第2号:5月24日(火曜日)
第3号:6月21日(火曜日)
第4号:7月12日(火曜日)
第5号:7月26日(火曜日)
第6号:8月23日(火曜日)
第7号:9月20日(火曜日)
第8号:10月18日(火曜日)
第9号:11月22日(火曜日)

お問合せ先

消費・安全局植物防疫課

担当者:白石、渡邉
代表:03-3502-8111(内線4562)
ダイヤルイン:03-3502-3382
FAX番号:03-3502-3386