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農林水産省

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更新日:平成29年5月26日
担当:食料産業局 知的財産課

登録の公示(登録番号第34号)

下記の地理的表示について、登録の公示をしたのでお知らせします。

すんき

1
登録番号
 第34号
2 登録年月日  平成29年5月26日
3 登録の申請の番号  第79号
4 登録の申請の年月日  平成28年8月1日
5 登録生産者団体の名称  すんきブランド推進協議会
6 登録生産者団体の住所  長野県木曽郡木曽町福島2757-1 長野県木曽地域振興局農政課内
7 登録生産者団体の代表者の氏名  会長 松井淳一
8 登録生産者団体のウェブサイトのアドレス  
9 特定農林水産物等の区分  第17類野菜加工品類野菜漬物のうち、(一)から(八)までに掲げるもの以外の野菜漬物(乳酸発酵漬物(無塩))
10 特定農林水産物等の名称  すんき
11 特定農林水産物等の生産地  長野県木曽郡木曽町、上松町、南木曽町、木祖村、王滝村、大桑村及び長野県塩尻市の一部(旧楢川村)(平成17年3月31日当時の長野県木曽郡)
12 特定農林水産物等の特性
 (1)「すんき」は、長野県木曽郡に古くから伝わる伝統食で、木曽郡の伝統野菜である赤蕪の茎葉若しくは茎葉と葉の付け根部分にあたる胚軸の一部を原料として、湯通しを行い、複数の植物性乳酸菌によって発酵させた漬物であり、国内外でも稀有*な「無塩の乳酸発酵食品」である。
 *)無塩の漬物としては、新潟県の「いぜこみ菜」あるいは「ゆでこみ菜」、福井県の「すなな漬け」の例があり、いずれも大根の葉を使っているが、生産量は極めて少ない。海外でも、中国の「酢菜(白菜)」やネパールの「グンドルック(カラシ菜)」等が散見される程度である。
(2)「すんき」は、長野県で一般的に漬けられる野沢菜漬けの古漬けに似た、べっこう色をした漬物である。葉の付け根部分にあたる胚軸の一部を刻んで入れることもあり、その赤みによって漬け汁が薄いピンク色を呈している場合もある。
(3)原料である赤蕪由来の食物繊維が豊富で、原料成分をほとんど変化させることなく保存している食品であり、さらに、乳酸菌が多く含まれている。木曽郡では古くから健康維持に効果があると言われており、整腸作用や抗アレルギー作用などの機能性が注目され、研究が重ねられている食品である。
(4)乳酸菌発酵による独特の酸味があり、そのまま食することもあるが、木曽郡では古くから、味噌汁に具としてすんきを入れた「すんき汁」や、温かいそばの上にすんきをのせた「すんきそば」が食べられている。
(5)「すんき」は「全国に唯一と考えられる乳酸菌の漬物、スンキ漬けは生活民族資料としてきわめて貴重」という理由により、昭和58年(1983年)7月「長野県選択無形民俗文化財」に「スンキ漬け」として指定された。
 また、平成19年(2007年)3月に、「スローフードインターナショナル」が、世界各地で伝統的に栽培され食されてきた固有の在来品種や加工食品を選定する「味の箱舟」に、「木曽の赤蕪」が認定されており、その中で赤蕪の加工品として「国内でも独特の製法手順をとり、郷土食文化を代表するすんき」と紹介されている。
(6)近年の発酵食品ブームの中で、希少な無塩発酵食品として注目が集まり、テレビ、新聞等のメディアに取り上げられ、木曽郡の伝統的な食品として紹介されている。(平成23年1月13日NHK「あさイチ」、平成27年12月5日TBS系「サタデープラス」等)

13 特定農林水産物等の生産の方法
 「すんき」の生産方法は以下のとおりである。
(1)原料
原料は「信州の伝統野菜*」に選定されている蕪のうち、木曽郡の伝統野菜である赤蕪を用いる。
 *)「信州の伝統野菜認定制度」は、平成19年に長野県が創設したもので、長野県内で栽培されている野菜のうち、「来歴:地域の風土に育まれ、昭和30年代以前から栽培されている品種であること」「食文化:当該品種に関した信州の食文化を伝える行事食・郷土食が伝承されていること」「品種特性:当該野菜固有の品種特性が明確になっていること」の3項目について一定の基準を満たしたものを選定している。
(2)生産方法
(ア)赤蕪の茎葉若しくは茎葉と葉の付け根部分にあたる胚軸の一部を利用し、調整、洗浄後に湯通しを行う。
(イ)湯通しした赤蕪の茎葉若しくは茎葉と葉の付け根部分にあたる胚軸の一部にすんき種を加えて漬け込む。
(ウ)すんき種は乳酸発酵のスターターであり、次のものが利用される。
・前年に製造したすんきを冷蔵、冷凍、又は乾燥したもの
・前年に製造したすんきの漬け汁を冷蔵したもの
・すんきから分離培養された4種類の乳酸菌
(エ)漬け込み後は嫌気性を保ちながら発酵を進める。漬け込み後概ね1日後までは保温した状態を保ち、良好な発酵が確認されたら冷涼な場所に置いて、じっくり発酵させる。
(オ)最初の漬け込みにはすんき種を利用し、出来上がった「すんき」を種としてさらに漬け込みを行う作業を数回繰り返して、漬け込み量を確保する。
(カ)「すんき」の出来上がりのpHは概ね3.7~4.3の範囲とする。
(3)最終製品としての形態
「すんき」の製品としての最終形態は、加工品(漬物)である。

14 特定農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由
 (1)自然的条件と特性との結びつき
(ア)原料となる赤蕪の一品種である開田蕪は、天保9年(1838年)尾張藩隠密岡田善九郎による「木曽巡行記」に、「末川(現木曽郡木曽町開田高原末川地区)は蕪の名物なり、味よし」と記載されていることから、江戸時代には栽培が行われていたことがわかる。
 また、昭和49年(1974年)に編纂された「長野県そ菜発展史」には、「木曽の紅かぶ」が、江戸時代には焼畑へ蒔かれて採種され灯油原料として使用されていたことや、木曽郡王滝村に残る古文書に名古屋藩に年貢として蕪を出した記録があることなどから、その生い立ちの古さがうかがえるとあり、ソバとともにやせ地に育つ性質を持っていることから、木曽郡の気候・風土にあった品種として古くから栽培されていたと記載されている。
(イ)発祥の地である木曽郡木曽町開田高原及び木曽郡王滝村は標高が高く寒さの厳しい地域※であり、原料となる赤蕪の品質にも影響を与えていると考えられる。
 特に、赤蕪が収穫期を迎える直前の10月終わりから11月ごろに、赤蕪畑に2、3回、霜が降りる寒さが、すんき作りには重要と言われている。家庭で漬け込む場合でも、早い時期に漬け込んだ時は失敗する、霜に当った赤蕪で作られた「すんき」が美味しいということが、経験的に知られている。
 *)木曽郡木曽町開田高原は標高が1000m~1300m(旧木曽郡開田村役場所在地標高1128m)、木曽郡王滝村は標高1000m前後(役場所在地標高945m)である。また、年平均気温は木曽郡木曽町開田高原で7.4℃、木曽郡木曽町福島で10.5℃である。

(2)地域の食文化としての「すんき」
(ア)「すんき」は発祥の地である御嶽山麓の木曽郡木曽町開田高原及び木曽郡王滝村の家庭を中心に、江戸時代から今日に至るまで日常的に食されてきた伝統食である。
 かつて塩が貴重な時代に、山深い信州木曽の地で冬に不足しがちな野菜を保存するために、塩を一切使わず、乳酸によって保存性を高める「すんき」が発達したと考えられており、長い歴史の中で現在は木曽郡を代表する食文化の一つとされている。
(イ)元文5年(1740年)尾張藩士三村森軒による「薬草見分信州木曽山道中記」の文中に、「木曽谷中村々においてスグキと云ハ、大根葉を湯煮して桶に入レ置て、来年夏迄の食物とするに、風味不変、他国にてハ味変して不持と云」とある。京都の「すぐき」と同じ呼び方となっているが、製造行程をみると、現在のすんきと同様に湯通しをしてそのまま漬け込んでおり、塩を用いていないことから、この「スグキ」は「すんき」であると推察され、この当時から木曽郡の食べ物として知られていたことがわかる。
(ウ)「すんき」は、前年に作られたものを「種」として作るという形で代々受け継がれてきた。その中で、良好な発酵を行う乳酸菌が地域に棲み着き、木曽郡ならではの「すんき」を生み出したと考えられる。
(エ)昭和60年前後に「すんき」が地域資源として見直されるようになり、地域の人たちも木曽郡にしかない「すんき」の魅力について再認識するようになった。 小中学校でのすんき作りの体験指導やすんきコンクールが開催されるようになり、こうした取組みを通じて、子供たちを始めとして多くの人が「すんき」に親しみ、その伝統を次の世代に受け継ぐ取組みがなされている。
(3)「すんき」の学術的研究
 地域の自治体などが先導した学術研究が盛んに進められており、こうした研究の成果によって、地元の人々が「すんき」の価値を再発見し、その伝統を継承し、製品化を図るなど、その生産に果たした役割も大きい。
 「すんき」の学術的な研究を最初に行ったのは山梨大学の研究者で、1950年に日本農芸化学会誌に世界初となる「すんき」の乳酸菌についての論文を発表している。その後も、共立女子大学、信州大学、東京農業大学等の研究者によって、「すんき」の栄養成分や機能性等についての研究が行われ、「すんき」の乳酸菌の免疫調製機能や疾病予防作用が報告されている。

15 特定農林水産物等がその生産地において生産されてきた実績
 (1) 元禄元年(1688年頃)俳人松尾芭蕉門下の句会において、芭蕉と弟子の凡兆が詠んだ連句の中に「木曽の酢茎(すぐき)に春も暮れつつ」という一句がみられ、「酢茎は山家の食べものとしてのあしらい(もてなし)に供せられている」と記録されている。この「酢茎」が訛って「すんき」となったと考えられており、木曽郡において300年以上前から作られている。
(2)「すんき」は、木曽郡の人々の料理に欠かせない食材として利用されていた。木曽郡王滝村の庄屋である松原家の嘉永3年の古文書には、この年の2月に行われた御嶽山開山の祖である普寛行者五十年忌の念仏供養の際の献立表に「すんき」が記載されており、鉢物や和物に酸味と旨味を与える食材として利用されていたことがわかる。
 また、木曽郡木曽町開田高原の山下家(長野県宝)に残る、明治27年(1894年)3月の葬儀における配役記録の料理の欄に、「すんき」と記されており、葬式等の際の料理の一品であったことがわかる。
(3)「すんき」は長い間木曽郡の家庭の味として伝承されていたが、産地の一つである木曽郡王滝村では、昭和47年(1972年)に地元の農業協同組合による漬物加工場が建設されたことから増産体制をとるようになり「すんき」の販売を行っている。
 また、地域資源として広く見直されるようになった昭和60年ころから、木曽郡内の農産加工組織等によって「すんき」が商品化されるようになり、現在に至っている。

16 法第13条第1項第4号ロの該当の有無  該当しない
商標権者の氏名又は名称  -
登録商標  -
指定商品又は指定役務  -
商標登録の登録番号  -
商標権の設定の登録(更新登録があったときは、更新登録も含む。)の年月日  -
専用使用権者の氏名又は名称  -
商標権者等の承諾の年月日  -
17 (11から13までに掲げる事項と明細書に定めた法第7条第1項第4号から第6号までに掲げる事項とが異なる場合)その内容  -
18 特定農林水産物等の写真  すんき写真

 

お問い合わせ先

食料産業局知的財産課
担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284、4283)
ダイヤルイン:03-6744-2062、03-6738-6317
FAX:03-3502-5301

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