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1.機械

1.機械の選定

(1)大豆収穫に利用されている主要なコンバイン
大豆収穫にコンバインを利用する事例が増加しているが、その主なコンバインを分類すると、[1]大豆用コンバイン、[2]汎用コンバイン、[3]外国製普通コンバインに分けられる。この中で、外国製普通コンバインは北海道等の一部の地域に限定されてきているので、ここでは大豆用コンバインと汎用コンバインについてその特徴を概説する。

ア.大豆用コンバイン
大豆収穫のために専用に開発された普通型コンバインであり、この中には、大豆専用のコンバイン(1型式)と大豆だけでなくそばも収穫出来る大豆・そば用コンバイン(3型式、一部の機種は部品交換により麦も収穫可能)がある。
現在、市販されているコンバインは、表1に示すように4型式であるが、いずれも刈取り条数は2条刈りのリール式コンバインであり、脱穀部の形状から直流式(2型式)と軸流式(2型式)に、さらに対象作物から大豆・そば用(2型式)と大豆・そば・麦用(2型式)に分類できる。

表1  市販大豆等コンバイン

型式 刈取条数 脱穀機構 ヘッダ部 用途
I式  HC300※1 2条刈り 軸流式 リール式 大豆・そば用
K式  DC-1 2条刈り 直流式 リール式 大豆・そば用
Y式  CS21※2
Mi式  MCH210※3
2条刈り 軸流式 リール式 大豆・そば用
Ma式  BTK-801 2条刈り 直流式 条刈り式 大豆用

※1、※2、※3:いずれも麦にも利用可

(ア) I式大豆用コンバイン(HB300、図1(GIF:19KB)

大豆だけでなく、そばや麦にも利用できる大豆・そば用のコンバインであり、脱穀機構から見た分類では軸流コンバインとなる。刃幅は1.45m、全長 4.7m、全重 2.0t(キャビン仕様  2.2t)で、30PSのエンジンをとう載し、大豆収穫では2条を収穫できる。
このコンバインにおいて、立毛大豆は回転するリールで掻き込まれ、刈刃で刈り取られた後、チェーンエレベータを経て脱穀部に供給される。脱穀部に入った大豆は、こぎ室カバー内側に取付けられた送塵弁の作用によって搬送される間に、こぎ胴に取付けられたこぎ歯(V字型並歯)によって脱穀される。その後、受け網から漏下した脱穀物は、揺動選別装置、風選装置等で選別され、最終的には穀粒は穀粒袋に回収するようになっている。
本機の特徴として、[1]V字型並歯を取付けたこぎ胴をもつ軸流型の脱穀機構で脱穀すること、[2]ヘッダ部のリールの回転速度が作業速度に同調できる構造となっていること、[3]コンバインが傾いても車体を常に水平に保つ自動制御装置や刈高さ制御装置を装備していること、[4]畦畔等を乗り越える時の機体の急激な傾斜を防ぐため、クローラ接地部中央に(可動転輪)イコライザーを装備していること、[6]脱穀部に移送中の大豆のホコリやチリを吸引排除するため搬送部に吸塵ファンが装備されていること、[7]大豆だけでなく、そばや麦の収穫にも利用できること、[8]オプションとしてキャビン仕様が用意されていること等が挙げられる。

(イ)K式大豆用コンバイン(DC-1、図2(GIF:23KB)
大豆だけでなく、そばにも利用できる大豆・そば用のコンバインであり、脱穀機構から見た分類では直流コンバインとなる。刃幅は1.37m、全長4.3m、全重1.7tで、24PSのエンジンを搭載し、大豆収穫では2条を収穫できる。
このコンバインにおいて、立毛大豆は回転するリールで掻き込まれ、刈刃で刈り取られた後、フィーダコンベア、供給ベルトを経て脱穀部に入る。脱穀部には、他のコンバインに見られる受け網はなく、大豆は脱穀ロータ(こぎ胴)に取付けられたラスプバーとこぎ室カバー内側にある抵抗板によって脱穀される。その後、脱穀物は揺動選別装置、選別ベルト、風選装置等で選別され、最終的には穀粒は穀粒袋に回収するようになっている。
本機の特徴として、[1]受け網を持たない脱穀機構であること、[2]風選室での穀粒と屑との分離を確実にするために1番コンベアの後方に選別ベルトを有していること、[3]走行部に車体を水平に保つ自動制御装置を装備していること、[4]ヘッダ部のリール、オーガ等の速度が作業速度に同調できる構造となっていること、[5]大豆だけでなくそばの収穫にも利用できること等が挙げられる。

(ウ)Y式大豆用コンバイン(CS-21、図3(GIF:38KB)
大豆だけでなく、そばや麦にも利用できる大豆・そば用のコンバインであり、脱穀機構から見た分類では軸流コンバインとなる。刃幅は1.37m、全長4.8m、全重1.9tで、24PSのエンジンを搭載し、大豆収穫では2条を収穫できる。
このコンバインにおいて、立毛大豆は回転するリールで掻き込まれ、刈刃で刈り取られた後、チェーンエレベータを経て脱穀部に供給される。脱穀部に入った大豆は、こぎ室カバー内側に取付けられた送塵弁の作用によって搬送される間に、こぎ胴に取付けられたこぎ歯(V字型並歯)によって脱穀される。その後、受け網から漏下した脱穀物は、揺動選別装置、選別ベルト、風選装置等で選別され、最終的には穀粒は穀粒袋に回収するようになっている。
本機の特徴として、[1]V字型並歯を取付けたこぎ胴をもつ軸流型の脱穀機構で脱穀すること、[2]ヘッダ部のリール、オーガ等の速度が作業速度に同調できる構造となっていること、[3]コンバインが傾いてもヘッダ部を常に水平に保つ自動制御装置や刈高さ制御装置を装備していること、[4]大豆だけでなく、そばや麦の収穫にも利用できること等が挙げられる。

(エ)Mi式大豆用コンバイン(MCH210)
Y社製コンバイン(CS21)と同じ構造である。

(オ)Ma式大豆用コンバイン(BTK-801、図4(GIF:29KB)
条刈り式の大豆専用コンバインであり、脱穀機構から見た分類では直流コンバインとなる。機体の大きさは、全長3.9m、全重1tで、15PSのエンジンを搭載し、2条の大豆を収穫できる。
このコンバインにおいて、立毛大豆は一対の挟持チェーンで挟持され、根を若干持ち上げた状態で刈刃によって刈り取られた後、ラグ付き搬送ベルト、掻き込みロールを経て脱穀部に入る。脱穀部では、こぎ胴に取付けられたこぎ歯と受け網の入口側及び出口側に取付けられた受刃によって脱穀される。その後、脱穀物は揺動選別装置、風選装置等で選別され、最終的には穀粒は穀粒袋に回収するようになっている。
本機の特徴として、[1]挟持チェーンで大豆茎を挟持し、根を若干持ち上げた状態で切断するという方式のヘッダ構成であること、[2]刈り取った大豆をゴムベルトで脱穀部へ搬送する方式であること、[3]排塵口に排稈コンベヤが取付けられていること等が挙げられる。


イ.汎用コンバイン
水稲、麦、大豆など多くの作物に利用することを目的に開発された普通型コンバイン。現在、4社から市販されているが、いずれもスクリュ型脱穀機構を搭載している。ヘッダ部は、刃幅が2mクラス(2~2.5m)のものと3.5mクラス(2.9~3.5m)のものがあり、リール式が基本となっているが、大豆用ヘッダ(ロークロップヘッダ)に交換出来る機種もある。搭載エンジン出力は、刃幅が2mクラスのもので60~85PS、3.5mクラスのもので120~140PSである。

(ア)Y式汎用コンバイン

生研機構で開発したスクリュ型脱穀機構を心臓部に持つ汎用コンバインで、脱穀機構からみた分類では軸流コンバインとなる。現在、CA600(刃幅2.0~2.5m、塔載エンジン出力:60PS)、CA750(刃幅2.0~2.5m、塔載エンジン出力:73PS)に加えて、平成6年度より国産最大級の大型汎用コンバインCA1200(刃幅2.9~3.5m、塔載エンジン出力:120PS)を市販している。
いずれのコンバインも、立毛大豆はリールで掻き込まれ、刈刃(往復動刃)で刈り取られた後、チェーンエレベータを経て脱穀部に供給される。脱穀部に入った大豆は、こぎ胴(ロータ)外周面に取付けたスクリュの作用でこぎ胴の軸線方向(機体後方)に移動する間にスクリュ及びスクリュに取付けたこぎ歯によって脱穀される。その後、受け網から漏下した脱穀物は揺動選別装置、風選装置等によって選別され、穀粒はタンクに回収(一部の機種では、穀粒袋による回収も可)される方式である。
また、大豆の汚粒の原因である土の咬み込みを防ぎ、大豆の収穫性能の向上をねらった大豆用ヘッダ(3条用)をリールヘッダに換えて装着することができる。
図5(GIF:106KB)図6(GIF:94KB)に本コンバインによる作業風景を示す。

(イ)Mi式汎用コンバイン
現在、MCH6000(刃幅2.0~2.5m、塔載エンジン出力:60PS)、MCH7500(刃幅2.0~2.5m、塔載エンジン出力:73PS)、MCH1200(刃幅2.9~3.5m、塔載エンジン出力:120PS)3型式を市販しているが、それぞれ前記Y式汎用コンバインCA600、CA750、CA1200と同一構造の汎用コンバインである。

(ウ)I式汎用コンバイン
現在、HC600(刃幅2.0~2.5m、塔載エンジン出力:60PS)、HC750(刃幅2.0~2.5m、塔載エンジン出力:73PS)、HC1200(刃幅2.9~3.5m、塔載エンジン出力:120PS)3型式を市販しているが、それぞれ前記Y式汎用コンバインCA600、CA750、CA1200と同一構造の汎用コンバインである。

(エ)K式汎用コンバイン
スクリュ型脱穀機構を心臓部に持つ汎用コンバインで、脱穀機構からみた分類では軸流コンバインとなる。現在、AX85-A(刃幅2.0~2.5m、塔載エンジン出力:85PS)に加えて、平成7年度より国産最大級の大型汎用コンバインAX1400(刃幅2.9~3.5m、塔載エンジン出力:140PS)を市販している。
いずれのコンバインも、立毛大豆はリールで掻き込まれ、刈刃(往復動刃)で刈り取られた後、フロントコンベヤ(SRH1400はフロントコンベヤは装着していない)、オーガ、チェーンエレベータを経て脱穀部に供給される。脱穀部に入った大豆は、こぎ胴(ロータ)外周面に取付けたスクリュの作用でこぎ胴の軸線方向(機体後方)に移動する間にスクリュ及びスクリュに取付けたこぎ歯によって脱穀される。その後、受け網から漏下した脱穀物は揺動選別装置、風選装置等によって選別され、穀粒はタンクに回収(一部の機種では、穀粒袋による回収も可)される方式である。
図7(GIF:112KB)図8(GIF:152KB)に本コンバインによる作業風景を示す。

 

(2)大豆用コンバインと汎用コンバインの比較

ア.作業性能
大豆に対する性能は、品種、作物条件、栽培条件はもちろんのこと、ヘッダ部の運転条件、収穫時期・時刻、オペレータ技術水準によって大きく左右される。
現在市販されている主な大豆用コンバイン、汎用コンバインについて、過去8年間の生研機構、都道府県農試の試験成績をまとめると次のとおりである。

(ア)作業精度(図9(GIF:22KB)図10(GIF:17KB)図11(GIF:19KB)図12(GIF:23KB)図13(GIF:16KB)

[1]作業速度は、作物条件、栽培条件等に左右されるが、立毛状態の大豆であれば、大豆用コンバインで0.4~0.8m/s程度、汎用コンバインで0.9~1.5 m/s程度である。
[2]大豆用コンバインの穀粒損失は1~11%の範囲であったが、条件が良ければ5%以下で作業が可能である。
汎用コンバインの穀粒損失は、ほぼ5%以下であったが、条件が良ければ4%以下で作業が可能である。
[3]穀粒損失の内訳を見ると、その大半は頭部損失であるが、大豆コンバインの場合、条件(高水分、高速作業時)によって脱穀選別損失の割合が頭部損失に比べて多くなる場合もあった。
[4]損傷粒はいずれのコンバインもほぼ0.7%以下であった。
[5]汎用コンバインは大豆用コンバインよりも大豆の水分条件等に対する適応の幅が広かった。


(イ)作業能率(図14(GIF:14KB)

[1]大豆用コンバインは、作業速度が0.4~0.8m/sの時、ほ場作業量は20~25a/h程度であった。
[2]汎用コンバインは、刃幅2mクラスで作業速度が0.9~1.5m/sの時、ほ場作業量は40~60 a/h程度、3.5mクラスで作業速度が1.0~1.2m/sの時100a/h程度であった。

 

イ.作業可能面積(試算)
大豆用コンバイン及び汎用コンバインについて、都道府県の農業試験場や生研機構の試験結果及び高性能農業機械の試験研究、実用化促進及び導入に関する基本方針参考資料から試算した作業可能面積を表2に示す。

表2  大豆用コンバイン及び汎用コンバインの負担面積
   大豆用コンバイン
(刃幅1.4m程度)
汎用コンバイン
刃幅2m程度 刃幅3.5m程度 
作業能率 20~25 a/h程度 40~60 a/h程度 100a/h 程度
作業可能日数※※ 9日 9日
1日の作業時間※※ 6時間 6時間
実作業率※※ 0.7 0.7
作業可能面積  7.6~9.5ha 15.1~22.7ha 37.8ha

※※:高性能農業機械の試験研究、実用化促進及び導入に関する基本方針参考資料より引用

その結果、大豆コンバインについては、8~10ha程度、汎用コンバインについては、刃幅2mクラスで15~23ha程度、3.5mクラスで38ha程度である。
なお、生研機構の「大豆の収穫・調製作業体系に関する調査研究」の結果から大豆収穫に関する平均収穫利用日数及び平均年間稼働面積を見ると、図15、16(GIF:66KB)に示すように大豆用コンバインの平均収穫利用日数及び年間稼働面積は11.3日、8.3ha、図17、18(GIF:30KB)に示すように汎用コンバインの平均収穫利用日数及び年間稼働面積は14.1日、17.6hであり、試算に使用した作業可能日数及び試算結果とほぼ同様の結果が得られた。
また、調査した地区の24~30%が2品種以上の作付けをしており、2品種以上の作付けにより収穫適期を長くし、作業可能日数を増やすことが稼働面積を大きくする重要な要因の一つとなっていることが伺える。

2.コンバイン収穫の留意点

(1)導入したコンバインの操作法を十分に修得すること。即ち、大豆のコンバイン収穫は、水稲や麦の収穫に比べて、オペレータの技術に負う所が多く、オペレータの技術の向上はもちろんのこと、専任オペレータを養成するが必要である。また、コンバインの操作法をマスターするため、コンバインの取扱説明書については熟読し、不明な点はメーカ等に問い合わせること。

(2)汎用コンバインについては、大豆収穫に当たり、機械条件を大豆用に調整するとともに、大豆用部品(受け網や土抜き板、リールゴム板等)に交換する必要がある。大豆用コンバインは、一般的に大豆仕様となっているため、部品の交換を必要としないが、汎用コンバインについては大豆用への調節及び部品交換を確実に履行する必要がある。

なお、汎用コンバイン個々に調節箇所及び交換部品が異なるが、一般的に言われている調節及び交換部品は次の通りである。

ア.ヘッダ部

[1]リールタインにゴム板を取り付ける。
[2]土抜きをし易くするため、プラットホームオーガの底板を目抜き板に交換する。
[3]プラットホームオーガの回転を大豆用に変速する(一部の機種)。
[4]ヘッダを大豆用ヘッダ(条刈りヘッダ)に交換する(一部の機種、かつ利用者の要望により)。

 

イ.搬送部

[1]土抜きをし易くするため、搬送コンベヤの底板を目抜き板に交換する。

 

ウ.脱穀選別部

[1]こぎ胴の周速度を大豆用に変速する(プーリ交換又はギヤ変速)。
[2]受け網を大豆用の網に交換する。
[3]送塵弁の角度を大豆用に角度調節する。
[4]土抜きをし易くするため、1番コンベヤ、2番コンベヤ、2番還元コンベヤの受け樋(底板)及び掃除蓋を目抜き板に交換する。

 

エ.穀粒処理部

[1]土抜きをし易くするため、穀粒タンク内のオーガの受け樋(底板)を目抜き板に交換する。
[2]袋詰め装置を取り付ける(一部の機種、かつ利用者の要望により)。
[3]穀粒タンクの横搬送オーガ及び縦搬送オーガを大豆用に交換する(一部の機種)。

 

(3)ヘッダ部の運転条件を大豆の条件に合うよう調整する必要がある。即ち、大半の大豆用コンバイン及び汎用コンバインは、倒伏した大豆を引き起こしたり、刈り取った大豆をかき込んだりするためのリールをヘッダ部に装備している。通常、このリールは、その前後・上下位置、回転速度等の運転条件に変えられるようになっているが、頭部損失の多少はこのリールの運転条件に大きく影響される。図19(GIF:12KB)に代表例としてリール回転速度と頭部損失の関係を示したが、リール速度がコンバイン速度に対して遅くても、また速くても損失が多くなる。すなわち、リール速度が遅い場合には、刈り取った大豆を完全にヘッダ部内に取り込むことができずに茎のままほ場に落下する割合が高くなり、逆に、リール速度が速すぎると、リールの衝撃力により大豆が叩かれて裂莢し、単粒の形でほ場に落下する割合が多くなる。図19(GIF:12KB)に示す生研機構の試作汎用コンバインの例では、リール速度と作業速度の比が1.2~1.6程度で作業すればコンバインの頭部損失は少ない。もちろん、機種、作物条件等によっても異なるが、コンバインを導入したらこの値を一応の目安として、各コンバインの特性を最初に把握することが大切である。

損傷粒は、図20(GIF:11KB)からわかるように、穀粒水分の影響を大きく受ける。すなわち、穀粒水分が20%以上の場合には、潰れ粒を主体とする損傷粒が多くなり、逆に穀粒水分が低い時でも裂傷や割れ豆などの損傷粒が増えることがある。また、20%以上の高水分時には図21(GIF:10KB)からもわかるように、粒そのものが長さ方向を中心に膨らんでいるものが多いので、搬送経路でも損傷粒が発生し易くなる。したがって、損傷粒を考えた場合、穀粒水分が18%以下になってからコンバイン収穫を実施することが望ましい。

高水分収穫は汚粒の点でも問題があるが、低水分大豆を収穫し、砕粒等の発生が多い場合にはこぎ胴の周速度を10%程度を目途に減速し、損傷の程度の確認を行う必要がある。

(4)汚粒の発生を防止するため、収穫時期、時刻、機械の掃除に留意する必要がある。

ア.収穫時期

汚粒は茎汁(茎水分)、土、雨、露、雑草等によって発生する。これらの原因のうち、収穫時期に関係する茎水分と汚粒発生の関係を図22(GIF:11KB)に示す。これより、茎水分が50%近くになると汚粒発生割合及び汚れの程度を示す汚染度等がかなり低くなることがわかる。したがって、汚粒の発生をできるだけ少なくするには、栽培地区、品種等によっても異なるが、茎水分がおおよそ50%以下、できれば40%以下になってからコンバイン収穫を実施することが肝要であると考えられる。
この場合は、収穫開始時期の判定は実際に水分測定すればわかるわけであるが、農家段階では難しいので、収穫時期の判定に慣れるまでは農協、普及所等で定期的に測定して、水分の経日変化の状況提供をするのも一案であろう。水分測定を行わない場合は、従来のビーンハーベスタの収穫時期よりも1週間程度経過した頃がコンバイン収穫の開始時期のおおよその目安である。また、実際に収穫してコンバインの後からほこりが立ち上がるようであればもう汚粒の心配はない。

 

イ.収穫時刻

収穫時期が決まっても、大豆はやっかいな作物で、朝から一日中収穫できるわけではない。晴天日の朝の7時から夕方5時ごろまで定期的にコンバイン収穫を行い、そのときの穀粒損失と汚粒の発生の変化を示したのが図23(GIF:30KB)である。これより、早朝から日中にかけて大豆が乾くにしたがって頭部損失を中心とした穀粒損失が多くなり、逆に汚粒は少なくなることがわかる。したがって、汚粒発生を少なくするためには、地区、天候等によっても異なるが、一般的に午前10時以降にコンバイン収穫を実施することが望ましい。この収穫時刻と汚粒発生については、新潟県農業試験場の試験結果でもほぼ同じような傾向を示しており、コンバイン収穫の作業時間として、[1]収穫前日・当日とも晴天の場合は11時頃から17時頃までの5~6時間程度、[2]前日で晴れで当日曇りの場合では11時頃から3~4時間程度、[3]前日まで降雨日が続いた場合には、当日晴れても作業が不可能になる場合が多いとしている。

 

ウ.栽培方法

汚粒を防ぐ栽培方法としては次の様な点に留意する必要がある。
[1]穀粒が成熟期に達しているのに、茎水分が下がりにくい莢先熟の品種は、穀粒の熟期に合せて収穫すれば汚粒発生の原因となるし、茎水分を十分下げれば頭部損失が増加する。そのため、穀粒の熟度に合せて、茎水分も低くなる品種の栽培が必要である。
[2]培土や除草がし易い栽植条間の設定並びに、適期防除を心掛ける。なお、ほ場内の雑草や青立ちの株は汚粒の発生の原因となりやすいので、刈り取り前に必ず取り除いておくことが大切である。
[3]熟期が斉一となるような栽培法を確立する。即ち収穫適期が来ても同一ほ場内に部分的に成育が遅れた大豆があると汚粒の発生原因となるため、成育むらが生じないような栽培法を確立する必要がある。
[4]作業を円滑にし、頭部損失や土のかみ込みを防ぐため、畦高さを出来るだけ低く押さえ、かつ倒伏が少なく、最下着莢位置が高くなるような栽培法を確立する。
[5]熟期の異なる2品種以上の大豆を組合わせた栽培体系を確立する。コンバインの能力から高水分から低水分の段階まで収穫しなければならないようでは、高水分では汚粒と損傷粒の発生が、低水分では頭部損失と汚粒の発生が問題となる。全ての面で良好となる適期収穫を進めるためには熟期の異なる2品種以上の大豆を組合わせた栽培体系を確立する必要がある。

 

エ.コンバイン清掃及びメインテナンス

コンバインの汚粒発生の原因は、図24、図25(GIF:29KB)に示した平成2年度の生研機構の調査(日本豆類基金協会からの受託研究)によると、土の咬み込みが第1位を占めている。これを防ぐためには土を咬み込まない機構あるいは運転技術が最も必要であるが、咬み込んだ土の除去として前述の土抜き用目抜き板の装着と掃除の励行が挙げられる。
特に掃除については、土だけでなく、咬み込んだ雑草や莢の毛茸の除去も必要である。その為、土がヘッダ部に入ったら、速やかに作業を停止し、ヘッダ部等の掃除を行うとともに収穫前及び収穫後の掃除の励行が望ましい。特に、大豆・そば用コンバインや汎用コンバインを大豆に使う前にそばの収穫を行った場合は、念入りに掃除する必要がある。

お問い合わせ先

生産局農産部穀物課 
担当者:豆類班
代表:03-3502-8111(内線4846)
ダイヤルイン:03-3502-5965
FAX:03-6744-2523

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