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農林水産省

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指定の公示について(指定番号第44号)

更新日:平成31年2月1日
担当:輸出・国際局 知的財産課
下記の地理的表示について、指定の公示をしたのでお知らせします。

Provolone Valpadana(プロヴォローネ ヴァルパダーナ) 


1 指定年月日  平成31年2月1日
2 指定番号  第44号
3 締約国の名称  欧州連合
4 農林水産物等の区分  第6類 畜産加工品類 酪農製品類(ナチュラルチーズ)
5 農林水産物等の名称  Provolone Valpadana(プロヴォローネ ヴァルパダーナ) 
6 農林水産物等の生産地  イタリア
 
 クレモナ県、ブレシア県、ヴェローナ県、ヴィチェンツァ県、ロヴィーゴ県、パドヴァ県及びピアチェンツァ県各県の全域並びにベルガモ県、マントヴァ県及びロディ県の隣接自治体地域並びにトレント自治県
7 農林水産物等の特性、生産の方法その他の当該農林水産物等を特定するために必要な事項 (1)特性
 半硬質のパスタ・フィラータチーズ(カード紡ぎ法と呼ばれる製造方法によるチーズ)。
 生産地で搾乳した牛の全乳を60時間以内に発酵させることにより自然の酸味を持つ。
 
〇 製品の特徴
 プロヴォローネ ヴァルパダーナを3か月熟成させたチーズは繊細な風味で知られ、刺激性タイプの場合は、熟成期間と使用するレンネットの種類に応じ強い風味へと変化する。また、本産品は、ソーセージ型、メロン型、円錐台型、洋ナシ型のように様々な形状があり、サイズによっては30 kgを超えるものもある。本産品は密度が高いが、イタリア南部のパスタ・フィラータチーズとは異なり乾燥していない。これは、イタリア南部のものよりもサイズが小さいためである。また、熟成させたり、乾燥させ刺激のある味にしたりすり、おろしチーズにすることもできる。
 ・マイルドタイプ:チーズが低温殺菌されるまで熱処理を施す。
 ・刺激性タイプ:低温加熱処理
 本産品は、3か月以内の熟成だと繊細な風味であるが、刺激性タイプをさらに熟成させた場合や、ヤギや子羊のレンネットのいずれか、または双方同時に使用した場合は、強めの風味となる。
 ・燻製してもよい。
 ・形状により重量が異なる。
 ・チーズの形状は、ソーセージ型、メロン型、円錐台型、「フィアスケッタ」として知られる上部に球状部分を持つ洋ナシ型がある。表面に、支持紐による小さなくぼみが見られる場合がある。
 ・外皮は滑らかで薄く、淡黄色や金色をしており、黄褐色の場合もある。切り分けられるマイルドタイプには外皮はない。
 ・チーズ内部は、通常淡黄色である。
 
 本チーズは、概して密度が高く、時に小さな穴が見られる。熟成期間が短い場合も多少のぱさつき(剥落)が見られるが、熟成期間が長い場合のぱさつき感(剥落)は一般的である。
 最大含水率は、
 ・マイルドタイプ及び6kg以下の刺激性タイプは46%を超えてはならない。
 ・6kg以上の刺激性タイプは43%を超えてはならない。
 ・固形分中脂肪含量は44%以上54%以下でなくてはならない。
 
 プロヴォローネ ヴァルパダーナは、1996年6月、農産物及び食品の地理的表示及び原産地名称の保護に関する1992年7月14日付理事会規則(EEC)第2081/92号に基づき欧州委員会によりPDOとして指定されている。
 
(2)生産方法
 本産品は、全製造工程を指定された生産地域内で実施しなければならない。
 
〇 原材料
 牛乳、レンネット、塩
 
〇 熟成期間は次の通り異なる。
 ・6 kg以下:10日間以上の熟成期間
 ・6 kg以上:30日間以上の熟成期間
 ・15 kg以上で刺激性タイプのみ:90日間以上の熟成期間
 ・30 kg以上で「P.V.S」とラベリングされた刺激性タイプ:8か月以上の熟成期間
 
〇 飼料
 乳牛の基本的な飼料は飼い葉(生又は乾燥)又は濃厚飼料であり、これらの50%以上は生産地由来のものでなくてはならず、泌乳牛、乾乳牛及び生後7か月以上の雌子牛に与えなければならない。また、通常の給餌に使用する乾燥飼い葉の75%以上は、牛乳が生産される地で製造されるものでなければならない。
 許容されている飼い葉は、恒久的又は一時的な牧草地で採れる飼い葉、飼料用穀物、耕作地の穀物を乾燥させて作る干し草、穀類から作るわら、牧草サイレージ、切り刻んだ牧草及び干し草サイレージである。
 許容される飼料は、穀類及び穀物製品、すりつぶしたトウモロコシ、油糧種子及び油糧種子製品、塊茎及び根茎、乾燥飼い葉、糖蜜等製糖業から発生する産品や加工助剤等の派生物で、1日の給餌量のうち固形分量中最大2.5%以内の香味料も使用が許容される。この他、マメ科種子及び乾燥イナゴマメ並びにその派生物、脂肪、無機塩類、ビタミン、微量元素、アミノ酸、香味料及び抗酸化物質等の添加物の使用が許容される。
 使用する香味料及び抗酸化物質は天然又は合成でなければならないという要件がある。不活性な醸造用酵母を「事前混合」に使用することも許される。
 
〇 ラベリングのルール
 全てのホールチーズは、プロヴォローネ ヴァルパダーナのロゴを貼付しなければならず、ロゴは不正加工[開封]を防ぐ容器(金属やプラスチック)にも表示される。
 ホールチーズが市場に出る前に、カード・ストリップスやステッカー、包装やその他類似の素材を使用してプロヴォローネ ヴァルパダーナをカスタマイズすることができる。このようにカスタマイズする場合、ロゴ及び「プロヴォローネ ヴァルパダ-ナ(Provolone Valpadana)」の名称を明示しなければならない。この場合、6kg未満のチーズは除き、商用ブランドが使用する表面部の6分の1以上の範囲に表示しなければならない。
 名称が記載されているロゴは、販売包装パックに表示されなくてはならず、包装表面の利用可能なスペースの10%以上を占める必要がある。プロヴォローネ ヴァルパダーナという名称も同様のルールに基づき表示されなくてはならない。「Denominazione d’Origine Protetta」という表示は、コミュニティーのシンボルマークと置き換えることができる。ロゴは白黒でもよい。
 
(3)農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由
〇 生産地域の特徴
 生産地にはポー平原の一部が含まれ、本地域は、飼い葉の生育や乳牛の飼育に特に適した気候条件で知られている。このような環境要因により、チーズの製造に理想的な条件が揃うこの地でプロヴォローネ ヴァルパダーナが生まれることになった。
 プロヴォローネ ヴァルパダーナはパスタ・フィラータチーズである。本産品はイタリア南部で発祥したが、パダーナの専門知識や原材料の豊富さに起因したチーズ生産の伝統により、イタリア北部においても有名となった。
 初期製造段階で得られる乳清残留物から生成した天然の乳清の使用や、子羊やヤギ、子牛といった様々なレンネットを巧みに活用する地域の酪農業者が有するノウハウ、そしてチーズの混練作業やその他作業に関する手作業の知見は、本産品の製造においてとりわけ重要である。
 本産品は19世紀後半から特定の生産地域で製造されてきたが、パスタ・フィラータチーズの起源はイタリア南部にある。20世紀には、Besana(1916年)とFascetti(1923年)の作品が証明するように、イタリア北部にその名が知れ渡った。
 本産品の製造の拡大は、時間をかけて発展してきたパダーナの生産者らの専門的チーズ製造の技量(多くの加工用乳を生産する牛の飼育に特に適した条件が本生産地域に揃っていることに影響を受けている)により後押しされた。
 初期製造段階で得られる乳清を更なる加工促進のため、乳清スターターとして使用することは、プロヴォローネ ヴァルパダーナ製造法の特性の中でも本産品に典型的である。この過程は、チーズの製造ではあまり活用されない珍しい手法であるため、地域と製法の両観点から考慮しても、本産品の生産の上で非常に特徴的な部分を形成している。
 製造技法を洗練させることで、本質的特性を変えることなく、本産品の形状やサイズといったチーズの商用的特徴に影響を与えてきた。本産品の様々な形状やサイズは、生産地域におけるチーズ生産者の技量の賜物である。つまり、生産者の混練作業により、チーズを様々な形状や非常に大きなサイズにできる程のしなやかさを作り出している。このような商用的特徴も本生産地に帰属するものだと言える。なぜなら、この地において、このような商用的特徴が発達し、受け継がれてきたからである。
 マイルドタイプと刺激性タイプという二種の共存は、異なるレンネットを使い分けられる酪農業者の技量によるものである。これにより、それぞれ同様の製造過程を経ていても特有の繊細又は刺激のある風味を持つ、熟成期間が短い小さめのチーズ、熟成期間の長い大きめのチーズとなっている。更に、密度の高い本産品は、南イタリアのより典型的なパスタ・フィラータチーズのようにすりおろしが必要となるほど乾燥することはないのである。
8 法第29条第1項第2号ロの該当の有無等 
(1)商標権者の氏名又は名称  -
(2)登録商標  -
(3)指定商品又は指定役務  -
(4)商標登録の登録番号  -
(5)商標権の設定の登録の年月日  -
(6)専用使用権者の氏名又は名称  -
(7)商標権者等の承諾の年月日  -

お問合せ先

輸出・国際局 知的財産課

担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284)
ダイヤルイン:03-6744-2062
FAX番号:03-3502-5301

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