平成18年豪雪による農林水産業被害と対応について
1 気象概況(気象庁情報)
- 12月上旬から1月上旬にかけて、日本各地で低温となり、日本海側を中心に暴風を伴った大雪となった。1月中旬以降も、山沿いの地点を中心に大雪となる日がたびたびあった。
- この結果、気象庁が積雪を観測している339地点のうち、全国の23地点で、年間の最深積雪の記録を更新(観測開始以来の最も大きな値を記録)した。また、12月としての最大記録を106地点で、1月としての最大記録を54地点で、2月としての最大記録を18地点で、3月としての最大記録を4地点で、4月としての最大記録を17地点で更新した。
2 被害状況
農林水産関係被害(下表は県等からの報告を取りまとめたもの)
| 区分 |
主な被害 |
被害額(百万円) |
主な被害地域 |
| 農作物等 |
樹体被害(枝折れ等)、低温による萎凋等 |
10,463 |
青森県、山形県、長野県、岐阜県、京都府、広島県、愛媛県、熊本県、鹿児島県ほか |
| 営農施設 |
パイプハウス等の倒壊等 |
4,110 |
岩手県、秋田県、山形県、岐阜県、島根県、広島県、高知県ほか |
農地
農業用施設 |
農地の損壊 65 箇所
農業用施設等の損壊 237 箇所 |
292
1,271 |
岩手県、新潟県、富山県、京都府、鳥取県ほか |
| 林野関係 |
林地荒廃等 318 箇所
森林被害 2,871 ha
林産物施設 5 箇所 |
6,048
1,101
14 |
北海道、秋田県、新潟県、富山県、福井県、岐阜県、岡山県ほか |
| 水産関係 |
漁船転覆等 7 隻 |
115 |
京都府、岩手県 |
| 合計 |
|
23,414 |
|
<参考>人的被害(消防庁情報:平成18年9月25日18時00分)
死者:152人、負傷者:2,145人
3 対応状況
体制・情報収集・調整
【省内体制等】
- 農林水産省内において「寒波・雪害対策関係局庁連絡会議」を開催(12月28日14時00分、1月5日16時00分)。
- 農林水産省内において「平成17年12月降雪等関係局庁連絡会議」を開催(12月16日17時15分、12月22日17時15分)。
- 「寒波・雪害対策」に関する政府・与党会合開催(12月28日9時00分)。
- 「寒波・雪害対策」に関する関係省庁連絡会議に参画(12月28日10時00分)。
- 与党平成17年異常寒波・雪害対策本部の会議に参画(12月28日11時30分)。
- 内閣府開催の「大雪に関する災害対策関係省庁連絡会議」に参画(1月10日、18日、2月9日、3月2日、4月12日)。
- 東北農政局、関東農政局において、「雪害情報連絡本部」を設置(1月12日、13日)。
- 秋田県への政府現地調査団に経営局、生産局及び東北農政局から担当官を派遣(1月13日)。
- 長野県、新潟県への政府現地調査団に経営局及び関東、北陸農政局から担当官を派遣(1月16日)。
- 新潟県、長野県への(衆)災対特委現地視察団に経営局及び関東、北陸農政局から担当官を派遣(2月1日)。
- 石川県、福井県への(参)災対特委現地視察団に経営局及び北陸農政局から担当官を派遣(2月6日)。
- 内閣府特命担当大臣(防災)からの通知を踏まえ、各地方農政局等に対し「今冬の雪害に対する防災態勢の強化について」を通知し、注意喚起を図った(12月28日)。
- 内閣総理大臣(中央防災会議会長)からの通知を踏まえ、各地方農政局等に対し「融雪出水期における防災態勢の強化について」を通知し、注意喚起を図った(3月6日)。
【情報収集等】
- 物価担当官会議において、価格動向の調査・監視及び国民への情報提供の実施を申し合わせ(12月28日)。
- 物価担当者会議において、寒波・雪害に関する関係府省の物価対策をとりまとめ(1月13日)。
- 全国農業協同組合連合会に対し、「野菜の計画的な生産出荷の徹底について」の文書を発出し、野菜の供給計画に基づく計画的な生産出荷の徹底を要請(12月28日)。
- 主要生鮮食品11品目の小売価格について緊急調査(週1回)を実施(1月4日~2月17日)。
- 食品流通関係団体に対し、「野菜の安定供給の確保等について」の文書を発出し、野菜の安定供給の確保と価格の安定等に向けた配慮がなされるよう要請(1月6日)。
農林水産物及び関係施設に関する対応
【農作物等関係】
- 地方農政局等に対し、「平成17年12月初旬からの降雪等による災害対応について」の文書を発出し、被害状況等の適切な把握に留意(12月26日)。
- 地方農政局等に対し、「寒波・雪害等に伴う農作物等の被害防止技術対策及び作業の安全確保に向けた留意事項について」の文書を発出(12月28日)。
- 主要な野菜産地へ生産局及び地方農政局担当者を派遣し、適正な出荷を要請(1月10日~)。
- 果樹被害拡大防止対策の指導及び(独)農業・生物系特定産業技術研究機構果樹研究所における技術相談窓口の設置について、地方農政局等に対し、「雪害・寒害による果樹被害に対する技術指導について」の文書を発出(1月19日)。
- 農業機械製造団体に対し、「除雪機材及び補修部品等の円滑な供給への協力要請について」の文書を発出(1月20日)。
- 各農業協同組合等に対し、「農業関係施設の復旧に要する農業用資材の円滑な供給について」の文書を発出(1月25日)。
- 地方農政局等に対し、普及指導センターによる雪害等に伴う農作物被害の技術的指導対策が的確になされるよう要請(1月27日)。
- 都道府県知事、全国農業協同組合中央会等に対し、「果樹等の雪害防止に係る農道の除雪の推進について」の文書を発出(1月30日)。
- 主要な果樹産地に本省担当官及び地方農政局担当官を派遣し、被害状況を調査(2月1日~)。
- 種苗関係団体等に対し、「雪害等の被害復旧に係る果樹・野菜等の種苗の円滑な供給について」の文書を発出(2月3日)。
- 関係団体、地方農政局等に対し、「営農用の融雪促進剤の円滑な供給について」の文書を発出(2月10日)。
- 地方農政局等に対し、「融雪等に伴う農作物等の被害防止技術対策に係る留意事項について」の文書を発出(3月1日)。
- 東海農政局が岐阜県内の大雪被害について現地調査を実施(3月14日)。
【農地・農業用施設関係】
- 地方農政局防災課長等会議を開催し、豪雪等における防災体制の強化等を指示(1月11日)。
- 各地方農政局等に対し、「降雪期の降雨・気温上昇に伴う防災体制の強化について」を発出(1月13日)。
- 東海農政局が岐阜県内の大雪被害及び農道等の除雪状況について現地調査を実施(1月27日)。
- 地方農政局等に対し、「融雪出水期における防災態勢の強化について」の文書を発出(3月7日)。
- 地方農政局等に対し、「融雪出水期における安全管理等の強化について」の文書を発出(3月7日)。
- 「平成18年において低温により被災した施設に係る災害復旧事業の取扱いについて」を定め、凍上による農道の被災を災害復旧事業の対象とした(6月26日)。
【林野関係】
- 都道府県、森林管理局に対し、「平成17年12月初旬からの降雪等による災害対応について」の文書を発出し、被害状況等の適切な把握に留意(12月27日、28日)。
- 各都道府県に対し、「寒波・大雪に対する林業労働安全対策について」の文書を発出し、林業関係団体・林業事業体等への一層の指導強化を図るよう要請(12月28日)。
- 新潟県津南町ほかへ林野庁治山課担当官及び(独)森林総合研究所研究員を派遣し、なだれ危険箇所について調査を実施(2月2日~3日)。
- 森林管理局に対し、「雪崩への対応について」を発出(2月10日)。
- 都道府県に対し、なだれ防止柵等の点検及び修繕等の必要な措置、なだれ危険箇所等の住民への周知徹底、人命被害の未然防止に万全を期すため、「なだれ災害の未然防止について」を発出(2月13日)。
- 都道府県に対し、「急激な気温の上昇等に伴うなだれへの防災対応について」を発出(2月17日)。
【水産関係】
- 各都道府県(水産施設担当課)に対し、年末年始の休暇中における「寒波・雪害等に関する被害報告について」を発出(12月28日)。
- 各都道府県(水産施設担当課)に対し、「寒波・雪害等に対する備えについて」を発出(1月23日)。
【共済関係】
- 「平成17年12月初旬からの降雪等による被害に係る迅速かつ適切な損害評価の実施及び共済金の早期支払について」の指導通知を関係団体等に発出(12月27日)。
【金融関係】
- 農林漁業金融公庫において相談窓口を設置(12月22日~)。
- 被害農林漁業者等に対する資金の円滑な融通及び既貸付金の償還猶予等が図られるよう、関係金融機関に依頼(1月5日)。
- 農業経営維持安定資金及び農業近代化資金の円滑な融通について関係機関に依頼(2月15日)。
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