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4.乾燥調製

1.乾燥作業

(1)乾燥機の種類

コンバインで収穫した大豆の水分は、一般的に出荷水分に達していないので出荷水分まで仕上乾燥を行う必要がある。そこで大豆を乾燥する乾燥機には大きく分けて、a.静置式乾燥機、b.移動式乾燥機がある。

a. 静置式乾燥機

静置式乾燥機には平型と立型の2種類があり、いずれも大豆用に使われている。前者の平型静置式乾燥機は、大豆用としては個人農家や施設で使われている。平型乾燥機は最も簡単な汎用型乾燥機であり、図28(GIF:11KB)のように多孔板のすのこを張った乾燥箱、送風機、火炉等から構成されている。乾燥は、すのこ上に堆積した穀物をすのこ下から送風して行う。この方式は、乾燥むらを防ぐ観点からローテーション作業を行う以外は穀物を動かさないことが特徴である。平型静置式乾燥機は構造が簡易であることから、安価であり乾燥コストも低い。但し、静置が原則であるので、乾燥ムラが起きやすく、特に初期水分の高い状態ではその傾向が強い。乾燥ムラを少なくするためには、ローテーションの回数を増やしたり、すのこ上の穀物の層を薄くする必要があり、労力や乾燥能力の点で欠点がある。 
また、コンバインで収穫した大豆を網袋に収容し、すのこ上に堆積させハンドリングをしやすくする乾燥法も行われている。
後者の立型は平型の乾燥部を縦にしたものであり、ビンタイプがある。大豆用としてはラジアルビンタイプが施設で使われており。平型静置式乾燥機に比べて、高さは高くなるが設置面積が少なくなる利点がある。

b.移動式乾燥機

静置式乾燥機と違い、穀物を動かしながら乾燥を行うため、乾燥ムラが起きにくい利点があり、米麦を中心に広く使われている。構造上の違いから循環式乾燥機と連続送り式乾燥機に分けられる。
前者の循環式乾燥機(図29(GIF:16KB))は、米麦用に広く利用されている乾燥機であるが、現在のところ大豆に利用されている例は少ない。但し、ハンドリングの容易さや乾燥むらが少ないこと、米麦用として広く使われていることから、この乾燥機の大豆への汎用利用を要望する声も多く、試験場を中心に研究が進められている。しかし、そのまま米麦用の循環式乾燥機を大豆の乾燥に用いると、裂皮粒や破砕粒といった損傷粒が発生し易く、大豆の乾燥に利用できるとは言い難い。その対策として、生研機構では循環式乾燥機の搬送機構を構成するバケットコンベヤやスクリュコンベヤでの損傷発生要因解析や損傷粒の発生の少ない誘導排出型バケットをもつ循環式乾燥機の開発を行い、農業研究センターを中心に大豆とともに緩衝材となるもみ殻を一緒に乾燥する循環式乾燥システムを開発し、それぞれ実用的なデータが得られたが、現在のところ実用化までには至っていない。
後者の連続送り式乾燥機は1回通過型(ユニバス乾燥方式)と数回通過型(マルチバス乾燥方式)がある。この二つの中では数回通過型(マルチバス乾燥方式)が一般的であり、大型の乾燥施設に使われている。
この方式は乾燥と乾燥の間に水分の均一化のために乾燥を休止し、放置(テンパリング)するため別途タンクやサイロが必要となり、全体として設備が大型となる。また、乾燥速度は速いが、テンパリング時間も含めると循環式乾燥機に比べて平均乾燥速度は速くはないが、穀物に対する衝撃は少なく、大豆乾燥施設に使われている例も多い。

(2)高品質乾燥のための留意点

大豆の乾燥は、初期水分、乾燥速度、乾燥温度等によってはしわ粒や裂皮粒等が生じ、品質劣化の要因となる危険性がある。そこで大豆乾燥の為の留意点を取りまとめると次の通りである。

  1. 乾燥を始める初期水分は、しわ粒や裂皮粒等の発生を押さえ、品質劣化を防ぐ ためには出来る限り20%以下にすること。
  2. 静置式乾燥機による乾燥では、撹拌を常時行うことが出来ず乾燥むらが起き易いため、急激な乾燥は避け、送風温度は30℃以下かつ穀温が気温より15℃以上上がらないようにし、乾燥速度が0.3%/時以下のゆっくりとした速度で乾燥する必要がある。
  3. 循環式乾燥機による乾燥の場合、循環による損傷発生を防ぐため、損傷粒の発生の少ない誘導排出型バケットコンベヤの利用やもみ殻等を循環時の緩衝材として利用する必要がある。またこの場合の送風温度は、35℃以下で、かつ穀温が気温より15℃以上に上がらないようにし、乾燥速度が0.35%/時以下のゆっくりとした速度で乾燥する必要がある。
  4. なお、品質等の点で熱風乾燥が問題となることもあるので、その危険性のある場合には通風乾燥に切り換える必要がある。
  5. 高水分の場合、直ちに熱風を当てるのではなく、蒸れないようにゆっくりと常温で通風し、20℃以下になってから温度を掛ける必要がある。

2.調製作業

収穫された大豆穀粒は、乾燥された後、次の作業工程として大豆の高品質化による商品価値を高めるために調製作業が行われる。大豆の調製作業には[1]屑粒や被害粒の除去及び大粒、中粒、小粒の仕分等を行う選別作業と[2]汚粒大豆の汚れを取る汚粒処理作業(大豆のクリーニング作業)がある。

(1)選別作業

a.大豆選別機の種類

大豆選別機としては、[1]比重選別機、[2]形状選別機、[3]粒径選別機、[4]組合わせ選別機、[5]色彩選別機の5種類がある。
比重選別機は、比重の違いにより夾雑物や破砕粒、奇形粒、虫害粒等の大豆と完全粒で分離する選別方式の選別機であり、唐箕や揺動式の選別機がこれに含まれる。
形状選別機は、大豆の転がり特性の違いによって選別する方式の選別機である。この選別機は傾斜する選別ベルトから構成されており、整粒や病害粒、変色粒、しわ粒等の完全粒は選別ベルトの傾斜に合せて下方に転がり、破砕粒、奇形粒、虫害粒等の外径が転がりにくい穀粒は選別ベルトにのって上方に運ばれ、これによって完全粒と破砕粒、奇形粒、虫害粒とを選別するようになっている。
粒径選別機は大豆の大きさを出荷に合せて大粒、中粒、小粒等に分離する選別方式であり、市販機の大半は選別機構に円筒型の回転ふるいを利用している。
組合わせ選別機は図30(GIF:25KB)に示すように前記の形状選別機と粒径選別機を組合わせたものであり、現在市販されている大豆選別機の大半はこの方式の選別機である。機種によっては、これに風力選別機構等の選別機構も組合わせた機種もある。
色彩選別機は、形状は整粒と比較しても大差がないが、表面の色が大豆本来のものと異なる被害粒、例えば紫斑粒や褐斑粒等の変色粒を図31(GIF:49KB)のような光学的な方法で選別分離する方式である。

b.大豆選別機の作業性能

大豆選別機については、平成2年度の生研機構の調査(日本豆類基金協会からの受託研究)によれば、大豆用コンバイン、汎用コンバインを利用している農家、集団の大半は収穫した大豆の選別の大半は前記組合わせ選別機で行われていた。なお、大豆用コンバイン利用地区は皆無であったが、汎用コンバイン利用地区の5分の1で色彩選別機を利用していた。なお大豆選別機に対する感想は、選別精度、作業能率、取扱性のそれぞれについて大半は「まあまあ」及び「満足」であったものの、より安価で性能の高い大豆選別機開発の要望は強かった。
また、総合鑑定の成績の一例(エンレイを供試し、実施した昭和58年度及び62年度の試験)を紹介すると次の通りである。供試した6型式のうち、2型式は形状選別機、4型式は組合わせ選別機で、いずれも選別ベルトを使用している。図32(GIF:14KB)に示すように、大豆(エンレイ)を供試した試験では、全流量は毎時80~1000kgであり、その時の完全粒の製品口(組合わせ選別機の場合は、大粒口、中粒口、小粒口を合せたもの)への仕分け割合は85~100%、また被害粒や夾雑物の被害粒口への仕分け割合は、80~95%であった。
一方、粒径選別については、いずれの機種も大粒口、中粒口、小粒口での粒度割合は83%以上であり、大豆検査規格の基準を満たしていた。

c.大豆選別機使用上の留意点

大豆選別機使用に当たっては次の様な点に注意を払う必要がある。

  1. 大豆選別機の導入に際しては、生研機構の総合鑑定成績や公的試験研究機関の試験成績を参考にして、栽培集団の規模、乾燥施設の乾燥能力に見合った適正な機械を選択する必要がある。
  2. 使用に当たっては、処理量、選別ベルトの角度等を大豆条件に適合させて最適に調節し、選別機のもつ最大限の性能が発揮できるよう留意する必要がある。
  3. 形状選別機の場合、ベルト面の傾斜が性能に大きく影響するため、選別機の据え付けに当たっては機体が水平となるように留意する必要がある。

(2)大豆クリーニング作業

コンバインによる収穫作業を行うとき、汚粒が発生しないように留意する必要があるが、収穫時期や天候等の都合によってやむなく汚粒が発生することもある。農林水産省の調査によれば、汚粒は大豆の検査で規格外に格付けされる主な原因の一つとなっている。このような場合、発生した汚粒に対しては、商品価値や検査等級のアップを考えるとなんらかのクリーニング処理が必要となる場合がある。
その方法として、現在4社の農機メーカから大豆クリーナが市販されており、その概要は次の通りである。

ア.大豆クリーナの種類と概要

(ア)Ya式大豆クリーナ

本機は、図33(GIF:22KB)に示すように、大豆の供給方法と同方向に移動する下側のクリーニングベルトと反対方向に移動する上側のクリーニングベルトに汚粒大豆を挟み込み、水分の付着したベルト面で大豆の汚れを拭き取った後、水切り乾燥部で大豆の表面に付着した水分を除去する連続供給型の湿式の大豆クリーナである。
このクリーナの処理能力については、処理量が1時間当たり400~600kg程度、使用水量が300L程度である。

(イ)S式大豆クリーナ

本機は、図34(GIF:12KB)に示すように、円筒(ドラム)型のクリーニング部内において、ドラム内面に張り付けた研布とドラム内部で回転する羽根による研摩方式の乾式クリーナである。なお、このクリーナは、「張込み-クリーニング-排出」の作業サイクルを自動的に繰り返す、連続バッチ処理方式である。
このクリーナの処理能力については、1回の投入量が80kg程度、処理時間は汚粒の程度によって異なるが、10~20分程度とすると、処理量は1時間当たり240~480kg程度となる。

(ウ)E式大豆クリーナ

本機は、図35(GIF:24KB)に示すように、縦形かつ円筒型のクリーニング部において水分の含んだもみ殻と汚粒大豆を撹拌し、大豆の汚れをとった後、風力により精選するバッチ処理方式の湿式大豆クリーナである。
このクリーナの処理能力は、カタログによれば、処理量が1時間当たり600kg程度である。

(エ)N式大豆クリーナ

本機は、図36(GIF:23KB)に示すように傾斜したポリッシングボックスの下側より大豆と少量の水を含ませたコーンコブ(とうもろこしの芯を乾燥後、粉砕し、一定のメッシュのスクリーンを通過したもの)を入れ、撹拌パドルで撹拌し、大豆をクリーニングしながら傾斜上方に搬送する。その後、ポリッシングボックスの下方に位置するスクリーンに流れ込み、大豆とコーンコブは分離され、大豆は製品出口へ、コーンコブはポリッシングボックスへ還元され、新たな大豆のクリーニングに利用される方式の連続供給型の湿式大豆クリーナである。
このクリーナの処理能力については、処理量が1時間当たり600~1000kg程度、コーンコブ20kgで3.5~4.5tの大豆が処理出来、その場合の加水量はコーンコブ20kg当たり6~8L程度である。

イ.大豆クリーナの使用上の留意点

  1. 大豆クリーナは、仕上げ乾燥を行い、大豆選別機で選別した後の大豆についてク リーニング処理行う装置であることを認識し、体系を組む必要がある。
  2. 大豆クリーナは汚れた粒の「クリーニング」という非常手段であり、大豆自体の品質向上手段ではないことから、必ずしもクリーニングによって等級が上がるとは言えない事を念頭におき、作業を行うこと。
  3. 湿式の連続式クリーナの場合、クリーニング効果を高めるため過度にクリーニング処理を繰り返すと、大豆の条件によっては皮切れ粒やしわ粒が発生することがあるので適切な処理回数になるように留意する。
  4. 乾式のバッチ式クリーナの場合、汚れの程度に応じて処理時間を設定しているが、クリーニング効果を高めるため過度に処理時間を長くすると、大豆の条件によっては皮切れ粒や破砕粒が発生することもあるので適切な処理時間になるように留意する。

お問い合わせ先

生産局農産部穀物課 
担当者:豆類班
代表:03-3502-8111(内線4846)
ダイヤルイン:03-3502-5965
FAX:03-6744-2523

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