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農林水産省

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更新日:平成28年10月12日
担当:食料産業局 知的財産課

登録の公示(登録番号第20号)

下記の地理的表示について、登録の公示をしたのでお知らせします。

能登志賀ころ柿

1
登録番号
 第20号
2 登録年月日  平成28年10月12日
3 登録の申請の番号  第49号
4 登録の申請の年月日  平成27年10月19日
5 登録生産者団体の名称  志賀農業協同組合
6 登録生産者団体の住所  石川県羽咋郡志賀町末吉新保向1番地
7 登録生産者団体の代表者の氏名  代表理事組合長 新谷克己
8 登録生産者団体のウェブサイトのアドレス http://www.ja-shika.jp/
9 特定農林水産物等の区分  第18類 果実加工品類 干柿
10 特定農林水産物等の名称  能登志賀ころ柿(ノトシカコロガキ)、NOTO-SHIKA KOROGAKI
11 特定農林水産物等の生産地  石川県羽咋郡志賀町のうち昭和45年から平成17年までの旧志賀町区域
12 特定農林水産物等の特性

(1) 原料に由来する特性

  • 能登志賀ころ柿は、生産地において、「西条柿」を原種とした系統から選抜された地場のカキ品種「最勝」(完全渋ガキ)を原料柿として使用している。

  1) 原料柿の特徴

  • 原料である「最勝」は、果実の成熟期は11月中旬頃とカキ品種の中では晩生である。玉揃いはカキ品種の中では中程度である。ヘタすきと果頂裂果の発生はないが、汚損果がやや発生する。肉質は「平核無」(国内における渋柿の主力品種で渋柿では最も栽培面積が多く、干柿の原料柿としても利用されている)と同程度に緻密で粉質性はない。
  • 果実重は200g前後、糖度は平均20%程度であり、「平核無」よりも甘味が強い。果汁は多く、「平核無」と同等である。種子は平均4~5個とやや多い。果実はやや縦長の倒卵形であり、果頂部が若干尖っている。横断面は円形であり、側溝はない。
  • 果実の形状、大きさから、他品種・系統のカキ果実と区別することが可能である。

  2) 干柿の特徴

  • 能登志賀ころ柿に対する主要市場の担当者の評価は、他産地の干柿と比べ、「外観が鮮やかな飴色である」、「果肉が羊羹状で緻密である」、「果肉が柔らかい」となっており、「外観の色目」と「果肉の緻密さ、柔らかさ」が、他産地の干柿と異なっていて特徴的である」との評価を得ている。

 

(2) 加工方法に由来する特徴

  • 能登志賀ころ柿は、鮮やかな飴色の外観で、果肉が羊羹状で緻密であり、柔らかい特徴を出すために、以下の加工方法を取っている。この加工方法が、他産地の干柿と異なっており、特徴的である。

  1) 徹底した手もみ作業

  • 14~17日程度じっくりと自然乾燥(干し上げ)を行った後に、果肉をしっかりとほぐす「手もみ作業」を行う。手もみ作業は、果実の芯を切りながら、果肉が均一に耳たぶの柔らかさになるまで徹底して行う。
  • 果肉が液状(果肉が完全に潰れた状態)になるまで、手もみ作業を繰り返し行うことで、仕上がり時に羊羹状の柔らかい食感が生まれる。

  2) 細かな温度管理によるゆっくりとした干し上げ

  • 手もみを行うと同時に、果肉内の水分が果実表面に出てくるので、乾燥室内にて加温機を用いて乾燥を行う。この際、暖房機による加熱を細かく調整(加熱を点けたり、消したりする)しながら、果実内の水分をゆっくりと干しあげることで鮮やかな飴色で、果肉は緻密で柔らかい独特のころ柿が生み出される。
  • 他産地とは、この細かな温度管理によるゆっくりとした干し上げの乾燥工程が大きく異なる。

 

(3) ブランド農産物としての高い知名度

  • 能登志賀ころ柿は、石川県に古くから伝わる伝統技法を用いて製造された加工食品であり、その品質や表示について一定基準に適合していることから、平成12年3月31日に石川県から「ふるさと認証食品」に認証されている。
  • 能登志賀ころ柿は、「世界農業遺産未来につなげる能登の一品」として、平成27年3月18日に「「能登の里山里海」世界農業遺産活用実行委員会」から認定され、世界農業遺産「能登の里山里海」で育まれた選りすぐりの商品として認知されている。
13 特定農林水産物等の生産の方法

(1) 原料柿

  • 原料柿の果実は、生産地にて「西条柿」を原種とした系統から選抜された地場のカキ品種「最勝」(完全渋柿)を栽培したものを使用する。

(2) 前処理(追熟)

  • 収穫された果実は、干柿(ころ柿)の加工に適した果実の熟度に達するまで追熟させ、果実の果てい部の果皮色が一定の基準(カキ専用カラーチャート4.0)に達した果実を原料柿として使用する。

(3) 加工方法

  • 追熟させた果実は、「へたとり」「皮むき」「糸くくり」「硫黄燻蒸」「乾燥」「手もみ」「粉出し」の各工程を経て、製品として出荷する。

 《主な加工工程》
  1)  へたとり・皮むき

  • へたとりは、「最勝」の果実形状に合わせてへたを取り、皮むき機械を用い、へたから果頂部(先端部)まで丸く、滑らかな曲線になるように皮むきを行う。

  2) 糸くくり

  • 紐状のものを長さ30cm程度の一本の紐に調整し、両端に剥いた果実をくくりつけて竹竿等に掛けて吊す。

  3) 硫黄燻蒸

  • 燻蒸箱に糸くくりの終わった果実を入れて、硫黄を燃やして燻蒸する。その際、燻蒸箱には1m3当たり硫黄8g、果実は300個程度を入れる。
  • 燻蒸時間は25分程度とし、燻蒸が終わったら速やかに排気する。

  4) 自然乾燥

  • 燻蒸した果実は、干し場に移し、換気扇を常に回し続けて乾燥させる。換気扇が無い場合は、戸を50cm程度開けて外に向かって扇風機を回し続けて乾燥させる。
  • 自然乾燥は14~17日程度行う。
  • 自然乾燥は、果実が皮を剥いた直後よりもかなり小さくなり、表面にチリメン状の皺が出来て、指で挟んで圧迫すると果肉が楽に潰れるようになるまで乾燥させる。

  5) 強制乾燥と手もみ

  • 吊した果実を乾燥室へ運び入れて加熱させ、果実表面が乾いてきた段階で、果実を手もみする。手もみは、ほぐれた果肉が液状になる程度まで行う。
  • 手もみ後は、果実表面が濡れてくるので、暖房機を使って強制乾燥(加熱)させて乾かし、果実表面が乾いたら加熱を止める(断熱)。加熱を止めたら、次第にまた果実表面が濡れてくるので、再び加熱する(加熱)。これらの作業を3日程度繰り返す。
  • 果肉を押し上げても下へあまり垂れ下がらなくなれば、加熱を止めて(断熱)、果肉をつねるように潰して中へ押し込むようにして果形を整える。
  • 果実表面が濡れてきたら加熱し(加熱)、果実表面が乾いてきたら、再び加熱を止める(断熱)。その後、果実表面が再び濡れてきたら、もう一度加熱して果実表面を乾かす(加熱)。これらの作業を繰り返して、加熱を止めても果実表面が濡れてこなくなれば、吊した果実を乾燥室から仕上げ室に運び出す。

  6) 仕上げ

  • 冷暗所に寝かして、果実表面に白い粉(果糖)が出てくる直前まで寝かせて置く。

(4) 出荷規格 

検査項目    検査基準    赤秀(秀品)    緑秀(優品)    規格外(出荷禁止)
色あがり    飴色であるか否か 全てが飴色である 飴色でないものが混在  
形状 能登志賀ころ柿の一般的な形状であるか否か 先端部の形状が整っている 先端部の形状が整っていない 先端部の欠落、皮残り、未熟果加工
粉だしの程度 適当であるか否か うっすらと平均的に出ている 平均的に出ていない 乾燥不足でベタついている
色のバラツキ 出荷箱内のころ柿間で色のバラツキがあるか否か バラツキがない バラツキがある  
カビ カビ発生の有無
異物混入 異物(髪の毛、虫、ごみ等)混入の有無

 

(5) 最終製品としての形態

  • 「能登志賀ころ柿」の最終製品としての形態は、柿加工品(干柿)である。
14 特定農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由
 

 (1)  原料に由来する特性に関して
  1) 品種特性と生産地との関連性について

  • 能登志賀ころ柿は、明治22年(1889年)における志賀町の旧加茂村と旧下甘田村の農家が、「西条柿」を原種とした品種の中から、干柿に加工した際の食味が良好であり、外観が鮮やかな飴色を呈し、果肉が羊羹状で緻密であり柔らかくなるような優良系統を選抜し、現在に至るまで増殖されている。
  • 本系統の苗木の供給は、県外の苗木業者と昭和63年に契約(苗木を生産地以外に流用しない)したうえで苗木生産を委託し、能登志賀ころ柿生産者のみに配布(苗木購入)している。その他、導入した本系統を生産者が自園のカキ樹に高接ぎすることで品種更新を進めて、現在に至っている。

  2) 品種特性と産地気候との関連性について

  • 生産地である石川県能登地域の気候は、日中温暖で朝夕は夏でも涼しいくらいに気温が下がるため、昼夜の寒暖差が大きく、昼間は同化養分(でんぷん)が十分に生成され、夜間は気温が低いために呼吸量が下がることから、同化養分の消耗が少なく、高糖度の原料柿を育てるのに適した条件となっている。
  • 11月以降の平均気温は10℃程度(乾燥適温は10~15℃)と、カキ果実を干すのに適度な外気温であるほか、生産地が能登半島の海岸部に位置しているため、海陸風が適度に吹くことで、乾燥時の果実にカビが生えにくく、黒変しにくいなど、生産地は本品種の干柿加工に適した環境と言える。

(2) 加工方法に由来する特性について
 「能登志賀ころ柿」の特性にとっては、原料柿(品種・収穫時期)だけでなく、1) 徹底した手もみ作業と、2) 細かな温度管理によるゆっくりとした干し上げが重要となる。
  1) 徹底した手もみ作業との関連性について

  • 原料柿の「最勝」は、やや小ぶりの大きさであるために、加工時にしっかりとした手もみ作業が可能となり、何度も繰り返して手もみを行うことで、羊羹状の緻密な柔らかい果肉に仕上げることが可能となる。


  2) 細かな温度管理によるゆっくりとした干し上げとの関連性について

  • 一般に干柿は、ゆっくりと乾燥させると、果肉が緻密で軟らかく、色あがりも飴色に近くなると言われているが、生産地では、自然乾燥を風通しの良い作業場(納屋の2階など)で行っている。この自然乾燥時における風の強さや温度、湿度、光条件などが、飴色の干柿に仕上げるうえで、生産地の環境が適していると考えられている。

 

以上のことから、飴色で羊羹状の緻密で柔らかい果肉に仕上げる干柿(ころ柿)を生産するには、生産地が風土的に適地であることから、ころ柿生産が同地区を中心に盛んに行われているものと考えられる。

15 特定農林水産物等がその生産地において生産されてきた実績

 (1) 歴史的経緯

  • 旧加茂村(現在の志賀町倉垣、安津見、矢駄)と旧下甘田村(現在の志賀町福井、舘、穴口、大坂、二所宮、上棚、米浜)で多くの農家が、自家用に干柿を生産していた。干柿生産は、藩政時代から現在に至るまでおよそ400年間、続けられている。
  • 生産地において干柿生産が開始された当初は、「日本柿」「紋平柿」「西条柿」などであったが、明治22年(1889年)に旧加茂村と旧下甘田村の農家が、「西条柿」を原種とした品種の中から、外観が鮮やかな飴色に仕上がり、果肉が繊維質に富んで柔らかく、上品な甘さで食味に優れる系統「最勝」を選抜したことを起源とする。

 
(2 )生産の経過

  • 昭和7年頃から販売用としての生産を本格化させ、生産量は昭和30年代にかけて徐々に増加した。平成4年には、約7万箱(1箱は1kg)が出荷されたが、その後、生産者の高齢化が進み、平成26年は約3万箱にまで出荷量が落ち込んでいる。
  • 昭和30年代までは、干柿生産は、農家の冬期間の副業として位置付けられ、散在的に栽培される程度であったが、昭和40年代の高度経済成長による贈答需要の増加を背景に、昭和56年には構造改善事業により共同加工場・乾燥施設を導入し、昭和63年には志賀町が「ころ柿振興計画」を策定し、柿植栽促進事業により約25haの「最勝」が植栽されたほか、近代化施設整備事業で防除機、皮むき機、除湿機、乾燥機が導入されるなど本格的に栽培が始まった。平成2年には電源地域産業育成支援事業で志賀町農産物加工センターが設置されたほか、その後も苗木の植栽や乾燥施設の整備が進められた。栽培面積が80haまで拡大した平成5年に「JA志賀ころ柿部会」が設立され、栽培技術の統一や加工マニュアルを作成し、安定的な出荷体制づくりに取り組んできた。
  • 現在、栽培面積は84haとなっており、地元市場や関西市場、関東市場を中心に出荷され、最近では、海外(台湾、香港、シンガポール)への輸出も実施されている。
16 法第13条第1項第4号ロの該当の有無  該当しない
商標権者の氏名又は名称  -
登録商標  - 
指定商品又は指定役務  - 
商標登録の登録番号  - 
商標権の設定の登録の年月日  - 
専用使用権者の氏名又は名称  - 
商標権者等の承諾の年月日  - 
17 (11から13までに掲げる事項と明細書に定めた法第7条第1項第4号から第6号までに掲げる事項とが異なる場合)その内容  -
18 特定農林水産物等の写真  能登志賀ころ柿

 

お問い合わせ先

食料産業局知的財産課
担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284、4283)
ダイヤルイン:03-6744-2062、03-6738-6317
FAX:03-3502-5301

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