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農林水産省

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更新日:平成28年10月12日
担当:食料産業局 知的財産課

登録の公示(登録番号第19号)

下記の地理的表示について、登録の公示をしたのでお知らせします。

下関ふく

1
登録番号
 第19号
2 登録年月日  平成28年10月12日
3 登録の申請の番号  第47号
4 登録の申請の年月日  平成27年10月5日
5 登録生産者団体の名称  下関唐戸魚市場仲卸協同組合
6 登録生産者団体の住所  山口県下関市唐戸町5番50号
7 登録生産者団体の代表者の氏名  理事長 中川 雅則
8 登録生産者団体のウェブサイトのアドレス http://karato-n.axis.or.jp/【外部リンク】
9 特定農林水産物等の区分  第10類 魚類 ふぐ
10 特定農林水産物等の名称  下関ふく(シモノセキフク)、Shimonoseki Fuku
11 特定農林水産物等の生産地  山口県下関市及び福岡県北九州市門司区
12 特定農林水産物等の特性
 「下関ふく」は、ふぐ類の中でももっとも美味であることから古来より下関でふぐ食文化の中心をなすとらふぐを、下関で確立され最高のふぐ料理を完成させる基本となる「活かし込み」、「みがき処理」の一連の行程により、「みがきふぐ」としたものである。
 その特性は、活魚で入荷したとらふぐを活魚水槽や生け簀において「活かし込み」を行うことにより身質が引き締まっていることと、鮮度を損なうことなく除毒等を行う高度な技術を有するふぐ処理師の「みがき処理」によって保たれた鮮度にある。
 また、全国各地の漁場・養殖場から年間を通しとらふぐが集荷され、その供給も安定している下関で、様々な産地のとらふぐを扱った経験を有する「下関ふく」生産業者の目利きによる品質評価の信頼性は、特定の産地のみを扱う他の地域の追随を許さない。
 特に「下関ふく」生産業者が長年にわたって取引先との信用を蓄積してきた理由には、全国から集荷したとらふぐの中から最上級のものを選別して届けてきたことが最も重要な点である。確かな目利きによって選別された最上級のみがきふぐは、最高級のふぐ料理店を納得させる身質と鮮度を保持し、全国の高級ふぐ料理店に直接届けられるか、東京都中央卸売市場の卸売業者(荷受け)に「特A」ランクとして届けられている。
 このように全国各地からのとらふぐの集荷と「下関ふく」生産業者の確かな目利きによって、最上級の天然とらふぐから養殖とらふぐまで、用途や品質など全国のふぐ料理店及び流通業者、消費者のニーズに応じたみがきふぐを出荷できる点も「下関ふく」の特性となっている。
 『養殖フグの流通に関する調査研究(2009年10月全国海水養魚協会、下関水産市場研究会)』には、「築地卸によれば、(中略)また、他産地物は色合いや品質が不安定であるのに対し、下関産は加工技術の高さはいうに及ばず、荷捌きの早さ、集荷・品質の安定性が高く評価されている。こうした評価差は価格にも反映され、下関産は他産地物より1~2割方高水準にあるという。」と記載され、「下関ふく」が市場評価を得ていることが示されている。
 また、「下関ふく」生産業者が交代で担当して、毎年2月に4宮家5カ所(常陸宮家、高円宮家、秋篠宮家、三笠宮家、三笠宮東邸)へ「下関ふく」を使用したふぐ刺しの献上を行っている。この行事も2015(平成27)年で27回目となった。こうしたことも「下関ふく」の社会的な評価につながっている。 
13 特定農林水産物等の生産の方法
 「下関ふく」の生産の方法は以下のとおりである。
(1)魚種
 日本漁船により日本近海の漁場で漁獲されたとらふぐ又は国内で種苗生産され国内各地の養殖場で養殖されたとらふぐで、下関市地方卸売市場南風泊市場に入荷したもの。
(2)活かし込みとみがき処理の方法
・活かし込み
 「下関ふく」生産業者は活魚の状態で下関市地方卸売市場南風泊市場に入荷したとらふぐを仕入れて、同市場内の活魚水槽や同市場に隣接する海面生け簀もしくは「下関ふく」生産業者が生産地内に有する活魚水槽で1日~4日程度活かし込む。これは移送によって生じたふぐのストレスを除去するとともにとらふぐの体内に残った餌や老廃物を体外に出し、絶食させて身を引き締めるためである。また仕入れたとらふぐの状態や傷・病気の有無もこの間に観察して、引き上げて捌く時期を判断する。そして状態の良いとらふぐだけを選別して、「下関ふく」として出荷するため次のみがき処理の行程に進む。
・みがき処理
 活かし込みの後、とらふぐを活魚の状態で生産地内の各「下関ふく」生産業者の処理場に移し、ふぐ処理師免許証を有した技能者によるみがき処理を行う。みがき処理とは除毒処理と除毒したとらふぐを拭き上げ、出荷に至るまでの行程であり、この間の温度管理を含めこの行程が鮮度保持のために非常に重要である。
 除毒処理はとらふぐが持つ卵巣、肝臓、腎臓、心臓、胆のう、胃、腸、脾臓、えらといった有毒部位を除去する処理を指すが、これは包丁による捌きと水洗いが主たる作業で、包丁による捌きだけでは有毒部位は完全には除去できず、目視による水洗いを行う。
 拭き上げは、布巾等により「みがき」に残った水分を除去する作業である。
 温度管理については、基本的に処理の過程を低温で保つこと(処理場内を概ね気温20度以下に保持)であるが、加えて顧客のもとに最良の状態でみがきふぐを届けるための「下関ふく」生産業者それぞれの工夫がある。例えば捌いたふぐをすぐに氷冷水で洗うなどの管理方法がとられている。
 このみがき処理には除毒以外にも二次加工(刺身やちり鍋用加工)のための準備という役割もあり、ふぐ料理の調理人やふぐ加工品の製造者が二次加工の作業を容易にするために、処理を行う技能者は相当な技術を持って捌き・水洗い・拭き上げ及び温度管理にも注意を払っている。
(3)出荷規格
 「下関ふく」生産業者によって(1)、(2)により処理されたみがきふぐ(除毒され、頭部・胴身・かま(下あご)・くちばし(口)・ひれ・皮の可食部位がまとめられたもの)。
(4)最終製品としての形態
 「下関ふく」としての最終形態は、鮮魚(ふぐ)である。
14 特定農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由
 もともと下関はとらふぐの産卵地が近海にあったり、とらふぐが回遊する日本海と瀬戸内海をつなぐ関門海峡を有していたりと天然とらふぐの産地であり、古来よりふぐ食文化の発達した地であった。明治末のふぐ延縄漁法の創始とともに漁場が移ったのちも東シナ海、黄海、日本海、瀬戸内海などで漁獲されたふぐを集荷しやすい地理的優位性とふぐ食文化の中心地であったため天然とらふぐの一大集積地であり続けた。昭和50年代に養殖とらふぐが登場した頃、多くの活魚水槽を備えた下関市地方卸売市場南風泊市場やその後背地に水産加工団地が整備されたことにより、下関に集荷される基盤が形成され、とらふぐ流通の要所となった。現在、東シナ海の一部や黄海等の外国水域でのふぐ漁はできなくなり、国内の漁場も熊野灘、遠州灘、東北地方の日本海側と全国に拡大して地理的優位性は薄れたものの、依然として全国一の集荷を誇っている。このため「下関ふく」生産業者の多くは業歴が長く、ほとんどが創業以来50年以上経ており、中には80年を超えている生産業者もある。また、下関で4月29日に開催される下関ふく供養祭には全国から数百もの花環が備えられ、地元の関係者だけでなく「下関ふく」生産業者の全国各地の顧客が大勢参列している。この供養祭も全国で最も古くから開催されており、中断はあったが2015(平成27)年で76回を数える。
 南風泊市場に全国から入荷したふぐは漁師(漁船)・養殖業者毎に大きさが細分化されて取引されている。これは「下関ふく」生産業者が長年培った目利きを発揮させるための販売(卸売り)方法である。「下関ふく」生産業者はこれまでの経験から顧客の好む漁師・養殖業者のふぐとそのサイズに高値を付けて競り落とそうとするのである。また時期になると、天然とらふぐの箱には白子を持ったふぐの尾数が数字で示される。これがまたふぐの競り値を左右する。これらはふぐに特化した卸売市場ならではの競り方法となっている。
 活かし込み及びみがき処理は、他の地域が一定の規模を持つ商業的なふぐ処理技術を持たなかった時代から食文化と技術の集積がなされていた下関でこれらが確立されたものである。また、ふぐ処理師になるためには、山口県及び福岡県の条例でも定められているように、最低でも3年間のふぐ処理業務に従事して初めてふぐ処理師の受験資格を得られ、学科と実技試験に合格しないと免許が得られないものであるが、「下関ふく」生産業者はふぐの専門業者が多く業歴も長いため、そこには経験年数30年以上の職人と呼ぶべき従業員も多数存在する。全ての「下関ふく」生産業者に調査したところ、従業員全体の平均の経験年数は20年を超えており、また事務職員以外の従業員の多くは有資格者である。このように「下関ふく」生産業者の従業員の経験年数も、処理量も他地域を圧倒したものとなっている。
 以上のように、とらふぐの集積地として長い歴史を有する下関で連綿と培われた目利きとふぐ処理の技術は他産地と一線を画すものとなっており、多くの目利きと技能者がいる下関を通過することでブランドふぐとして扱われてきたところである。 
15 特定農林水産物等がその生産地において生産されてきた実績
 伊藤博文の山口県におけるふぐ食公許以来120余年、下関ではとらふぐの全国からの集荷やみがき処理技術の研鑽を行ってきた。1949(昭和24)年、下関市唐戸町に下関唐戸魚市場(現下関市地方卸売市場唐戸市場の前身)が開設され、ふぐの集荷及び競り行為も他の鮮魚とともにその場所で行われていたが、入荷量の増加とともに次第に狭隘となり、1974(昭和49)年、現在の下関市彦島西山町に多数の活魚水槽を備えた南風泊市場が開設され、それまで下関唐戸魚市場で取り扱われてきたふぐは南風泊市場に集約された。「下関ふく」生産業者の多くもそれに合わせて南風泊市場周辺に加工場を移転し活魚水槽、ふぐ処理場を整備した。これらは南風泊水産加工団地を形成することになる。下関でみがき処理が普通に行われ始めたのは明治時代後半と考えられているが、一部の「下関ふく」生産業者で行われていた活かし込みは、南風泊市場の整備とともに「下関ふく」生産業者全体に普及した。つまり現在の形態での「下関ふく」の生産が本格的に開始されたのはこの時期(昭和50年代)からと考えてよい。
 2013(平成25)年の南風泊市場における漁獲・養殖とらふぐの取扱量は『下関市水産統計年報(下関市農林水産部水産課)』によると約1,339トンであり、全量「下関ふく」生産業者が取引している。そして「下関ふく」生産業者の目利きとみがき処理技術によって全国のふぐ料理店及び流通業者、消費者のどんなニーズにも応えて、「下関ふく」を出荷している。
「下関ふく」生産業者は1950(昭和25)年に下関唐戸魚市場仲卸人組合として組織された。2001(平成13)年には下関唐戸魚市場仲卸協同組合が法人設立され現在に至っている。
 また、明治期より下関と関門海峡を挟んだ対岸の門司は密接な関係があり「関門」地域として人的・物的交流が盛んであった。当時の門司市(現北九州市門司区)には公設の鮮魚市場が存在せず、門司の漁師も唐戸魚市場に漁獲物を水揚げし、門司の仲卸や鮮魚店も唐戸魚市場に仕入れに来るのが通常であった。現在も門司でも最も下関と距離的に近い門司港地区で「下関ふく」生産業者が「下関ふく」を出荷している。
16 法第13条第1項第4号ロの該当の有無  該当する
商標権者の氏名又は名称  下関唐戸魚市場仲卸協同組合
登録商標  下関ふく(標準文字)
指定商品又は指定役務  第29類 山口県下関市南風泊で水揚げされて身欠処理されたとらふぐ(生きているものを除く。)
商標登録の登録番号  第5174640号
商標権の設定の登録の年月日  平成20年10月17日
専用使用権者の氏名又は名称  専用使用権は設定されていない。
商標権者等の承諾の年月日  -
17 (11から13までに掲げる事項と明細書に定めた法第7条第1項第4号から第6号までに掲げる事項とが異なる場合)その内容  -
18 特定農林水産物等の写真  下関ふくの写真

 

お問い合わせ先

食料産業局知的財産課
担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284、4283)
ダイヤルイン:03-6744-2062、03-6738-6317
FAX:03-3502-5301

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