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農林水産省

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プレスリリース

「平成29年度 病害虫発生予報第3号」の発表について

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平成29年6月14日
農林水産省
向こう1か月の主要な病害虫の発生予察情報(発生予報)については次のとおりです。

・水稲では、梅雨時期に入り、イネいもち病(葉いもち)が発生しやすい条件となっています。水田の観察を行い、本病の発生状況に応じて、適期に防除を実施してください。
・野菜類では、施設・露地栽培ともに、アザミウマ類、アブラムシ類等の微小害虫の発生が多くなると予想されています。早期発見に努め、適期に防除を実施してください。

・果樹では、ナシ黒星病の発生が一部の地域で多くなると予想されています。り病部の除去、薬剤散布等の防除対策を徹底してください。

発生予察情報について

国及び都道府県では、植物防疫法(昭和25年法律第151号)に基づき、有害動植物の防除を適時で経済的なものにするため、気象、農作物の生育状況、有害動植物の発生調査結果を分析し、有害動植物の発生動向及び防除対策に係る情報として、発生予察情報を提供しています。
本予報に掲載している情報についての詳細は、都道府県病害虫防除所のホームページ等を参照してください。

  発生予察について
     参照URL:http://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/gaicyu/index.html
  都道府県病害虫防除所
     参照URL:http://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/boujyo/120105_boujosho.html

気象

気象庁の向こう1か月の予報(6月8日付け)では、西日本で、気温は平年並み又は低く、降水量は平年並又は多く、日照時間は平年並み又は少なくなると予想されています。また、沖縄・奄美では、気温は平年並み又は高く、降水量は平年並み又は多くなると予想されています。なお、その他の地域では、気温及び降水量は平年並みと予想されています。

  気象庁ホームページ
      参照URL:http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/001_00.html (外部リンク)

水稲


水稲で各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫及びその地域
作物名    病害虫名    発生が「多い」と予想される地域    発生が「やや多い」と予想される地域
水稲 いもち病 北陸、四国  
縞葉枯病
(ヒメトビウンカ)
関東 北陸、東海、近畿、中国
イネミズゾウムシ 北陸 北関東、四国、北九州
ツマグロヨコバイ 四国 北陸


・イネいもち病(葉いもち)の発生が、一部の地域で多くなると予想されています。本病は、15~20℃、降雨、日照不足の条件下で発生が助長されるため、梅雨時期は急激に発生するおそれがあります。水田の観察を行い、本病の発生状況に応じて、適期に防除を実施してください。なお、一部の薬剤に対して耐性菌が発生しているので、都道府県から発表される予察情報等を参考に薬剤を選定してください。
  また、田植え後に水田に放置された補植用取置き苗は、密生して本病の発生源になりやすいので、早期の除去を徹底してください。

・イネ縞葉枯病は、ヒメトビウンカによって媒介され、経卵伝染により次世代にも継続されるウイルス病です。そのため、当該虫を対象とした防除を実施することが重要になります。ヒメトビウンカの本ウイルスの保毒虫率が高かった一部の地域では、今後の発生が多くなると予想されており、茨城県及び栃木県では注意報が発表されています。
  育苗箱施用剤を施用した苗を移植した水田において、本虫の防除を実施する場合は、薬剤抵抗性の発達を助長しないよう同一系統の薬剤の連続使用を避けてください。

・イネミズゾウムシは、水田周辺で越冬した成虫が水田に侵入し葉を食害し、幼虫は根を食害します。本成虫の水田での密度が高い場合には、防除を実施してください。


野菜・花き

野菜・花きで各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫及びその地域
作物名 病害虫名 発生が「多い」と予想される地域    発生が「やや多い」と予想される地域
いちご ハダニ類 九州 南東北、四国
きゃべつ アブラムシ類   南関東、近畿
きゅうり うどんこ病   北関東、北陸、四国 
褐斑病   北陸、中国、四国
アザミウマ類   南関東、近畿
アブラムシ類   北東北、南関東、近畿
たまねぎ べと病   北陸、中国
トマト アブラムシ類   南関東、北陸
コナジラミ類 北陸 南関東
なす うどんこ病   近畿
アブラムシ類   南関東、近畿
ハダニ類   近畿
ねぎ さび病   北関東、北陸
アザミウマ類 関東、北陸、近畿、四国 中国
アブラムシ類   北陸、近畿
ばれいしょ アブラムシ類   南関東、北陸
きく 白さび病   南東北、四国
アザミウマ類 北関東、北陸 東海、四国
アブラムシ類   北陸、東海、近畿
作物共通 オオタバコガ 北陸 関東、近畿 
コナガ   北東北、北陸、近畿、中国



野菜・花き共通

・アザミウマ類及びコナジラミ類の発生が、露地栽培及び施設栽培ともに一部の地域で多くなると予想されています。これらの害虫は、作物を加害するほか、多くの病原ウイルスを媒介することが知られており、ウイルス病の発生を抑制する上でも適切に防除することが重要になります。発生密度が高くなってからでは防除が困難となるため、ほ場の観察をきめ細かく行い、発生初期に防除を実施してください。施設栽培においては、施設内への侵入を防止するため、施設の開口部に防虫ネットを設置する等の対策を実施してください。
  なお、これら微小害虫では薬剤感受性の低下が懸念されるので、都道府県から発表される発生予察情報等を参考に同一系統の農薬の連続使用を避けるとともに、天敵生物を利用した防除の実施についても検討して下さい。


いちご

・ハダニ類について、九州等の一部の地域で5月末時点での発生が多くなっていることから、梅雨入り後も引き続き発生が多くなると予想されています。福岡県では、育苗圃での本虫の発生が多く確認されたことから、定植後の本圃への持ち込みを防止するため、注意報が発表されています。発生密度が上昇してからでは、防除が困難となるため、早期発見に努め、発生初期に防除を実施してください。
  なお、本虫は、薬剤抵抗性を獲得しやすいので、都道府県から発表される発生予察情報等を参考に同一系統の農薬の連続使用を避けるとともに、天敵生物を利用した防除の実施についても検討して下さい。

果樹・茶

果樹・茶で各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫及びその地域

作物名  病害虫名 発生が「多い」と予想される地域    発生が「やや多い」と予想される地域
かき 炭疽病   近畿、中国、四国
アザミウマ類   北陸、近畿
ハマキムシ類   北陸、中国
かんきつ かいよう病   中国、四国
そうか病   東海、近畿、四国、南九州
アブラムシ類   近畿、四国、南九州
ハダニ類
(ミカンハダニ)
南関東、九州 四国
なし 黒星病 北東北、九州 南関東、北陸、東海、近畿、中国
黒斑病   北東北、北陸、近畿
アブラムシ類 北陸 南東北、南関東、東海、近畿、中国
シンクイムシ類   北陸、中国、北九州
ハダニ類   北陸、中国
ハマキムシ類   南関東、北陸、中国
ぶどう べと病   北東北、四国
もも せん孔細菌病 東海 南東北、北陸、近畿、中国
りんご 黒星病 北海道 東北 
シンクイムシ類   北東北、北陸
ハダニ類   北東北、北陸
果樹共通 果樹カメムシ類   北東北、北関東、北陸、近畿、中国
炭疽病 近畿、北九州  
チャノホソガ 九州 近畿
ハダニ類
(カンザワハダニ)
東海、九州 南関東
ハマキムシ類 南関東 北九州



かんきつ

・ミカンハダニは、南関東、九州等の一部の地域で発生が多くなっていることから、梅雨入り後も引き続き発生が多くなると予想されています。園内を注意深く観察し、発生状況に応じて防除を実施してください。
  なお、本虫は、薬剤抵抗性を獲得しやすいので、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に同一系統の農薬の連続使用を避けてください。

 

なし

・ナシ黒星病の発生が、北東北、九州等の一部の地域において多くなると予想されており、5月下旬以降、秋田県及び愛知県からナシ黒星病に対する注意報が発表されています。本病は、降雨によって発生が助長されるため、梅雨時期は特に注意が必要です。
  対策にあっては、り病部の除去、薬剤散布等の防除を実施してください。また、薬剤の選定にあっては、都道府県の発表する発生予察情報等を参考にしてください。

 

もも

・モモせん孔細菌病は、東海等の一部の地域で発生が多くなると予想されています。本病は、春期に枝に形成される春型枝病斑(スプリングキャンカー)が伝染源となり、降雨や風により発生が助長されます。梅雨時期に入り、本病の発生に好適な条件となるため、前年の発生が多かった地域では、特に注意が必要です。園内を注意深く観察し、発病枝が確認されたら確実に除去してください。


りんご

・リンゴ黒星病の発生が、北海道及び東北の一部の地域で多くなると予想されており、北海道では注意報が発表されています。本病は、降雨によって発生が助長されるため、梅雨時期は特に注意が必要です。対策にあっては、り病部の除去、薬剤散布等の防除を実施してください。
  また、本病は、昨年、薬剤耐性菌の発生、春期の高温による発生の早期化等が要因となり、東北地方の一部を中心に多発生となりました。薬剤の選定にあっては、薬剤耐性菌による発生の拡大を防ぐため、都道府県の発表する発生予察情報等を参考にしてください。

 

・チャ炭疽病は、近畿及び九州の一部地域で発生が多くなると予想されています。本病は、葉に不整形の病斑を生じる病害で、降雨により発生が助長されます。梅雨時期に入り、本病の発生に好適な条件となるため、園内をよく観察し、本病の発生状況に応じて適期の防除を実施してください。

・カンザワハダニ
の発生が、東海、九州等の一部の地域で多くなると予想されています。この時期は、園地に生息するカブリダニ等の天敵の活躍により発生が抑えられる園地もありますが、寄生葉率が高い場合や天敵の密度が少ない場合には、薬剤による防除の実施を検討してください。
  また、本虫は薬剤抵抗性を獲得しやすいので、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に同一系統の農薬の連続使用を避けるとともに、薬剤の使用前日数等に留意し、適切な防除を実施してください。

・ハマキムシ類の発生が、南関東等の一部地域で多くなると予想されています。ハマキムシ類の幼虫は、茶葉をつづり合わせて内部を食害しますが、葉をつづり合わせてからでは薬剤がかかりにくくなるため、ふ化期~若齢幼虫期を対象とした薬剤散布が効果的です。地域の予察灯やフェロモントラップの誘殺状況を参考にし、前成虫の発生最盛日の7~10日後を目安に防除を実施してください。

  

都道府県が発表した警報、注意報及び特殊報

平成29年5月16日以降、都道府県が発表している警報、注意報及び特殊報は以下のとおりです。

警報

・重要な病害虫が大発生することが予測され、かつ、早急に防除措置を講ずる必要がある場合に発表します。

  発表はありません。

 

注意報

・警報を発表するほどではないが、重要な病害虫が多発することが予測され、かつ、早めに防除措置を講じる必要がある場合に発表します。

発表月日 都道府県名 対象作物名 対象病害虫
5月26日 秋田県 なし ナシ黒星病
5月29日 福岡県 いちご ハダニ類
5月31日 栃木県 水稲 イネ縞葉枯病(ヒメトビウンカ)
6月2日 愛知県 なし ナシ黒星病
6月6日 香川県 いちご イチゴうどんこ病
6月7日 北海道 小麦 コムギなまぐさ黒穂病
6月12日 北海道 りんご リンゴ黒星病
6月12日 茨城県 水稲 イネ縞葉枯病(ヒメトビウンカ)

 

特殊報

・各都道府県において、新たな病害虫を発見した場合及び重要な病害虫の発生消長に特異な現象が認められた場合に発表します。
病害虫の生態等の生物学的情報や防除に関する情報の詳細については、各都道府県の病害虫防除所のHP等を参照してください。

発表月日 都道府県名  対象作物名 対象病害虫
5月31日 熊本県 トルコギキョウ トルコギキョウ斑点病
6月5日 徳島県 らっきょう ホモノハダニ
6月8日 栃木県 りんどう リンドウえそ斑紋病

 

病害虫防除に関する留意事項

一般

・病害虫の防除を効果的に実施するためには、注意深くほ場観察を行うことにより、病害虫の発生状況を的確に把握することが必要となります。病害虫の発生は天候の影響を大きく受けるので、天気の推移に注意しつつ、各都道府県の防除指針に従い、適期に適切な防除を実施してください。

・薬剤防除を実施する場合は、病害虫が薬剤抵抗性を獲得しないように、同一系統薬剤の連続使用を避けてください。また、農薬の使用基準を遵守して適切な薬剤を選択するとともに、散布対象外の農作物等に農薬が飛散しないよう対策を講じてください。
  農薬の使用に伴う事故・被害を防止するため、農林水産省では、6月から8月にかけて、厚生労働省、環境省等と共同で実施している「農薬危害防止運動」においても注意を呼びかけています。

「農薬危害防止運動」の実施について(平成29年4月26日付けプレスリリース)
      参照URL : http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/nouyaku/170426.html

露地栽培

・引き続きほ場観察を行い、病害の早期発見に努め、発生を認めた場合は適期に適切な防除を実施してください。

施設栽培

・ウイルス病を媒介するアザミウマ類、アブラムシ類、コナジラミ類等の侵入や野外への飛び出しを防止するため、施設の開口部に防虫ネットを設置する等の対策を実施してください。また、雑草はこれら害虫の発生源となるので、施設内及び周辺の除草を定期的に行うよう努めてください。

・作物残さは、害虫の発生源となり、り病葉及びり病果は、病害の伝染源となります。栽培終了後は蒸し込み処理等を行い、作物残さでの生存虫を死滅させてから搬出し、土中に埋める等、確実に処分をしてください。

・施設内が過湿になると、病害の発生が助長されるため、雨水が施設内に入らないように留意するとともに、過度なかん水を回避する、循環扇を設置する、換気を行う、作物の株間の通風を図る等により、施設内が過湿にならないように管理してください。また、病害の早期発見に努め、伝染源となるり病葉及びり病果は除去し、適期に薬剤防除を実施してください。


用語解説

(地域)
北海道:北海道
東北:青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県 
    北東北:青森県、岩手県、秋田県 
    南東北:宮城県、山形県、福島県
関東:茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県 
    北関東:茨城県、栃木県、群馬県 
    南関東:埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県
甲信:山梨県、長野県
北陸:新潟県、富山県、石川県、福井県
東海:岐阜県、静岡県、愛知県、三重県
近畿:滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県
中国:鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県
四国:徳島県、香川県、愛媛県、高知県
九州:福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県 
    北九州:福岡県、佐賀県、長崎県、大分県 
    南九州:熊本県、宮崎県、鹿児島県 
沖縄:沖縄県


(発生量(程度))
多い(高い):やや多いの外側10%の度数の入る幅
やや多い(やや高い):平年並の外側20%の度数の入る幅
平年並:平年値を中心として40%の度数の入る幅
やや少ない(やや低い):平年並の外側20%の度数の入る幅
少ない(低い):やや少ないの外側10%の度数の入る幅
(平年値は過去10年間の平均)

(平成29年度発表予定日)
第4号:7月12日(水曜日)
第5号:7月26日(水曜日)
第6号:8月16日(水曜日)
第7号:9月13日(水曜日)
第8号:10月18日(水曜日)
第9号:11月15日(水曜日) 
第10号:平成30年2月14日(水曜日)

(参考)これまでの発表
第1号:4月19日(水曜日)
第2号:5月17日(水曜日)

お問合せ先

消費・安全局植物防疫課

担当者:白石、渡邉
代表:03-3502-8111(内線4562)
ダイヤルイン:03-3502-3382
FAX番号:03-3502-3386