近年、がん、心臓病、脳卒中、糖尿病等の生活習慣病の増加が国民の大きな健康問題となってきています。これらの疾病は、食事、運動、休養などの生活習慣と密接な関連にあることから、健康的な食生活の実践など、生活習慣を見直すことを通じ、疾病の発症そのものを予防する「一次予防」の推進が重要となっています。栄養素、食物等の摂取状況からみると、エネルギー及び各種栄養素摂取の過剰や偏りによる肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧症等の増加が問題となる一方、循環器疾患やがん等の予防に効果的に働くと考えられているビタミン、ミネラル、食物繊維などについては、その摂取量が低い状況にあります。
また、若年成人を中心に朝食欠食等の食行動上の問題点がみられ、それらは子どもの頃から習慣化しているものもあります。子ども一人だけで食事をするいわゆる「孤食」の増加や、若い女性層には極端なやせ志向もみられます。
さらに、食生活のあり方は食料自給率にも大きな影響を与えます。我が国の食料自給率(カロリーベース)は、40%で主要先進国の中で最低の水準にあります。また、我が国の食生活が飽食とも言われるほど豊かなものになってきている一方、世界では約10億人が栄養不足の状態にあり、食べ残しや食品の廃棄が増大し、食料資源の浪費や環境への負荷が問題になっています。
食生活は、身体的な健康という観点からは、栄養状態を適正に保つために必要な栄養素等を摂取することが求められ、その一方で社会的、文化的営みであり、人々の生活の質(QOL)との関連が深いものです。
これらの諸問題を解決するためには、国民一人一人が主体的に毎日の食生活の見直しに取り組むことが必要であり、また関係機関等がその方向を共有しつつ、食生活の見直しを支援する環境づくりを進める必要があります。
こうした状況を踏まえ、平成12年3月に文部省、厚生省及び農林水産省は連携して、10項目からなる「食生活指針」を策定しました。
本指針は、「第6次改定日本人の栄養所要量-食事摂取基準-」の数値を実践できる指針となるよう文章表現するとともに、「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」の「栄養・食生活」分野で設定された目標や、「食料・農業・農村基本計画」における食料自給率目標を踏まえ、これらを達成していく取組の一環として策定したものです。
ここでは、策定当時(平成12年3月)からの状況の変化を踏まえ、根拠となる情報(「日本人の食事摂取基準(2010年版)」、「国民健康・栄養調査」、「学校保健統計調査」及び「食品ロス統計調査」)をもとに、一部の数値及び情報の見直しを行いました。









