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農林水産省

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更新日:平成26年7月1日

担当:食料産業局食品製造課食品企業行動室

「第2回 食料産業における国際標準戦略検討会」(平成26年6月19日)議事概要

  1. 日時: 平成26年6月19日金曜日 14時00分~16時30分
  2. 場所: 農林水産省第2特別会議室
  3. 出席者: 湯川座長、伊勢委員、伊藤委員、上野委員、大澤委員、奥村委員、川崎委員、財前委員、内藤委員代理、原田委員
  4. ヒアリング出席者: 株式会社味泉 長尾氏、ひかり味噌株式会社 吉江氏、株式会社三晃 宇恵氏、公益社団法人日本炊飯協会 東脇氏
  5. 概要:

【内田課長挨拶】

 第1回目の検討会では、我が国の食料産業の現状を踏まえた貴重な意見を賜り感謝する。委員の皆様からの意見の中には、輸出に関する意見のほか、中小企業の食品安全に対する取組に関しても議論があった。そのことを踏まえ、本日、中小規模事業者の皆様や団体の方々からお話を伺う機会を作らせていただいた。本日お越しいただいた皆様には、HACCPや国際規格の認証を受けた効果や苦労した点、そして今後の課題などについて話を伺いたいと思う。我が国の食品産業は、99%の中小規模事業者によって担われており、本日お越しいただいた皆様の話は、非常に有意義なものになると思う。本検討会は、食品事業者の食品安全や品質向上・信頼向上のための取組を適切に見える化し、海外も含めて評価されるためにはどのような取組を行えばよいかを検討する場である。本日のヒアリング等も踏まえ、委員の皆様の現場の実情を踏まえた忌憚のない意見を伺い、国際標準をリードする対策につなげていきたいと考えているので、よろしくお願いしたい。

【ヒアリング】

  • 湯川座長:本日は中小規模食品事業者の皆様からのヒアリングということだが、本日お集まりいただいた皆様は、既に大手の技量を持っていらっしゃるように見受けられる。四人の方からのヒアリングの後、まとめて質疑を行いたい。
  • 株式会社味泉 長尾氏:我が社はたれやソースなどオーダーメイドのみを開発している。自社のオリジナル商品はない。取引先と一緒に商品開発をしている。日本を代表する企業の使用品開発もしているので、何らかの形でここにいる皆様も我が社の商品を食して頂いていると思う。監査に関して、具体的には年に数度、第二者監査を行って頂くほか、取引先様からの生産立ち会い時の指導などがある。認証に関しては、八千代工場ではFSSC22000とISO9001、流山工場ではISO9001を取得、長浜工場は建設準備中である。我が社の特徴は商品開発のスピードが速いことである。依頼後、最短2日で作ることを求められることもある。短納期納品を求められることも多い。取引先の要求に対し柔軟に商品開発できるのが強みである。認証取得の経緯は、まず2003年に八千代工場にてISO9001とデンマークスタンダードであるDS3027を取得し、2006年にISO22000、2011年にFSSC22000にグレードアップした。認証取得を取引先から求められたことはないが、これまでの監査の経験や取引先からの指導を自社のPRPに落とし込んできた。2010年にセミナーでFSSC22000について耳にし、FSSCがどういうものか、要求事項にはどのようなものがあるか聞いた。その時点で、我が社のPRPが要求事項をほぼ充足していたことから数ヶ月後に審査を受けることができた。2010年10月に説明会が有り、2011年2月に審査を受け、3月にはFSSC22000の認証を取得できた。FSSC認証を取得したメリットとしては、数百数千種類の製品一つ一つの文書管理ができるようになったこと。きっかけがないと取り組めない文書管理が自然にできるようになった。また、認証を取得することは取引先から信頼を得る有力な方法であると認識している。液漏れ等のクレームも減ってきており、社内の事故やミスも減っている。取引先からの第二者監査も免除される場合もある。課題としては、PRPの内容を追加していった結果複雑化し、重くなってしまったこと。今後簡素化したい。我が社の製品はレトルトではなくホットパックであることから微生物制御の面で商品開発の制限がある。また、初回審査・維持審査・更新審査と認証を維持するにも費用がかかる。取引先から求められて取得した認証ではないので、対費用効果の評価が難しい。日本発のFSMSについて、意見を述べる。食品安全に関する規格としてはFSSC22000で物足りなく思うことはない。ただ、ハザード分析を行い顕在化したリスクを管理するためには具体的な品質管理技術が必要で、日本には独自の品質管理手法があるのでそれを発展させるべきである。日本人のきめ細かい独自性を反映するマネジメントシステムができれば良いと思う。マレーシアにハラル認証があるが、それを例にして、その宗教的要素を日本特有の品質実現のための日本文化的な要素と置き換えることによって、日本独自の認証システムができるのではないか。
  • ひかり味噌株式会社 吉江氏:ひかり味噌株式会社は長野県諏訪郡下諏訪町に本社があり、工場は長野県上伊那郡飯島町にある。昭和11年に創業し、味噌の製造販売よりスタートした。現在は、味噌以外に即席味噌汁やスープ類の開発製造販売に携わるようになった。現在の売上比率は味噌35%、即席味噌汁やスープ類65%。プライベートブランドやOEMの受託比率が高く、取引先による二者監査や第三者監査など年間数十件の監査に対応している。認証に関しては、2000年にISO9001認証、2006年にISO22000認証、2013年にBRC食品安全認証を取得した。他に2001年に米国NOP認証、2008年にEU有機認証、2013年にハラル認証を取得した。BRCに取り組んだ理由だが、我が社の開発商品を扱ってもらおうとした欧米の取引先からそれまでのISO22000では不十分である事を指摘され、BRC認証取得に取り組んだ。海外の客先からは取引条件としてBRC認証を取得していることを求められることもある。BRCの5種類の規格のうち、「食品安全」認証を取得している。BRC認証は英国を中心に、ヨーロッパ、北米、南米、アジアなど世界的に普及している。2014年5月20日現在では世界で16,773件の食品安全認証の登録があるが日本国内では3件。2011年に第6版改訂があり、我が社はその最新版による認証を取得している。BRCの要求事項はQMSやHACCP、GMPが組み合わさっている。また、基本要求事項が10項目有り、その要求事項の一つでも不足していると不適合となる。BRC認証取得のメリットは、取引先によって監査が免除されること。また、海外ではBRC認証取得が前提になっているところがあり、信頼度が向上したこと。詳細な要求事項に対応する事により工場管理レベルが向上したこと。課題点として、BRCの規格要求事項を入手し理解しなければならなかったが、英文であることから理解が難しかったこと。コーデックスHACCPを求められていたことからその理解に苦労したこと。工場内環境整備や従業員教育、訓練に時間がかかった。監査対応では取引先によっては二者対応を求められることもある。また、継続的なシステムの維持管理も求められている。日本発の食品安全スキームについては、ある方が良いと思う。まず日本語対応ができること、知識のある人からの教えを請いやすい。講習会も行われるだろう。また、このようなことに取り組むことによってレベルの向上を期待できる。ただ、国際的に求められるHACCPをどうフォローするかが課題である。
  • 株式会社三晃 宇恵氏:我が社は昭和39年果物の卸からスタートした。現在も前年売り上げ比120%と成長している。2010年に日本総菜協会の支援でHACCPの認定を取得した。このような取組はまだまだ早いとも思ったが、ちょうどHACCPの補助事業がり挑戦することにした。その当時では、危害要因分析もなく、それに応じた文書管理もまとまっていなかった。最初、どの期間で認証を受けるか迷ったが、日本総菜協会で「生サラダ」と「天盛り合わせ」の2品で取得した。HACCPの7原則から勉強し、社内に委員会を作り、セミナー(社内)には計12回行った。社員には習熟度小テストを課しながら専門家を招いて、組織を構築し意識と知識を高めていった。2010年のHACCP取得により生サラダの売上げが徐々に上昇していった。HACCP取得の課題点として、少量多品種の食材に応じたCCPを設定すること。CCPは必ずしも金属探知のところだけではないと考える。その点ではHACCP管理は通過点と認識すべきである。現在取引企業が71社あるが、各社1年に1度の工場監査があり、それぞれ独自のCCPがあって企業によって危機管理点が異なっている。3S、5Sの指摘で最終的に終わる企業もあるが、多面的なCCPの管理をすることが企業側の要求事項である。現在、CCP管理は、主にクレームへの予防措置として使われている。今後の取組みとしては、HACCPに基づいた品質管理を推し進めながら、総菜中心では平均単価が上がらず、そのため窒素封入した高付加価値商品に今後チャレンジしようとして考えている。取引先ニーズがますます多様化しており、それに対応した工場運営にしていかねばならない。
  • 公益社団法人日本炊飯協会 東脇氏:日本炊飯協会のHACCP認定の審査委員の立場からお話しする。1)当協会会員の炊飯量として昨年度の総生産量は177トン、売上高は567億円。商品群は白めし、酢めしなどで、消費期限は48時間の日配品である。2)1999年3月にHACCP指定認定機関としてスタートした。3)認定施設数は、正会員69社中66社83ライン。4)協会にHACCP審査委員会を設け6名委員、そのうち2名が監査業務を行っている。5)1年に1度監査を行っている。文書の管理他年々経時的に陳腐化するので、その防止のために1年に1度の監査は役に立っている。7)中小事業者を対象とした監査チェックリストをまとめた。人材が少ない中で、これまで文書管理や科学的根拠に基づく管理などやってこなかった業界なので、その体質を変えようとした。現在のやり方は、食品衛生法やJAS法、PRP、キッチンの衛生規範や弁当総菜の衛生規範、大量調理マニュアルと炊飯協会基準を加えて作成した「監査チェックリスト」を先に監査対象の会員に配布している。先に配布した監査チェックリストを元に監査時にチェックを行っている。8)評価は4段階で、問題なく実施されているAの次が、Bの一部改善を要するとして次回監査までの改善を要求する。早急な改善が必要なCの評価がつくと1年以内に報告することを要求している。法的に問題のあるD評価は即修正することを望み、再監査を行うか不合格にする。協会は監査を行うという高位からの目線ではなく、改善のために何度も監査を行うこともあるが、むしろ協会の役割はコンサルタントであると考えている。9)監査時間は場内巡視と帳票の確認合わせて4月5日時間。10)監査当日受領文書として、組織表、工場平面図、HACCPチーム編成表、プログラム内容変更履歴を提出してもらっている。これらの文書は監査毎に提出してもらっている。変更点についての指摘は多くある。11)監査で確認する治具や文書の中でも粉塵計、差圧計、風速計など導入してもらうのに時間がかかったが、今では理解をいただきスムーズに監査できている。12)監査当日の出席者として役員、管理監督者、担当者のそれぞれに必要に応じて立ち会ってもらっている。13)HEPAフィルターの導入には費用もかかるので抵抗もあったが、乳業メーカーの提案で清浄空間にするために導入してもらっている。これの逸脱は監査未了としている。14)炊飯HACCPのCCPについて、CCPの解釈によって意見はあるが、炊飯温度もCCPに入れて評価している。15)監査で注意喚起していることとして、協会会員の体質として経験値で仕事をしてしまっていたが、文書を作り、実行し、それを記録して保管する事を義務づけている。また、用語が人や部門で異なることがあるのでトップから末端まで統一してもらっている。電子ファイルについては弊害をよく認識し、手で記録する野帳を重視している。作業の実施時間は分単位で記録するよう注意している。掲示物には作成年月日を記入し、1年に1度更新すること。納入原材料からトレースができるようカルテを作るよう勧めている。現実には精米で5月6日種、加工品で100-200種あるが、トレースしきれていない。16)HACCP導入の成果としては、HACCP理解度や衛生レベルが協会企業全体で向上したこと。工場内の菌数が減少することによりこれまでより長い24時間、48時間もつ商品ができ、取引先にも保健所にも信頼が得られた。17)課題点として、企業内で短期間に人が異動したときの衛生管理のフォローアップが重要であること。また、HACCPは最終目標ではなく、商品力を向上させるコストパフォーマンスへの展開を期待したい。監査を行っている協会に向きがちな意識を自社の商品力アップのためにやっていることとして、自主性を醸成してもらいたい。
  • 湯川座長:ここまで説明いただいた四人の方に対して委員からの質問や意見をお願いしたい。
  • 内藤委員:味泉の長尾氏に対して質問。FSSC22000認証のデメリットとして複雑化、商品開発時の制限、費用の3点を挙げていたが、それらが解消すれば認証は普及すると思うか。また、日本発の認証制度でもそのデメリットは考慮すべきと思うか。
  • 長尾氏:300-400種類という多品種少量生産の場合、HACCPの仕組みをどう作るか、どう条件を定めるか、認証制度を導入する時には、そこがまずは難しい。
  • 内藤委員:商品開発の際にHACCPによる制限がでるということですね。良く分かりました。 
  • 奥村委員:二者監査ではご苦労されていると思うが、二者監査が役に立っているところはないか。
  • 長尾氏:FSSC22000認証の導入に踏み切れたのも二者監査で指摘され自社のPRPを改善して行ったからだと考えている。取引先に育ててもらったと考えている。
  • 吉江氏:二者監査の細かい項目をクリアすることによってレベルアップにつながっている。監査の都度緊張感を持って対応ができている。
  • 宇恵氏:取引先の監査は1社毎に監査項目が異なっている。指摘をいただくことは、品質上メリットと考えているが、監査が集中する月は書類作りに追われることもありメリットばかりではない。
  • 奥村委員:日本発のスキームができて、それを取得することになり、二者監査がなくなったらどうなると思うか。食品安全の取引は社内で継続的に実施される必要があるが、担当が変わることもあると思うが。
  • 長尾氏:基本的には我が社は、人が変わっても対応できるレベルをマニュアル化により維持できていると考えている。日本発のスキームを取得するかどうかは、その信頼性だと思う。我が社が認証を取得する理由は、二者監査を減らすためにやっているのではなく、自主的にクレームや事故を減らすためにやっていることである。
  • 吉江氏:二者監査が少なくなって、クレームが多発するとなると本末転倒である。システムでレベルを維持しており、二者監査がなくなったら逆に自分たちでもっと厳しく管理する必要があると思う。
  • 奥村委員:日本の現在の認証は国際的に通用しないと思うか。
  • 長尾氏:業界HACCPについても全く通用しないとは思わない。HACCPはハザード分析を行い、そこで顕在化したハザードに対する管理をまじめにやっていくだけである。業界HACCPには、そのシステムの中に業界独特の管理基準が盛り込まれていると理解している。
  • 吉江氏:コーデックスHACCPを取引先に求められることがあるので、国際化に関しては物足りない。
  • 上野委員: この検討会の目的の一つとして、日本の食品産業の輸出増加を目指すことにあるが、ひかり味噌は、既に輸出ビジネスを開始しており、第一のハードルをクリアしていると言える。今後更に輸出を増やすためには次にどうすべきであるとお考えか。
  • 吉江氏:我が社の輸出売り上げは現在着実に増えつつある。今後の障害は、海外で扱っていただける新しい取引先との巡り会い、また、海外の法律にどう対応すべきかが障害になる。自社ブランドで海外に出す場合、法律などの情報入手が大変だと思われる。
  • 上野委員:その他の企業の方は、今後海外への輸出を考えられておられるか。
  • 長尾氏:我が社は自社ブランド品がないので、取引先が海外展開された際、その輸出対応をしている。
  • 宇恵氏:アジア諸国からは、アセンブリー商品の問い合わせや供給依頼もあるが、現状の所は、輸出商品の対応は考えておらず、検証するまでには至っていない。
  • 原田委員:FSSC認証やBRC認証取得のための活動において、外からどんなサポートがあったか。一番役に立った事は何か。
  • 長尾氏:第二者監査でのご指導やお客様の工場で行っていることを教えてもらったこと。
  • 吉江氏:BRC認証取得については、要求事項の理解から始めた。まず日本で対応できる認証機関を探し、認証機関の方に要求事項の解釈等のサポートなど受けた。BRC認証取得について課題は多かったが、社内的にはトップダウンで社内一丸となって取得を目標として実施できた。
  • 伊藤委員:ISO9001、ISO22000、FSSC22000、BRCと認証を順に取得されているが、現在それらをずっと維持しているのか。コストの問題もあるかと思う。将来はどうするのか。
  • 長尾氏:我が社の八千代工場はISO9001とFSSC22000の両方を維持している。FSSCは食品安全に特化しているし、ISO9001を持つことによってより大局的に管理できる。費用は二つの認証でも一つの1.5倍程度であることから、現在は両方維持しようと考えている。
  • 吉江氏:ISO22000は返上した。BRCとISO9001は両方維持している。もし今後我が社にとってメリットのある認証があれば取組みを検討したい。コーシャやハラルも必要に応じて取得した。日本発の認証も海外の取引先目線で見たときどう判断できるのかがポイント。
  • 伊藤委員:BRCは英国の取引先の勧めで取得したと言うことだが、もし米国の取引先とつきあいがあり別の認証を勧められたら違った結果になったか。
  • 吉江氏:欧米で広く認知されている認証であった為、英国だけではなくEU、米国でも認められている。
  • 大澤委員:国際的な認証を取得したことのメリットとして取引先二者監査が免除されたことが挙げられていたが、回数が減ったのか、項目が減ったのか。定期的な監査の回数が減ったのか、新規取引の際の監査が無くなったのか。免除の理由はどこが評価されたからなのか教えていただきたい。
  • 長尾氏:ある二者監査では年に2回行い、1回目は工場、PRPに関する内容が中心の監査、2回目は品質管理を中心とした監査。GFSI FSSCスキームの取得によりPRPに関する1回目の監査が免除され、2回が1回になった。回数と項目が減ったと考えている。
  • 吉江氏:更新の都度認定証を提出することによって、取引先の監査が免除されている場合もある。ただ、認証を取得していてもさらに監査が行われる取引先もある。監査が2年に1度の頻度に減った事例もあった。
  • 湯川座長:日本発のスキームはマネジメントシステムに対する要求を含めることになると考えられる。HACCPにマネジメントシステムが加わった場合、企業にとって対応のハードルはどの程度の影響があるとお考えか。
  • 東脇氏:対応する事業者に対し、面倒を見ていくことが必要。マネジメントシステムとなると、経営者・役員の問題というところもある。そのあたりからの日頃の指導が必要。
  • 宇恵氏:カット野菜の場合、野菜の産地、物流からバックヤードまで管理しなければならない。このような中で責任の所在が分からなくなることがある。このあたりに対応していく必要がある。
  • 湯川座長:参考人の皆様ありがとうございました。休憩の後、委員の意見交換を行う。

【委員意見交換】

  • 湯川座長:前回議論になった検討会の目的、今後のあり方について意見を得たい。
  • 内藤委員:弊社ではマル総、ISO9001を取得していたが、米国の行政や団体にそれでは評価できないと言われたことがある。国際標準以外の認証では海外に販路を確保しようとしても評価されない現実がある。たとえばマル総は良い認証ではあるが、トップマネジメント、コーデックスHACCPのアレルギー項目、フードディフェンスなど足りない部分が出てきている。国際的に見ると時代は動き、必要な項目が増えてきた。国際動向を注視し、足りない部分を追加すれば、国際的にも認められるのではないだろうか。現在は、モノが自由に行き来する時代。日本の企業にとって輸出のハードルを下げることを目的に入れてほしい。
  • 川崎委員:企業の実状・実力に応じたステップアップ型の認証の仕組みを考えていくことには賛成。ただ、この仕組み作りにスピードが求められている中で、厚労省のHACCP導入型ガイドラインや業界HACCP等の他の認証スキームとの整合性について議論することが必要だが、この検討会でどこまで議論するかのコンセンサスが必要。また、日本発の国際標準の検討ポイントとしては、GFSIガイダンスを取り込んでいくことはその中の一つと考えられるが、他にもEU HACCP、ISOなどとの整合性等のポイントもあるので、検討の土俵は広く考える方がよい。また、国際的に通用する規格・認証スキームをつめていくに当たっては、日本標準としてやる意味が何なのか、国際標準とされている既存の規格とは何が違うのかを明確にすることが必要。イメージとして挙げられている「日本語であること」、「日本の現場に即した分かりやすいものである」ということが具体的に何なのか、またこの2点で良いのかどうかについて次回から議論を深めるべき。
  • 財前委員:FSSC認証に関して言うならば既に日本語訳がある。しかしわかりにくい。マル総も国際標準とは異なる。今検討しているスキームにマル総を持ってくるのは違和感がある。段階的な規格の内容として何が違うのかを考えた場合に、求める要求事項は同じだが、その要求度合いが違うということになるのではないか。
  • 奥村委員:取得しやすい日本発の認証スキームは必要である。日本では経験と勘に重きが置かれてきていて、文書管理が不得意である。わかりやすい日本語の国際的に同等性がある認証スキームを作ってもらいたい。ただ、それを普及させるには認証取得事業者を支援してくれる人が必要。
  • 原田委員:国際取引で使われている承認スキームと同等性があるものを作るということで、考え方が明確になったと思われる。現実的にはGFSIの承認を得るのが良いであろう。その場合、承認に向けた活動のスピード感が重要になる。また、今後HACCPの義務化が視野に入ってくることから、この動きとの関連性を整理するのがよい。
  • 大澤委員:日本には農産物、水産品などたくさんの品目がある。現場でも厚労省のマル総、EU HACCP認証、GAPなどいくつかのスキームがあるが、このような既存のスキームと連携をうまくとってもらわないといけない。なるべく、わかりやすいものを作っていくべき。
  • 伊勢委員:検討会の目的について。日本の中小事業者が国際的に評価されるためには、日本の独自性を入れていくのは難しいのではないか。また、段階的に取り組む場合、初期の段階のものに取り組むメリットは何なのかを明確にしないとスキームが広がらないと思う。
  • 事務局横田室長:まとめてコメントさせていただく。この検討会でどこまでやるのか、スピード感が必要、国際的状況の考慮、業界団体や自治体HACCPなどとの連携等の意見を伺った。まず、この検討会では、大まかな考え方や取り組む意義等を議論し、報告書として提示していく必要があると考えている。具体的な作業については、優先順位をつけて実施をしていく。また、日本の独自性、レベルの違いは項目の違いではなく要求度の違いではないか、という意見もいただいた。これらについては具体的に検討していかなければならない。日本の独自性は、一つは日本語で書かれていること、日本の習慣に則ったわかりやすいものであることだと思う。厚労省の基準や農水省のフード・コミュニケーション・プロジェクトなどで中小事業者にとってわかりやすい言葉とは何かを意識しながら取り組んできたものを活用するとともに、日本では、食品偽装や様々な事件の発生のたびに議論をしてきた実績があるので、このような日本のこれまでの議論も活用して、海外にも理解が得られるようなものを作っていくべきと考えている。
  • 内田課長:規格に関してはそれぞれイメージが異なっている。報告書が玉虫色になって読む人が違ったイメージを持つことになっても困るので、できるだけ同床異夢にならないよう読んだ人が誤解しないような報告書を目指したい。
  • 湯川座長:JASを担当している農林水産省消費安全局の島﨑室長と食品衛生を担当する厚労省の医薬食品局の大曽根課長補佐が同席しているので、コメントをいただきたい。
  • 島﨑室長:企業の方は、取引先から求められればどのような認証でも無理してでも取得するという感じになっている。しかし、私が今まで聞いているところによると多くの流通関係者等は、食品企業に総合衛生管理製造過程承認制度など既存の認証を求めないで、どちらかというと独自の基準で下請け工場などの監査をしている。それらの監査基準は独自色があって統一が困難と聞いているが、国内でこれらを統一することができれば、ジャパンの統一した基準作成がスムーズに展開される気がする。
  • 大曽根課長補佐:HACCPの普及や底上げの観点から、この検討会に参加させていただいている。厚生労働省としても昨年HACCPに関する検討会を開催して、コーデックスHACCPを取り入れられるよう、管理運営基準にHACCP導入型基準を設け、来年の4月までに、各自治体で条例に規定していただく予定。段階的なHACCP導入に取り組み、将来的にはHACCPの義務化ができればと考えている。まず導入の促進をしていくことが重要であり、今後、自治体の食品衛生監視員のスキルアップを行う予定としている。
  • 事務局横田室長:次回は7月8日 10時00分-12時30分、次々回は7月17日 14時00分-16時30分。

お問合せ先

食料産業局食品製造課食品企業行動室

代表:03-3502-8111(内線4162)
ダイヤルイン:03-6744-2397
FAX番号:03-6744-2369