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農林水産省

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更新日:平成29年11月1日
担当:食料産業局 知的財産課

登録の公示(登録番号第9号)

下記の地理的表示について、登録の公示をしたのでお知らせします。

くまもと県産い草畳表

1 登録番号  第9号
2 登録年月日  平成28年2月2日
3 登録の申請の番号  第10号
4 登録の申請の年月日  平成27年6月1日
5 登録生産者団体の名称  八代地域農業協同組合
 熊本宇城農業協同組合
 球磨地域農業協同組合
6 登録生産者団体の住所  熊本県八代市古城町2690
 熊本県宇城市松橋町松橋357-1
 熊本県球磨郡錦町大字一武2657-4 
7 登録生産者団体の代表者の氏名  代表理事組合長 田島幹雄
 代表理事組合長 堀幹男
 代表理事組合長 福田勝徳 
8 登録生産者団体のウェブサイトのアドレス  http://www.ja-yatsushiro.or.jp/info/index.html【外部リンク】
 http://www.jauki.or.jp/【外部リンク】
 http://www.ja-kuma.or.jp/【外部リンク】
9 特定農林水産物等の区分  第四十一類 畳表類 いぐさ畳表
10 特定農林水産物等の名称  くまもと県産い草畳表(クマモトケンサンイグサタタミオモテ)、KUMAMOTO-IGUSA-TATAMI-OMOTE、KUMAMOTO-RUSH-MATS 
11 特定農林水産物等の生産地  熊本県八代市、熊本県八代郡氷川町、熊本県宇城市、熊本県球磨郡あさぎり町 
12 特定農林水産物等の特性

特性(1):品種による特性
「くまもと県産い草畳表」は熊本県の優良指定品種である、ひのみどり・夕凪・ひのはるかで栽培・育成されたいぐさを原料に加工・製織される。

各品種で作られた畳表の特性は以下のとおりである。

【ひのみどりの特性】

  • 一般的な品種に比べ、茎の直径が約1.10mmと一般品種(約1.35mm)よりも細い。
  • 栽培時に着花が少なく、変色する茎も少ない。
  • いぐさ先端部の枯れ込みが少なく、根元近くまで緑色をしている。

上記の特性から、畳表に加工した時に、表面がきめ細やかで織り目が良く通り、美しい高品質な畳表になる。

【夕凪の特性】

  • 緑色が深く、長茎が多く、部分変色した茎が少ない。
  • いぐさの表皮が厚く、硬いので耐久性の優れた畳表になる。

【ひのはるかの特性】

  • 茎長はひのみどりよりも長いため、畳表にした際、端部の品位が優れている。
  • 部分変色する茎はひのみどりと同程度であるため、美しい畳表になる。

 【熊本県の優良指定品種参照(くまもとのい業,P8~9,熊本県農産課発行,H26年版)】(PDF:750KB)

 

特性(2):伝統的に行われている「泥染め」がもたらす特性

「くまもと県産い草畳表」は、品質を保持するために「泥染め」の行程がなされたいぐさを使用するため下記の特性を得る。

  • 乾燥時にムラなく均一に乾燥されたいぐさ畳表。
  • 色調が整っており肌触りのよいいぐさ畳表。
  • 変色防止効果を持ったいぐさ畳表。
  • 畳独特の香りを持ったいぐさ畳表。(香り成分の持つリラックス効果)

栽培が行われてきた歴史と共に伝統的に行われてきた製法がこの「泥染め」と言う作業で、刈取りを行った直後のいぐさを、染土と呼ばれる天然土を水に適度な濃度に溶かした液にまんべんなく浸漬する。いぐさ一本一本の隅々に泥が付着することで、全体に乾燥することができ、コーティングされた泥が葉緑素やいぐさの内部構造のダメージを抑えるため光沢や色調を整えられた良質ないぐさができる。

泥染めによって、過度な乾燥の抑制や、適湿を保つことができるいぐさとなり、畳表に製織することでエンドユーザーに届くまで、品質を保持した状態での出荷を可能とする。また、畳を敷きこんだ際に畳独特の香りがするのも泥染めをされたいぐさを使用しているからであり、加えて、染められたことで色調が整い見た目の美しさ、肌触りの気持ちの良い感触を持った畳表となる。

【イグサ研究文献染土と泥染め参照(熊本のい業第21,P115~117,熊本県い業技術者連盟発行,H5.6.30)】 (PDF:308KB)

【畳の部屋のリラックス効果(畳の魅力vol.2,全国い産業連携協議会発行,H25発行)】(PDF:64KB)

 

特性(3):原料の選別作業による特性
「くまもと県産い草畳表」は原料となるいぐさを製織する前に、長さごとに選別し、その長さごとで製織を行うため色調が整い、織り目の揃った美しい畳表が作られる。

【選別するいぐさの長さ】

  • 140cm以上のいぐさ。
  • 139cm~120cm以上のいぐさ。
  • 119cm~110cm以上のいぐさ。
  • 109cm~97cm以上のいぐさ。


特性(4):原料の栽培から加工まで生産者による生産行程の一括管理がもたらす特性
いぐさ生産者は通常、原料であるいぐさの栽培から畳表の加工まで一貫して行っている。そのため、栽培から加工までの一連の作業工程を生産者自身が責任を持って管理でき、細部に渡る調整を行うことができるため、生産した畳表には他の生産者が栽培したい草が混在した畳表の生産というものが無く、色合いや品質が統一された畳表が生産され出荷される。 

 

特性(5):熊本県産の証である「県証糸」による特性
「くまもと県産い草畳表」は、いぐさから畳表に製織を行う際に、熊本県産の証として畳表の経糸に「県証糸」を使用する。「県証糸」は日本農林規格の経糸の基準(太さ、引っ張り強さ、伸び率、混用率)を満たし、かつ、熊本県で製織された証として証明される。「県証糸」の入った経糸は生産者自身が購入し、製織中に織り込む。「県証糸」として使われる経糸は、畳表の中心の経糸の色が麻糸はりんどう色、綿糸はいちょうりんどう色が使われており、その色を確認することで畳表の経糸が基準を満たしているかわかると共に、熊本県内での生産地で製織された畳表であることも証明することができる。

【畳表の日本農林規格(農林水産省より)】(PDF:135KB)

【いい畳表の見分け方参照(くまもとのい業,P4,熊本県農産課発行,H26年版)】(PDF:260KB)

 

~社会的評価~
以前は、広島・岡山が主産地とされていたが、現在では、八代市、氷川町、宇城市、あさぎり町で栽培されるいぐさ畳表が全国生産量の約9割を占めていることから、いぐさ畳表と言えば熊本県の八代市、氷川町、宇城市、あさぎり町で作られるいぐさ畳表が代表的なものとして認知されている。

13 特定農林水産物等の生産の方法

「くまもと県産い草畳表」の生産方法は、以下のとおりである。

(1)栽培・畳表加工の方法
生産地(熊本県八代市、熊本県八代郡氷川町、熊本県宇城市、熊本県球磨郡あさぎ
り町)内で熊本県優良指定品種(ひのみどり・夕凪・ひのはるか)を用いて、下記の行程で栽培された原料であるいぐさを使用し加工・製織されたもの。また、栽培から加工・製織までの行程を生産者が一貫して行う。

【使用する原料の生産方法】
(ア)苗堀り:8月頃に苗床へ植付けて、育苗してきた苗を、11月下旬~12月中旬に掘り出し、本田植付け用に株分けをする。
(イ)植付け:株分けした苗を、11月下旬から12月下旬にかけて、本田へ植付けを行う。
(ウ)先刈り:4月下旬~5月上旬頃に、根元まで日光が当たるようにするため、地面から45cm前後の高さに刈りそろえて、新芽の発芽を促す。
(エ)収穫:人の背丈程に成長したいぐさを6月下旬から7月下旬にかけて刈り取る。
(オ)泥染め:収穫されたいぐさを、乾燥による変色を防止するために、天然染土100%の泥水に浸ける。天然染土は、淡路島産・広島県産の染土を使用する。
(カ)乾燥:14時間程度の時間をかけ、じっくり乾燥させることにより、いぐさ独特の風合いを出す。乾燥には生産者が所有する屋内に設置されたいぐさ乾燥用の乾燥機を使用する。
(キ)保管:乾燥終了後は、紫外線による変色を防ぐため、専用の保管袋に入れ保管する。

また、優良指定品種の原苗更新は、種苗配布から3年で苗の更新を行う。

 

【畳表の生産方法】
(ア)選別:保管されたいぐさを製織する前に、下記の長さごとに選別を行い、傷、太さをチェックする。

  • 140cm以上のいぐさ。
  • 139cm~120cm以上のいぐさ。
  • 119cm~110cm以上のいぐさ。
  • 109cm~97cm以上のいぐさ。

(イ)製織:選別されたいぐさを製織機で畳表に加工する。製織する畳表の経糸は県証糸を使用する。

(ウ)仕上げ:製織された畳表を一枚一枚、織り傷等が無いか手作業で確認して出荷する前に仕上げを行う。

(2)出荷規格
出荷を行う際は、以下の等級認定を受けたものを流通させる。

○使用品種:「ひのみどり」

畳表等級:「極」「特撰」「優(特等・1等・2等)」

○使用品種:「ひのはるか」「夕凪」

畳表等級:「優(特等・1等・2等)」

 【『熊本県品種「ひのみどり」「夕凪」「ひのはるか」製品畳表検査規格表』】(PDF:135KB)


(3)最終製品としての形態
「くまもと県産い草畳表」の最終製品としての形態は、いぐさ畳表である。 

14 特定農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由

「くまもと県産い草畳表」は、原料となるいぐさを栽培する生産者が畳表まで加工する作業を一貫して行ってきたこともあり、1500年代から続くいぐさ栽培の歴史に合わせて畳表が生産されてきた。生産者が作る畳表は栽培から加工に至るまでにおいて責任を持って生産を行っており、畳表として製品が完成するまで生産者自身の手で品質管理を行うことができる。

全国一の生産量を支える源として、球磨郡水上村を源流とし八代平野部へと流れる「球磨川」や豊富な地下水などにより発達した水田地帯で栽培されており、豊富な水資源が各地区のいぐさ栽培を支えている。

八代市、氷川町、宇城市、あさぎり町の気候は、いぐさの生育に非常に適しており、特に共通して1~3月の冬場の水田が凍る寸前の気温の低下が夏場の気温の上昇がもたらす温度差が生じることで、いぐさの茎長が長くなり、高品質ないぐさを栽培できることから必要不可欠な気象条件となっている。八代市や氷川町、宇城市は平野部で、あさぎり町は山間部で栽培されるが、共通して冬場と夏場の気温差が大きく生じる環境であるため、どの地区においても伸びのある高品質ないぐさを栽培することができる。

畳表の製織において一番重要であるのが、使用するいぐさの長さであり、長ければ長いほど高品質な畳表を織ることができる。上記のとおり、八代市、氷川町、宇城市、あさぎり町においては茎長の長いいぐさを収穫し、そのまま製織をすることが可能であるため、高品質な製品を生産することができる生産地であることが言える。

【イグサ生育・収量と気象要因との関係について(九州農業研究第48,P49,S61.8)】(PDF:73KB)

【熊本県八代市・氷川町・宇城市・あさぎり町の気候(気温と降水量のグラフ(雨温図))】(PDF:96KB)

【イグサ研究文献球磨いぐさのあゆみ参照(熊本のい業第12号,P26~27,熊本県い業技術者連盟発行,S58.6)】(PDF:166KB)


(特性(1)と生産地について)
「くまもと県産い草畳表」に使用するいぐさの品種(ひのみどり・夕凪・ひのはるか)は熊本県が運営する「熊本県農業研究センター い業研究所」で産地での栽培に適した品種を開発している。八代市、氷川町、宇城市、あさぎり町の生産者はその品種を栽培し、畳表へ加工を行う。い業研究所で開発された品種(ひのみどり、夕凪、ひのはるか)の育成権者は熊本県が取得しているため、熊本県が他県において、栽培を許諾した地域(石川県小松市)を除いて八代市・氷川町・宇城市・あさぎり町の生産者に栽培が限られている。

(特性(2)と生産地について)
泥染めの行程は効率的な製法技術として確立させ、その方法は八代市・氷川町・宇城市では、1950年から、あさぎり町では1966年の栽培が始まった時から現在に至るまで継続して行われてきた。いぐさ一本一本の隅々に泥が付着することで、全体に乾燥することができ、コーティングされた泥が葉緑素やいぐさの内部構造のダメージを抑えるため光沢や色調が整えられたいぐさとなり、そのいぐさを原料にいぐさ畳表を製織する。畳表の長期保存を行う上でも、泥染めの効果で、過度な乾燥を抑制し、適湿を保つことができるため、いぐさの品質を長きに渡って保つためにも重要な行程であり伝統的な品質維持の方法として深く根付いている。

(特性(3)及び特性(4)と生産地について)
「くまもと県産い草畳表」は、生産者が生産から加工までの行程を一貫して行っているため、その行程が全て生産地で終結することとなっている。行程の中で前述したいぐさの長さの選別を生産者自らが行い、揃いの長さで畳表の加工を行うため、原料であるいぐさ自体の品質のバラツキが少ない畳表を作ることができるのも生産地で行う行程で生産者が一貫して作業行程を行うが故の品質保持であると言える。

(特性(5)と生産地について)
「くまもと県産い草畳表」は使用する経糸については、熊本県産の証である「県証糸」が入っており、熊本県産の畳表であるという証明を生産者自ら行っている。

上記の特性の担保として、熊本県には畳表の唯一の等級検査機関として熊本県い業協同組合があり、「県証糸」が入っているかの確認や、熊本県が認定する優良指定品種により作られたもの等、出荷を満たして作られたものであるかどうか検査し、等級をつける体制が整っており「くまもと県産い草畳表」の品質を保証することが可能となっている。 

15 特定農林水産物等がその生産地において生産されてきた実績

いぐさ畳表はいぐさの栽培から製織まで一貫して行っているため、栽培の歴史と製織の歴史は同様である。

八代地方におけるい業の歴史は古く、1500年代に八代市千丁町太牟田上土城主、岩崎主馬守忠久公が領内の古閑淵前にいぐさを栽培させ、特別の保護のもとに奨励したのが、熊本県でいぐさの栽培が根付くはじまりになったと言われており、栽培の技術と共に畳表の生産の技術を確立させていった。

1750年代に細川霊感公が栽培と製織を奨励された記録もあるが、明治維新前までは「お止(とめ)草(ぐさ)」として太牟田・新牟田・上土・新開・下村の5つの村に栽培が限られていたが、時代を追うごとに、太牟田表・八代表・肥後表と代わり、幾多の困難をのりこえながら地場産業として定着し、八代地方を中心に宇城・球磨地方でもめざましい発展をとげ、1970年には日本一の産地に成長した。畳表の生産量は国産の約9割を占めており、国産トップの生産量を長期に渡って維持している。

宇城市においては、八代市・氷川町と似た環境で産地として広がりを見せた。飛び地である、あさぎり町については、かつての大産地である広島・岡山と似た気候をしており広島・岡山の生産者から生産技術の導入を行いながら産地として広がっていった。

16 法第13条第1項第4号ロ該当の有無  該当する 
商標権者の氏名又は名称  八代地域農業協同組合
登録商標  くまもと畳表 
指定商品又は指定役務  第27類:熊本県産の畳表 
商標登録の登録番号  第5256520号 
商標権の設定の登録(更新登録があったときは、更新登録も含む。)の年月日  平成21年8月14日 
専用使用権者の氏名又は名称  設定されていない 
商標権者等の承諾の年月日  平成27年6月1日
17 (11から13までに掲げる事項と明細書に定めた法第7条第1項第4号から第6号までに掲げる事項とが異なる場合)その内容  【11:農林水産物等の生産地】
 八代地域農業協同組合:熊本県八代市、熊本県八代郡氷川町、熊本県宇城市小川町
 熊本宇城農業協同組合:熊本県宇城市
 球磨地域農業協同組合:熊本県球磨郡あさぎり町

 【13:農林水産物等の生産の方法】
 「(1)栽培の方法」の「生産地」の記載について、上に同じ。
 「(2)出荷規格」の記載について、下線部が追加。
 出荷を行う際には、熊本県内唯一の等級検査機関である「熊本県い業協同組合」の検査を受験し、以下の等級認定を受けたものを流通させる。(3申請者とも同じ)
18 特定農林水産物等の写真  くまもと県産い草畳表画像

 

お問合せ先

食料産業局知的財産課

担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284,4282)
ダイヤルイン:03-6738-6315
FAX番号:03-3502-5301

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