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農林水産省

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17の目標と食品産業とのつながり:目標17に対する取組

SDGsのロゴ 17の目標と食品産業とのつながり

目標17 : 世界のすべての人がみんなで協力しあい、これらの目標を達成しよう
目標17のロゴ

   持続可能な開発アジェンダを成功へと導くためには、政府、民間セクター、市民社会の間のパートナーシップが必要です。人間と地球を中心に据えた原則や価値観、共有されているビジョンと目標に根差すこのような包摂的パートナーシップは、グローバル、地域、国内、地方の各レベルで必要とされています。

<注>
  • 上記の目標の訳は、どなたにでもわかりやすいよう、公益財団法人 日本ユニセフ協会の広報資料から引用しています。
  • 各企業の取組の多くは、SDGsの複数の目標に関連しています。

この目標をめぐる状況

【日本では】
   パリ協定成立を受けて、企業や自治体、NGOなど、国家政府以外の多様な主体(non-state actors)が気候変動対策の中で大きな役割を果たすようになってきています。日本でも、気候変動対策に積極的に取り組む企業や自治体、NGOなどの情報発信や意見交換を強化するため、ゆるやかなネットワークとして、「気候変動イニシアティブ(Japan Climate Initiative)」が立ち上がっています。(気候変動イニシアティブHPより)
   SDGsの実施に当たっては、地方自治体、民間セクター、NPO・NGOなど、多様なステークホルダーの連携を推進していくことが重要であり、広く全国の地方自治体や地域でSDGsに資する活動を行っているステークホルダーによる積極的な取り組みが期待されます。
   SDGsの17のゴール、169のターゲット、約230の指標を活用することにより、行政、民間事業者、市民等の異なるステークホルダー間で地方創生に向けた共通言語を持つことが可能となります。また、地方自治体のみならず、地域の多様なステークホルダーが当事者意識を持って地域づくりを進めていくことで、地方創生の課題解決を一層促進することが期待されます。(平成30年版環境白書より)
   
【世界では】
    SDGsの実施への支援は本格化していますが、大きなチャレンジが残されています。ODAの支出純額は、2018年は1490億ドルにとどまり、対前年2.7%減でした。後発開発途上国に対する二カ国ODAは対前年3%減となり、アフリカに対する支援は4%減少しました。
    先進国の人口の80%以上がインターネットへのアクセスを持つのに対し、開発途上国ではその割合は45%、後発開発途上国では20%と大きな格差があります(国連SDGsレポート2019より)

この目標と食品産業

   食品産業の多くが地域性の高い中小企業であり、地域社会に支えられて経営が成立しています。地方自治体や他企業、市民団体等と連携して行動することで、一社ではできない社会への貢献や地域での信頼獲得につながります。また、取り組みを通じて新しい取引先や事業パートナーの獲得、新たな事業の創出なども期待されます。

各社の取り組み

雪印メグミルク株式会社

   雪印メグミルクグループは、地方自治体(北海道)と協定を結び、酪農振興に貢献するとともに、「食」を中心とするさまざまな分野で地域に貢献しています。
   さらに、各地域の農協や指導機関と連携し、自給飼料の増産のための実証研究等を通じて持続可能な酪農生産をサポートしています。https://www.meg-snow.com/csr/[外部リンク]

企業の統合報告書から
「北海道包括連携協定」
   雪印メグミルク、雪印種苗(株)、(株)雪印パーラーは、北海道と包括連携協定を2007年に締結し、乳製品製造などで培った技術を活かして、ともに北海道の経済活性化に取り組んでいます。
(具体的な取組事項)
  1. 「酪農」の振興に関する事項
    • 「環境配慮型酪農」に関する技術支援
    • チーズ製造技術の普及支援など
  2. 「食」の安全・安心、産消協働に関する事項
    • クリーン農業に関する技術支援
    • 道産食品の安全
    • 安心に向けた取組の支援など
  3. 子育てや健康づくりに関する事項
    • 子育てに関する地域活動の支援
    • 食育や健康づくりに関する支援
    • スポーツの振興に関する支援など
  4. 北海道の魅力ある「観光」の振興に関する事項
    • 「花観光」に関する支援
    • 世界自然遺産
    • 北海道遺産に関する普及啓発
    • 雪印メグミルク「酪農と乳の歴史館」における北海道観光PRなど
  5. その他必要と認める事項
    • 環境に対する取組
    • 防災活動への支援
    • 北海道の広報活動への協力など
産消協同:地域の消費者と生産者が連携し、地元の資源や生産物を地元で消費・活用することにより、域内循環(人、もの、お金の流れ)を高めて地域経済の活性化を図る運動。

エスビー食品株式会社

   エスビー食品では、お客様視点に立った商品作りを行うために、社内外におけるモニター調査の活用や、お客様相談センターとの連携、取引先からの原料・資材の情報収集を行っています。さらに、機能性などの新たな価値創出のため、大学等との共同研究を実施しています。https://www.sbfoods.co.jp/company/sustainability/[外部リンク]

企業の社会・環境報告書から
「外部機関との連携」
   お客様への新たな価値創出のため、さまざまな企業・学術機関と共同研究を行っています。中央研究所では、香辛料の「機能性」、「栽培育種」、「分析・評価」をキーワードに外部との共同研究を推進しており、その研究成果の一例として、「パクチーがアレルギー症状を抑制する作用」があることを愛媛大学と共同で見出しました。この研究成果は特許出願するとともに学術発表を行っています。また、昨年より筑波大学と新たに共同研究を開始しており、香辛料の機能性に関する新たな科学的エビデンスの解明を目指しています。

一正蒲鉾株式会社

   一正蒲鉾では、バリューチェーン全体での価値創造を目指し、取引先とのコミュニケーションを密にとることで、適切な原材料調達の体制を構築しています。https://corporate.ichimasa.co.jp/sustainability/[外部リンク]

企業のCSR報告書から
「バリューチェーン全体で価値を創出する」
   一正グループは創業以来、社是「人生はやまびこである」の精神に則り、ステークホルダーの皆さまから信頼される誠実な企業であることを常に心がけ、全従業員に対して「行動規範」の徹底を図るとともにお取引先さまにもご協力いただけるようにコミュニケーションの強化を図っています。
   お取引先さまを対象に開催する衛生講習会では、昨今の経済のグローバル化やお客さまのニーズの多様化に伴い、「バリューチェーン全体」で取り組む法令遵守、環境保全、労働条件への配慮などに責任をもって取り組むことが、企業として求められているという認識を共有しています。
   食品表示法の義務化や食品関連事業者のHACCP義務化への対応、原料原産地表示制度への対応はお取引先さまだけではなく、さらに原材料を調達される仕入先さまも、販売先へ納入されるまでの物流も含めたパートナーシップによって法令遵守を徹底します。
   また、当社が取り組むサスティナブルな課題への取り組みも同様に「バリューチェーン全体」でアプローチする必要があると考え、お取引先さまにもSDGs・ESGといった観点からご理解・ご協力をいただいています。

UCCホールディングス株式会社

   UCCでは、コーヒーの生産国とともに、森林の保全やコーヒーの品質向上、希少品種の再生、労働環境の改善に取り組んでいます。https://www.ucc.co.jp/company/sustainability/action/vietnam/[外部リンク]

企業のホームページから
「UCC品質コンテストで『持続可能なコーヒー産業の発展』に貢献します」
   「UCC品質コンテスト」とは、特定の産地におけるコーヒー生産者らを対象にした、コーヒーの品質に関するコンペティションです。2001年にブラジルで初めて開催して以来、20年に亘り、世界6ヶ国で継続的に実施してきました。
   生産者は、UCC品質コンテストに自らが手掛けた最高品質のコーヒーを出品し、その順位を競います。生産者は、出品に向けて努力を重ねることで、品質が向上し収入が増え、生産意欲の向上に繋がります。コンテスト上位入賞者は、賞金・農具・買付金額にプレミアムが付くなど、生産国の事情に応じた副賞を得る事ができます。
   私たちは「UCC品質コンテスト」を通じて生産者と良好な関係を築くことで、上質なコーヒー生豆を安定的に調達することを目指しています。
   2021年には、UCC品質コンテストが20周年を迎えることを機に、これまでの味・香りなどの品質評価だけでなく、新たにサステナブル評価項目を設定し、SDGs視点を強化してリニューアルしました。 「UCC品質コンテスト
UCC品質コンテスト  
ベトナム表彰式集合写真
[令和3年7月30日更新]

石川の朝とれもんプロジェクト事務局

   「朝セリ」は石川中央魚市(株)と石川県漁業協同組合のパートナーシップにより実現しています。「その日に獲れたおいしさをその日のうちに」をコンセプトに、2008年の開始以来年々取扱高を増やし、地域経済を元気にする取り組みとしてさまざまな効果を挙げています。http://www.asatoremon.jp/sdgs/index.html[外部リンク]

企業のホームページから
「パートナーシップによって生まれた効果」
石川朝とれもん
  • 魚を仕入れる小売店・飲食店側の利便性がUP
   石川中央魚市株式会社と石川県漁業協同組合両者の休日を補完し合うことで、実質の年間休日(セリが行われない日)がほとんどなくなり、県内産の魚の仕入れが従来よりも容易になりました。
  • 新鮮な魚は、購買にも直結
   新鮮なうちに流通できることが評判を呼び、「朝セリ」の取扱高はこの取り組みが開始される前(産地市場で行われていた頃)と比較して、3~4倍の取扱高へ成長。高付加価値の魚は過度な価格低下の防止にもつながり、漁業従事者の収入安定にもつながっています。
  • すべての人にとって、市場をさらに身近なものに
   開始時間が早い通常のセリでは難しかったセリの見学も受け入れています。石川県や金沢市とも連携し、観光での訪問から社会科見学まで、年齢・国籍問わず様々な方に開かれた取り組みとなっています。
石川朝とれもん

三本珈琲株式会社

   三本珈琲はコーヒー製造時に発生する廃棄物を動物用床敷材として再利用することで、地域社会とのパートナーシップを広げる取り組みを続けています。https://www.mmc-coffee.co.jp/sdgs/activities_5/[外部リンク]

企業のホームページから
「副産物の活用でつなげるパートナーシップ」
   「彩りあふれる未来のために」をモットーに、三本珈琲は生産拠点地域の関係各所とのパートナーシップにより、様々な持続可能な取り組みを進めています。例えば、廃棄物問題。三本珈琲にとって廃棄物でも、異業種の方にとっては有用物であることが多々あります。
   その一つが、コーヒー製造の過程で発生するシルバースキンと呼ばれるコーヒーの薄皮の活用です。 コーヒー豆を焙煎すると、はらはらと剥がれ落ちるこのシルバースキンを集めると、ふわふわとしてとても気持ちいい上に、コーヒーとはちょっと違った香ばしい香りがします。これまでは廃棄していたこのシルバースキンの量は毎年数十トンにもなります。
   このもったいないを、地域のニーズに結び付けてなんとか活用できないかと模索を続け、動物園や牧場でシルバースキンを動物用床敷材として活用できるようになりました。
シルバースキンシルバースキン
金沢動物園の象写真提供:横浜市立金沢動物園
   シルバースキンは、その他にもバイオマス発電燃料や畑の肥料としての活用方法も検討中です。また、コーヒー粉や豆の残渣を消臭剤として使用するなど、捨てられるだけだった副産物を有効活用し世界を豊かにする方法を様々なパートナーシップにより探求しています 。
   三本珈琲ではこれからも地域社会とのパートナーシップを活かし、共に活動を広げ、世界中のみんなに笑顔が広がる取り組みを推進してまいります。
この取り組みは【12:つくる責任つかう責任】にも該当する取り組みです。
[令和4年2月28日公開]
以下のアイコンから各目標にリンクしています
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お問合せ先

大臣官房 新事業・食品産業部 企画グループ

代表:03-3502-8111(内線4139)
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