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農林水産省

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指定前の公示(第59号)

更新日:平成29年7月11日
担当:食料産業局 知的財産課
下記の名称について、指定前の公示をしたのでお知らせします。

Jamón de Teruel/Paleta de Teruel (ハモン デ テルエル/パレタ デ テルエル)

1 指定前の公示の番号  第59号
2 指定をした場合に締約国の名称として公示されることとなる国の名称  欧州連合
3 農林水産物等の区分  第20類 食肉製品類 ハム類
4 農林水産物等の名称  Jamón de Teruel/Paleta de Teruel (ハモン デ テルエル/パレタ デ テルエル) 
5 農林水産物等の生産地  スペイン 
 
 平均標高800m以上に位置するテルエル県の市町村。
 ただし、乾燥施設は海抜800m以上に位置していなければならない。
6 農林水産物等の特性、生産の方法その他の当該農林水産物等を特定するために必要な事項  (1)特性
 本産品は、豚の前肢と後肢に加塩、洗浄、二次加塩、保存処理(乾燥)、熟成という加工処理を行ったもも肉及び肩肉の生ハム。 
 
○形態の特徴
・形状:長く、末端部分から筋肉の部位まで切り揃え、丸みをつけ、足の部分が付属している。全て皮で覆われている場合と、V字の切り込みを入れてトリミングしている場合があり、V字の頂点が塩せきした肩肉又はもも肉の最も厚みのある部分の真ん中に来るようにカットされている。
・重量:塩せきハムのもも肉は7kg以上、塩せき肩肉は4.5kg以上。
 
○官能特性
 外側表面は、典型的なカビで覆われている場合とカビはなく油や脂肪が塗られている場合がある。カットの表面の特徴は次の通り。
・色:切り口は赤く艶があり、筋組織に部分的に脂肪のサシが入っている。
・肉:繊細な味で、塩気はあまり強くない。
・脂肪:脂分が多く艶があり、色は黄色がかった白色で、口当たりが良い。
  
 本産品は他の類似製品と比較すると
・pHがわずかに高く分解速度が遅い。
・色合いが濃い。
・保水性が高い。
・多汁性である。
・筋間脂肪含量が多い(筋間脂肪率(%)が高い)。
・飽和脂肪が少ない。
・質感がより滑らかでより柔らかい肉である(より脂肪分が多く多汁性)。
・保存と熟成に適している。
・加工製品としては塩気がより少なく塩せきの風味がより深い。
 
 ハモン デ テルエル/パレタ デ テルエルは、1996年6月、農産物及び食品の地理的表示及び原産地名称の保護に関する1992年7月14日付理事会規則(EEC)第2081/92号に基づき欧州委員会にPDOとして指定されている。
 
(2)生産方法
○原材料
 本産品の製造に適した豚は、以下の豚種の交配から得られる。
・雌豚:ランドレース種、ラージホワイト種、又は両種の交雑種。
・雄豚:デュロック種。
 
 テルエル県の農場で生まれ肥育され、そしてテルエル県内にある施設で食肉処理された豚のみが、本産品の原料となる。
 雄豚は肥育農場に入れる前に去勢し、雌豚は発情期以外の時期に食肉処理する。
 温屠体重量が86kg以上で、後肢の先端の腰部で測定した背脂の厚み(腰部の後肢の先端)が16mmから45mmの豚の屠体の肉のみが使用できる。
 
○飼料
 豚の配合飼料の生産者は、テルエル県内又はその近隣県(サラゴサ県、グアダラハラ県、クエンカ県、バレンシア県、カステリョン県、タラゴナ県)内に本拠を置いていなければならない。
 飼料は、基本的に穀物で構成され、原材料の最低50%は穀物でなくてはならず、できる限り生産地由来のものとする。
 監督機関は、生産データに基づき原材料の配合物と生産地を評価し、確認する責任を負う。
 
 本産品では、家畜の飼育、屠殺、解体を行う地域(以下、「生産地域」という)と、もも肉及び肩肉の加工を行う地域(以下、「加工地域」という)とに区別され、生産地域、加工地域では以下の工程が実施されなければならない。
・生産地域における工程:家畜生産、家畜の屠殺及び解体。
・加工地域における工程:塩蔵、洗浄、二次塩蔵、塩せき、熟成。
 
(3)農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由
○自然要因
 もも肉及び肩肉の加工地域は、地中海の影響を受けた大陸性気候を特徴とし、高地では寒い冬が長く続き厚い霜が降りる。気候は乾燥しており、雲一つない日が多い。年間雨量は約400mmで、年間降雨日数は約70日である。
 年間平均気温は12℃、平均最高気温は37℃、平均最低気温は-10℃である。夏と冬の平均気温差は19℃である。5月から10月までの無霜期間は、食肉産業に好ましい状況を生み出す。
 もも肉及び肩肉は、加工地域の優れた気候条件の中で熟成する。この地域の乾燥した寒冷気候は、高品質なもも肉及び肩肉を得るための理想的なパラメーターである。
 
○人的要因
 スペインの博物学者で、弁護士で歴史家でもあったホルダン・デ・アソ(Jordan de Asso)は、アラゴンの経済政策の歴史に関する自著 『Historia de la Economía Política de Aragón』(1798)の中で、「アルバラシンで育った豚はそのおいしさにより珍重されている。この豚はツルボラン(Asphodelus ramosus)の葉が大好きで、冬にはそれを乾燥させて飼い葉にする」と具体的に言及している。家畜数は少ないが、肥育により食肉処理した重量は重く、「飼育」豚は農村の世帯においての紛れもない宝であり、一年を通してテルエルの小作農家の食生活の基礎を形作った。
 これら原材料となる豚は、その特別な食事そしてドングリを食すことと、寒冷で乾燥した気候とが合わさって、質の高い肉を生み出す揺るぎない伝統を育むことができた。こうした豚は今はいなくなったが、職人のような農民の多数の専門技術やノウハウは、これら品種(起源種のモリーナ・セルティックと脂肪を蓄えることに最も秀でたモレージャ・イベリア種)の特徴を保持する繁殖・飼育経験を受け継ぐことを通じて存続し続け、昔から存在する高品質の肉の伝統を存続することができた。
 本産品の重要な特徴として強調しなければならないのは、ランドレース、ラージホワイト、デュロック種から適した家畜を繁殖させるノウハウである。この適した豚は前述の3品種間の交配による産物であり、雑種強勢によるメリットを得ている。
 こうして共有された知識はすべて、豚を屠殺する業者の専門技術によって高められていく。豚は屠殺体重が86kg以上でなければならないだけでなく、屠体の体長の1/2部位で測定した部分から背脂の厚さが適正なレベルでなければならない。肉の解体に関して、重点が置かれるのは、後肢や前肢を損傷しない解体及び切断法、血抜き方法、余剰な外皮の除去、乾燥施設への移動、体重や体温情報を使った肉の分類方法といった専門技術である。これらの技術により加工業者に受け入れてもらえる均質な製品を得ることができ、脂肪がつき、損傷のない肉が製品に使用される。
 後肢または前肢の生肉重量1kg当たり0.65日から1日の間、肉を塩に触れさせておくという塩蔵作業に関する専門技術が今日まで受け継がれてきた結果、口当たりが良く繊細でやや塩味の効いたハムを作り上げることができている。同様に、加工地域の気候も、この塩蔵作業を可能にしている。
 テルエルの変化に富んだ地形は、数多くの古い伝統的レシピを生み出してきた。ともに民族学者で美食家のアントニオ・ベルトラン(Antonio Beltrán)教授とホセ・マヌエル・ポルケット(José Manuel Porquet)は、料理に関する論文の中で、角切りハムを使った「テルエルガーリックスープ」と「ハムとトマトのテルエル風」といったハモン・デ・テルエルを材料に含むテルエル県の代表的レシピについて言及している。最後に忘れてはならないのは、テルエルの祭り『Vaquilla del Ángel』でよく食べられる「レガニャオス」で、これはオイルを塗ったパン生地にハムのスライスと赤ピーマンを載せ、オーブンまたはフライパンで焼いたものである。
 肉製品の加工においては、最終製品の微生物学的特性を安定させるために、原材料への一連の保存技術(塩蔵と脱水)を施すことが必要である。加工地域の海抜高度、降雨量、外気温といった地理的条件と、何世代にも受け継がれてきた伝統とが合わさって、製品に本産品ならではの特別な官能特性を与えている。
 特に、
・塩分を最小限に抑えた繊細な風味。その要因は非常に低い温度で撒き塩をしながら肉を積み上げ、適量の塩が浸透するために必要な最短の時間のみ塩漬けする方法にある。
・塩蔵後、肉は非常に低温な中で立たせておく。
・赤で鮮やかな外観は、乾燥工程における温かい気温に起因する。この乾燥法は、一般に爽やかで平均から平均以下の湿度をもつテルエル県の典型的な気候を真似ており、これにより、時間をかけながらバランスのよくとれた乾燥が可能になる。この結果、熟成が激しく進むため、滑らかで噛み切りやすい食感とともに素晴らしい香りを引き出すことができる。このゆっくりとした乾燥と強い熟成のプロセスは、肉の筋肉内脂肪に良い作用を及ぼす。
・タンパク質分解酵素と脂肪分解酵素の活動を高める成熟と熟成の最終段階における処理により、赤身と脂肪双方の香り、風味、食感を洗練・完成させる。
・脂っぽく艶があり、白色がかった黄色で、香りと口当たりが良い。その理由は、父系にデュロック種の種豚を含む理想的な遺伝子タイプを持つ豚、飼料中の高い穀物含有率、重い屠殺重量であり、このことにより屠殺時点で筋肉内脂肪量が適切で「若くも老いてもいない」状態の肉が得られる。
 
以上のような本産品の特徴は、自然要因及び人的要因によりもたらされるものであり、この製品を特別なものとし、類似製品と区別する役割を果たす。
7 法第29条第1項第2号ロの該当の有無等 
(1)商標権者の氏名又は名称  -
(2)登録商標  -
(3)指定商品又は指定役務  -
(4)商標登録の登録番号  -
(5)商標権の設定の登録の年月日  -
(6)専用使用権者の氏名又は名称  -
(7)商標権者等の承諾の年月日  -
8 公示の年月日  平成29年7月11日
9※ 意見書提出期間
(公示開始日から3か月間)
 平成29年10月11日まで
※意見書提出についてはこちら

お問合せ先

食料産業局知的財産課

担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4286)
ダイヤルイン:03-6738-6319
FAX番号:03-3502-5301