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農林水産省

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更新日:平成29年3月3日
担当:食料産業局 知的財産課

登録の公示(登録番号第25号)

下記の地理的表示について、登録の公示をしたのでお知らせします。

特産松阪牛

1
登録番号
 第25号
2 登録年月日  平成29年3月3日
3 登録の申請の番号  第29号
4 登録の申請の年月日  平成27年7月6日
5 登録生産者団体の名称  松阪牛連絡協議会
6 登録生産者団体の住所  三重県松阪市殿町1340番地1
7 登録生産者団体の代表者の氏名  会長 竹上 真人
8 登録生産者団体のウェブサイトのアドレス http://www.matsusakaushi.jp/【外部リンク】
9 特定農林水産物等の区分  第6類 生鮮肉類 牛肉
10 特定農林水産物等の名称  特産松阪牛(トクサンマツサカウシ)、TOKUSAN MATSUSAKA USHI
11 特定農林水産物等の生産地 平成16年11月1日当時の行政区画名としての22市町村(松阪市、津市、伊勢市、久居市、香良洲町、一志町、白山町、嬉野町、美杉村、三雲町、飯南町、飯高町、多気町、明和町、大台町、勢和村、宮川村、玉城町、小俣町、大宮町、御薗村、度会町)
12 特定農林水産物等の特性
特産松阪牛は、兵庫県で生まれた黒毛和種の未経産雌牛を12ヶ月齢に達するまでに、平成16年11月1日当時の22市町村の区域内(以下、「生産地」という。)に導入し、生産地のみで900日以上肥育し、かつ、生産地における肥育期間が最長かつ最終である、最も伝統的な最たる松阪牛を称するものである。

特産松阪牛は、古くから兵庫県で生まれた未経産の雌牛だけを、生産地で他産地よりも長い期間肥育し、特産松阪牛の枝重は雌牛の全国平均と比較して約70kg(資料1(PDF : 46KB))も少ないが、その兵庫県産雌牛が故の増体面の不利性を補って余りあるほどに肉質が探求されてきた。長い歴史の中で、特産松阪牛の特徴であるキメ細かなサシと甘く上品な香り、人肌で溶ける脂質に由来する最高の食味が、今日の評価に至っている。

理化学的分野からも、同じ30ケ月齢の黒毛和種での現場検定において、一価不飽和脂肪酸(MUFA)割合は雌63.3%と去勢の60.1%と比較して相当高いことが判明している。またMUFAは22~34ケ月齢においては肥育期間が1ケ月長くなるごとに約0.5%増加することが分かってきた。不飽和脂肪酸が多く含まれることで脂肪が溶け出す温度が低くなる。

これらのことは、特産松阪牛が900日以上もの長期に渡り生産者の手で1頭1頭手塩にかけ肥育していると言われる所以であり、昔から特産松阪牛は柔らかく脂がとろけるような舌触りと形容されてきたことを説明する根拠となっている。

特産松阪牛はそのキメ細かなサシと食味は抜群であるものの、増体面の効率に劣る兵庫県産素牛を長期肥育するという不利性は否めないが、長期肥育に耐えられる剛健な牛を厳選し、黎明期より確立した長期肥育の技術を末永く伝承していくため、優良素牛を広く全国から導入する今日にあっても、産地として志向する最たるものとして、兵庫県産の雌子牛を導入し長期肥育する特産松阪牛の飼養の継続が強く奨励されてきた。

多くの他産地では、肉質等級等によってブランド牛として差別化しているのに対し、生産地では、多くの生産者がこの特産松阪牛を飼い続けることで特産松阪牛たる技術を伝え、特産松阪牛だけが出場できる松阪牛共進会での栄誉を目指し切磋琢磨し続けることでさらにその技術を高め、品質維持に繋げている。

これらの非効率とも言える独自の技術伝承方法が、高いブランド価値の裏付けとして評価されている。

生産地では、長年、雌の子牛に特化した長期肥育の技法により育てた特産松阪牛を、消費者に安心な食材として提供するため、松阪牛関係団体で構築した農家情報をはじめ、牛の血統、飼養管理情報、と畜情報、生まれてからの日数等を整備し、消費者がより多くの情報を得ることができることとなっている。

平成26年度の松阪牛の生産状況は、出荷頭数6,951頭、現在の登録数は、11,080頭となっており、これらすべての個体情報を徹底管理している。

中でも特産松阪牛の出荷は、239頭と少ないが、松阪牛の生産者の中でも1頭でも兵庫県産の雌子牛を導入し特産松阪牛に取組む生産者を「特産松阪牛推進農家」として認定し、3年間に導入が確認できなければ認定を取り消すなど、特産松阪牛の長期肥育の伝統を継承することで、その技術が大いに活かされ、特産松阪牛の出荷頭数から格付割合を見るとAB5等級、AB4等級が約83%と高い格付等級の特産松阪牛が作り出される。

今も伝統を継承し続けることで、現在でも、数ある和牛ブランドの中でトップブランドの評価を得ている。

特産松阪牛のニューヨーク初となるお披露目試食会が2015年1月24日に開催され、現地のレストラン、食品関係者や、メディア関係者からは、900日以上肥育することの驚きの声や、上質な脂肪分が多くてジューシーで美味しいとの評価を得ている。

2013年には、松阪牛の歴史、伝統を紹介する書籍「SUKIYAKI」が出版され、特産松阪牛「グルマン世界料理本大賞2013」世界NO.1グランプリを受賞。

また、昭和24年に初めて松阪で開催された品評会(現在の松阪肉牛共進会)は、現在でも毎年11月に特産松阪牛の女王を決める品評会として開催しており、平成14年の優秀賞1席牛には5千万円の高値がついたことが知られている。 
13 特定農林水産物等の生産の方法
「特産松阪牛」の生産の方法は、以下のとおりである。

(1)素牛
「特産松阪牛」は、生産者が兵庫県内の子牛市場に出向き、兵庫県で生まれた優良な黒毛和種の12ヶ月齢までの雌牛をチェックし、長期肥育に耐えられる剛健な牛を厳選する。
特産松阪牛生産者は、子牛市場に出品される雌の子牛の中でも、特産松阪牛の条件である、900日以上の長期肥育に耐える強い消化器系を作る「腹づくり」を13ヶ月齢程度までしっかりと行う必要があり、適正な「腹づくり」を行うため、12ヶ月齢までの子牛を厳選する。

(2)肥育
特産松阪牛生産者による腹づくりによって、長期肥育に耐え、肥育段階での良質な特産松阪牛の牛肉生産のため、ビタミンAを抑えることが可能となっている。
特産松阪牛の肥育は、月齢をステージ毎に分類して、生産者は次の肥育方法を参考として行う。
ステージ1(「腹づくり期」13ヶ月齢まで):
導入した素牛が900日以上に及ぶ長期肥育に適応できるようにするため、牛の体調を注視しながら良質な粗飼料(国産稲わらを推奨)を多給(1日当たり乾草で4~5kg/頭)して丈夫な胃をつくる時期。
導入した子牛は、長期肥育に耐え得る様、ルーメン(第1胃)をできるだけ大きく、また胃壁や胃の筋肉を強くすることが重要であるため、粗飼料1kgあたりの咀嚼時間の長い物理性の高い粗飼料をできるだけ与える。粗飼料を多給するということは、ルーメン内に常にいくらかの粗飼料が残っているということである。この粗飼料片は細菌など微生物の住処となるため、微生物によって支配されるルーメン発酵に好影響をもたらす。よって飼い直しをしっかりと行った特産松阪牛は、ルーメンアシドーシス(胃内pHの低下)等の代謝病にかかりにくくなるため、約40ケ月齢までの長い肥育期間でも耐えられるのである。
成長期の骨や筋肉を発達させるため、タンパク質含量が高い(粗タンパク含有率CP17%程度)濃厚飼料も給与(1日当たり3~4kg/頭)する。ここで推奨する濃厚飼料とは、圧片トウモロコシ、圧片大麦、大豆粕フレーク、フスマをCP17%、TDN70%前後に混合調整したものに食塩とカルシウムをそれぞれ1%程度添加したもの。
ステージ2(「肥育期」22ヶ月齢まで):
ロースなど価値が高い筋肉が発達する時期。また霜降り肉をつくるための技術として、ビタミンAの給与を低値でキープする。つまり、血中ビタミンA濃度を下げるために、1頭1日当たりのビタミンA換算で5,000IU以下に抑える飼料設計を推奨する。しかし、20ケ月齢前後で牛の血中ビタミンA濃度が30IU/dl程度に下がることが重要なので、血液検査の結果によっては飼料中ビタミンAの給与量を調整する場合もある。また、筋肉を大きくするため、タンパク質含量が高め(CP17%程度)の濃厚飼料を多給(1日当たり5~8kg/頭)する。
ステージ3(「仕上げ期」38ヶ月齢以上まで、平均出荷月齢41ヶ月):
筋肉内の脂肪細胞を大きくして、きれいな霜降り肉に仕上げる時期。タンパク質含量は低めだが、デンプン質が多い濃厚飼料(CP13%程度、可消化養分総量TDN72%)を多給する(1日当たり6.5~8kg/頭)。

(3)と畜場
黒毛和種の兵庫県産の雌の子牛、生産地での900日以上の肥育である特産松阪牛の出荷を管理するためにも、三重県松阪市内及び東京都港区内のと畜場を指定と畜場としている。
ただし、輸出先国の食品安全規制により、指定と畜場以外のHACCP対応のと畜場を使用する必要がある場合や、共進会、共励会に出展した場合等は、必要に応じ指定と畜場以外の場所でと畜する。

(4)最終製品としての形態
「特産松阪牛」の最終製品としての形態は、牛肉である。 
14 特定農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由
「特産松阪牛」は伝統を継承し、飼養管理と優秀な素牛を見分ける目を持ち、特産松阪牛を育てきる「匠の技」と呼ばれる高度な肥育技術により、「肉の芸術品」を生み出す長期肥育に対応できるこの地域での肥育方法を確立できたことに加え、導入からと畜までに至る農家情報をはじめ、牛の血統、飼養管理情報、と畜情報等を整備するという厳格な管理によって、高いブランド力が維持されている。

生産地では、古くから兵庫県で生まれた未経産の雌牛を長期肥育し肉質を探究してきたことによって理化学的分野からも、同じ30ケ月齢の黒毛和種での現場検定において、一価不飽和脂肪酸(MUFA)割合は雌63.3%と去勢の60.1%と比較して相当高いことが判明している。またMUFAは22~34ケ月齢においては肥育期間が1ケ月長くなるごとに約0.5%増加することが分かってきた。このことは特産松阪牛が900日以上という長期に渡り生産者の手で1頭1頭手塩にかけ肥育していると言われる所以である。不飽和脂肪酸が多く含まれることで脂肪が溶け出す温度が低くなる。これは特産松阪牛が、兵庫県で生まれた未経産の雌牛を長期肥育した際の特徴であるキメ細かなサシと甘く上品な香り、人肌で溶ける脂質に由来する最高の食味であることを裏付けている。

新規加入者への技術等の継承を確実に行うための助言指導や相談対応、技術研修会等の開催等、技術継承のための取組を継続することにより、特産松阪牛の特性は生産地に帰せられるものである。

他のブランド牛は肉質での評価として枝肉共進会などの取組みが多い中、特産松阪牛だけが出場できる全国でも稀な生体審査による共進会を開催し、体型、肩の膨らみ、毛並みなど全体的なバランスを評価することでも大切に継承している。

また、生産地では関係者とともに地域の誇りであり宝である特産松阪牛の伝統継承の一翼を担っている。 
15 特定農林水産物等がその生産地において生産されてきた実績
「特産松阪牛」は、定められた生産地で古くから肥育されてきた。この地域では、二つの河川(雲出川、宮川)と、さらに中間程には櫛田川も流れており、これらの3河川の流れによる豊富な水や肥沃な土地、温暖な気候により、古来から水田作を中心とする豊かな農耕文化が定着し、役牛として扱いやすく従順な兵庫県産の雌牛が盛んに導入され、今日の特産松阪牛のルーツとなった。

さらに、京都・大阪、名古屋、東京の各方面からお伊勢参りを目指す多くの人々の往来がある中、優良な兵庫県産の素牛から役牛として扱い易い雌牛を導入し、その後に肥育して都市部に出荷し名声を得るといった交易が発展する過程で、他の産地にはなし得なかったこの地域の先人たちが長期肥育による肉質の探求にいち早く特化し、その長期肥育の技術を継承したことでブランド和牛として確固たる地位を得るに至ったものである。

特産松阪牛の歴史は古く、農耕用の役牛であった但馬生まれの雌牛を肥育したことに由来し、明治初期には、徒歩で東京へと運んだ「牛追い道中」により、その名を全国に広め、これは約20年間続いた。昭和10年には東京で開かれた『全国肉用牛畜産博覧会』で最高の「名誉賞」を受賞した。昭和29年には当時の著名な文化人である徳川夢声が「牛といえば松阪牛」と語ったことで国民に広く知れ渡ったとも言われている。昭和33年には松阪肉の流通事業者で構成された松阪肉牛協会が設立され、松阪牛生産者が作り出す松阪牛の首都圏での流通の基盤を築き上げた。

また、昭和24年には松阪肉牛共進会が開催され、今も松阪肉牛共進会は特産松阪牛の女王を決める品評会として現在も毎年開催されている。

なお、共進会の松阪牛は旧定義であり「900日以上肥育」の規定はないが、第41回(H2)~第55回(H16)の共進会においては肥育日数の記録があり、出品牛の82%が、肥育日数900日を超えている。松阪牛の伝統を継承する共進会には、この第41回(H2)以前から、つまり25年以上前より特産松阪牛が出品されていた。なお、第56回(H17)共進会以降については、運営規則の改正により、出品牛全てが特産松阪牛となっている。

特産松阪牛ブランドの名声は、肥育農家や肉事業者の絶え間ない長年の努力によって結実したものである。 
16 法第13条第1項第4号ロの該当の有無 該当する 
商標権者の氏名又は名称 松阪農業協同組合、多気郡農業協同組合、伊勢農業協同組合、三重中央農業協同組合、一志東部農業協同組合、津安芸農業協同組合、松阪肉事業協同組合、津食肉事業協同組合、伊勢食肉事業協同組合、松阪地方家畜商商業協同組合、松阪飯南家畜商協同組合 
登録商標 松阪牛 
指定商品又は指定役務 第29類
三重県下における平成16年11月1日現在での行政区画名としての松阪市と津市と伊勢市と久居市と香良洲町と一志町と白山町と嬉野町と美杉村と三雲町と飯南町と飯高町と多気町と明和町と大台町と勢和村と宮川村と玉城町と小俣町と大宮町と御薗村と度会町のいずれかにおいて肥育された黒毛和種未経産の雌牛又は松阪牛個体識別管理システムに登録された農家によって肥育された黒毛和種の未経産の雌牛の肉
第31類
三重県下における平成16年11月1日現在での行政区画名としての松阪市と津市と伊勢市と久居市と香良洲町と一志町と白山町と嬉野町と美杉村と三雲町と飯南町と飯高町と多気町と明和町と大台町と勢和村と宮川村と玉城町と小俣町と大宮町と御薗村と度会町のいずれかにおいて肥育された黒毛和種未経産の雌牛又は松阪牛個体識別管理システムに登録された農家によって肥育された黒毛和種の未経産の雌牛 
商標登録の登録番号 第5022671号 
商標権の設定の登録(更新登録があったときは、更新登録も含む。)の年月日 平成19年2月2日(登録)、平成28年10月4日(更新登録) 
専用使用権者の氏名又は名称 - 
商標権者等の承諾の年月日 平成27年8月25日(多気郡農業協同組合)、(松阪農業協同組合)、(三重中央農業協同組合)、(津食肉事業協同組合)、(伊勢食肉事業協同組合)
平成27年8月26日(津安芸農業協同組合)、(松阪飯南家畜商協同組合)、(松阪肉事業協同組合)、(松阪地方家畜商商業協同組合)
平成27年8月27日(一志東部農業協同組合)
平成27年8月28日(伊勢農業協同組合) 
17 (11から13までに掲げる事項と明細書に定めた法第7条第1項第4号から第6号までに掲げる事項とが異なる場合)その内容 【12:特定農林水産物等の特性】
特性の記載について、下線部が変更。
生産地では、長年、雌の子牛に特化した長期肥育の技法により育てた特産松阪牛を、消費者に安心な食材として提供するため独自の取組として、松阪牛連絡協議会の構成団体である松阪牛協議会で構築した松阪牛個体識別管理システムにより、農家情報をはじめ、牛の血統、飼養管理情報、と畜情報、生まれてからの日数等を整備し、消費者がより多くの情報を得ることができることとなっている。
【13:特定農林水産物等の生産の方法】
「(3)と畜場」の記載について、下線部が変更。
黒毛和種の兵庫県産の雌の子牛、生産地での900日以上の肥育である特産松阪牛の出荷を管理するためにも、株式会社三重県松阪食肉公社及び東京都中央卸売市場食肉市場を指定と畜場としている。 
18 特定農林水産物等の写真 特産松阪牛の写真 

 

お問い合わせ先

食料産業局知的財産課
担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284、4283)
ダイヤルイン:03-6744-2062、03-6738-6317
FAX:03-3502-5301

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