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農林水産省

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更新日:平成28年3月10日
担当:食料産業局 知的財産課

登録の公示(登録番号第11号)

下記の地理的表示について、登録の公示をしたのでお知らせします。

鳥取砂丘らっきょう

1 登録番号  第11号
2 登録年月日  平成28年3月10日
3 登録の申請の番号  第3号
4 登録の申請の年月日  平成27年6月1日
5 登録生産者団体の名称  鳥取いなば農業協同組合
6 登録生産者団体の住所  鳥取県鳥取市行徳1丁目103番
7 登録生産者団体の代表者の氏名  代表理事組合長 谷口 節次
8 登録生産者団体のウェブサイトのアドレス  http://www.jainaba.com/ 【外部リンク】
9 特定農林水産物等の区分  第2類 野菜類 らっきょう
10 特定農林水産物等の名称  鳥取砂丘らっきょう(トットリサキュウラッキョウ)、ふくべ砂丘らっきょう(フクベサキュウラッキョウ)
11 特定農林水産物等の生産地  鳥取県鳥取市福部町内の鳥取砂丘に隣接した砂丘畑(資料1(PDF:447KB)参照)
12 特定農林水産物等の特性

 らっきょうには、「らくだ種」「玉らっきょう種」「八房種」の3種があり、「鳥取砂丘らっきょう」は、「らくだ種」を採用している。「らくだ種」は、鹿児島、宮崎、高知、徳島、福井、鳥取で生産されている。また、徳島、鳥取(北条)で一部「玉らっきょう種」の生産がある。
 青果の「鳥取砂丘らっきょう」は、根付らっきょうと洗らっきょうの形態で出荷される。両者とも、「らくだ種」の特徴である肉質がしっかりした長卵形(若干細長く卵型)である。

 青果の「鳥取砂丘らっきょう」は下記特性を有する。

(1)シャキシャキとした食感

ア 特徴点および他所の同種の産品との違い

 他所の同種の産品と比べて、「鳥取砂丘らっきょう」は、食感の「シャキシャキ感」が良いとの市場評価を受けている。

イ 特徴点の客観的根拠

 資料4(PDF:570KB)は、「鳥取砂丘らっきょう」と他所のらっきょうの破断強度測定結果とそのグラフである。
 これによると、「鳥取砂丘らっきょう」は他所のらっきょうに比べ、最大荷重の最高値が52.1Nと圧倒的に小さい。また、他所のらっきょうに比べ、最高値と最小値の差も27.8Nと圧倒的に小さく、標準偏差も7.4と圧倒的に小さいことがわかる。
 このことは、グラフではより明確になる。すなわち、他所のらっきょうは、1)1枚目の鱗片は相当大きな荷重をかけないと切断されないが、2)2枚目以降の鱗片の切断にかかる荷重はどんどん小さくなっていくといえる。そのため、荷重をかけるとはじける感じとなる。
 「鳥取砂丘らっきょう」は、1)他所のらっきょうよりも小さな荷重で1枚目の鱗片が切断され、2)2枚目以降の鱗片も1枚目の鱗片とほぼ同様の荷重で切断され続けることがわかる。この違いが、一噛み目から軽く、かつ、その小気味の良さが長く続く「鳥取砂丘らっきょう」のシャキシャキとした食感を生み出す。
 また、らっきょうの歯切れの良さについては「かみ始め(外鱗)とかみ終わり(内鱗)の硬さが同じになった時に歯切れの良さを感じる」すなわち、外鱗の硬度と内鱗の硬度が「同一値に近いほど歯切れがよい」(川上一郎『野菜を育てて学ぶ食育実践BOOK』(家の光協会、2007年)60頁。資料5(PDF:277KB))と言われる。
 資料6(PDF:71KB)は「鳥取砂丘らっきょう」の断面写真であるが、写真から明らかなように、「鳥取砂丘らっきょう」は身が締まっているうえ、各鱗片の厚みもほぼ同一である。そのため、かみ始め(外鱗)とかみ終わり(内鱗)の硬さが同一となり、シャキシャキとした歯切れの良さが生み出されるといえる。

(2)色白の外観

ア 特徴点および他所の同種の産品との違い

 他所の同種の産品と比べて、「鳥取砂丘らっきょう」は、らっきょうの色が白いとの市場評価を受けている。

イ 特徴点の客観的根拠

 らっきょうは、通常、栄養素がない所で作ると、色白となる。一方、栄養素の良い所で作ると、玉ねぎのような飴色のらっきょうができる。資料3(PDF:480KB)のような砂丘畑であることで、地力が低く、栄養素等を保持する保肥力が弱いため、色白の「鳥取砂丘らっきょう」が生まれる。

(3)特産品としての高い知名度

 平成23年に、財団法人食品産業センターの平成22年度地域食品ブランド表示制度「本場の本物」に、加工品が認定され、より一層のブランド化を促進している。他のらっきょうで、「本場の本物」に認定されているものはない。
 年間を通じて全国に向けて販路拡大を図っており、鳥取県の特産品としての知名度は高い。実際に、平成24年産のらっきょうは、全国の作付面積が856ha、全国の収穫量が11696t、全国の生食用の出荷量が6292tであった(資料7前(PDF:1,772KB)後(PDF:1,298KB)参照)。一方、福部の作付面積は113ha、福部の出荷量は、根付らっきょうが503t、洗らっきょうが945t、生食用の出荷量合計が1448tと全国有数のシェアを占めている(資料8(PDF:1,172KB)参照)。

 

13 特定農林水産物等の生産の方法

(1)品種

 品種「らくだ種」を用いる。

(2)一貫した生産販売体制

 生産者団体が、長年にわたり「鳥取砂丘らっきょう」の生産指導から市場販売まで一貫した生産販売体制を行っており、生産者と協議しながら統一規格の品質向上に取り組んできた。
それゆえ、「鳥取砂丘らっきょう」の生産にあたっては、生産者団体の管理・指導に従い、種球の管理、植え付け、施肥、除草、かん水、青子対策、病害虫防除、収穫、出荷を行う。

(3)栽培の方法

 栽培の各行程は、鳥取県鳥取市福部町内の鳥取砂丘に隣接した砂丘畑で行う。
 なお、種用の畑として、鳥取県鳥取市浜坂の鳥取砂丘地の砂丘畑でも栽培されている。
 肥培管理等にあたっては、生産者団体の管理・指導に従い、下表のように行う。
 植え付けは、7月下旬から9月上旬にかけて、らっきょうの種球を条間24cm、株間8~10cmで、一株一球とし、一球一球丁寧に行う(1m2約50株)。
 青子の発生が予想される圃場は、3月末までに土寄せを行う。
 全ての生産者が、収穫前に栽培に関する共通様式の記録を提出し、生産者団体による確認を受ける。とくに、残留農薬については、圃場毎のトレーサビリティを提出する。また、出荷前には残留農薬の自主検査(サンプリング検査)と、鳥取県による検査(サンプリング検査)を実施する。
 収穫は、5月下旬から6月中旬(一部は、7月上旬)にかけて行う。栽培型は、「2年子栽培」である。

 

種球 系統の選抜 洗いらっきょう用は分球が多い球数型の系統を選ぶ。
根付きらっきょう用は分球が少ない球重型の系統を選ぶ。
種球の選定 (1)採種専用圃を設けることを原則とする。設けていない場合は病害虫の発生がなく、収穫期に生葉数が多く葉色の淡い圃場を残す。
ウィルス病の症状を示す株は種球圃場から速やかに抜き取る。
(2)種球の選別を徹底し、乾腐病、根腐病、黒腐菌核病の株は見分けて取り除き、圃場に病原菌を持ち込まない。
(3)洗いらっきょうには大玉が適し、根付らっきょうには中球が適する。
種球の保管 (1)掘り上げた種球をコンテナに入れる量は、蒸れ防止を考慮して八分目とし、風通しの良い場所や涼しい場所で保管する。
(2)低温庫を活用しない場合、種球を掘り上げて植え付けまでの日数が長時間とならないように留意する。
低温庫の活用 (1)乾腐病の感染を防ぐため、低温庫の利用に努める(貯蔵温度は5℃とする。)。
(2)掘り上げた種球は、持ち込み前に十分に選別してから低温庫へ搬入する。
(3)掘り上げ時期が遅くなるほど乾腐病の感染が多くなるため、なるべく7月の早いうちから速やかに低温庫へ搬入する。
(4)出庫後は速やかに種球消毒をし、なるべく早く植え付ける。
種球量 10a当たり500kg程度を準備する。
植え付け 耕耘(深耕) 根部の発達(球の肥大)を促すため、できるだけ深耕する。
植え付け期 7月下旬から9月上旬にかけて、とくに盆前~盆後の頃が最盛期で、植え付けが遅くなると分球が少なく、白色疫病も発生しやすくなる。
植え付けの深さ 8 cm(小玉球)~12 cm(大玉球)が適当で、極端な浅植えは青らっきょうとなるので注意する。
植え付け密度 条間24 cm、株間8~10cmで、1株1球とする(1m2当たりの植え付け球数は50球を目標)。
施肥   (1)土壌改良資材および肥料(元肥・追肥)を施用する。
(2)肥料量は定植時期や施肥方法により異なるが、鳥取砂丘らっきょうの栽培に適量の窒素・リン酸・カリ、適量の微量元素を施用する。
(3)施肥時期は、生産地の土壌は保肥力が乏しいため、適切な回数に分け適切な時期に施用する。
(4)施肥方法は複数考えられるが、他の圃場と比較して、同時期に同程度の収量および分球数が確保できることを要する。
除草 散布方法 (1)植え付けした溝が自然に平らになった頃(雑草が発生する前)に、登録農薬を全面施用する。
(2)10月以降に散布する場合は、登録農薬を散布する。
(3)薬剤の散布は、夕方か降雨後など適度に土壌が湿っている時に散布する。
かん水 夏秋期 7月下旬~9月下旬まで、2~4日間隔にかん水(発芽促進と分球増加がねらい)。
春期 3月下旬~5月上旬まで4日間隔でかん水(球の肥大促進がねらい)
その他 土壌消毒したとき、植え付け前のとき、追肥したとき、長期晴天が続いたときなどにかん水する。
青子対策 土寄せ 青子の発生が予想される圃場は、3月末までに土寄せを行う。
病害虫の防除   登録農薬を使用する

 

(4)出荷規格

 青果の「鳥取砂丘らっきょう」は、根付らっきょうと洗らっきょうの形態で出荷される。
 出荷にあたっては、下表の出荷規格により行う。出荷には、共選と個選があるが、出荷規格は共通である。

 

区分 階級 玉の大きさ
(ラクダ系)
調整後の長さ
 (ラクダ系)
品位基準 調整 包装・量目
根付
らっきょう
L 2.0cm以上 7cm以下 (1)病害虫のないもの
(2)黒子・青子の混入しないもの
(1)根は1cm以内とする
(2)黒皮はできるだけ除去する
(3)むれを防ぐため、ばらさずに入れる
ダンボール
10kg
M 1.5cm~2.0cm 6cm以下
S 1.0cm~1.5cm 5cm以下

 

区分 階級 玉の大きさ 品位基準 調整 包装・量目
洗い
らっきょう
L 1.9cm以上 (1)品質・形状のよいもの
(2)病害虫のないもの
(3)青子の混入しないもの
(1)根は完全に除去する
(2)鬼皮はきれいに除去する
(3)水切りを充分にする
ダンボール
10kg1kgポリ袋
10ケ入り
M 1.4cm以上
S 1.4cm以下

 

(5)最終製品としての形態

 「鳥取砂丘らっきょう」の最終製品としての形態は、青果(根付らっきょう、洗らっきょう)である。

 

14 特定農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由

  「鳥取砂丘らっきょう」については、「生産地と特性」との直接的な結びつきだけでなく、「生産地と品種」および「生産地と一貫した生産販売体制」との結び付き、これらと特性との結び付きが重要である。

(1)品種と生産地との結び付きについて

 鳥取砂丘は、鳥取県鳥取市福部町の日本海海岸に広がる広大な砂丘地で、山陰海岸国立公園の特別保護地区に指定されている。規模は、南北2.4 km, 東西16 kmに広がる観光可能な砂丘としては日本最大である。
 その鳥取県鳥取市福部町内の鳥取砂丘に隣接した砂丘畑で、「らくだ種」が栽培されている。
 らっきょうには、「らくだ種」「玉らっきょう種」「八房種」の3種があり、分球の多い「八房種」「玉らっきょう種」は、地力の低い福部では小玉になりすぎて不向きである(赤子の小指の先ほどに分球しすぎて商品にならない)。「らくだ種」は、成育旺盛で草丈・葉幅は大きいが分球数は少なく、肉質がしっかりした長卵形(若干細長く卵型)の早生・球重型の品種である。「不毛の地」とも呼ばれていた鳥取砂丘(福部)は、地力が低く保水力・保肥力の乏しい土壌であったことから(資料9(PDF:1,360KB)参照)、「らくだ種」が適していた。
 「らくだ種」については、鹿児島、宮崎、高知、徳島、福井でも生産しているが、「鳥取砂丘らっきょう」は、下記(2)および(3)記載の、風土・土壌等の環境および一貫した生産販売体制で生産されてきた結果、食感の「シャキシャキ感」が良く、らっきょうの色が白いと、市場で特に高い評価を受けていると言える。

(2)一貫した生産販売体制と生産地との結び付きについて

 地力が低く保水力・保肥力の乏しい「不毛の地」とも呼ばれていた福部の鳥取砂丘(資料9(PDF:1,360KB)参照)では、とりわけ土地に適合した生産体制が必要である。
 また、「鳥取砂丘らっきょう」の生産を守るため、出荷調整や、天候異変や病害虫の危機に産官学が一体となって対応した歴史的経緯、また、生産性や安全性・品質の向上等の目的から、一貫した生産販売体制が確立していった。
 このような流れの中で、鳥取いなば農業協同組合が、長年にわたり「鳥取砂丘らっきょう」の生産指導から市場販売まで一貫した生産販売体制を行っており、生産者と協議しながら統一規格の品質向上に取り組んできた。
 なお、らっきょうの栽培型には、栽培年数の数え年でいう「2年子栽培型」と「3年子栽培型(収穫しないでそのまま栽培を続け、満2年で収穫する型)」の2つがあり、地力が低い福部の鳥取砂丘においては、「3年子栽培型」では小粒になりすぎる。そのため、球の肥大と1年当たりの生産性を考えて、ずっと「2年子栽培型」が定着している。

(3)シャキシャキとした食感および色白の外観という特性について

 鳥取県鳥取市福部町内の鳥取砂丘に隣接した砂丘畑は、地力が低いことと、風が強く空っ風であり、砂質の環境(70mもの砂の層)であるがゆえに無駄な水分や栄養素等がないため、「鳥取砂丘らっきょう」には、食感の「シャキシャキ感」が良く、らっきょうの色が白いという特徴点が生じる。詳細は以下の通りである。
 福部の砂丘畑は、ほとんど砂の感じで保水力、保肥力ともに乏しい(資料9(PDF:1,360KB)参照)。腐植の含量も0.1%と著しく少ない。土壌のペーハー(pH)は6~7程度で殆ど中性である。
 らっきょうは、通常、6鱗片のうち外鱗と内鱗の硬さが同一になったとき歯切れは最高となる。これは、若い葉身の生育が止まり、芯部が充実することで達成される。身がしまるほど繊維が細かく、食感を増す。「鳥取砂丘らっきょう」は、この条件を全て満たす。地力が低く保水力・保肥力の乏しい鳥取砂丘畑での栽培であることで(資料9(PDF:1,360KB)参照)、「鳥取砂丘らっきょう」を形成している鱗片が薄く何重にも重なって一球のらっきょうを形成し、繊維が細かく歯触りがシャキシャキとした食感となる。
 また、らっきょうは、通常、栄養素がない所で作ると、色白となる。一方、栄養素の良い所で作ると、玉ねぎのような飴色のらっきょうができる。資料3(PDF:434KB)のような砂丘畑であることで、地力が低く、栄養素等を保持する保肥力が弱いため(資料9(PDF:1,360KB)参照)、色白の「鳥取砂丘らっきょう」が生まれる。

 

15 特定農林水産物等がその生産地において生産されてきた実績

(1)歴史的経緯

 らっきょうは、砂丘地や荒廃地などの痩せた土地でも育つという特性を持つ。日本屈指の大産地である福部は、鳥取県東部に位置し、鳥取砂丘に隣接している。
 らっきょう畑は避砂の役割を果たす。昔、この地は丘であり、桃や桑を植えていた。しかし、保水力がないために、果樹の球が小さかった。そこで、らっきょう畑のために、丘を整地し、地形をも変えてきた。
 現在は、約120haのらっきょう畑を約75戸の生産農家が栽培し、一戸当りの栽培面積は1.6haと、日本有数の経営規模を誇る産地へと成長した。
 平成14年は、栽培開始100年の節目の年を迎え、平成26年は、販売開始100年の年となる。
 福部のらっきょうの歴史は古く、江戸時代に参勤交代の付け人が持ち帰ったことが始まりと伝えられている。本格的に栽培が始められたのは大正3年で、産業組合も設立され、本格的な販売にも取り組むようになった。
 その後、らっきょうは干ばつに強いことから作付が増加していったが、昭和40年頃、市場単価が暴落し、これを機に加工事業を設立し、加工原料として買い入れることで出荷調整をし、価格の安定化を図った。
 昭和40~50年代中盤にかけて、天候異変や病害虫の発生により危機を迎えるが、産地・官・学が一体となり、技術・制度が確立されていった。
 昭和52年には、スプリンクラー施設が完成した。
 現在は、「根付らっきょう」、「洗いらっきょう」およびこれを原料にした「加工らっきょう」の3形態での出荷で日本全国に販路を拡大している。

(2)一貫した生産販売体制および指導者協議会等

 鳥取いなば農業協同組合が、長年にわたり「鳥取砂丘らっきょう」の生産指導から市場販売まで一貫した生産販売体制を行っており、生産者と協議しながら統一規格の品質向上に取り組んでいる。
 例えば、鳥取いなば農業協同組合の組織力を活かしたトレーサビリティのチェック体制が確立しており、各生産者の圃場の栽培管理台帳等の書類の提出が可能である。とくに、残留農薬については、圃場毎のトレーサビリティの提出を義務つけている。また、出荷前には残留農薬の自主検査と、鳥取県東部生活環境事務所による検査を実施している。
 また、統一規格の遵守および品質向上、調査研究を目的として、「指導者協議会」が設けられている。指導者協議会は、らっきょう生産組合の下部組織で、鳥取いなば農業協同組合の指導部と連携して活動している。構成メンバーは、鳥取いなば農業協同組合職員、鳥取県園芸試験場職員、鳥取県農業改良普及員、各集落の指導員となっている。生産業者の中に、指導者協議会の指導員が各集落につき2名ずつ置かれ、1年間を通じて、栽培指針の検討や当該年の肥培管理などについて、定期的に年4回程度、また、随時確認および相談を行っている。いわば、砂丘らっきょうの品質管理・品質向上をより強固にする組織である。
 さらに、集出荷施設の運営に当たる「施設運営委員会」も設けられている。
 これらの取組みに対する社会的評価も高い。
 例えば、平成22年度地域食品ブランド表示制度「本場の本物」に、加工品が認定されている。これは、とりもなおさず、原料としての「鳥取砂丘らっきょう」自体が、「厳選原料」(「本場の本物」の定義によれば、地域の事業協同組合などの申請団体もしくは特認者が自ら品目ごとの基準を定め、こだわりをもって使用する主たる原材料のこと)として、高く評価されたことに他ならないといえる。

(3)注目される伝統的作業

 鳥取砂丘らっきょうの植付けは、100%手植えである。7月20日から8月いっぱいの、10日間から14日間、人海戦術で1日あたり1万5千株を手植えする。植え子も3軒位の農家を渡り歩く。最高65度の地表温度に加えて、砂地にV字の畝を作るために湿らせた水分が蒸発して、大変暑い中の作業である。
 手植え作業は、福部地域の雇用を生んでおり、鳥取砂丘らっきょうが福部地域に深く根ざしてきた理由の一つである。また、大量生産・大量販売あるいは利益追求一辺倒ではなく、誇りをもって育てた「鳥取砂丘らっきょう」を消費者に届けたいという生産者の想いの表れともいえる。

(4)ブランド化の取組み

 平成17年に、鳥取いなば農業協同組合が「砂丘らっきょう」の商標登録(登録第4875758号)を取得した。
 平成23年に、財団法人食品産業センターの平成22年度地域食品ブランド表示制度「本場の本物」に、味付漬物としての「砂丘らっきょう」が「鳥取砂丘らっきょう」として認定され、より一層のブランド化を促進している。

(5)地域活性化との関係

 現在では、鳥取県を代表する観光地「鳥取砂丘」に隣接している「鳥取砂丘らっきょう」の畑が約120haにわたり連なり、そのらっきょう畑は、10月下旬には薄紫色のらっきょうの花が一斉に咲き、遠くから見ると紫の絨毯を一面に敷き詰めた様に美しく、鳥取砂丘を側面での視点で見た風景として代表的な風物詩となっている。
 近年では、小・中学校との交流を通して、食農教育に取り組んでいる。また、行政主催で生産者、農協等の関係者の協力のもと、いろいろなイベントを開催している。例えば、らっきょうの花が咲いた畑の道を走る「らっきょう花マラソン大会」、らっきょう畑での加工品の販売等の「らっきょう花フェアー」等がある。この様な様々なイベントを通じて、通年「鳥取砂丘らっきょう」のPRを行うとともに、生産に係る生産者の大変さを数多くの方へ伝え、また、鳥取砂丘の観光客数が減少している現状において、「鳥取砂丘らっきょう」を通して「鳥取砂丘」の集客および産地の活性化に繋げている。

 

16 法第13条第1項第4号ロ該当の有無  該当する
商標権者の氏名又は名称  鳥取いなば農業協同組合
登録商標  砂丘らっきょう
指定商品又は指定役務  第29類 酢漬けらっきょう,らっきょうの漬物,らっきょうの塩漬その他のらっきょうの加工食品 
 第31類 らっきょう,エシャロット
商標登録の登録番号  第4875758号
商標権の設定の登録(更新登録があったときは、更新登録も含む。)の年月日  平成17年(2005年)7月1日、平成27年(2015年)5月7日更新
専用使用権者の氏名又は名称  -
商標権者等の承諾の年月日  -
17 (11から13までに掲げる事項と明細書に定めた法第7条第1項第4号から第6号までに掲げる事項とが異なる場合)その内容  -
18 特定農林水産物等の写真  鳥取砂丘らっきょう画像1 鳥取砂丘らっきょう画像2

 

お問合せ先

食料産業局知的財産課

担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284、4282)
ダイヤルイン:03-6744-2062、03-6738-6315
FAX番号:03-3502-5301