このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

金精軒製菓株式会社

働き方改革インタビュー

   金精軒製菓株式会社は、日本の道百選に名を連ねる素朴な街並みの一角、甲州街道台ヶ原宿(山梨県)に本店を構え、甲州銘菓の信玄餅、かすてら、どら焼きをはじめとした各種の和菓子を製造販売している企業です。
   この度、働き方改革の取組について、代表取締役の小野光一さん、取締役営業本部長の清水広大さんにお話を伺いましたので、その内容を紹介いたします。



(2019年7月17日 金精軒製菓株式会社 本社にて)

写真右  代表取締役  小野 光一様
写真左  取締役営業本部長  清水 広大様
金精軒
写真左  取締役営業本部長  清水 広大様
写真右  代表取締役  小野 光一様
~ 心をこめてお菓子を
提供するためにも、
社員全員が仕事と生活を両立
できるようにすることが大切 ~

働き方改革に取り組んだ
きっかけ

   ヒット商品の売上増により、和菓子製造に関わる一部の部署において、残業時間が増加し、有給休暇も取得できない状態となったため、トップダウンにより、残業時間の縮減等に取り組むこととしました。
   この取組の開始は、2017年夏のことであり、厚生労働省の「働き方・休み方改善コンサルタント」を活用し、社内の各部門のリーダーを参集した働き方改革の委員会により、作業工程の洗い直し等を進めました。

機械設備の更新等による
業務の効率化

   社内の働き方改革の委員会により、まず、どの工程がボトルネックになっているのか等、残業時間が発生する原因を徹底的に議論しました。
   以前の機械設備では、原料の搬入工程に従業員を常に張り付ける必要があったり、商品の品質を均一に保つため、スピードを抑えて製造せざるを得なかったり、構造的な問題が存在していました。このため、助成金も活用し、2018年に機械設備を更新したことにより、従業員の拘束緩和、製造スピードの向上が図られ、残業時間の縮減に繋げることができました。
   また、以前は、作業が全て終了していない場合、パート社員の方も帰りづらかったのでしょうが、「全てのパート社員の方が残業する」傾向にありました。しかし、現在は、パート社員の方の残業が必要な場合は、必要最小限に絞り込み、お願いしています。
   こうした結果、時間外労働時間は、2017年6月~10月(繁忙期)には平均30.5hでしたが、2018年6月~10月(繁忙期)には平均20.1hとなり、平均10h以上縮減することができました。
   さらに、繁忙期に行っていた作業のうち、行えるものは閑散期に行うこととし、業務量の平準化に努めています。

有給休暇の取得促進

   有給休暇の取得促進は、まず、有給休暇取得申請書(フォーマット)を作成するなど、パート社員の方が有給休暇を取りやすい環境を作りました。
   パート社員の有給休暇の取得率が向上したことで、正社員の有給休暇の取得率の向上にも繋がり、
有給休暇の取得については、2017年6月~10月(繁忙期)の平均1.9日から、2018年6月~10月の平均6.1日まで増加しました。
   また、正社員からの強い要望もあり、2017年12月から完全週休2日制を採用しています。さらに、有給休暇を取得しやすい環境づくりとして、工場間の交流を進め、特定の社員しか対応できない業務を無くすよう、努めています。

地域に根差した企業
だからこそできる取組

   「お菓子を通して人を幸せにする」という当社の経営理念を社員一人ひとりが心に抱き、それぞれの持ち場で活躍することが大切だと考えています。
例えば、当社の社員が、自発的に、地元で美味しいと評判のお店をお客さんに紹介したり、社員自らが街のパンフレットを作成し、地元の情報発信を行っています。また、ボランティア休暇を活用し、近所の河川や山林の清掃活動も積極的に行っています。

お客様参加型イベント <お客様参加型イベントの様子>

今後の課題

   正社員とパート社員の業務の棲み分けが重要になると考えています。商品開発や付加価値商品の製造など高度な専門性を要する職務には正社員を配置し、効率性が求められる業務にはパート社員を配置することで、生産性の向上と業務の効率化が進むものと考えています。
   また、月1回開催する社内の働き方改革についての委員会において、各現場の意見をしっかり吸い上げ、その時々の課題を把握し、今後も社員全員が働きやすいと環境づくりに努めていきます。

金精軒店頭金精軒外観
金精軒製菓株式会社の
皆様、インタビューのご協⼒
ありがとうございました

お問合せ先

大臣官房 新事業・食品産業部 新事業・食品産業政策課

代表:03-3502-8111(内線4136)
ダイヤルイン:03-3502-5742