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農林水産省

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プレスリリース

「平成29年度 病害虫発生予報第1号」の発表について

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平成29年4月19日
農林水産省
向こう1か月の主要な病害虫の発生予察情報(発生予報)については次のとおりです。

・水稲では、種子消毒等を的確に実施し、健全な苗を育成することに努めてください。また、麦類の赤かび病については適期に防除を実施してください。
・野菜類の病害虫の発生動向として、たまねぎのベと病の発生が西日本の一部地域で多く、また、施設栽培では、アザミウマ類やハダニ類等の微小害虫の発生が多くなると予想されています。

・果樹について、ナシ・リンゴ黒星病やモモせん孔細菌病の前年の発生が多かった地域では、本年も発生が多くなることが懸念されるので、り病部の除去や薬剤散布等の防除対策を徹底してください。

発生予察情報について

国及び都道府県では、植物防疫法(昭和25年法律第151号)に基づき、有害動植物の防除を適時で経済的なものにするため、気象、農作物の生育状況、有害動植物の発生調査結果を分析し、有害動植物の発生動向及び防除対策に係る情報として、発生予察情報を提供しています。

      参照URL: http://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/gaicyu/index.html

気象

気象庁の向こう1か月の予報(4月13日付け)では、全国的に気温は高く、降水量は平年並又は多くなると予想されています。

      参照:気象庁HP http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/001_00.html (外部リンク)

水稲

・イネいもち病イネもみ枯細菌病イネばか苗病等の種子伝染性病害の発生が多かった地域では、種子消毒等を的確に実施し、健全な苗の育成に努めてください。
  なお、イネいもち病に対しては、一部の薬剤に対して耐性菌が発生していることから、都道府県から発表される耐性菌に関する情報を参考にして、効果の高い薬剤の選定を行ってください。

・イネ縞葉枯病は、ヒメトビウンカによって媒介されるウイルス病です。本ウイルスは、経卵伝染により次世代にも移行します。そのため、当該虫を対象とした防除を実施することにより本病の発生の抑制に努めてください。2月から3月にかけての調査では、ヒメトビウンカの本ウイルスの保毒虫率が高いことから、3月に愛知県と茨城県から注意報が発表されています。近年、本圃で本ウイルス病の発生が高まっている地域にあっては、ヒメトビウンカに効果の高い育苗箱施用剤による防除の実施を検討してください。

麦類

・麦類赤かび病は、本病に感染しやすい時期を捉えた防除が重要であり、麦の種類に応じて下表の時期に最初の防除を行うことが推奨されます。都道府県の発出する予察情報等に従って、地域毎の防除適期を確認して適切に防除を実施してください。また、防除適期に降雨が続く場合であっても、降雨の合間に防除を実施してください。

麦の種類 最初の防除を行う生育時期
小麦 開花を始めた時期から開花最盛期まで
二条大麦 穂揃い期の10日後
六条大麦 開花を始めた時期から開花最盛期まで

野菜・花き

野菜・花きで各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫及びその地域
作物名    病害虫名    発生が「多い」と予想される地域    発生が「やや多い」と予想される地域
きゅうり アザミウマ類 九州(佐賀、長崎鹿児島 四国(高知)
コナジラミ類 南九州(鹿児島 北関東(茨城)、四国(徳島)
うどんこ病 九州(佐賀、熊本) 北関東(栃木)、東海(愛知)、四国(高知)
トマト コナジラミ類 九州(長崎、熊本)    北関東(茨城)、東海(静岡)、四国(徳島)   
葉かび病     北関東(茨城、栃木)、四国(高知)、九州(大分、宮崎)
たまねぎ べと病 東海(愛知

四国(愛媛)、北九州(佐賀)
いちご ハダニ類 南東北(福島)、東海(岐阜、三重)、九州(福岡、佐賀、長崎、大分、宮崎)    近畿(奈良)、四国(徳島、愛媛)
注1)都道府県名の下線は、各地の平年値より「多い」と予想されることを指し、下線なしは、「やや多い」と予想されることを指します。
注2)表中の「都道府県」については、必ずしも、その全域で発生がみられるものではありません。

野菜・花き共通

・アザミウマ類及びコナジラミ類の発生が、一部地域の施設栽培で多くなると予想されています。これらの害虫は、作物を加害するほか、多くの病原ウイルスを媒介することが知られています。発生密度が高くなってからでは防除が困難となるため、ほ場の観察をきめ細かく行い、発生初期に防除を実施してください。また、施設内への侵入や野外への飛び出しを防止するため、施設の開口部に防虫ネットを設置する等の対策を実施してください。
  なお、これら微小害虫では薬剤感受性の低下が懸念されるので、都道府県から発表される予察情報等を参考に薬剤の選定をするとともに、天敵生物を利用した防除の実施についても検討して下さい。

いちご

・ハダニ類は、気温が高いと増加する傾向があるため、気温が高くなると予想される地域において本虫の発生を認めた場合は注意が必要です。九州を中心に一部の地域では、発生が多くなると予想されています。また、発生密度が上昇してからでは、防除が困難となるため、早期発見に努め、発生初期に防除を実施してください。
  なお、本虫は、薬剤抵抗性を獲得しやすいので、同一系統の農薬の連続使用を避けるため、都道府県等の発表する予察情報等を参考に薬剤の選定・散布を実施してください。


たまねぎ

・タマネギべと病について、西日本の一部の地域で多くなることが予想され、前回の予報発表以降、長崎県、山口県、愛知県、佐賀県及び兵庫県から注意報が発表されています。本病は、秋季に感染し、年明け以降に生育不良や葉の湾曲等の症状を示した株(越年り病株)が伝染源となり、降雨により感染が助長されます。全国的に降水量が多くなるおそれがあることから、特に前年に本病が多発した地域や越年り病株が見つかった地域では、ほ場内をよく観察し、越年り病株の抜き取りや薬剤による防除を徹底してください。

平成29年タマネギべと病注意報発表県

果樹・茶

果樹・茶で各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫及びその地域
作物名  病害虫名 発生が「多い」と予想される地域    発生が「やや多い」と予想される地域
かんきつ ハダニ類 四国(徳島、愛媛) 東海(静岡)、北九州(佐賀、長崎)
もも せん孔細菌病 東海(愛知)    南東北(山形、福島)、四国(香川)   
なし 黒星病 東北(秋田宮城)    東海(愛知)、北九州(長崎)   
りんご 黒星病 東北(秋田、山形)       
果樹共通 果樹カメムシ類     南東北(福島)、近畿(奈良)、中国(山口)
注1)都道府県名の下線は、各地の平年値より「多い」と予想されることを指し、下線なしは、「やや多い」と予想されることを指します。
注2)表中の「都道府県」については、必ずしも、その全域で発生がみられるものではありません。

果樹共通

・果樹カメムシ類は、山林等の越冬場所から離脱した成虫が、春の気温の上昇とともに餌を求めて移動し、うめ、もも、びわ、なしの幼果等を加害します。7月以降にスギやヒノキの球果が充実すると、その球果を餌として増殖します。その後、餌となる球果が消費されると果樹園に飛来し、果実を加害します。
  都道府県では、越冬成虫量や山林での発生調査結果等から発生量や飛来時期を予想しているので、これらの情報を参考にしつつ、園内を観察し、飛来が認められた場合は、防除を実施してください。

かんきつ

・ミカンハダニは、気温が高く降雨が少ない場合に発生が助長されます。全国的に気温は高く、降水量も平年並み又は多くなると予想されていますが、平年を上回る発生が見られる地域においては、園内を注意深く観察し、発生状況に応じて防除を実施してください。

もも

・モモせん孔細菌病は、春期に枝に形成される春型枝病斑(スプリングキャンカー)が伝染源となり、降雨や風により発生が助長されます。前年の発生が多かった地域では、当該病斑が形成されやすい環境となっているため発生が多くなると予想されています。園内を注意深く観察し、発病枝が確認されたら確実に除去してください。
  今後の天候は、全国的に気温が高く、降水量が平年並み又は多くなると予想されることから、本病の発生に助長的な条件となるため、発生状況に注意が必要です。

なし・りんご

・黒星病は、昨年、基幹防除薬剤に耐性を獲得した病原菌の発生や春期の高温による発生の早期化等が要因となり、東北地方を中心に多発生となりました。対策にあっては、一次伝染源となるり病葉の除去、園内の落葉処理を実施するとともに、り病した新梢の除去に努めてください。また、薬剤の選定にあっては、都道府県の発表する情報等を参考にしてください。

都道府県が発表した警報、注意報及び特殊報

平成29年2月21日以降、都道府県が発表している警報、注意報及び特殊報は以下のとおりです。

警報
・重要な病害虫が大発生することが予測され、かつ、早急に防除措置を講ずる必要がある場合に発表します。

  発表はありません。


注意報
・警報を発表するほどではないが、重要な病害虫が多発することが予測され、かつ、早めに防除措置を講じる必要がある場合に発表します。

発表月日 都道府県名 対象作物名 対象病害虫
2月24日 長崎県 たまねぎ タマネギベと病
2月27日 佐賀県 いちご ハダニ類
2月28日 神奈川県 いちご ハダニ類
2月28日 山口県 たまねぎ タマネギべと病
3月3日 愛知県 たまねぎ タマネギべと病
3月7日 佐賀県 たまねぎ タマネギべと病
3月15日 兵庫県 たまねぎ タマネギべと病
3月17日 愛知県 水稲 イネ縞葉枯病
3月24日 沖縄県 さとうきび タイワンツチイナゴ
3月24日 沖縄県 さとうきび サトウキビ黒穂病
3月24日 沖縄県 さとうきび カンシャワタアブラムシ
3月24日 沖縄県 さとうきび メイチュウ類(イネヨトウ及びカンシャシンクイハマキ)
3月29日 愛媛県 いちご ハダニ類
3月30日 茨城県 水稲 イネ縞葉枯病
4月10日 大分県 麦類 麦類赤かび病
4月13日 愛媛県 麦類 麦類赤かび病
4月14日 沖縄県 さとうきび カンシャワタアブラムシ
4月18日 長崎県 いちご ハダニ類
(ナミハダニ、カンザワハダニ)


特殊報
・新たな病害虫を発見した場合及び重要な病害虫の発生消長に特異な現象が認められた場合に発表します。

発表月日 都道府県名  対象作物名 対象病害虫
3月9日 宮城県 トマト トマト退緑斑紋病   
3月9日 宮城県 トマト トマト葉かび病(レース2.9及び4.9)
3月23日 佐賀県 トマト トマト黄化病   
3月24日 北海道 えんどう エンドウ萎ちょう病
3月27日  群馬県 ねぎ クロバネキノコバエ科の一種
3月30日 静岡県 わさび ワサビクダアザミウマ
4月12日 神奈川県 ほうれんそう ホウレンソウべと病(レース8及び10)
4月14日 高知県 トルコギキョウ トルコギキョウ斑点病

病害虫防除に関する留意事項

一般
・病害虫の防除を効果的に実施するためには、注意深くほ場観察を行うことにより、病害虫の発生状況を的確に把握することが必要となります。病害虫の発生は天候の影響を大きく受けるので、天気の推移に注意しつつ、各都道府県の防除指針に従い、適期に適切な防除を実施してください。

・薬剤防除を実施する場合は、農薬の使用基準を遵守して適切な薬剤を選択するとともに、散布対象外の農作物等に農薬が飛散しないよう対策を講じてください。また、病害虫が薬剤抵抗性を獲得しないように、同一系統薬剤の連続使用を避けてください。

露地栽培
・引き続きほ場観察を行い、病害の早期発見に努め、発生を認めた場合は適期に適切な防除を実施してください。

施設栽培
・ウイルス病を媒介するアザミウマ類、アブラムシ類、コナジラミ類等の侵入や野外への飛び出しを防止するため、施設の開口部に防虫ネットを設置する等の対策を実施してください。また、雑草はこれら害虫の発生源となるので、施設内及び周辺の除草を定期的に行うよう努めてください。

・作物残さは、害虫の発生源となり、り病葉及びり病果は、病害の伝染源となります。栽培終了後は蒸し込み処理等を行い、作物残さでの生存虫を死滅させてから搬出し、土中に埋める等、確実に処分をしてください。

・施設内が過湿になると、病害の発生が助長されるため、雨水が施設内に入らないように留意するとともに、過度なかん水を回避する、循環扇を設置する、換気を行う、作物の株間の通風を図る等により、施設内が過湿にならないように管理してください。また、病害の早期発見に努め、伝染源となるり病葉及びり病果は除去し、適期に薬剤防除を実施してください。

緊急防除に関する事項

ウメ輪紋病及びジャガイモシロシストセンチュウの発生地域においては、緊急防除を実施しています。引き続き御協力をよろしくお願いします。

・ウメ輪紋病は、アブラムシ類によって媒介されるため、発生地域においては、気温の上昇とともに発生が多くなるアブラムシ類の防除を徹底してください。


用語解説

(地域)
北海道:北海道
東北:青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県 
    北東北:青森県、岩手県、秋田県 
    南東北:宮城県、山形県、福島県
関東:茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県 
    北関東:茨城県、栃木県、群馬県 
    南関東:埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県
甲信:山梨県、長野県
北陸:新潟県、富山県、石川県、福井県
東海:岐阜県、静岡県、愛知県、三重県
近畿:滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県
中国:鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県
四国:徳島県、香川県、愛媛県、高知県
九州:福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県 
    北九州:福岡県、佐賀県、長崎県、大分県 
    南九州:熊本県、宮崎県、鹿児島県 
沖縄:沖縄県


(発生量(程度))
多い(高い):やや多いの外側10%の度数の入る幅
やや多い(やや高い):平年並の外側20%の度数の入る幅
平年並:平年値を中心として40%の度数の入る幅
やや少ない(やや低い):平年並の外側20%の度数の入る幅
少ない(低い):やや少ないの外側10%の度数の入る幅


(平年値は過去10 年間の平均)



(平成29年度発表予定日)
第2号:5月17日(水曜日)
第3号:6月14日(水曜日)
第4号:7月12日(水曜日)
第5号:7月26日(水曜日)
第6号:8月16日(水曜日)
第7号:9月13日(水曜日)
第8号:10月18日(水曜日)
第9号:11月15日(水曜日) 
第10号:平成30年2月14日(水曜日)

お問合せ先

消費・安全局植物防疫課

担当者:白石、渡邉
代表:03-3502-8111(内線4562)
ダイヤルイン:03-3502-3382
FAX番号:03-3502-3386