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農林水産省

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更新日:平成29年4月21日
担当:食料産業局 知的財産課

登録の公示(登録番号第13号)

下記の地理的表示について、登録の公示をしたのでお知らせします。

市田柿

1 登録番号  第13号
2 登録年月日  平成28年7月12日
3 登録の申請の番号  第14号
4 登録の申請の年月日  平成27年6月1日
5 登録生産者団体の名称  みなみ信州農業協同組合
6 登録生産者団体の住所  長野県飯田市北方3852番地22
7 登録生産者団体の代表者の氏名  代表理事組合長 田内市人
8 登録生産者団体のウェブサイトのアドレス  http://www.ja-mis.iijan.or.jp/ 【外部リンク】
9 特定農林水産物等の区分  第18類 果実加工品類 干柿
10 特定農林水産物等の名称  市田柿(イチダガキ)、ICHIDA GAKI、ICHIDA KAKI
11 特定農林水産物等の生産地  長野県飯田市、長野県下伊那郡ならびに長野県上伊那郡のうち飯島町および中川村
12 特定農林水産物等の特性

 (1) 原料に由来する特性

長野県飯田市、長野県下伊那郡ならびに長野県上伊那郡のうち飯島町および中川村で栽培されている「市田柿」のみを原料とする。そのため、原料である「市田柿」の下記特性をそのまま引き継ぐ。

1) 上品でしっかりとした甘味
ア 特徴点

原料である「市田柿」は、糖度が高い品種で、成熟時にbrix糖度18%以上の高糖度となる(資料1参照(PDF:114KB))。さらに、熟度を吟味しての収穫により、干柿としての「市田柿」のより高い糖度を実現している。
これが乾燥し凝縮されることにより、干柿としての「市田柿」のbrix糖度は最大65~70%にもなる(資料2参照(PDF:646KB))。ブドウ糖、果糖を主体とした糖分組成により、上品でさらっとしつつ、しっかりとした甘味として感じられる。

イ 特徴点の客観的根拠および他所の同種の産品との比較

資料1(PDF:114KB)は、渋ガキの特性一覧である。干し柿の原料となる渋ガキについて、他所の渋ガキと比較したものであるが、市田柿は、原料段階でも相対的に高糖度であることがわかる。


2) 小ぶりの重量・大きさ
ア 特徴点および他所の同種の産品との比較

他所の同種の産品は、比較的大玉の品種を原料とする産地が多い。
原料である「市田柿」は、成熟時に100~120g中心の小ぶりな品種である(資料1参照(PDF:114KB))。
干柿としての「市田柿」も、平均25gと小ぶりであり(資料2参照(PDF:646KB))、食べやすく、しっかりした甘味でも食べ飽きないとされている。

イ 特徴点の客観的根拠

資料1(PDF:114KB)は、渋ガキの特性一覧である。干し柿の原料となる渋ガキについて、他所の渋ガキと比較したものであるが、市田柿は、原料段階でも相対的に小ぶりであることがわかる。
また、資料3(PDF:449KB)は、市田柿の大きさを示す写真である。資料4(PDF:1,239KB)は、他所の同種の産品の写真であるが、例えば、市田柿と三社柿の写真と比較すると、市田柿が小ぶりであることがわかる。

 

3) 飴色の果肉

ア 特徴点

干し柿としての「市田柿」は、明るい飴色の果肉(断面)である。原料となる「市田柿」は、干し上げたとき、飴色の果肉(断面)となる特性を有している。さらに、熟度を吟味しての収穫により、干柿としての「市田柿」のよりきれいな飴色を実現している。

イ 特徴点の客観的根拠および他所の同種の産品との比較

資料4(PDF:1,239KB)は、他所の同種の産品の写真であるが、他所の干柿と比べて、市田柿は、相対的に明るい飴色の果肉(断面)であることがわかる。

 

4) もっちりやわらかで、肌理の細かいなめらかな食感

ア 特徴点

干し柿としての「市田柿」は、果肉中の繊維質がほとんど感じられない、羊羹のようにやわらかでもっちりとした肉質である。原料となる「市田柿」は、干し上げた時の肉質が肌理の細かいなめらかな食感となる特性を有している。さらに、熟度を吟味しての収穫により、干柿としての「市田柿」のより良い食感を実現している。

イ 特徴点の客観的根拠および他所の同種の産品との比較

資料4(PDF:1,239KB)は、他所の同種の産品の写真であるが、市田柿に比べて、他所の干柿には、果肉の断面写真に、繊維が見て取れたり、果肉の肌理の粗さが見て取れる。

 

(2) 加工方法に由来する特性

「市田柿」の特性にとっては、1)原料(品種・収穫時期)だけではなく、2)じっくりとした干し上げ(乾燥)、3)しっかりとした揉み込みが重要である。
じっくりとした干し上げと、しっかりとした揉み込みにより、以下の特性が生み出される。

1) もっちりやわらかで、肌理の細かい滑らかな食感
ア 特徴点

「市田柿」は、小ぶりであるために、しっかりとした柿揉みができ、何度も揉んで仕上げることにより、原料となる「市田柿」の品種特性である果肉のもっちり感を、より引き出す要素になる。

イ 他所の同種の産品との比較

他所の同種の産品は、さっくりとした繊維質を感じるものもある。

 

2) 表面を覆う肌理細かな白い粉化粧
ア 特徴点

表面を覆う白い粉は、果肉内から水分と共に浸み出したブドウ糖の結晶であり、高糖度の「市田柿」をしっかり揉み込むことによって、肌理細かな化粧肌のような仕上がりとなる。さらに、熟度を吟味しての収穫により、「市田柿」のより肌理細かな白い粉化粧を実現している。

イ 特徴点の客観的根拠および他所の同種の産品との比較

資料4(PDF:1,239KB)は、他所の同種の産品の写真であるが、他所の干柿と比べて、市田柿は、地肌が見えないくらい、凹んでいる部分にまで、まんべんなく肌理細かな粉で覆われている。また、他所の同種の産品に比べて「市田柿」の粉は白く、また、他所の同種の産品は薄化粧のものが多い。

 

(3) 特産品としての高い知名度

「市田柿」は皇室にも献上されており、「昭和十八年(一九四三)一月、市田村長関川一美と女子青年会の代表三名が上京し、靖国神社、明治神宮、山階宮家などへ市田柿を献上しました。これは・・・各新聞に取り上げられ、市田柿の名前を全国に広める一助となり」、昭和19年、昭和20年にも奉献した(市田柿の由来研究委員会監修『市田柿のふるさと』(長野県下伊那郡高森町、2009年)25頁。資料5参照(PDF:621KB))。
平成18年に「市田柿」の登録商標(登録第5002123号)をみなみ信州農業協同組合と下伊那園芸農業協同組合が共同で取得し、平成19年3月に市田柿ブランド推進協議会を設立した。市田柿ブランド推進協議会による市田柿コンクールを開催するなど、地域をあげてブランド育成に取り組んでいる。平成25年に、信州ブランドアワード2013では、「長野県知事賞」を受賞した(資料6参照(PDF:584KB))。
また、市田柿は、長野県が推進している農産物のブランド「おいしい信州ふーど(風土)」にも位置づけられている。たびたび新聞に取り上げられるなど、長野県の特産品として知られている。

13 特定農林水産物等の生産の方法

(1)原料

長野県飯田市、長野県下伊那郡ならびに長野県上伊那郡のうち飯島町および中川村で栽培されている「市田柿」を使用する。

(2)原料の栽培方法

品種「市田柿」を用いる。
栽培の各行程は、長野県飯田市、長野県下伊那郡ならびに長野県上伊那郡のうち飯島町および中川村で行う。
栽培管理にあたっては、生産者団体の管理・指導に従い、適期適正な整枝剪定管理、肥培管理、着果調整、病害虫防除を行い、1果重あたり平均110g、brix糖度18%以上の原料柿生産を目標とする。
また、生産者団体の管理・指導に従い、栽培に関する記録をとり、収穫前に全生産者が当該記録を提出し、生産者団体の確認を受ける。
収穫にあたっては、生産者団体の管理・指導に従い、果皮色により熟度を吟味しながら適熟にて行う。

(3)加工方法

加工にあたっては、生産者団体の管理・指導に従い、下表のように行う。
「市田柿」の特性にとっては、1)原料(品種・収穫時期)だけではなく、2)じっくりとした干し上げ(乾燥)、3)しっかりとした揉み込みが重要である。
乾燥は、1)自然乾燥、2)機械乾燥、3)火力乾燥による。
柿揉みは、水分が多い場合、あまり揉むと柿がつぶれてしまうので、乾燥状態に合わせて行う。柿揉みは、柿揉み機による場合と手揉みによる場合とがあるが、原則として、柿揉み機を使用し、果肉のもっちり感を出すように投入量と時間を調整しながら数回行うことが推奨される。
衛生管理にあたっては、生産者団体の管理・指導に従い、加工・荷造り施設、使用機器類の掃除・除菌の実施、作業者の衛生的な服装、健康管理等を行う。とくに、加工施設については、生産者団体の管理・指導に従い、衛生管理に関する記録をとり点検する。また、加工作業については、生産者団体の管理・指導に従い、加工作業の記録および衛生管理に関する記録をとり日々の作業から点検する。

自然乾燥の場合
皮剥き 脱針式の柿剥き機を使って皮剥きを行う。同時にエタノールを使ってヘタ周辺部を除菌する。
連づくり 剥いた柿を柿のれん、または吊るし糸に吊るす。果梗のない柿は必ず柿クリップを使う。 
硫黄燻蒸 柿100kg以内に対し硫黄10g/m3を使用し、短時間で燃焼させた後、15分間燻蒸を行う。 
乾燥 適温10℃~15℃、湿度50%~60%を目安として、環境を調整しながら乾燥を進める。
昼間は、風乾と適度な温度により乾燥と脱渋を進める。夜間は、寒気により表面乾燥が抑制され果肉内部の水分均一化が誘導される(寝かせ効果)。早朝には、朝霧が触れることにより表面のしっとり感が生まれる。
完全に脱渋するよう、カビの発生に注意しながら、温度と湿度を適当に保ち、急激な乾燥や低温下での長期間にわたる乾燥とならないよう注意する。 
渋味チェック 剝皮後15日頃および、はざ降ろし前には必ず渋味チェックを行う。
取り込み 剝皮後の重量歩留まり33%~35%を目安として取り込む。
取り込んだ柿は果梗とヘタを切り揃え、乾燥程度や大きさ別に選別する。
仕上げ管理 乾燥状態に合わせて、仕上げ乾燥および柿揉みを行う。
乾燥が適度に進んだら、柿を寄せながら、乾燥程度の調整と粉出し管理を行う。
もどりがない状態まで仕上げ、衛生的な袋等に入れて、荷造りまで冷暗所にて保管する。
選別・包装・出荷調整 荷造り場所は常に衛生的に保ち、出荷調整作業は帯電防止シート上で行い、異物混入の無いよう行う。
出荷規格により選別荷造りを行う。

 

機械乾燥の場合
皮剥き 自然乾燥に同じ。
連づくり 自然乾燥に同じ。
硫黄燻蒸 自然乾燥に同じ。
乾燥 自然乾燥の1日の工程(昼間:乾燥、夜間:寝かせ効果、早朝の朝霧効果)を、機械的に再現するよう設定し、周期的に繰り返しながら短期間に干し上げを行う。
短期間で品質を保ちながら干し上げるために、乾燥時の温度管理は30℃~40℃に設定する。
夜間~早朝を再現する工程では断熱し、庫内温度を下げることにより発生する蒸気を利用して川霧効果を再現し、果肉内部の水分均一化をすすめる。
中間で渋味チェックを行い、脱渋の確認をする。
取り込み 剝皮後の重量歩留まり35%前後を目安として、乾燥庫から出し、取り込む。
取り込んだ柿は果梗とヘタを切り揃え、乾燥程度別に選別する。
仕上げ管理 自然乾燥に同じ。
選別・包装・出荷調整  自然乾燥に同じ。

 

火力乾燥の場合
皮剥き 自然乾燥に同じ。
連づくり  自然乾燥に同じ。
硫黄燻蒸 自然乾燥に同じ。
自然乾燥 前半のおおよそ15日間(脱渋が完了するまで)は、自然乾燥に同じ。
渋味チェックを行い、脱渋を確認したら、火力乾燥を行う。
火力乾燥 火力乾燥庫に入庫し、温度:約30℃、湿度:約65%で12時間乾燥する。その後、断熱して12時間、庫内温度を下げることにより発生する蒸気を利用して川霧効果の再現と寝かせ効果の時間を設ける。
更に追加して行う場合は、温度:約25℃、湿度:約50%で12時間乾燥し、断熱して約12時間寝かせる。
出庫して数日間、風乾しながら、取り込みの適期まで乾燥を進める。
取り込み 自然乾燥に同じ。
仕上げ管理 自然乾燥に同じ。
選別・包装・出荷調整 自然乾燥に同じ。

 
(4) 出荷規格

品質規格については、「必須基準」をクリアし、かつ、「相対基準」をクリアしたものに限り、市田柿として出荷するものとする。
「必須基準」は、全ての項目を満たさなければならない。
「相対基準」は、5項目のうち3項目を満たさなければならない。
必須基準および相対基準を満たしていても、「出荷不可例」に該当する場合は、市田柿として出荷できない。  

 

出荷規格 出荷不可例
必須基準  【乾燥状態】
乾燥状態が良く、モドリの無いもの。
モドリのあるもの。
【色上がり】
地色が全体に赤橙色の飴色に仕上がっているもの。
飴色でないもの。
【粉化粧】
全体に地肌の見えないように、肌理細かな白い粉がきているもの。
粉がきていないもの。
粉が極端に変色しているもの。
【カビ・渋味・異臭】
カビ・渋味・異臭の無いもの。
カビ・渋味・異臭のあるもの。
相対基準 【黄変・黒点】
黄変は、へた部分にわずかなもの。
黒変は、ないもの。
黄変は、ほぼ果面全体にあるもの。
黒変は、濃いもので果面の大部分にあるもの。
【粉の量】
粉が薄すぎず厚すぎず、均一で、大きなシワの中にも粉がきているもの。
 
【皮付き】
変色している皮・目立つ皮の無いもの。
皮が黒く変色しているもの。
大きな皮が目立つもの。
【黒点】
エンピツ芯大で1果に1ケ以内。
エンピツ芯大で1果に6ケ以上。
【シワ・キズ】
大きなシワ・キズの無いもの。
大きなシワ・キズが目立つもの。

 

 
階級規格については、下表の通りとする。 

階級 重さ(1果重)
2L 30g以上
L 20g以上30g未満
M 15g以上20g未満
S 15g未満


(5) 最終製品としての形態

「市田柿」の最終製品としての形態は、加工品(干柿)である。

 

14 特定農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由

 (1) 原料に由来する特性に関して


1) 品種特性と生産地との関連性について

原料となる「市田柿」の原種は、1800年代に下市田(長野県下伊那郡高森町)という地籍に祀られた伊勢社の境内にあった柿の古木であり、当該古木から接ぎ木によって増殖されたものと考えられている。
糖度が高く、小ぶり、飴色であり、独特な食感に仕上がるのは、原料となる「市田柿」の品種特性である。昭和24年と昭和41~43年にかけて、「市田柿」の優良系統選抜が実施され、選抜された6樹の優良系統は、昭和44年に長野県の優良母樹に指定され増殖されている。
上記品種特性は、発祥からの歴史の中で、在来渋柿の「市田柿」に魅力を見出し、乾燥技術および揉み技術の磨き上げとともに、この地域に広がり発展を遂げてきた研鑽の歴史の上に作り上げられた成果と言える。

 

2) 品種特性と産地気候との関連性について

内陸盆地の気候条件を伴う長野県飯田市、長野県下伊那郡ならびに長野県上伊那郡のうち飯島町および中川村の気候は、日中温暖で朝夕は夏でも涼しいくらいに気温が下がり、昼夜の寒暖差が大きいため、高糖度の原料柿を育てる大きな要素となっている。すなわち、柿は、日中、気温が高いとでんぷんが作られ、夜、気温が低いと呼吸量が下がりでんぷんが使われないため、甘くなる。
また、原料となる「市田柿」は、登熟すると軟化が早く、収穫適合期間が短い。長野県飯田市、長野県下伊那郡ならびに長野県上伊那郡のうち飯島町および中川村では、加工に好適な気候を迎えるころに適熟期を迎え、適熟の中で収穫を終えることができる。すなわち、熟度を吟味しての収穫が可能となり、干柿としての「市田柿」のより高い糖度、よりきれいな飴色、より良い食感、より肌理細かな白い粉化粧を実現する気候条件を備えている。

 
(2) 加工方法に由来する特性に関して

「市田柿」の特性にとっては、1)原料(品種・収穫時期)だけではなく、2)じっくりとした干し上げ(乾燥)、3)しっかりとした揉み込みが重要である。

 
1) じっくりとした干し上げとの関連性について

一般に、干柿はじっくり干し上がることが良く、大ぶりであることが良いともいわれる。大ぶりであれば、水分量があるのでじっくり干し上げられるが、小ぶりだと、早く乾燥してしまい渋抜きができないからである。
原料である「市田柿」は、タンニン含有量が高く、非常に脱渋し難い性質を持っており、そのため、脱渋には時間をかけてじっくり干し上げることが必要となる。一方、小ぶりであるという特性も有している。
この点、飯田、下伊那ならびに上伊那のうち飯島町および中川村地域は、天竜川の両岸に続く河岸段丘上に広がる果樹園地帯で、柿の収穫期にあたる晩秋から初冬には、朝夕の冷え込みにより、天竜川やその支流から川霧が発生し、この川霧が段丘をのぼるため、干柿の生産に絶好の温度と湿度の条件が整う(資料8参照(PDF:693KB))。この川霧効果により、小ぶりな「市田柿」でもじっくりと干し上げることができ、「市田柿」の独特な食感や、白い粉化粧をまとった「市田柿」を生み出す。
現在の機械乾燥や火力乾燥も、この川霧効果を再現している。


2) しっかりとした揉み込みとの関連性について

原料である「市田柿」は、小ぶりであるために、しっかりとした柿揉みができ、何度も揉んで仕上げることにより、果肉のもっちり感を、より引き出す要素になる。
また、表面を覆う白い粉は、果肉内から水分と共に浸み出したブドウ糖の結晶であり、高糖度の「市田柿」をしっかり揉み込むことによって、肌理細かな化粧肌のような仕上がりとなる。

15 特定農林水産物等がその生産地において生産されてきた実績

 (1) 歴史的経緯

飯田、下伊那および上伊那のうち飯島町および中川村地域で渋柿が栽培され、串柿の加工が行われていたのが、鎌倉時代からと言われている。
「市田柿」の発祥は、1800年代に下市田(長野県下伊那郡高森町)という地籍に祀られた伊勢社の境内にあった柿の古木である。この「焼柿」が美味しいとの評判から、接ぎ木によって村中へ広まり、次第に多く栽培されるようになったとされている。「市田柿」は1~2月に食べるための保存食として、また、年始の「歯堅め」として、地域の風物詩となっている。
「市田柿」と命名されたのは大正10年、当時市田村下市田の上沼・橋都・酒井氏らが栽培から加工まで長年に亘って研究と改善を重ねた結果、干し柿として色沢・食味共に素晴しいものに仕上がるようになり、東京の市場に出荷する際に発祥の地名から「市田柿」と銘打った。
「市田柿」という名称での生産は、申請日現在、94年である。
その後も生産・加工の研究が重ねられ、新たな技術の導入により商品化が進められ、大正末期頃に、長野県より飯田、下伊那地域の適地適品種として「市田柿」が推奨された。ちょうど養蚕業の衰退に反比例するように果樹栽培に注目が集まり、りんごや梨とともに市田柿も飛躍的に普及がされ、県下最大の、そして全国的にも有数な産地として発展を遂げてきた。


(2) 積極的な技術導入

「市田柿」の加工は、積極的に技術導入を進めてきた。近年は、柿もみ機導入開始(昭和57年)、市田柿専用の全自動皮むき機「ムッキー」導入開始(平成5年)、柿のれん導入開始(平成8年)、加温燻蒸導入(平成17年)、脱針式皮むき機導入開始(平成20年)がされている。
とくに、脱針式皮むき機は、柿内部のカビ防止、針事故防止、針孔に柿渋が集まって黒くなるのを防止することができ、その導入は、品質管理を徹底する「市田柿」の象徴的な取り組みである。

積極的な技術導入および継続的な技術研鑽・品質向上の取組みこそが、市田柿のアイデンティティであり、今後も産地を挙げて取り組み続ける。

 

(3) 地域活性化との関係

平成18年11月に「市田柿」の登録商標(登録第5002123号)をみなみ信州農業協同組合と下伊那園芸農業協同組合が共同で取得し、平成19年3月に市田柿ブランド推進協議会を設立した。当該協議会は、商標の使用協定を結んだ生産・集荷販売業者や組織、関係する行政組織等、37団体で構成されており(平成25年1月現在)、広く産地全体の関係者が協力している。例えば、市田柿ブランド推進協議会による市田柿コンクールを開催するなど、地域をあげてブランド育成に取り組んでいる。
また、食育活動にも取り組んでおり、市田柿を使った料理実演会や、子供達が市田柿に親しんでもらえるよう市田柿を使ったおやつ作り体験会などを行っている。  

16 法第13条第1項第4号ロ該当の有無  該当する
商標権者の氏名又は名称  みなみ信州農業協同組合、下伊那園芸農業協同組合
登録商標  市田柿
指定商品又は指定役務  第29類 長野県飯田市・下伊那郡産の干し柿
商標登録の登録番号  第5002123号
商標権の設定の登録(更新登録があったときは、更新登録も含む。)の年月日  平成18年(2006年)11月10日
専用使用権者の氏名又は名称  専用使用権は設定されていない。
商標権者等の承諾の年月日  2015年5月25日 
17 (11から13までに掲げる事項と明細書に定めた法第7条第1項第4号から第6号までに掲げる事項とが異なる場合)その内容  -
18 特定農林水産物等の写真  市田柿の画像

 

お問合せ先

食料産業局知的財産課

担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4282)
ダイヤルイン:03-6738-6315
FAX番号:03-3502-5301