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農林水産省

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更新日:平成29年3月3日
担当:食料産業局 知的財産課

登録の公示(登録番号第27号)

下記の地理的表示について、登録の公示をしたのでお知らせします。

西尾の抹茶

1
登録番号
 第27号
2 登録年月日  平成29年3月3日
3 登録の申請の番号  第55号
4 登録の申請の年月日  平成27年12月7日
5 登録生産者団体の名称  西尾茶協同組合
6 登録生産者団体の住所  愛知県西尾市上町下屋敷2-3
7 登録生産者団体の代表者の氏名  代表理事  杉田芳男
8 登録生産者団体のウェブサイトのアドレス  http://www.nishionomattya.jp/index.html【外部リンク】
9 特定農林水産物等の区分  第32類 酒類以外の飲料等類 茶葉(生のものを除く。)
10 特定農林水産物等の名称  西尾の抹茶(ニシオノマッチャ)、Nishio Matcha 
11 特定農林水産物等の生産地  愛知県西尾市、愛知県安城市
12 特定農林水産物等の特性
 西尾の抹茶の特性は、一般的な抹茶に比べて鮮やかな碧緑色の外観や、渋味が少なくまろやかで強い旨味が続く味にある。この特性は、伝統的な「棚式覆下栽培」により生産された茶葉を、三河式碾茶乾燥炉(レンガ積み五段網・遠赤外線による乾燥方式)を用いて時間をかけて乾燥させ、愛知県岡崎市産の御影石でできた茶臼により、低速で微粉末状に挽くことによるものである。
 西尾の抹茶の原料である西尾市産および安城市産の碾茶は、香り、水色、滋味、外観などを審査する品評会で、2004年に第58回全国茶品評会の碾茶の部産地賞で第1位を受賞し、第59~61(2005年~2007年)回では第3位を連続して受賞した。また、2007年には第56回全国農業コンクールにおいて、西尾市茶業組合(茶葉栽培農家)が名誉賞(農林水産大臣賞)を受賞している。関西茶品評会出品茶審査会においては、第64回(2011年)に碾茶の部産地賞で第1位を受賞し、第65回~第67回(2012年~2014年)に3位を受賞している。
【語句説明】
 抹茶:平成21年に日本茶業中央会により定められた「緑茶の表示基準」によれば、抹茶とは、覆下栽培された茶葉を揉まずに乾燥し(碾茶)、茶臼で挽いて微粉状に製造したものと定義されている。
13 特定農林水産物等の生産の方法
 愛知県西尾市および安城市において、下記の(1)の方法により栽培された茶葉を原料とし、(2)の方法により荒茶碾茶に加工し、(3)の方法により微粉末状に加工する。
(1)原料茶葉
 西尾の抹茶に使用する茶葉は、愛知県西尾市および安城市において伝統的な「棚式覆下栽培」を守り、4月頃の新芽が伸び始める時期から25日以上の期間、茶棚の上に遮光資材を広げて被覆した条件下で栽培されたものとする。(茶樹を直接被覆資材で覆う簡便な「直がけ栽培」は行わないこととする。)また、二番茶については12日以上の期間、茶棚の上に遮光資材を広げて被覆を行い、一番茶同様、茶棚の上に遮光資材を広げて被覆した条件下で栽培されたものを西尾の抹茶の原料として使用する。ただし、立地条件や気象条件により、定められた被覆期間より早く摘採時期を迎えた場合は、一番茶および二番茶について、止芽(とめ)が開き、2cmを超えたことを目安として確認したうえで、摘採されたものを原料として使用する。
*止芽(とめ)とは茶葉が生育し枝の頂点に最終開葉する茶葉。
(2)荒茶碾茶の加工方法
 (1)の方法で栽培された茶葉を、荒茶加工工場において、褐変化を防ぐため高温で蒸し発酵酵素の活動を止めた後、三河式碾茶乾燥炉(レンガ積み五段網・遠赤外線による乾燥方式)で水分を抜いて荒茶碾茶に加工する。
(3)抹茶の加工方法
 (2)の方法により乾燥させた荒茶碾茶を用い、葉の部分だけを仕上げ碾茶として精製し、愛知県岡崎市産の御影石でできた茶臼により、1分間に60回転以下の速度を目安に微粉末状に挽いて抹茶を製造する。
(4)最終製品としての形態
 「西尾の抹茶」の最終製品としての形態は、茶葉(抹茶)である。
14 特定農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由
(1)原料茶葉の栽培における自然的条件
 「西尾の抹茶」の茶葉を栽培する茶園は、矢作川と矢作古川に囲まれた三角州が盛り上がってできた、なだらかな段丘に位置している。三角州の土質は、水はけのよい砂が混ざった赤土で、排水がよく表土が深いため、地下水位が低い。このため、深根性である茶の根群が増加し、茶の品質に関与する旨味成分であるテアニンの生成を促進させるのに適している。また、周辺の年平均気温は16.4℃(西尾市消防本部による2003~2012年平均値)、年間降水量1409.9mm(一色観測地点の1981~2010年平均値)と、温暖な気象条件を好む茶の栽培に適しており、秋や春先の適度な降雨により芽や根が活発に生長し、充実した茶葉の生育を促している。
(2)原料茶葉の伝統的栽培法
 根で生成されたテアニンは、地上部の生育に伴って茶芽に移行するが、茶芽が日光にあたると光合成によりタンニンに変化する。茶芽を遮光下で栽培すると、わずかな日光のなかで新芽がゆっくり大きく柔らかく展開し、光合成が抑えられるため、渋味の成分であるタンニンの増加が抑えられ、旨味の成分であるテアニンが多く残る。タンニンを抑えテアニンを多くするためには、被覆下で充実した茶芽を栽培することが重要となる。
西尾市および安城市で実施されている伝統的な「棚式覆下栽培」では、新芽から被覆材を離し、生育に合わせて遮光率を高めることにより、樹勢を低下させず、テアニンの多い充実した茶葉を栽培できる。一般に、抹茶の原料となる茶葉の被覆期間は、玉露の20日前後より長くするとされているものの、他産地では茶園によりまちまちである。過去の研究(「覆下栽培のねらいと選択」京都府茶業研究所 神田真帆)によれば、「被覆開始後24日を過ぎると葉緑素が急速に増加し、25日を過ぎるとタンニンが減少することから、碾茶としての品質を確保するには25日以上の被覆期間が必要だと考える」と言及されている。西尾市および安城市では、新芽育成期より25日以上の期間にわたって被覆を実施することが、西尾の抹茶の特性である渋味の少なさやまろやかな旨味に結びついている。
(3)荒茶碾茶の伝統的加工方法
 茶葉を乾燥し荒茶碾茶に加工するため、三河式碾茶乾燥炉を使用する。三河式碾茶乾燥炉は、大正に入り碾茶の大量生産化に伴って、愛知県内において考案された。
 三河式碾茶乾燥炉は、茶葉の状態に応じて蒸し度、温度、乾燥度合の綿密な管理が可能であり、一般的な碾茶乾燥炉に比べ、じっくり乾燥し、安定した品質の荒茶碾茶を生産することができる。昭和20年頃に本格的に導入され、現在、すべての荒茶碾茶加工業者が三河式碾茶乾燥炉を導入している。
(4)抹茶の伝統的加工法
 西尾市および安城市に隣接する岡崎市は、抹茶専用の茶臼として、硬さ・キメの細かさ等の性質が最も適した御影石を産出し、優れた石細工の技術を持つ。岡崎産の御影石でできた茶臼を使い、低速(1分間で60回転以下を目安)でじっくり時間をかけて高熱を発生させずに茶葉を挽くことにより、色や香り、風味を損なわず抹茶を製造している。
15 特定農林水産物等がその生産地において生産されてきた実績
 西尾市における茶葉生産の起源は、文永8年(1271年)に西条城主吉良満氏が実相寺を創建した際に、開祖として招いた聖一国師が茶の種を境内に蒔いたことによると言われている。慶長6年(1601年)には貝吹村、永良村を新たに得た板倉勝重が、領民に心得を示した7か条の「仕置之覚」において茶園を手入れするよう示している。また、「西尾御領村分高付覚」によると、西尾藩が「茶代」という貢祖(税金)を市内の44の村々から取り立てており、江戸時代には市内で茶が栽培されていた。
 明治5年には、紅樹院の住職である34世足立順道が京都の宇治から茶の種を持ち帰り、境内を開墾して茶園を開き、製茶技術を農家に普及させることに努めた。明治17年に幡豆郡茶業組合が発足した後は、稲荷山台地一帯に開拓集団茶園の造成が進められ、今日の西尾の抹茶の基礎が築かれた。明治30年代からは玉露から碾茶への変更が進み、昭和10年代に三河式トンネル碾茶機が考案されると抹茶の産地として飛躍的な成長を遂げた。
 昭和25年頃より、碾茶機の燃料が薪から石炭に替わったことで碾茶生産の成長はさらに進み、昭和28年には稲荷山台地一帯に約150haの茶園が形成され、茶葉生産者、荒茶碾茶加工業者、抹茶加工業者が一体となって、抹茶に特化した生産地形成が進み、昭和30年には全国製茶品評会を西尾市で開催した。
 昭和40年頃までは、茶樹の被覆材として、よしず、藁を使用していたため、風で被覆材が飛ばされてしまい、25日以上の被覆期間を確保することが困難であったが、化学繊維の寒冷紗(かんれいしゃ)を被覆材として使い始め、昭和55年には全農家が化学繊維の寒冷紗を使用して25日以上の被覆期間を守れるようになり、現在の「西尾の抹茶」の生産方法が確立された。
 昭和35年頃には全国的な茶の大増産により西尾の茶産業は危機に陥ったが、抹茶を食品加工用原料として用いることで販路拡大を目指し、平成22年までの40年間に生産量はほぼ倍増した。さらに残留農薬など食品の安全性に関する品質に35年以上前からいち早く取り組んできた。平成26年の碾茶生産量(荒茶)は約459トンと全国碾茶生産量の20%超を占め、全国でも1~2位を争う「抹茶」に特化した生産地となっている。
 また、西尾市では、昭和16年から西尾市内一部の中学校で地場産業の振興と勤労体験を目的とした「全校茶摘み」が開催され、昭和24年からは市内全中学校の全校生徒が行っている。一部の小中学校では「全校茶会」が開かれるほか、毎年春には市民大茶会が催される。平成18年10月8日、市のメインストリート1.5kmの上に赤い絨毯を敷き詰め、1万4718人が2人組で向かい合って相手のために抹茶をたてて一斉に飲む「まちなか1万人 西尾大茶会」という茶会が催され、ギネスブックに認定された。10月8日前後の土日を「西尾の抹茶」の日とし、茶に関するイベントを開催する等、市民が抹茶に親しんでいる。
 「西尾の抹茶」という名称は、昭和60年3月の「岡崎信用金庫『調査月報』産地探訪シリーズ(別添1(PDF : 1,562KB))」に掲載されており、平成21年には、「愛知県西尾市、安城市、幡豆郡吉良町(現西尾市)で生産された茶葉を同地域において、碾茶加工・仕上げ精製し、茶臼挽きした抹茶」として、特許庁の地域団体商標の登録を受けている。
16 法第13条第1項第4号ロの該当の有無  該当する
商標権者の氏名又は名称  西尾茶協同組合
登録商標  西尾の抹茶
指定商品又は指定役務  愛知県西尾市・安城市・幡豆郡吉良町で生産された茶葉を同地域において碾茶加工・仕上げ精製し、茶臼挽きした抹茶
商標登録の登録番号  第5204296号
商標権の設定の登録の年月日  2009年2月20日
専用使用権者の氏名又は名称  -
商標権者等の承諾の年月日  -
17 (11から13までに掲げる事項と明細書に定めた法第7条第1項第4号から第6号までに掲げる事項とが異なる場合)その内容  -
18 特定農林水産物等の写真  西尾の抹茶

 

お問い合わせ先

食料産業局知的財産課
担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284、4283)
ダイヤルイン:03-6744-2062、03-6738-6317
FAX:03-3502-5301

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