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農林水産省

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更新日:平成29年3月27日
担当:食料産業局 知的財産課

登録の公示(登録番号第7号)

下記の地理的表示について、登録の公示をしたのでお知らせします。

鹿児島の壺造り黒酢

1 登録番号  第7号
2 登録年月日  平成27年12月22日
3 登録の申請の番号  第6号
4 登録の申請の年月日  平成27年6月1日
5 登録生産者団体の名称  鹿児島県天然つぼづくり米酢協議会
6 登録生産者団体の住所  鹿児島県鹿児島市上之園町21番地15
7 登録生産者団体の代表者の氏名  会長 坂元 昭宏
8 登録生産者団体のウェブサイトのアドレス  -
9 特定農林水産物等の区分  第27類 調味料及びスープ類 その他醸造酢(米黒酢)
10 特定農林水産物等の名称  鹿児島の壺造り黒酢(カゴシマノツボヅクリクロズ)
11 特定農林水産物等の生産地  鹿児島県霧島市福山町及び隼人町
12 特定農林水産物等の特性

江戸時代から鹿児島県霧島市福山町において、壺を使用して米を原料にした食酢が屋外で醸造されている。この食酢は熟成期間を経るにつれ、琥珀色に色が付いてくるので、「鹿児島の壺造り黒酢」(以下黒酢と記載)と呼ばれている。鹿児島県霧島市福山町が、昔からの伝統的製法による黒酢の発祥地であり、鹿児島を代表する歴史ある食品である。この黒酢の生産地は、錦江湾の東北に位置している。北東に牧之原台地を背負って錦江湾に臨み、気候としては冬季に北風が当たらず降霜の少ない温暖な地域である。福山町郷土史には、昭和27年の年平均気温が18.7℃と記され、年平均気温が比較的高いことが分かる。屋外に並べた壺を使って、仕込み醗酵するという独特な製法でできた黒酢は、同一の容器の中で、糖化、アルコール醗酵、酢酸醗酵に6ヶ月以上を要し、さらに熟成に6ヶ月以上を要する世界的に見ても珍しいものである。熟成後の黒酢の色は、褐色から黒褐色を帯びている。特有の香りとまろやかな酸味は長期熟成により生まれるとされている。一般的な米酢は、主成分の酢酸のほかに乳酸、ピログルタミン酸、グルコン酸やコハク酸などの有機酸を含んでいる。黒酢中にはピログルタミン酸が60mg/100ml前後含まれるため、濃厚な酸味となり、また乳酸を約0.2%含んでおり、酸味に清涼感を与え、残味がさっぱりとしたものになっている。呈味(旨み)成分としては、アミノ酸やペプチドなどがあり、黒酢中のアミノ酸含有量は比較的高く、500mg/100ml前後である。これらの成分が多い理由は、一般の米酢に比べて、使用する米の量が多いこと、米の精米歩合が高いこと、醗酵・熟成期間が長いことに起因すると考えられる。米の使用量は、農林水産物等の生産の方法で後述するが、一般の米酢に比べて約5倍である。

社会的評価
平成3年2月、黒酢は、鹿児島県において、優良な伝統食品のふるさと認証食品に認定された。鹿児島県天然つぼづくり米酢協議会においては、鹿児島の伝統的な屋外の壺による製法により醸造した黒酢の品質の向上を目指して、【全窒素が100ml中に120mg以上含まれること】という製品の品質基準を設定した。この品質基準は、平成17年7月に施行されたJAS米黒酢の基準の一部に採用され、【全窒素分(米黒酢に限る。)が0.12%以上】という規格が作られた。また、平成18年には、(一財)食品産業センターによる、その当該地域において伝統的に培われた本場の製法・地域特有の食材などの厳選材料を用いた本物の味の証である、本場の本物の第1回認定に選ばれた。  

13 特定農林水産物等の生産の方法

黒酢の生産の方法は、以下のとおりである。

(1)原料
原料には、うるち種の玄米又はうるち種の精米歩合の高い米(玄米のぬか層の全部を取り除いて精白したものを除く=精米歩合91%以上)を用いる。(以下米と記載) 

(2)生産の方法
黒酢の最大の特徴は、その生産の方法(仕込み方法)にある。 
まず、鹿児島県産(又は国産)の米を洗浄、蒸煮、冷却し、種麹を撒いて米麹を造る。種麹には、黄麹菌を用い、製麹(麹を造ること)には3~4日を要する。次に米を蒸して蒸し米を造り、屋外に並べた陶器の壺に、米麹と蒸し米と水を順に入れて混合する。最後に振り麹と呼ばれる米麹を液面に撒く。この振り麹も米を洗浄、蒸煮、冷却し、種麹を撒いて3~4日かけて製麹するが、出麹(麹が出来上がり製麹室からとり出す操作)後、屋内で数日間乾燥させ胞子の多くついた麹とする。振り麹後、壺の口を紙で覆い雨よけの蓋をして仕込み作業は終了する。仕込みから6ケ月以上の醗酵、さらに6ケ月以上の熟成を経て製品になる。この製法は同一容器の中で、糖化、アルコール醗酵、酢酸醗酵の三つの工程が自然に進行する製法であり、世界的に見ても珍しいものである。仕込みから1年以上経過したものを収穫して、ろ過、殺菌、瓶詰を行い、製品となる。米の使用量は黒酢1Lにつき180g~250g未満である。一例を示すと、米麹約3.5Kg、蒸し米約6.0kg、振り麹約0.5Kg(合計で米の使用量が約10Kg)、水約35Lで仕込み、1年後の最終酸度が6%で、加水して酸度を4.2%とした場合の米の使用量は黒酢1Lにつき約200g(10Kg÷35L×【4.2%÷6.0%】=0.20Kg)である。米は原則として鹿児島県産米を使用するが、冷夏や日照不足により鹿児島県及び国内の米の作況指数が低いなど、米流通の関係で鹿児島県産米が不足する場合があるので、その場合は国内産米を使用することにしている。
仕込みに用いる壺は、胴径約40cm、高さ約62cm、口径約14cmで容量は3斗(54L)である。 

(3)出荷規格
黒酢の色は醗酵及び熟成によって褐色又は黒褐色に着色したものであり、醗酵の過程でつくられる米に由来する各種のアミノ酸(アミノ酸含有量は500mg/100ml前後)や有機酸(酢酸以外の有機酸量が0.2~0.3%)等を豊富に含み、かつ以下の品質基準(出荷規格)を満たすこと。

1)全窒素として0.12%以上含まれること
2)全窒素の中で、ホルモール窒素の含量割合が50%以上であること
3)しょうゆ試験法において、直接還元糖が0.30%以下であること
4)着色度が0.30以上であること

上記の出荷規格1)については、黒酢の成分の特徴として、窒素分が多く、醸造酢の日本農林規格を満たしていること。2)については、黒酢中の、全窒素に占めるアミノ酸の割合が長期熟成により多くなること。3)については、黒酢中にほとんど直接還元糖が残っていないこと。4)についても、1)同様、醸造酢の日本農林規格を満たしていること。を意味している。 

(4)最終製品としての形態
黒酢の最終製品としての形態は、その他醸造酢(米黒酢)である。 

14 特定農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由

壺を使ったこの製法は、江戸時代の後期に始まったとされている。

1)年間の平均気温が18.7℃と醗酵に適した土地柄であること。
福山町郷土史に昭和27年の気温が紹介されている。年平均気温は18.7℃で、比較的高いことが分かる。生産地は山に三方を囲まれ、残る一方は海に面した平地だからであり、一年を通して暖かい。その上もう一つの気温の特徴がある。それは各月の高極・低極(一日間の毎日の最高・最低気温の中で一番高い(低い)気温)の気温の開きが小さいことである。福山町は春季で7~11.2℃、秋季で14.3~14.5℃を示す。高極・低極の開きが小さいことは、過熱・過冷を防ぐので、微生物の生育には好都合で、黒酢に恵まれた気温の下にある。

2)原料米の精米歩合が高く、一般の米酢に比べ、米の使用量が多いこと。
それゆえ、ピログルタミン酸含量やアミノ酸含量が比較的高い。

3)黒酢の製造に欠くことのできない薩摩焼の壺が入手できたこと。
仕込みに用いる壺は、生産当初より、胴径40cm、高さ62cm、口径14cmで容量は3斗(54L)であり、この形状は現在も変わっていない。現在残っている古い壺は苗代川(鹿児島県日置市東市来町)で焼かれたものであり、苗代川は薩摩焼の代表的な窯場の一つである。黒酢の製造が始まった1800年代初期には、この壺は薩摩で日常の食用の壺として焼かれていたことが判明しており、黒酢造りにあたって、仕込みや醗酵に適した壺を手近に得られたのである。

以上、1)~3)により誕生、発展したと考えられている。

15 特定農林水産物等がその生産地において生産されてきた実績

 黒酢は文化2年(1805年)、一説では文政3年(1820年)福山の地で初めて造られ、現在に至るまでその生産を継続している。いずれにしても1800年代の初期には間違いなく生産が開始されており、約200年の歴史がある。福山の人、竹之下松兵衛は念願の黒酢造りに成功し、松兵衛の努力は実って黒酢造りは確立した。第二次大戦前には、福山町には、20数件の家内工業的なメーカーがあり、旧薩摩藩の需要を100%賄っていた。世界大戦前後を通じて原料米が統制経済で途絶えたことと、廉価な合成酢の台頭により、殆どの業者が転業を余儀なくされたが、頑固な一軒の業者が原料を米の代わりにさつまいもを使い、細々ながらその技術を守り続けてきた。昭和40年頃から自然食品希求の声が高まり黒酢が見直されてきて、徐々に業者の数も増えて、現在は鹿児島県霧島市福山町及び隼人町において製造している。昭和58年には、福山町米酢協議会を組織し品質の向上を図ってきた。平成2年には、福山町米酢協議会を発展的に解消し、鹿児島県レベルでの鹿児島県天然つぼづくり米酢協議会を組織した。その後生産量は増減を繰り返し、平成13年に755KL、平成16年には1485KLとなった。

16 法第13条第1項第4号ロ該当の有無  該当しない
商標権者の氏名又は名称 - 
登録商標 - 
指定商品又は指定役務 - 
商標登録の登録番号 - 
商標権の設定の登録(更新登録があったときは、更新登録も含む。)の年月日 - 
専用使用権者の氏名又は名称 - 
商標権者等の承諾の年月日 - 
17 (11から13までに掲げる事項と明細書に定めた法第7条第1項第4号から第6号までに掲げる事項とが異なる場合)その内容
18 特定農林水産物等の写真 様々な鹿児島県の壺作り黒酢商品

 

お問合せ先

食料産業局知的財産課

担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284,4282)
ダイヤルイン:03-6738-6315
FAX番号:03-3502-5301