このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

1 栄養バランスに配慮した食生活の実態


農林水産省が実施した「食育に関する意識調査」において、「ふだんの食生活で特に力を入れたい食育の内容」について尋ねたところ、「栄養バランスのとれた食生活を実践したい」と回答した人の割合が56.9%と最も高く、次いで「食品の安全性について理解したい」(46.5%)、「規則正しい食生活を実践したい」(39.4%)、「健康に留意した食生活を実践したい」(38.8%)との回答が上位を占めています(図表1-1-1)。

栄養バランスに配慮した食事の目安でもある「主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上ほぼ毎日食べている」人の割合は、男性53.0%、女性64.9%であり、特にここ2年の推移をみると、男女ともにその割合はやや低下傾向にあります(図表1-1-2)。

また、主食・主菜・副菜のうち、組み合わせて食べられないものを尋ねたところ、男女ともに「副菜」と回答した人の割合が最も高く、その割合は7割を超えています(図表1-1-3)。

栄養バランスに配慮した食事を増やすために必要なこととして、「時間があること」(51.1%)や「手間がかからないこと」(48.1%)が上位に挙げられています(図表1-1-4)。

コラム:「食事バランスガイド」に沿った食事の人ほど長寿

食事バランスガイド

日本は平成25(2013)年の健康寿命(*1)が男女ともに世界第1位である長寿国であり、その理由の一つとして食生活が挙げられます。

「食事バランスガイド」(*2)等に沿って、食生活を見直すことで健康寿命の更なる延伸が期待されます。

 

「食事バランスガイド」に沿った食生活と長寿との関係を調べるため、多目的コホート研究(JPHC study)(主任研究者:津金昌一郎)では、平成7(1995)年と平成10(1998)年に45~75歳であった全国の11保健所管内在住の健康な一般住民7万9594人(男性3万6624人、女性4万2970人)を対象に、アンケート調査を実施しました。「食事バランスガイド」の遵守の程度を評価するため、主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物、総エネルギー、菓子・嗜好飲料由来のエネルギーの摂取量を算出し、性・年齢・身体活動量に応じた「食事バランスガイド」の料理とエネルギーの摂取の目安量に基づき、それぞれ遵守度を10点満点で評価しました。その合計得点を「食事バランスガイド」遵守得点(0-70点)として、約15年間の追跡における死亡との関連を検討しました。

コラム 図表1 「食事バランスガイド」遵守と死亡との関連の結果

その結果、図表1に示すとおり、「食事バランスガイド」遵守得点が最も高いグループ(最も「食事バランスガイド」に沿った食生活のグループ)は、得点が最も低いグループ(最も「食事バランスガイド」に沿っていない食生活のグループ)に比べて総死亡のリスクが15%下がっていました(ハザード比0.85;95%信頼区間0.79-0.91)。また、死因別にみると、心疾患や脳卒中等を含む循環器疾患による死亡のリスクは、「食事バランスガイド」遵守得点が最も高いグループは、得点が最も低いグループに比べて16%下がっていました(ハザード比0.84;95%信頼区間0.73-0.96)。なかでも、脳卒中を中心とした脳血管疾患による死亡のリスクは、22%低くなっていました(ハザード比0.78;95%信頼区間0.63-0.97)。また、循環器疾患による死亡リスクは、副菜及び果物の摂取量が多い人ほど低くなっていました。

 

この結果から、「食事バランスガイド」に沿った食事の人ほど、総死亡、循環器疾患による死亡、特に脳血管疾患による死亡のリスクが低いことが分かりました。不足しがちな野菜や果物を積極的に摂取し、「食事バランスガイド」に沿った食事をすることが長寿につながるといえます。

*1 健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のこと。

*2 「食事バランスガイド」は、1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいか考える際に参考になるよう、「主食」「副菜」「主菜」「牛乳・乳製品」「果物」の望ましい組み合わせとおおよその量(目安)を料理の数で示したもの。(平成17(2005)年 厚生労働省・農林水産省決定)



ご意見・ご感想について

農林水産省では、皆さまにとってより一層わかりやすい白書の作成を目指しています。

白書をお読みいただいた皆さまのご意見・ご感想をお聞かせください。

送信フォームはこちら

お問合せ先

消費・安全局
消費者行政・食育課

担当者:食育計画班
代表:03-3502-8111(内線4576)
ダイヤルイン:03-6744-1971
FAX番号:03-6744-1974