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農林水産省

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指定の公示について(指定番号第33号)

更新日:平成31年2月1日
担当:輸出・国際局 知的財産課
下記の地理的表示について、指定の公示をしたのでお知らせします。

Fontina(フォンティーナ)


1 指定年月日  平成31年2月1日
2 指定番号  第33号
3 締約国の名称  欧州連合
4 農林水産物等の区分  第6類 畜産加工品類 酪農製品類(ナチュラルチーズ)
5 農林水産物等の名称  Fontina (フォンティーナ) 
6 農林水産物等の生産地  イタリア
 
 ヴァッレ ダオスタ州
7 農林水産物等の特性、生産の方法その他の当該農林水産物等を特定するために必要な事項 (1)特性
 フォンティーナは、以下の物理的、化学的、微生物学的、官能的特性を有している。
 
ア. 物理的特性
〇 形状
 a) 円筒形で概して平たい
 b) 平らな側面
 c) もともとは端部がへこんでいるが、熟成後は必ずしも目立たない
 
〇 大きさ
 a) 直径35cm~45cm
 b) 高さ7cm~10cm
 c) 重量7.5kg~12kg
 
〇 皮
a) 硬い。色は熟成度合いや熟成期間により茶色の濃淡が異なる(薄茶色~焦げ茶色)。
b) 柔らかい。熟成が増すに従ってやや硬くなる。
c) 薄い
 
〇 チーズ内部
a) 弾力があり柔らかい。製造時期によって異なる。
b) チーズホイール全体に特徴的な穴
c) 象牙色から濃淡の異なる麦わら色
 
イ. 化学的特性:固形分中の脂肪分は最低45%でなければならない。
 
ウ. 微生物学的特性:生きた乳酸菌の含有率が高い。
 
エ. 官能的特性:口溶けが良く、熟成するにつれて甘みと繊細な風味が増していく。
 
 フォンティーナは、1996年6月、農産物及び食品の地理的表示及び原産地名称の保護に関する1992年7月14日付理事会規則(EEC)第2081/92号に基づき欧州委員会によりPDOとして指定されている。
 
(2)生産方法
 フォンティーナの製造に使用される牛乳は、ヴァッレ ダオスタ州産であり、ヴァルドスターナ種(Valdostana)由来の品種であるペッザタ  ロッサ種(Pezzata Rossa)、 ペッザタ ネーラ種(Pezzata Nera)及びカスターナ種(Castana)の牛から一カ所で搾乳した生乳かつ全乳でなければならない。
 乳牛の飼料はヴァッレ ダオスタ州で生産された干し草や牧草でなければならない。牧草や干し草に加え、濃厚飼料の使用も認められている。濃厚飼料の内容は、原則穀類及び核タンパク質でなければならない。
 牧草サイレージや発酵飼料、その他フォンティーナの製造に不適切な特徴を有する飼料(例えば、動物性タンパク質、動物性及び植物性の粉末や油脂、種子、根、野菜、果物、工業副生成物、窒素源、抗生物質、ホルモンまたは興奮剤、発酵体、シリカ、化学処理された藁、焼きたてや乾燥したパン等)を使用することは禁じられている。
 凝固前に牛乳を36℃以上で加熱してはならない。固有の乳酸菌の培養物(酵素)を牛乳に加えることは許される。
 牛乳は子牛のレンネットを加え、銅製またはスチール製の大桶で凝固させる。本工程は34℃から36℃の間で最低40分行わなければならない。次に、凝乳(カード)を崩し、46℃から48℃で火にかけながら攪拌する。最低10分以上置き、チーズの塊を取り出し布で包む。
 チーズの塊は、典型的な端部が凹面になっている型に入れなければならず、その後積み重ねられて圧搾される。チーズの塊を初めて裏返す時に、カゼインラベルを刻印しなければならない。カゼインラベルには、トレーサビリティと製品原産地の包括的モニタリングを確保するために、チーズホイールの識別コードと製品の識別ロゴを記載することが義務付けられている。最終圧搾段階の前に、Consorzio(フォンティーナ保護協会)から割り与えられた生産者番号を示す識別表示を貼付しなければならない。 
 圧搾工程は製造が完了するまで続けられる。圧搾工程の間は、チーズの水切りを促進するためにチーズホイールを裏返す必要がある。圧搾が完了してから24時間以内であれば、チーズを食塩水の入った大桶に最大12時間入れ塩漬けすることができる。
 熟成期間中は、チーズホイールを棚から下ろし裏返すことで、下面に軽く塩をまぶすことができる。まぶした塩が溶け始めたら、塩をまぶした面と端部をブラシと食塩水で磨くためにチーズを取り出す。磨かれたチーズは、以前と同じ棚の位置に戻す。
 熟成工程は最低湿度90%、室温5℃~12℃に保たれた貯蔵室で行わなければならない。さまざまな製造段階を迅速に行うことで、チーズの表面や内部でカビが繁殖するリスクを最小限に抑えることができる。
 最終消費者に製品が届くまで製品の特徴を確実に保つことができるよう、チーズのカット、包装も指定された生産地域内で行うことが必要である。フォンティーナの外皮は湿度があり、チーズそのものも一定の水気を保っているため、理想的な環境状態(室温と湿度)を維持し、職人がチーズホイールに注意を払いながら、短い時間内に倉庫に入れ、保管、包装するという一連の工程は、極めて繊細な工程である。
 
(注:上記下線部については、日本国内での消費を目的として、日本国内でカット、販売前の事前包装及び包装等が行われる場合には適用しない。)
  
(3)農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由
 フォンティーナの起源であり、製造が行われる地理的環境は、特殊な気候及び他ではほとんど見られない植物相や動物相を有するアルプス峡谷、ヴァッレ ダオスタ州の独特な山岳環境である。
 在来牛種であるヴァルドスターナ(Valdostana)はこの地域で飼育されている。この品種には3つの特徴がある。
 一つ目は、筋肉質で小柄な形態であるため、山の各牧草地に移動し、飼料を直接摂取することができること。二つ目は、当地にある干し草飼料を最大限に活用できる能力があること。三つ目は伝統的なチーズの製造に理想的な牛乳を生み出すことである。
 在来のヴァルドスターナ種は、山岳地帯の豊富な資源として存在する牧草を独自のチーズ製品に転換させることができる。この関係は、全ての牛が夏は山岳地に放牧され、秋は牧場に放牧されることにより増進される。ヴァルドスターナ種とフォンティーナの関係は、環境、品種、チーズという3つの要素の関係を映し出したものであり、階層的ではなくむしろ一体的なのである。そのため、ヴァルドスターナ種とフォンティーナは、地域環境を守る実に重要な番人なのである。牧場や牧草地の植生(アルプス峡谷の乾燥した夏の気候によってもたらされる)と、ヴァルドスターナ種から搾乳する牛乳の生化学的独自性が、フォンティーナの基盤を成している。
 在来種の耐久力と地域由来の飼料の活用に加え、本産品とこの地域との結びつきは、以下の要素にも基づいている。
 ・現地の伝統の一部でもあるチーズの製法。
 ・1箇所で搾乳(搾乳は1日2回実施)した生の全乳を使用し、できるだけ短時間のうちに供給される。
 ・天然の細菌叢と特徴的な風味(これによりチーズ製造の初期段階時に牛乳を低温加熱処理しない)。
 ・独特な特性を持つ熟成過程(室温5℃~12℃、相対湿度最低90%~飽和点まで)。
8 法第29条第1項第2号ロの該当の有無等 
(1)商標権者の氏名又は名称  -
(2)登録商標  -
(3)指定商品又は指定役務  -
(4)商標登録の登録番号  -
(5)商標権の設定の登録の年月日  -
(6)専用使用権者の氏名又は名称  -
(7)商標権者等の承諾の年月日  -

お問合せ先

輸出・国際局 知的財産課

担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284)
ダイヤルイン:03-6744-2062
FAX番号:03-3502-5301

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