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始まった食品事業者の取組:サントリーホールディングス株式会社

sdgのロゴ 始まった食品事業者の取組

サントリーホールディングス株式会社
内貴研二さん

   サントリーホールディングス株式会社は、1899年にぶどう酒の製造販売を目的とした「鳥井商店」として開業し、その後、酒類・清涼飲料・健康食品等の事業を展開。近年は「水と生きる」ことを社会との約束として掲げ、「天然水の森」づくりや「水育」に力を入れています。
   この度、企業のCSR活動とSDGsの取組について、サントリーホールディングス株式会社のサステナビリティ推進部長、内貴研二さんにお話を伺いましたので、その内容を紹介いたします。

写真:コーポレートサステナビリティ推進本部
サンテナビリティ推進部長 内貴 研二さん
取材日:2019年1月9日(サントリーワールドヘッドクォーターズにて)

水と生きる
サントリーグループ

サントリーグループの約束「水と生きる」

   「水と生きる」は、サントリーグループがお客様はもちろんのこと、地域社会や自然環境と交わす約束の言葉です。地球にとって貴重な水を守り、水を育む環境を守るとともに、社会に潤いを与え続ける企業を目指し、新たな価値の創造に挑戦しています。

サントリー創業からの精神
創業からの精神
『やってみなはれ』

   日本ではまだ珍しかった「ぶどう酒」で創業して以来、ベンチャー精神を重視しており、従業員一人ひとりが水のように、自由に、柔軟に、常に果敢なチャレンジ精神を持つことで、現状に甘んじることなく、異分野・新しいことへの挑戦を続けています。

創業からの精神
『利益三分主義』

   サントリーグループの事業は、様々なステークホルダーのおかげで成り立っています。事業で得た利益は、「事業への再投資」にとどまらず、「お得意先・お取引先へのサービス」や「社会への貢献」にも役立てていこうという思いを表しています。

企業理念図

SDGsへの取組~企業理念を
大切にしながら、
その精神をSDGsで共通言語化

   サントリーグループはSDGsに基づいて活動しているというよりは、企業理念と企業哲学に即して事業を展開してきたことが、結果的にSDGsにつながったと考えています。特に、グループの使命である「人と自然と響き合う」や、志である「Growing for Good」、言わば“社会のための成長”が、利益と社会課題の解決の両立をめざすSDGsの考え方にマッチしているのではないでしょうか。
   また、サントリーグループは急速にグローバル化していますが、新たにグループ会社となった海外の企業にも、私たちの企業理念や経営哲学を理解してもらい「サントリアン」の一員となってもらうことが課題です。世界共通言語であるSDGsは、海外の企業にとっても理解しやすく、グループ全体で社会から寄せられるサントリーへの期待に応えることに役立っていると思います。

企業の向かうべき方向を
示すために重要課題を設定

  サントリーグループは、SDGsにおいて最も重要な課題として目標6:「水・衛生」を位置づけ、重要度の高い取組み目標として目標3:「健康・福祉」、目標12:「責任ある生産・消費」、目標13:「気候変動対策」を特定しています。
   この他の目標も、すべて企業にとっては当然取り組むべきことで、活動と紐付けすることは可能ですが、17の目標をすべて同じレベルで実施することはできません。サントリーというビジネスを評価していただく上で、これら4つの目標に関しては、社会から期待される以上の成果を発揮し、達成できるように力を入れて取り組んでいます。

重要課題マトリックス分析

100年先を見据えて

  一般的に、日本は水に対して不自由のない社会であると認識されていますが、個々の地域に目を向ければ様々な取水上の課題を抱えています。また、森林は、人による手入れがされないと荒れてしまい、涵養される水が減っていくことは明らかな事実です。私たちが100年先も今と同じ質と量の水を確保するためには、水源涵養はきわめて重要であり、事業活動の一環として実施しています。また、サントリーが使う水はサントリーだけのものではなく、流域で共有している資源であり、水の循環を知って、上流と下流の両方に対して企業として責任を持つ必要があります。
   このため、サントリーグループでは「水と生きる」ことを社会との約束として掲げ、2017年に「水理念」を制定しました。それまでも水の重要性については暗黙の了解がありましたが、グループ全体で共有するためには明文化する必要があり、英訳して海外のグループ会社にも徹底しています。

100年先のイメージ図

サントリー
「天然水の森」活動

   サントリー「天然水の森」活動は、水の持続可能性を守り続けるために、サントリーの自社工場で使用する地下水の水源エリアに「天然水の森」を設定し、水源涵養活動を行っています。現在では、全国14都府県20カ所、総面積9,000haの水源涵養エリアを保有し、2020年までに「工場で汲み上げる地下水の量」の2倍を森で育むという目標を掲げています。
   この考え方は海外のグループ企業にも広がっており、アメリカでウイスキー製造を行うメーカーズマーク蒸溜所では、蒸留所敷地内のスプリング・フェド湖の水を育む森を守るため、アメリカンホワイトオークの植樹などの水源保全活動に積極的に取組んでいます。

取組の紹介
サントリー天然水
   ミネラルウォーターはどれも同じではありません。「サントリー天然水」は、ミネラル分を人工的に添加したり、成分を加工したりしていない、自然本来のおいしさを生かした安全な水です。
   また、環境負荷低減を目指した容器を取り入れ、550mlのペットボトルで国産最軽量を実現するなど環境に配慮した容器包装を採用しています。

天然水の森

次世代環境教育「水育」

  2003年から始めた天然水の森づくりも、まだわずか15年の歴史しかありません。これから30年、50年、100年先に、誰が森を守ってくれるかを考えると、価値観を共有する次世代の担い手を育てていくことが非常に重要です。このため、2004年から独自プログラム「水育」を開始し、子供たちに自然のすばらしさや水と水を育む森の大切さに気づいてもらう活動を行っています。「森と水の学校」と「出張授業」の2つがその中心となる活動です。
   「森と水の学校」は、小学校3~6年生とその保護者を対象に、「サントリー天然水」のふるさと(白州、奥大山、阿蘇)で行う自然体験プログラムです。2004年に開校し、2018年までに約25,000名の親子が参加されています。
   「出張授業」は、小学校の教室で先生方と一緒に、映像や実験を通して、自分たちが未来に水を引き継ぐために何が出来るのかを考えます。2006年に開始し、2018年12月までに、約1,800校、約138,00名の児童の方に参加いただきました。

森と水の授業 出張授業

すべての社員が森へ

  サントリーグループが提唱する「自然との共生」の価値観を従業員一人ひとりが自ら体験し、理解することを目的に、サントリー「天然水の森」で森林整備体験研修を行っています。これまで、酒類・食品事業に携わる全社員が一度は森の手入れ作業を体験しており、今では毎年11月に、新入社員と中途採用社員が森で研修を行っています。本研修を実際に体験したことにより、グループの活動への理解が深まり、また自分たちの事業を改めて見直す機会となっています。

森林整備体験研修1 森林整備体験研修2

野鳥を守ることが
環境を守ること~愛鳥活動~

   天然水の森づくりの前身となっているのが、サントリーの「愛鳥活動」です。経済成長による負の影響が出始めた時代、野鳥に与える影響が明日の人間に起こる事柄と捉え、意見交換という形で新聞に愛鳥活動の広告を行ったことがこの活動の始まりです。
   良質なウイスキーを作るためには、清らかな良質な水に加え、熟成樽を取り囲む綺麗な自然の空気がとても重要です。健全な環境を作るために、水質汚染、大気汚染について企業として危機感を持ち、社会全体が自然環境を守っていくという意識を持ってもらうという思いで、「自然環境のバロメーター」として野鳥に注目し、野鳥が身近に生息するような環境こそが人間にとっても暮らしやすい環境であることと社会に啓発してきました。現在は、野鳥保護活動自体は保護団体に対する助成を通じて実施し、企業としては自然環境そのものをグループ全体で責任を持って保全するという形に進化しています。

愛鳥活動

世界で活躍する企業へ

   サントリーグループは、グローバル企業として世界に進出し、スピリッツ(蒸溜酒)事業において、世界第3位のプレミアムスピリッツメーカーです。飲料ビジネスでは、世界トップ10社の中に入る企業です。
   その一方で、日本国内と海外では、サントリーグループの置かれている状況は大きく違います。国内では、環境への取組が高く評価されていますが、海外では、サントリーというブランドはまだまだ認知されていません。海外からどのように評価されるかという観点からESGに関する情報発信を重視しており、SDGsという世界共通の言語を使用することで、サントリーグループの取組をグローバルに展開していきます。

サントリーホールディングス株式会社の皆様、
インタビューのご協⼒
ありがとうございました

お問合せ先

食料産業局企画課

代表:03-3502-8111(内線4136)
ダイヤルイン:03-3502-5742
FAX番号:03-3508-2417