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農林水産省

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1.荷受・乾燥施設 ― 原料の一時貯留設備 ―

(1)一時貯留設備の必要性

毎日の荷受量に変動があり、荷受量より乾燥調製出荷量が少ない事態が起こり得る場合は、未処理大豆原料が施設内に残ることになる。この場合は生原料の一時貯留設備の設置を検討する。また、収穫を早く終了したいとか収穫適期が短いなどの理由で短期間に大量の原料が搬入される場合も生原料の一時貯留設備が必要になる。乾燥設備能力を入荷量に合わせることでも原料受け入れ早期終了が可能であるが、通常、乾燥機設備のコストが原料タンクより割高であるためタンク設備を導入することが多い。また、原料タンク付設により乾燥調製の作業量にムラが少なくなる。例えば、雨天で荷受がなくても原料タンクから引き出せば乾燥と調製作業ができる。ここまで、生原料の一時貯留について述べたが、一般的に一時貯留タンクは、各設備間の能力のアンバランス対応や各工程間を材料がスムーズに流れ設備の稼動効率を上げることに使用される。したがって、乾燥設備と選別設備の間や粒選別と色彩選別の間などにも付設されることがある。タンクの呼び名は付設された工程によって名づけられる。

(2)一時貯留設備の選定

後に述べる角ビン丸ビンは原料の一時貯留と乾燥機能を合わせ持つので採用例が多い。また、本書で説明する太陽熱利用撹拌通風乾燥装置も仕組み上、一時貯留機能をある程度持っている。これらの方式のほかに建物内部あるいは屋外にタンクを附設することでも対応可能である。タンクの形状は四角型、丸型いずれも製作されている。図1-15に小型の屋外平床丸型ビンの例を示す。未乾燥の生原料の一時貯留を実施する場合に配慮すべき事項として、貯留期間中の原料の変質防止と貯留容器内の結露防止がある。すなわち、原料が高水分の場合は変質防止のための通風装置が必要である。また、容器内部への結露が懸念される場合は、屋根及び壁体を断熱構造にするなどの配慮が必要になる。

(3)一時貯留設備の容量

生原料一時貯留設備の容量は、荷受期間中の荷受量と乾燥量との差を累積計算してその最大量を収容できるように決定する。乾燥済み材料の貯留タンク容量は、稼動期間中の乾燥工程と調製工程の処理量差の累積量を計算して決定する。ただし、累積量は言わば各設備の処理能力間のアンバランス量であるから、設備能力の選定により変化する。設備コスト低減や作業効率の向上をねらいとして各設備能力の選定を行い、最適の貯留タンク容量を決定する。

図1-15  丸ビン設置例

図1-15  丸ビン設置例

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