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農林水産省

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平成29年度リスク管理検討会(第1回)議事概要

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日時

平成30年2月14日(水曜日)13時30分~17時00分

場所

中央合同庁舎4号館 共用会議室1219-1221号室

出席者

メンバー(敬称略):上原健一郎、小倉寿子、鬼武一夫、川崎一平、児玉泰徳、手塚義博、室谷元
農林水産省関係者 


  • 食品安全に関するリスク管理の今後の方向性を、汚染実態の把握から、生産者や事業者と連携した安全性を向上させる措置の策定・普及に重点を移すことについて、メンバーの賛同を得た。
  • 鶏肉の喫食によるカンピロバクター食中毒の低減に向け、今後、関係者と連携した生産衛生管理ハンドブックの効果検証・普及や、食中毒予防につながる情報発信の強化を図ることについて、メンバーと意見交換した。
  • 平成30年度食品の安全性に関する有害化学物質及び有害微生物のサーベイランス・モニタリング年次計画案について、メンバーの賛同を得た。

各議事の概要

(1) リスク管理の現状と今後の方向(議事2)

  • リスク管理の再構築の方向性について、メンバー全員の賛同を得た。
  • 農林水産省がこれまでの調査結果をもとに暴露量を推定したり、基準値案を厚生労働省に提案したりしていることや、コーデックス委員会が策定したしょうゆ中の3-MCPDやコメ中のヒ素の低減のための実施規範は、消費・安全局が提供した情報をもとに作られたことを説明。
  • 今後、新たなハザードについて調査を始めるだけでなく、調査の結果、安全と言える場合は調査の頻度を下げて、調査の濃淡をつけることを説明。ただし、調査の頻度を下げた場合であっても、著しい濃度増加が見られた場合には、再度、リスク管理の優先度を上げ、対策が必要かどうかを検討することを説明。
  • 食品衛生法や教育に関すること等についてのコメントは、関係省庁に伝える旨回答。

【リスクコミュニケーションに関するコメント( ○ )と回答(→)】

  • 行政(リスク管理機関)同士のコミュニケーションをとってほしい。
    →  普段より関係機関同士の情報共有は行っている。本検討会でいただいた御意見についても関係省庁に伝える。
    →  本来のリスクコミュニケーションは、事業者、消費者等の全ての関係者と食品の安全性を向上させる措置の検討や実施について、情報や意見の交換を行うこと。しかし、リスクコミュニケーションとは、行政からの一方的な「施策の説明会」であるとの誤解が広まっている。消費・安全局は、本検討会の機会も通じて本来のリスクコミュニケーションを実施する。
  • 間違った情報が出たときに、行政からもタイムリーに情報発信してほしい。
    →  間違った情報が出たときに限らず、SNS等を活用し、食品安全に関する情報をタイムリーに発信している。
  • 食品安全は、小学校の低学年から教育する必要。

【リスクプロファイルに関するコメント( ○ )と回答(→)】

  • 食品事業者もハザードをどう扱えば良いかを考えるのにリスクプロファイルの情報を活用。
    →  リスクプロファイルを活用していただき感謝。さらに活用してもらえるよう新たなリスクプロファイルの作成や内容の更新、見直しを進める。

(2)平成29年度の実施状況(議事3)

1.  農産物中のカドミウムの実態調査結果とコメのカドミウム低減指針

【主なコメント( ○ )と回答(→)】

  • 低吸収性品種の普及に期待。
    →  引き続き、都道府県で育成する品種への低吸収性の導入を進める。
  • 低吸収性品種を産地に導入したことによる風評被害が心配。
    →  都道府県等の関係者と意見交換し、地道に普及を進める。

2.  サーベイランス・モニタリング年次計画の実施状況

【主なコメント】

  • 現場は、ノロウイルスの感染力試験法を待っている。当該試験法の妥当性確認の早期終了を望む。
  • カキの生産環境中のノロウイルスをコントロールするのは困難。出荷前検査の結果が陰性のカキは、生食用として扱われるが、実際はノロウイルスが残存。ノロウイルスの食中毒発症量は少ない。ウイルスをなくすような方法の開発を望む。

(3)平成30年度の実施方針(議事4)

1.  鶏肉によるカンピロバクター食中毒の低減

【主なコメント( ○ )と回答(→)】

  • 鶏肉の生食については消費者への注意喚起に加え、飲食店で生の鶏肉が提供されないよう規制する必要があるのではないか。
    →  飲食店での規制についての指摘は厚生労働省に伝える。国民の健康保護のため、農場段階での汚染低減対策の普及と、消費者への注意喚起を農林水産省がやっている。
  • カンピロバクター陰性の鶏群に由来する鶏肉が、食鳥処理段階で交差汚染される可能性を考えると、食鳥処理段階での汚染低減対策に重点を置く必要があるのではないか。
    →  交差汚染を防ぐには、食鳥処理施設の洗浄・消毒とともに、カンピロバクター陽性の鶏群の搬入を減らし、同菌の施設への持込みを防ぐことも有効。そのため、農場段階での汚染低減対策も重要。食鳥処理段階での汚染低減対策の重要性については、厚生労働省に伝える。
  • 生産現場の最前線にハンドブックが十分に普及されているか確認してはどうか。
    →  ハンドブックの効果を検証し、必要に応じて見直すため、これまでに汚染実態調査及び衛生管理の実施状況を調査。今後、個々の対策の実施条件に関する詳細情報も把握していく必要があると判断し、すでに食鳥産業の関係者との相談を始めている。

2.  サーベイランス・モニタリング年次計画

  • 年次計画案についておおむね賛同を得た。
  • これまで食経験がない食品や摂取量・頻度が増加した食品に含まれるハザードについて、健康被害の未然防止の観点から、健康への悪影響が無視できない可能性がある場合には、消費者への注意喚起だけでなく、製造事業者を指導していることを紹介。

【化学物質に関するコメント( ○ )と回答(→)】

  • (養殖水産動物用飼料中のカドミウム)具体的にどのような調査か。
    →  養殖水産動物用飼料は、近年の魚粉価格の高騰により、様々な代替原料が利用されていると考えられるため、市場に流通している養殖水産動物用飼料のカドミウム含有実態を調査する。
  • (飼料中のダイオキシン類)生エサの利用が減少する中、飼料用の魚油、魚粉の調査は重要。魚種の選定やサンプリング方法によって結果が異なると考えられるため、調査計画をしっかりと検討すべき。
    →  ダイオキシン類は、排出源対策が機能しており、厚生労働省のトータルダイエットスタディの結果は、摂取量が低減されてきたことを示している。一方、海底を清掃することは不可能なので、蓄積したダイオキシン類を取り込む可能性のある魚種等については、調査を継続する必要。

【微生物に関するコメント】

  • ノロウイルスの感染力試験法について、第三者が特許を取得し、利用時に特許料が必要となる事態を防ぐため、本法が公知の事実として認識されるよう適切に公表してほしい。

(4)その他

  • 現場がHACCP制度化に対応できるようにするためには、手引書の配布に加えて、現場の指導も合わせて考える必要。
  • 事業者がHACCP制度化に円滑に対応できるかどうか不安。

お問合せ先

消費・安全局食品安全政策課

担当者:リスク管理企画班
代表:03-3502-8111(内線4459)
ダイヤルイン:03-3502-7674