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農林水産省

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議事録

1.開会

2.挨拶

3.基調講演

4.取組事例発表

5.パネルディスカッション、意見交換会

6.閉会

 

議事録(印刷用)(PDF:354KB)


議事

1.開会 

司会(消費者庁・大浦)

お待たせいたしました。ただいまから「食品に関するリスクコミュニケーション 平成27年度食の安心安全セミナー 食品中の放射性物質に対する現状と取組について」を開催いたします。

本日は、御参加いただき、ありがとうございます。

私は、司会を務めます消費者庁消費者安全課の大浦と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

消費者庁では、食品安全基本法のもと、さまざまなテーマ、スタイルでリスクコミュニケーションに取り組み、消費者への正確な情報発信に努めております。平成23年に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、食品安全にかかわる関係府省や地方自治体と連携し、全国各地で食品中の放射性物質に関するリスクコミュニケーションに取り組んでまいりました。

本日は、こうした取り組みの一環として、関係府省、宮城県と連携し、食品中の放射性物質をテーマとした意見交換会を開催いたします。2時間45分という限られた時間ですけれども、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは初めに、本日の配付資料を確認いたします。皆様、封筒の中を御確認ください。

議事次第とアンケート、それから、スライドを印刷したものが4種類、資料1から資料4までございます。さらに、冊子として紫の表紙のものと緑の表紙のもの、「食品と放射能Q&A」が入っているかと思います。足りない資料がございましたら、お手をお挙げください。

足りない方がいらっしゃいますので、スタッフの方、御対応をお願いいたします。ほかには大丈夫でしょうか。途中で資料の不足に気づかれた方、資料をもう一部欲しいという方は休憩時間にスタッフにお声がけください。余分がある分をお持ちいたします。

本日のプログラムは、次第に沿って進めてまいります。御確認をお願いいたします。

初めに、基調講演として、福島大学うつくしまふくしま未来支援センター、大瀬健嗣先生から御講演いただきます。

次に、取組事例の発表を行います。初めに、JA仙台椎茸生産組合 熊谷幸夫様から御発表いただきます。次に、石巻魚市場株式会社 志摩喜代一様から御発表いただきます。最後に、宮城県環境生活部食と暮らしの安全推進課 金野由之が発表いたします。

10分間の休憩の後、パネルディスカッション、会場との意見交換に移ります。

本会は16時15分を終了予定としております。円滑な議事進行に御協力をお願いいたします。

本日は、広く情報提供する目的から、説明内容と質疑応答の様子を議事録にまとめ、後日、関係省庁のホームページで公表いたします。皆様との意見交換の中で、議事録に御所属、お名前を掲載することに不都合がおありの方は、発言時にその旨をお申し出ください。

冒頭のカメラ撮影はここまでといたします。写真及び動画の撮影はここで終了をお願いいたします。

なお、主催者による撮影は継続させていただきますので、御了解をお願いいたします。

 

(報道関係者退室)

 

司会(消費者庁・大浦)

それでは、会の初めに、主催者を代表しまして、宮城県環境生活部食と暮らしの安全推進課課長 金野由之から御挨拶いたします。

 

 

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2.挨拶 

金野(宮城県)

皆さん、こんにちは。宮城県の食と暮らしの安全推進課長をしております金野と申します。

食の安心安全セミナー開会に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。

まず、本日お集まりの皆様方には、食の安心安全行政の推進に御理解、御協力いただいておりますことに深く感謝を申し上げます。

それから、本日のセミナーに県外からも参加されている方がいらっしゃいます。このように多数の方にお集まりいただきまして、心から感謝を申し上げます。

宮城県では、安全で安心できる食の実現を目指しまして、消費者の方と生産者、事業者、県が連携、協働いたしまして、取り組み、事業を進めております。「みやぎ食の安全安心県民総参加運動」という事業なのですけれども、本日のセミナーもこの事業の一環として行うものでございます。今回は、消費者庁、そのほかに国の関係府省と共催でこのセミナーを開催いたします。

皆様も御承知のとおりですが、福島第一原発事故発生から丸5年が経過しようとしております。発生当初から比べますと、食品の基準が超過するというような事例は本当に少なくなっております。ただ、出荷制限のかかっている品目がまだあるということもございまして、都市部を中心にして食品中の放射性物質について不安を持たれている方もいらっしゃいます。

そこで、司会の方とダブってしまうのですけれども、まず初めに福島大学の大瀬先生のほうから「放射線の基礎知識と食品中の放射能」について基調講演をいただきます。

その後、JA仙台椎茸生産組合の熊谷組合長様と石巻魚市場株式会社の志摩専務取締役様から、それぞれの現場の取り組み事例につきまして御発表いただきます。その後、県のほうから食品の放射性物質の検査状況について御説明をさせていただきたいと考えております。

その後、休憩を挟みまして、第2部になるのですけれども、消費者代表の方と関係省庁の担当者の方を加えてパネルディスカッションをしたいと考えております。また、フロアの皆様方との意見交換という時間も設けております。

長時間にわたるセミナーになりますけれども、セミナーに参加していただいて、食の安心安全なり、食品中の放射性物質なりについて考えていただく機会になって、いろいろな知識や理解を深めていただくような一助となることを御期待申し上げます。

簡単ではございますけれども、開会の挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

司会(消費者庁・大浦)

それでは、基調講演に入ります。

「放射線の基礎知識と食品中の放射能」と題しまして、福島大学うつくしまふくしま未来支援センター 農・環境復興支援部門 放射能汚染対策担当特任准教授 大瀬健嗣先生に御講演いただきます。

大瀬先生の御略歴を御紹介します。

先生は、弘前大学理学部御卒業後、筑波大学大学院にて学位を取得され、筑波大学産学官連携研究員、独立行政法人農業環境技術研究所特別研究員を経て、平成24年4月より現職でいらっしゃいます。土壌環境化学と環境放射能を専門とし、現在は主に放射性セシウムの環境動態や農作物への吸収移行について研究されていらっしゃいます。

それでは、大瀬先生、よろしくお願いします。

 

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3.基調講演 

放射線の基礎知識と食品中の放射能

大瀬 健嗣 氏(福島大学うつくしまふくしま未来支援センター 農・環境復興支援部門放射能汚染対策担当 特任准教授 博士(農学))

〔スライド1〕

皆さん、こんにちは。ただいま御紹介いただきました福島大学うつくしまふくしま未来支援センターの大瀬と申します。

私は、もともと、環境中での人が出したいろんな化学物質の動態、生態系への影響、そういったものの研究をしていたのですが、たまたま震災の数年前から、農業環境中における放射性セシウムの動きや作物への移行などの研究をやっておりまして、その関係もありまして、私の所属している「うつくしまふくしま未来支援センター」というものが福島大学にできたときに呼ばれて、それから主に福島県内を中心に農家さんあるいは漁業者さんの支援、一般の方の放射線に対する不安の払拭、そういった仕事をさせていただいております。

〔スライド2〕

今日は、非常に基本的な、そもそも放射線とは何なのかといったようなお話から始めさせていただいて、人への影響、食品中の放射能が今どういう状況なのか、そういったことをお話しさせていただきたいと思います。〔スライド3〕

まず、放射線とはそもそも何なのかということなのですが、放射線は大きく2種類ありまして、1つは波長が短い電磁波、もう1つは高速で動く粒子というものです。

電磁波というのは、波長の長いものから電波、赤外線、それよりも波長の短いものが目で見える可視光線となりまして、目で見える可視光線よりも波長が短いのが紫外線、それよりさらに波長が短いのがエックス線あるいはガンマ線と呼ばれる放射線になります。

エックス線とガンマ線というのは発生方法の違いで区別していまして、基本的には同じものです。どう違うかというと機械的に発生させるものがエックス線で、そうではなくて放射性核種の原子核の中から出てくるのがガンマ線ということになります。

それから、高速で動く粒子として代表的なものとしてはアルファ線、ベータ線、中性子線といったようなものがあります。

放射線は大きなエネルギーを持っていて、高速で移動しますけれども、熱や光のように人が体で感じることができないという特徴があります。

〔スライド4〕

放射線は種類によって物を通り抜ける力が全然違います。

アルファ線は比較的大きな粒子状の放射線なのですが、これは物を通り抜ける力が非常に弱くて、紙1枚でとめることができます。ですから、通常、外部からアルファ線を浴びても服や皮膚の表面でとまってしまうので、ほとんど人体には影響ありません。

ベータ線は、もう少し物を通り抜ける力が強くて、紙ぐらいだと通り抜けるのですけれども、これは金属を通り抜けることができないので、アルミ箔のような薄い金属でとめることができます。

これに対して、ガンマ線は物を通り抜ける力が非常に強くて、紙や薄い金属なら通り抜けてしまう。厚い鉛や厚いコンクリートのようなもので遮蔽してやらないととめることができないということになります。

ただ、放射線というのは空気中では遠くまで届かないという性質があります。ガンマ線の場合ですと、発生源からの距離が2倍になるとその放射線の強さは4分の1に減るという性質があります。

〔スライド5〕

放射線を出す物質を放射性核種と言うわけですが、セシウムを例にとって説明したいと思います。天然にもセシウムは存在します。ただ、それはセシウム133と呼ばれるもので、放射線を出さない安定核種と呼ばれるものです。

これに対して、今、原発事故で問題になっているセシウムというのは、セシウム134とセシウム137というものです。これは、いずれ放射線を出して別な核種に変わるもので、放射性核種といいます。

セシウム133、セシウム134、セシウム137は何かというと、ちょっと専門的な話になりますけれども、物をつくっている最小の単位が原子ですが、その中に原子核というものがあります。この原子核というのは、陽子という粒子と中性子という粒子からできていますが、陽子の数と中性子の数を足したものがその原子の重さをあらわす数になります。

セシウム133は、陽子が55個で中性子が78個、これを足すと133になります。セシウム134とか137というのは、陽子の数は同じ55個なのですけれども、中性子の数が違って、それを足してそれぞれ134、137ということになります。

〔スライド6〕

セシウムの場合ですと、134、137とも、いずれベータ線とガンマ線という2種類の放射線を出してバリウムというものに変わります。

放射性物質、放射性核種が放射線を出して別なものに変わることを壊変といいます。一つの原子核がいつ壊変するかというのはわかりません。目の前に1個セシウムがあったとして、10分後に放射線を出すかもしれないし、10年後に出すかもしれない。それはわからないのですけれども、たくさん集めると平均的にどのぐらいで壊変するのかというのはわかって、それを半減期という形であらわします。

〔スライド7〕

具体的に言うと、半減期というのは、もともとこれだけあったのが、半減期が1回過ぎると半分、また1回過ぎるとその半分、さらに半分、半分と減っていくということになります。

原発事故で当初一番問題になったのはヨウ素131でした。ところが、これは半減期が8日と短かったので、震災から数カ月で環境中からは検出されなくなりました。

問題になっているセシウム134は半減期が2年です。今、震災から5年目を迎えようとしていますので、半減期が2回とその半分過ぎたということで、4分の1以下、5分の1とか、そのぐらいまで減ってきているということになります。

それに対してセシウム137は半減期が30年ですので、これが半減期でなくなっていくにはまだまだ時間がかかるということになります。

〔スライド8〕

次に、放射線と放射能について説明します。たき火に例えるとわかりやすいので、たき火に例えると放射能は何かというと、たき火にくべるまきの量です。放射線は、それが燃えたときに出る熱です。

それぞれベクレルとシーベルトという単位であらわされますが、ベクレルとシーベルトについてもうちょっと詳しく説明します。

〔スライド9〕

まず、放射能の単位であるベクレルですが、これは放射線を出す能力をあらわす単位です。出す側の単位ということになります。具体的に言うと、1秒間に1回放射線が出るのが1ベクレルということになります。100ベクレルといったときは1秒間に100回放射線が出るということです。

放射線の単位であるシーベルトは、人体が受け取る放射線の量をあらわす単位です。こっちは受け取り側の単位です。ここで「人体が」と書いてあるのは、人体ではなくて物あるいは動物とかが放射線を受ける場合はグレイという単位を使います。これは純粋に物理的エネルギーの単位です。

では、グレイとシーベルトは何が違うかというと、先ほど放射線にはいろんな種類があると言いましたが、その種類によって人への影響も違ってきます。外から浴びる外部被ばく、あるいは体内に取り込んで中から浴びる内部被ばくかどうかによっても変わってきますので、その影響が等しいものとして計算されたのがシーベルトという単位になります。

基本的には、シーベルトが同じであれば、内部被ばくであろうが外部被ばくであろうが、あるいは自然放射線であろうが人工放射線であろうが、体への影響は同じであると考えます。

〔スライド10〕

ただ、シーベルトという単位は非常に強い放射線をあらわす単位ですので、通常はシーベルトの1000分の1xであるミリシーベルト、あるいはそのさらに1000分の1であるマイクロシーベルトという単位を使います。

そのまま使う場合は積算線量といって、ある一定の期間、例えば何らかの放射線を使う作業をしている間、あるいは人が生まれてから死ぬまで、そういう期間に浴びた線量の合計値としてミリシーベルトやマイクロシーベルトを使います。

環境中の放射線量をあらわす場合は空間線量率で、福島県ですと各地の放射線量といって夕方のニュースで必ずやりますけれども、その場所の放射線の強さをあらわすのですが、単位はマイクロシーベルト/時という単位を使います。そこに1時間いたときにどれだけ浴びるかということです。

それから、この後の話にも出てきますが、年間被ばく線量、文字どおり、人が1年間にどれだけ浴びたかということですが、これはミリシーベルト/年という単位を使います。

〔スライド11〕

先ほども話しましたが、人体への被ばく経路としては大きく外部被ばくと内部被ばくがあります。今日は食品の話なので、内部被ばくというと、皆さんまず食品を思い浮かべると思います。ただ、それとは別に、呼吸による内部被ばくというのもあって、これは自然の放射線では結構ばかにならない量になってきます。

〔スライド12〕

通常、人がどのぐらい放射線を浴びているのかというところを少し話していきます。まず、これは人の体の中の放射性物質の量を示しています。体重60kgの平均的な日本人の場合ですが、どのぐらい体の中に放射性核種があるかというと、まずカリウム40が4,000ベクレル/kgぐらいあります。それから、炭素14が2,500ベクレル/kgあります。ほかにもルビジウム、鉛、ビスマス、いろんな放射性核種が体の中には入っていて、平均すると合計でおよそ7,000ベクレル/kgぐらいあると言われています。

先ほど1秒に1回放射線が出るのが1ベクレルと言いました。つまり、人の体の中では1秒間に7,000回放射線が出ているということになります。何でそんなに多いのか、一番多いカリウムについてお話ししますと、カリウムというのは人にとっても動植物にとっても必須の元素です。これが欠乏するといろんな障害が出てきます。あるいは植物にとっても必須で、肥料の主成分の一つですが、その中には必ずカリウム40が0.01%含まれています。どこのカリウムをとっても含まれています。人の体の中にもカリウムがたくさんありますので、その0.01%がカリウム40ということになります。

〔スライド13〕

カリウム40が食品中にどのぐらいあるかというと、当然カリウムが多いと言われている食品にはたくさん入っていて、ホウレンソウだと200ベクレル/kg、干しシイタケだと700ベクレル/kg、昆布だと2,000/kgベクレル入っています。

〔スライド14〕

では、日本人がどのぐらい1年間に放射線を浴びているのかを示したのがこの図です。黒字で書いてあるのが日本人の平均で、括弧書きの青字で書いてあるのは世界平均です。

まず、宇宙線を0.30ミリシーベルトぐらい浴びています。これは何かというと、宇宙空間には非常に強い放射線が飛び交っています。それが地表にも降り注いできます。ただ、放射線というのは空気中で弱まりますので、地表に届くまでに弱まったのを浴びるのがこのぐらいということになります。当然、高いところに行けば行くほどこれはふえてきます。飛行機で東京からニューヨークまで1回飛ぶとそれだけで0.1ミリシーベルト被ばくするとよく言われています。もっと大変なのは宇宙飛行士の人たちで、彼らは1日で1ミリシーベルトとか数ミリシーベルト被ばくします。

大地からの放射線は何かというと、土壌や岩石、地面をつくっているものの中には、量は少ないですけれども、必ず放射性核種が含まれています。ウランなども入っていますけれども、代表的なものとしてはラジウムがあります。ラジウム温泉のラジウムですね。そういった地面の中の放射性核種からも常に放射線は出ていて、それを浴びるのが0.33ミリシーベルトとなっていますが、これは場所によっても随分違います。日本の場合だと、東日本よりも西日本のほうが倍ぐらい高いです。世界では非常に高いところもあって、年間に10ミリシーベルトあるいは数十ミリシーベルト浴びているような地域もあります。

次に、大気中のラドンは何かというと、ラドン温泉のラドンです。実は、ラドンとさっきのラジウムというのは親子関係にあって、ラジウムは土の中にあるのですけれども、それが放射線を出すとラドンに変わります。ラドンというのは気体なので、地面から空気中に出てくるのです。それを呼吸することによる内部被ばくです。それが0.48ミリシーベルトあります。世界平均だと1.26ミリシーベルトぐらいあります。なぜかというと、もともとの親であるラジウムの量がどれだけ多いかというのもありますが、もう一つは、日本は木造建築が多いのですが、海外に行くと石づくり、煉瓦づくり、土からできている家などもたくさんあって、部屋で閉め切っているとそういう建材の中からどんどん室内にラドンが出てきて室内のラドン濃度が高くなってしまいます。それを吸うことで被ばくするので、世界平均はかなり高くなっています。

それから、食品については0.99ミリシーベルトぐらい、先ほどのカリウムやそれ以外のものもありますけれども、そういったもので被ばくしていると言われています。

あと、日本人で多いのは実は医療被ばくなのです。これが大体年間2.3ミリシーベルト被ばくすると言われていますが、あくまで平均値ですので、全く病院など行かないという人は当然ゼロになりますし、CT検査あるいはがん検査とか受けるともっとはるかに大きい数字になってきます。

合計すると4.4ミリシーベルトぐらいで、自然放射線としては2.1ミリシーベルトぐらい被ばくしていると言われています。

〔スライド15〕

では、放射線で被ばくするとどういう影響があるのかというのがこの図です。大きく分けると身体的影響と遺伝的影響というものがあります。身体的影響というのは浴びた本人に何らかの影響が出ます。遺伝的影響というのは本人ではなくて、子供あるいは孫に何らかの影響が出てくるというものですが、実はこの大部分は非常に高線量でないと出ません。この辺については、閾値、要は、これ以上浴びないと出ないというのがはっきりわかっています。がんや白血病については低線量被ばくでも起こる可能性があります。なぜ放射線でがんになるかというと、放射線が遺伝子を傷つけてしまうからです。

〔スライド16〕

作用としては、放射線が直接、遺伝子を傷つける直接作用というものがありますが、これは3割ぐらいと言われています。あとの7割ぐらいは何かというと、体の中を放射線が通り抜けたときに、体の中の水と反応して活性酸素と呼ばれるものが発生します。活性酸素はテレビなどで耳にされたことがある方もいると思いますが、これは放射線だけではなくて、紫外線、喫煙、過剰な運動をしたときなども体の中にできて、老化の原因になったり、美容に悪いとか言われています。それが放射線でもできて遺伝子を傷つけてしまう。

〔スライド17〕

どうしてがんになるかというと、まず放射線あるいは紫外線、たばこ、運動などで体の中に活性酸素ができ、それが正常な細胞の遺伝子を傷つけてしまう。遺伝子を傷つけられた細胞ががん細胞へ変異して、それが活性化して増殖してがんになる。こういうプロセスになりますが、人の体の中にはそれぞれの過程において防御機構もあります。活性酸素に対しては体内酵素で除去する。あるいは傷ついた遺伝子が自己修復する。それから、自分が正常でないと判断した細胞が自分で自分を殺してしまう。実際にがん細胞になった場合は免疫細胞がやっつけるというような働きがあって、がんを阻止しています。

この働きというのは、放射線に関係なく常に人の体の中では起きていることです。若い人の体の中でもがん細胞というのはどんどんつくられて、それがどんどんやっつけられて、がんが防止されています。こっちが強くなるとがんになるけれども、こっちのほうが勝っている間はがんにならないということになってきます。放射線についても同じで、こっちを上回るぐらい浴びるとがんになる。こっちのほうが強くなってがんになるということになってきます。

〔スライド18〕

では、どのぐらい浴びるとがんになるかというのを説明したのがこの図で、これは放射線医学総合研究所というところのホームページからそのまま持ってきた図です。何を示しているかというと、縦軸ががんによって死亡する人の割合、横軸が自然放射線を除いてそれ以外で追加的に放射線を浴びた量ということになります。

そうすると、日本人の場合、がんで亡くなる方の割合は3割ですので、ここがゼロのときにこれが30ということになります。放射線を浴びるとどのぐらいこれがふえるかというと、はっきりわかっているのは生涯で200ミリシーベルト浴びるとこれが1%ふえます。あるいは300ミリシーベルト浴びるとこれが1.5%ふえます。これははっきりわかっています。そこから逆算して、100ミリシーベルト浴びるとこれが恐らく0.5%ふえる。これは間違いないだろうと言われています。では、それより低い数字、50ミリシーベルトはどうか、20ミリシーベルトはどうか、1ミリシーベルトはどうかというと、これはもうわからないのです。なぜわからないかというと、全然、放射線を浴びていない人でも、こっちの100人を調べればがんで33人亡くなるかもしれない、こっちの100人を調べると28人かもしれない、そういうばらつきの中に隠れてしまって、放射線の影響なのかどうなのかわからないというレベルになってきます。これは年間と書いていますが、生涯で100ミリシーベルトということです。

〔スライド19〕

もう一つお見せすると、こっちは国立がんセンターが出しているがんの相対リスクというものです。これは何かというと、全く体に悪いことをしていない非常に健康的な生活を送っている人のがんのリスクを1としたときに、体にいろいろ悪いことをしたときにどのぐらいリスクがふえるか、何倍になるかということです。

一番端っこはちょっと切れていますけれども、これは受動喫煙で、本人はたばこを吸わないけれども、家に喫煙者がいるという場合、これが1よりもちょっとふえます。それから、野菜不足もちょっとふえます。150ミリシーベルト被ばくすると、これが1.08になります。250ミリシーベルト被ばくすると1.2ぐらいになります。肥満のリスクと同じぐらいです。

ただ、これはあくまでがんのリスクなので、肥満の場合はがん以外の病気のリスクのほうが高くなってきます。その証拠というか、がんについていうと、肥満よりもむしろやせているほうがリスクとしては高い。750ミリシーベルト被ばくすると、これが1.4になります。これは毎日お酒を飲む人のがんのリスクと同じぐらいになります。もっと悪いのは、やはりたばこなのです。たばこのリスクというのは1.6になって、毎日たくさんお酒を飲む人のリスクと同じぐらいということになります。

〔スライド20〕

これも同じような内容なので、飛ばします。

〔スライド21〕

では、どのぐらいに抑えるべきなのかということです。これはあくまで一つの目安ですが、ICRPというところで出している目安としては、緊急事態、今、目の前で事故が起きているというときでも何とか100ミリシーベルト以下に抑えましょうと。100ミリシーベルトを超えると何らかの健康影響が出る可能性があるレベルになるので、何とか100ミリシーベルト以下に抑えましょう。

事故を復旧している復旧期は20ミリシーベルトに抑えましょうと。20ミリシーベルトというのは、放射線を扱う仕事をしているような人、レントゲンの技師や、我々のように放射性物質を使った実験などをしたりする人間の基準でもあります。実際には5年で100ミリシーベルトという基準です。

そうではなくて、全くの平常時にはこれを1ミリシーベルトにしましょうというのが一つの目安です。この1ミリシーベルトの根拠としては、生涯で100ミリシーベルトを超えると健康影響が出る可能性があるので、100年生きるとして、100年で100ミリシーベルトだと1年で1ミリシーベルトというのが一つと、もう一つは、先ほど自然放射線は場所によって随分違うという話をしましたが、自然放射線の地域によるばらつきの中に入ってしまうので、そのぐらいだったら問題ないでしょうというのが根拠になってきます。

ただ、この100とか20とか1というのはあくまで目安というか、努力目標みたいなものです。これを超えたから直ちに危険とか、これを下回ったから絶対安全とかいうわけではありません。

〔スライド22〕

次に、食品のほうの話をしていきたいと思います。

〔スライド23〕

ここで示しているのは何かというと、生物学的半減期と書いていますが、体の中に入ったセシウムがどのぐらいで出ていくのかというのを半減期で示したものです。セシウムは、蓄積性はないので必ず出ていきます。口に入った分がだんだん出ていって半分になるのにどのぐらいの時間がかかるかを示しています。基本的に代謝の盛んな若い人のほうが早く、5歳だと30日ぐらいで半分に減ります。成人の場合は大体110日かかると言われています。

〔スライド24〕

では、入ってから出ていくまでにどのぐらい被ばくするのかというのが問題になってくるわけですが、それを計算するための係数というのがあります。核種により、入ってから出ていくまでの時間も違えば、放射線の強さも違い、核種ごとと年代によっても出て行く速度が違うので、年代別に係数があって、これを入ったベクレル数に掛けてやるとそれによる被ばく量が出てくるというものです。

〔スライド25〕

具体的な計算例を示すと、セシウム137が100ベクレル/kg含まれている食品を200g、つまり0.2kg食べた場合の被ばく量を計算すると、0.013というのが先ほどの係数になりますが、濃度に食べた量を掛けるとこれが体の中に入ったベクレル数になりますので、それを計算してやると大体0.26マイクロシーベルト被ばくするという結果になります。

〔スライド26〕

これに基づいて食品の安全基準が決められています。具体的に言うと飲料水は10ベクレル/kgという基準ですが、これはWHOが示しているガイドラインをそのまま使っています。飲料水中のセシウムは10ベクレル/kg以下にしましょうというのをそのまま使っていますが、実際のところ、水道水については福島県でも今までセシウムが検出されたことはありません。

阿武隈川ですとか、ああいう河川でも1ベクレル/kgあるかないかです。高いときで1ベクレル/kgをちょっと超えますが、低いときは0.01ベクレル/kg、そのぐらいです。高くなるのは増水して濁っているときで、そのときでも1ベクレル/kgなので、10ベクレル/kgというのはまずないですね。

一般食品については100ベクレル/kgという基準ですが、これは後で説明します。

牛乳や乳児用食品については、子供が口にするものであり、大人より厳しい基準にするということで、一般食品の半分の50ベクレル/kgという基準になっています。

〔スライド27〕

それをどうやって計算したかというと、食品からの年間被ばくも1ミリシーベルト以下にするというのが基本的な考え方です。先ほど飲料水の基準を10ベクレル/kgにしましたので、10ベクレル/kgの水を1年間飲み続けると、人は1日に水を2~3リットル飲みますので、それだけで0.1ミリシーベルト被ばくすることになります。そうすると、その他の食品から被ばくしていいのは0.9ミリシーベルトということになります。

〔スライド28〕

では、どれぐらいの濃度のものを食べるとこの0.9ミリシーベルトを超えてしまうかを計算したのがこの表です。男女別、年代別で計算して、一番低く抑えなければいけないのは誰かというと10代の男の子です。理由は簡単で一番食べるからです。結局、濃度が低くてもたくさん食べればそれだけ体の中にベクレル数として入ってくることになるので、たくさん食べる人ほど低く抑えなければいけないということになってきます。

意外に思うかもしれませんが、赤ちゃんだと460ベクレル/kgまで大丈夫という計算結果になります。これは食べる量が少ないからです。そうするとセシウムで120ベクレル/kgになるのですが、基準が決まっているのはセシウムだけです。

今回の事故では、ストロンチウム、プルトニウムあるいはルテニウムといった放射性核種も、非常に微量ではありますが、検出されています。万々が一そういった核種が含まれていたとしても大丈夫なように、さらに安全側に持っていこうということで、これは100という基準になっています。

なぜストロンチウムやプルトニウムに基準をつくって測らないのだと思われるかもしれないのですが、実はこれを測るのがすごく大変なのです。セシウムは割と簡単にはかれます。食品をそのまま刻んで容器に詰めて測定器にかけると30分ぐらいですぐに結果が出るのですが、プルトニウムやストロンチウムを測ろうと思うと、大変な化学的な処理を積み重ねて、その処理に2~3週間は最低かかります。その状態でようやく検出器にかけられるということになるので、結果が出るのに1カ月、それ以上かかってしまうのです。これは食品ですので、そんなに待っていたら食べられなくなってしまうということで、簡単にはかれるセシウムの基準にして、ほかのものが含まれていても大丈夫なように低目に設定するという考え方です。

〔スライド29〕

では、福島県でどんな検査がされているか、お話ししますと、非常にたくさんの検査をやっています。

まず、生産地レベルでの検査というのは非常に多数の検査を行っています。それから、加工、出荷段階でさらに検査が行われます。また、流通、消費の段階でもいろんな検査が行われています。

〔スライド30〕

具体的に生産段階の検査を示すと、野菜とか果物についてはスクリーニング上で簡易検査機による検査を行います。食品の安全基準は100ベクレル/kgですけれども、ここでは50ベクレル/kgより上か下かだけを検査します。50ベクレル/kgより下のものは流通可ということで、そのまま出荷しますが、50ベクレル/kgを超えたものについては、もう一度、今度は精密測定器でどれぐらいの濃度かというのをきっちり検査して、100ベクレル/kgを超えているか超えていないかを判断して、100ベクレル/kgを超えた場合はその地区のその品目に関しては出荷停止になります。

米についていうと全袋検査を行っています。非常に労力もお金もかかっていますが、要は、お米を全部一袋ずつ検査しています。コンベヤー式の測定器で一袋一袋検査して、超えていないのを確認して出荷するという体制をとっています。

〔スライド31〕

その検査結果については、こういう「ふくしま新発売」というホームページをつくっていて、これで常に検査結果を誰でも見られるようになっています。品目で検索することもできます。例えば「白菜」と入れると白菜の検査結果が数年分ずらっと出てきますし、場所を指定するとその地区のその場所の検査結果が出てきます。

〔スライド32〕

では、実際、福島県産の農産物はどんな状況なのか、お話しします。これは玄米の検査結果ですけれども、緑色が震災の年です。青がその翌年になります。震災の年は、皆さんも新聞報道等で御存じのように、当時の500ベクレル/kgというセシウムの基準、これは暫定規制値というものでしたが、それを超えるものが出ましたし、実際に検査すると95%は不検出だったのですけれども、検出されるものもそれなりの頻度で出ている。ところが、その翌年、ここでは全袋検査になっていますので、非常に多くの検体数を検査しているのですが、基準を超えるものというのは、なくはないのですが、非常に低くなっています。

〔スライド33〕

なぜ1年でこんなに変わったのかというのを少しお話しします。一つは、玄米のセシウム低減化対策、要は、稲にセシウムを吸わせないようにする対策の方法が確立したということ、もう一つは土の中のセシウムが吸われにくくなったということです。

具体的に言うと、吸わせないようにする効果的な方法としては土の中のカリウムを十分に与えてあげるということで、横軸が土の中のカリウムの量だと思ってください。作物が吸えるカリウムの量です。縦軸が玄米の中のセシウムの濃度です。カリウムが少ないとセシウムを吸いやすくなるのですが、十分にカリウムを与えてやるとほとんど吸わなくなる。農水省ではもともと、稲を栽培するときは事故の以前からカリウムを25以上与えてくださいという指導をしていたので、それ以上あればほとんどセシウムは吸わないということがわかりました。今、福島では、汚染が多少高いような地域では必ずセシウムの施肥管理をしていますので出なくなったというのが一つです。

〔スライド34〕

もう一つ、土の中のセシウムが移動しにくくなったというのは、このグラフですが、震災の年と翌年に同じ畑で同じ栽培方法で野菜を育てたのですけれども、それでもやはり下がっています。実はセシウムというのは、土の中のある種の非常に細かい鉱物に物すごく強くくっつくのです。そこにくっついてしまったセシウムは、水にも溶けてこないし、作物にも吸われないという状況になります。そうやってセシウムが土の粒子につかまってしまって吸われなくなったので下がったということはあります。

〔スライド35〕

実際に県内の検査結果を示すと、赤が100ベクレル/kg超えで、濃い青が不検出ということになりますが、震災の年こそ100ベクレル/kgを超えるものがある程度出てきていますが、現在はほとんど不検出です。これは平成26年のデータですけれども、ここでもほとんど不検出です。実際調べても100ベクレル/kgを超えるものはほとんど出てきません。

ただ、山菜、キノコについては100ベクレル/kgを超えるようなものもまだ出ますし、出荷停止、出荷制限の措置もとられています。キノコというのはすごくセシウムを吸いやすくて、震災以前から100ベクレル/kgを超えるキノコはいっぱいあったのです。なぜかというと、過去、1960年代に盛んに米ソ中でやっていた核実験で降ってきたセシウムがまだ日本中いっぱい残っています。それを吸ってしまうので、100ベクレル/kgを超えるキノコが結構あったのですけれども、以前は基準がなかったので問題なかったのですが、今、基準ができたので、そういうのは出荷停止ということになります。

〔スライド36〕

水産物についても不検出の割合が随分ふえていて、これは平成26年ですけれども、現在はほとんど不検出です。まだ出荷は自主規制していますので、試験操業しかしていませんけれども、はかっても今ほとんど出ません。ただ、近海の底物、カレイ、ヒラメ、そういったものでたまに100ベクレル/kgを超えるものが出るので、まだ全体的に出荷はとりやめているという状況です。

〔スライド38〕

時間がないので、最後にこれだけお示しします。これは、「コープふくしま」でやっている陰膳調査というものの結果なのですが、これは何かというと、各家庭にお願いして毎食1人分多くつくってもらう。4人家族だったら、毎回5人分つくってもらって、その1人分を丸々測定器にかけてはかるという検査です。何かいっぱい出ているではないかと思うかもしれませんが、この緑色は全部カリウム40です。セシウムはどこにあるのだというと、ここにちょっと、この辺にもちょっと出ています。これは平成25年の結果ですが、それでもこのぐらいです。最近の100件の調査だと全て不検出です。今、実際、福島県内の食品でもこういうレベルです。断言しますけれども、相当頑張っても体に影響が出るほどセシウムをとることは不可能というような状況になっています。

〔スライド39〕

時間が余りありませんので、これは割愛して、この辺で私の話を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手)

 

司会(消費者庁・大浦)

大瀬先生、わかりやすいお話、どうもありがとうございました。

続いて「原木しいたけ生産再開に向けた取り組みについて」と題して、JA仙台椎茸生産組合組合長 熊谷幸夫様に御発表いただきます。熊谷様、よろしくお願いします。

 

 

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4.取組事例発表 

(1)原木しいたけ生産再開に向けた取り組みについて 

熊谷 幸夫 氏(JA仙台椎茸生産組合 組合長)

〔スライド1〕

仙台市で原木シイタケを栽培している熊谷幸夫です。

私からは「原木しいたけ生産再開に向けた取り組みについて」紹介したいと思います。

専門用語が多く、また、私自身このような場で発表する機会が余りなく、うまく話をする自信がないので、文章化してまいりました。どうぞよろしくお願いいたします。

〔スライド2〕

私が住んでいる仙台市泉区朴沢は、仙台市の北西部、大和町との境の泉ヶ岳の麓に位置する地域です。そこで昭和51年から40年にわたって原木シイタケ生産に取り組んでおります。しかしながら、震災発生に伴う福島第一原発事故による放射能被害などの影響により、キノコ栽培に従事する生産者の数は震災前の約3分の1まで激減しております。とりわけ原木シイタケは平成24年4月に出荷制限指示が出されて以降、その区域は徐々に拡大し、出荷規制が続いております。

〔スライド3〕

ここで本題に入る前に、原木シイタケの出荷制限解除のルールとポイントについて簡単に説明します。

まず、解除の単位ですが、同じ生産管理を行ったほだ木の固まり、この固まりのことをロットと呼んでおりますが、ロットごとの単位で解除がなされております。

解除を進めるためには、検査結果が基準値以下であること、そのほかにも、適切な栽培管理を実施していること、出荷管理体制が確立されていることなどが必要となります。

〔スライド4〕

解除に向けた栽培管理のポイントは主に5つあります。1.生産再開の場所となる安全なほだ場を確保すること、2.生産資材となる安全な原木を確保すること、3と4は、各作業の段階において安全な生産管理を徹底すること、5.キノコ・ほだ木の検査結果が基準値を下回ることが必要となります。

〔スライド5〕

安全な再開場所の確保ですけれども、ほだ場には放射能汚染されたほだ木があることから、このほだ木を撤去し、ほだ場をあける必要があります。撤去したほだ木を集積した後、県職員さんに確認していただき、その後、空間線量を計測していただいております。

〔スライド6〕

安全な原木の確保について、現在は県を通じて、岩手県北や九州方面から取り寄せていただいておりますが、かなり調達が厳しくなっており、苦労しております。この映像は、平成25年3月に熊本県の湯前町・水上村より復興支援でいただいたクヌギから発生したシイタケを持って、そのお礼に行ったときのものですが、同時に、熊本、大分の原木供給調査と原木林の視察を行ってまいりました。昨年は大分から4,000本、今年は熊本と大分から5,000本の原木が来る予定です。ちなみに、調査や視察は生産者負担で行ってまいりました。

〔スライド7〕

この映像は、原木供給調査に行ったときの地元の生産者との交流、ほだ場の視察と町長さんと村長さんへの挨拶の様子です。

〔スライド8〕

安全な生産管理ですが、原木は枠に入れて保管し、植菌は全て台の上で行っております。私のところでは、室内か屋根のある場所で植菌作業を行っております。

〔スライド9〕

これは、仮伏せ、本伏せの様子です。本伏せは人工ほだ場で、ほだ木に土が直接つかないように、もみ殻を厚さ10cm、その上に防草シートを敷き、コンクリートブロックの上に本伏せしました。

〔スライド10〕

これは、林内ほだ場の放射能低減化の作業です。落葉層を除去し、下草刈りをして、10cmぐらいの厚さでもみ殻を敷く作業を行っております。

〔スライド11〕

これは、でき上がったほだ場に本伏せ込み作業を行っている様子です。ほだ場は強風にさらされ、もみ殻が飛散する心配があり、より安全のため、防草シートを敷き、ほだ木を置きましたが、一年を通して地面があらわれるということはありませんでした。

〔スライド12〕

昨年2月、一部解除が仙台市で認められ、仙台市原木しいたけ生産推進協議会を立ち上げました。協議会の取り組み成果の一例としては、安全な出荷管理を徹底するために、オリジナルの表示シールを作成し、解除ロットから出荷されるシイタケに貼って出荷する体制を整えております。また、原木シイタケの安全性や解除に向けた生産者の取り組みをまとめた協議会独自のPRチラシを作成しております。

〔スライド13〕

これらを活用し、消費者の皆様に原木シイタケ生産復活をアピールするため、昨年の秋に開催された収穫祭や食のイベントなどに参加し、関係者が一丸となってPR活動を行いました。地元テレビで有名な料理研究家と生産者が一緒になって原木シイタケ料理のライブクッキングを行ったり、ステージでPRを行ったり、生産者が原木シイタケの植菌体験を指導し、直接、消費者からの激励の声を耳にすることによって、たくさんの元気とパワーをもらい、モチベーションの向上にもつながりました。

〔スライド14〕

また、シイタケ栽培キット抽選会を生産者と市町村職員、県職員、農協職員、そして宮城県のマスコットキャラクター「むすび丸」が一緒になって行い、長蛇の列ができました。このように、生産者と行政など多様な主体が一緒に汗をかき、PRを展開することにより、自然と一体感が生み出されました。

〔スライド15〕

これらの取り組みを行ってきたことにより、一昨年8月から一年半という短期間で加速的に解除に向けた機運が高まり、これまでに市内7名、15ロットにおける解除が実現しております。さらに来春まで、原木を購入し、取り組みを進めている生産者を含めると年内中には8名、27ロットまで解除が拡大していく見込みとなっております。

取り組み成果として、解除の数ばかりに目が行きがちですが、もっと大きな成果は、解除が実現することにより生産者の士気が高揚し、さらなる解除拡大へつながるという好循環が生み出されたというところにあると思います。

〔スライド16〕

今後に向けてですが、私のところでは宮城県の6次産業化支援事業のお世話になり、独自のブランド化を進めております。オリジナルのパンフレット、乾シイタケ用シール、熊谷家の家紋の入った贈答用シールとパック用シールなどを使って、ほかのものとは差別化して販売しております。これがシールを貼ったシイタケでございます。

〔スライド17〕

最後に、放射能のことでたくさん憶測が流れ、栽培を断念しようかと思った時期がありましたが、解明が進んだことや、宮城県を初め関係機関に大変お世話になり、また消費者の皆様にも、やはり原木シイタケの味が忘れられないという言葉をいただき、つくり続ける元気が湧きました。まだまだ頑張っていきますので、これからもよろしくお願いいたしたいと思います。

皆さん、御清聴どうもありがとうございました。(拍手)

 

司会(消費者庁・大浦)

熊谷様、生産者の取り組みの御紹介、どうもありがとうございました。

続いて「水産現場の取組について」と題して、石巻魚市場株式会社専務取締役 志摩喜代一様に御発表いただきます。志摩様、よろしくお願いします。

 

 

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(2)水産現場の取組について 

志摩 喜代一 氏(石巻魚市場(株) 専務取締役)

〔スライド1〕

石巻魚市場の志摩と申します。

魚を扱うのは手なれているのですけれども、パソコンとか、こういうマイクを前にしますと三位一体で話せるかどうか不安でございますが、時間の規制の中で発表させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

〔スライド2〕

まず、我々魚市場に関してなのですけれども、産地の魚市場は、漁船が直接、市場に水揚げをするという形になります。もう一つの市場としては、消費地の魚市場が陸のほうの魚市場という形になると思います。

我々産地魚市場のほうに水揚げされる生産者、これは漁船漁業の方々が水揚げされるわけです。その中で我々魚市場は、販売という中で、仕分けをしたり、計量したり、また陳列をしたり、入札の前までに放射能検査をして安全ということを各買人の方々にしっかりと理解していただいて販売するという方法をとっております。その方法で価格が決定し、仲買人の方が魚を買うことによって鮮魚出荷したり、加工業者が加工して出荷したり、冷凍冷蔵して一度冷蔵庫に入れて保管したり、缶詰業者が缶詰の商材として買ったり、それから、化成工場といいましてミールの原料になったり、いろんな形で魚が使われております。

仲買人の方は、製品を先ほど言いました消費地の卸売市場のほうに出荷するわけです。そうしたときに、消費地の中央の卸売のほうでは、買い受け人を含めて、卸小売、スーパー、大手食品会社に出荷され、それが最後に消費者のほうに流通するわけです。

消費者は、自分の生命を守るために安心安全な食べ物を求めているということで、精神的、身体的な健康維持のために食育をしているというような形になります。

〔スライド3〕

石巻魚市場は、今まで660メートルの上屋がありましたが、3・11の大震災の津波によりまして、その上屋が物の見事にアコーディオンのように畳み込まれました。宮城県、国、石巻市の各行政の力添えを得まして、昨年、平成27年9月1日に880メートルの密閉型の管理型魚市場が完成しました。

その入場に関してですが、必ず指定された入退管理室から出入りをしなければいけません。IDカード自動読取機で管理されて入場していきます。入場の際には、手指消毒、また長靴の消毒をしてからでないと入場できないという規制になっております。

〔スライド4〕

車両に関しては、岸壁の西端より入場いたしますが、タイヤの滅菌と同時に、自動洗浄機を通過してタイヤを洗浄して場内に入場するという形になります。

〔スライド5〕

荷さばき場内の作業用のリフトの使用についてですけれども、今まではどちらかというと燃油を使った排気ガスの出るリフトで行っておりましたが、今度は密閉型の魚市場になっておりますので、排ガスの出ない電動リフトを使用するという形になっております。

〔スライド6〕

密閉型ですので、出入り口が必ず必要になるわけです。搬入搬出の際の出入り口は、カモメ等の侵入による危害がないように防鳥ネットを配置いたしました。鳥が入ってこないように、鳥獣疑似音声による撃退システムを採用し、常時、123台のビデオカメラで内外の集中監視体制を構築して、危害を未然に防止しております。

〔スライド10〕

これが放射能を検査するシステムのA01型とA02型の2つのラインでございます。A01型は、丸ごと魚をコンベヤーの上に乗せてはかることができるようになっております。これは平成25年9月に導入しております。A02型においては、一尾ずつはかるのではなくて、ケースに入ったままの状態でコンベヤーに乗せて測定するという形になっております。

〔スライド11〕

これがコンベヤーの検体魚の測定値を確認しているところでございます。

〔スライド12〕

それでは、連続個別非破壊放射能測定システムA02型より説明させていただきたいと思います。

〔スライド13〕

これは魚箱ごと測定できるシステムになっております。

〔スライド14〕

この連続個別非破壊に関しては、コンベヤーの下の方に120のセンサーがありまして、魚箱が通ると同時に、下からセンサーで魚箱に放射線を浴びせまして、魚がどれだけのセシウムを取り込んでいるかということをはかります。これは3秒間に1検体ずつはかれるシステムになっておりまして、1時間で約1,200検体を測定できます。65ベクレル/kg以上あったケースに関しては、はねるシステムで、65ベクレル/kg未満に関しては安全ということでそのまま流しております。

〔スライド15〕

続きまして、A01型、丸ごと鮮魚をコンベヤーに乗せるだけで快適に測定できるというシステムを説明いたします。

〔スライド16〕

これも、65ベクレル/kg以上、50~60ベクレル/kg、50ベクレル/kg未満という3段階に分けることができます。

〔スライド17〕

これも同じように、3秒に1検体、約1時間で1,200検体の測定ができるシステムになっております。

〔スライド18〕

続いて、検査の方法といたしまして、NaIシンチレーション方式は、魚を3枚おろしにしてさばき、可食部分だけをミンチにいたしまして、重量を正味1kgにし、鉛でできた円筒の検出器5台にそれぞれ分別して検査して、そのデータを解析するという形になっております。

〔スライド19〕

この円筒の装置ですとミンチにするための時間がかかるものですから、1検体40分かかるわけです。ですから、朝の6時半の販売に1検体40分ずつでは正規の魚のセシウムをはかることができないというようなことで、もっとそれよりも正確に早くはかれるシステムがないかということで、東北大学さんと共同提携いたしまして開発したのが、先ほど説明しましたA01型、A02型のコンベヤーによるスクリーニング検査機でございます。

〔スライド20〕

新しいコンベヤーの導入によりまして、個体の非破壊化、検査の迅速化が可能となり、入札の前に、買い受け人の方々に安全を知らせることができるようになりました。競りの前に、モニターで知らせたり、担当者が、今日水揚げされたこれこれの魚に関してはセシウムを取り込んでなく安全ですから、お買い上げいただけますということで販売しております。

我々は、この検査を充実させることによって心理的概念の安心と科学的概念の安全をマッチングさせて、石巻の魚を世界に発信したいと思っております。我々は、魚を媒体として食の安全安心を伝播し、人々が、そして家族がみんな笑顔で魚を食べて幸せな人生を歩まれることを祈念して販売しておるというような形になります。

〔スライド21〕

最後になりますけれども、石巻魚市場で検査した結果内容を産学官協働でホームページを開きまして、石巻に水揚げされている魚はこのとおり安全という形で一般の方に広く知らしめております。

石巻に揚がった魚に関しては、我々魚市場を含め、関連業界が、目には見えないですけれども、安全と安心という愛をいっぱい込めて販売しておりますので、どうぞ皆様、安心して魚を食べてやってください。よろしくお願いいたします。

以上で説明を終わらせていただきます。(拍手)

 

司会(消費者庁・大浦)

志摩様、水産現場の御紹介、どうもありがとうございました。

続いて「宮城県における食品の放射性物質の検査状況について」と題して、宮城県環境生活部食と暮らしの安全推進課課長金野由之から発表いたします。

 

 

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(3)宮城県における食品の放射性物質の検査状況について 

金野 由之(宮城県 環境生活部 食と暮らしの安全推進課 課長)

〔スライド1〕

生産者のお二人から生産現場の取り組みということで今お話がございましたので、私のほうからは、宮城県で食品中の放射性物質についてどんな検査をしているのか、御説明させていただきたいと思います。

〔スライド2〕

宮城県では、平成27年3月に改定いたしました「東京電力福島第一原子力発電所事故被害対策実施計画(第2期)」に基づき、県内を対象といたしまして宮城県などが実施する放射線・放射能の測定を体系的に実施するために「宮城県放射線・放射能測定実施計画」というものを定めております。

この計画の中で、食に関する放射線の測定といたしまして、県の農産園芸環境課、畜産課、林業振興課、水産業振興課、環境生活部、うちの部なのですけれども、自然保護課、食と暮らしの安全推進課、教育庁のスポーツ健康課、こういうところがそれぞれ協力いたしまして、食品中の放射性物質について、生産環境、出荷前、出荷後ということでカテゴリーを分けまして、検査を実施しております。

〔スライド3〕

農林水産物の放射性物質の検査につきましては、毎年、国から示される検査計画等の考え方の通知に基づきまして、県内で生産される農産物、林産物、畜産物、水産物、野生鳥獣、あるいは県内で販売されている食品、こういったものの検査を四半期ごとに計画を定めまして実施しております。

この表は、平成27年度の第3・四半期計画の検査例です。それまでの検査の実施状況や、その時期に生産出荷されるものの実態に応じまして検査計画を定めております。分類、品目数、検査頻度、そういったものを定めておりまして、27年度の第3・四半期では合計で100品目、トータル数として1万1,167件の検査を実施しております。

〔スライド4〕

これは、食品の放射性物質検査体制を示したものです。大きく分けまして、生産環境、出荷前の検査、出荷後の検査、市町村による検査に分けることができます。

生産環境では、水田などの農地土壌における吸収低減などの営農対策、先ほど御説明があった対策や、牛の餌となる飼料のモニタリング検査などを行っております。

出荷前検査といたしましては、農林水産物のモニタリング検査や精密検査、こういったものを行っております。

出荷後の検査といたしましては、県内に流通する食品の検査を実施しております。また、学校給食関連といたしまして、学校給食に使用される食材の事前検査、学校給食一食全体の事後検査を実施しております。

市町村におきましても、住民の方が家庭菜園などでつくられたもの、そういった農作物の検査を受け入れております。

〔スライド5〕

これは、県のモニタリング検査の状況です。宮城県の保健環境センターで放射線の測定器にかけるための前処理をしているものです。お茶、レトルト食品、粉ミルクとあるのですけれども、これは基準値が低いので、ゲルマニウム半導体検出器という機械にかけて検査をいたします。機械にかけるために検体を容器に詰めているところです。これはお茶を詰めたもの、レトルト食品を詰めたものはここです。粉ミルクがここですね。こういった容器に入れて検査をいたします。

この前にあるのがNaIシンチレーションスペクトロメーターという検査機器で、検査するためにこういった容器に詰めています。これは詰めるための前処理です。多分これは漬物だと思いますが、量をはかりまして、フードプロセッサーで細かくしている写真です。これは、細かくしたものをNaIの測定容器に詰めている写真ですが、詰め方がよくなくて空間ができると値が高くなってしまうので、ガラス棒で空間ができないように一生懸命詰めています。

〔スライド6〕

これは県のモニタリング検査で、緑色をしたものがゲルマニウム半導体検出器、これがNaIシンチレーションスペクトロメーターという簡易測定器と言われるものです。こちらが鉛でできておりまして、鉛で外の放射線を遮断することができますので、非常に低い値まで測定できます。ここの黒いカバーのところに鉛の円筒形のものがありまして、そこに先ほどの試料を入れるということで、ここの鉛の厚さが違うので、精度がゲルマニウム半導体検出器に比べるとその辺の影響を受けやすいという違いがございます。

宮城県では、ゲルマニウム半導体検出器につきましては、保健環境センターのほかに、産業技術センター、古川の農業試験場、水産技術総合センターに配備されております。NaIの簡易測定器につきましては、保健環境センターのほかに、地域振興事務所あるいは林業技術総合センター、食肉衛生検査所、県内の各魚市場、こういったところに配置されております。

測定する時間ですけれども、NaIについては、大体1件当たり30分の測定時間でやっております。ゲルマニウム半導体検出器は、入れる容器の大きさによって違いますが、お茶は容量が大きいので2リットル入るのですけれども、これについては40分、レトルト食品は小さいので10時間以上測定時間がかかっております。粉ミルクについては、1件当たり2時間ぐらいの測定時間がかかっております。

〔スライド7〕

これは、放射性物質の基準値です。先ほど御説明がありましたので、割愛いたします。

〔スライド8〕

モニタリングから制限解除までということですが、検査計画に基づきまして検査の結果、農林水産物から基準値を超過する放射性セシウムが検出された場合、直ちに県から産出した市町村に対して出荷の自粛を要請いたします。その後、自粛を要請した産地とその周辺地域で該当品目の追加検査を行いまして、国のほうで出荷制限の要否、対象とする区域の判断を行います。その結果、こういった出荷の制限がかかるということになります。

そこから解除に向けましては、営農対策を講じて農産物の放射線を基準以内に持ってくるということで、1市町村当たり3カ所以上の地点で放射性セシウムの検査を行ってまいります。品目ごとに決められましたモニタリング検査を行って、その中で解除要件をクリアいたしますと、県から国に対しまして解除の要請を行うという流れになります。

〔スライド9〕

これは、宮城県でやっている食品関連の検査件数の推移をあらわしたものです。平成24年度につきましては5万4,105件、25年度につきましては6万3,510件、26年度につきましては2万7,091件の検査を行っております。

平成24年度、25年度は、米、麦、大豆、ソバなどの穀類を全県的に広く実施して検査件数が多くなっておりますけれども、先ほど言いましたように、水田等の農地土壌における吸収低減、こういった対策をとったことで、平成26年度につきましては検査件数が少なくなっております。

〔スライド10〕

これは、出荷制限の指示・出荷自粛要請の推移ですが、検査の結果、県が出荷自粛要請あるいは国が出荷制限を行った件数の推移でございます。平成23年には、出荷制限の指示及び出荷自粛の要請が合わせて5件となっております。24年には61件、25年には7件、26年は9月に野生キノコで出荷制限の指示が1件出ましたが、それ以降は出荷制限、出荷自粛、いずれも出ていないという状況になっております。

〔スライド11〕

出荷制限の指示、出荷自粛要請が出た品目につきましては、解除要件をクリアした場合、県から解除要請を行います。これは、出荷制限解除及び一部出荷制限解除を受けた品目の推移をあらわしたグラフです。平成23年で1件、24年で3件、25年で7件、26年で7件、27年11月末現在で14件の解除を行っております。

〔スライド12〕

宮城県の検査結果の公表ということでは「放射能情報サイトみやぎ」で県が行っている食品の検査やいろんな情報がとれるようになっております。「宮城」と「放射能」というようなキーワードを検索に入れますと「放射能情報サイトみやぎ」にアクセスすることができますので、ぜひそういったものをごらんいただきたいと思います。

〔スライド13〕

今は、スマホ、携帯版のものもございますので、御利用していただきたいと思います。

〔スライド14〕

最後、まとめです。県では、放射能の検査計画に基づきまして、食品の放射性物質の検査を実施しております。検査結果につきましては、「放射能情報サイトみやぎ」のウエブサイトなどで公表しております。基準値を超過した場合につきましては、出荷自粛を要請し、市場への流通を阻止いたします。今年度、国の出荷制限指示、県の出荷自粛要請をした品目は、いずれもございません。

今後も計画的に検査を実施しまして、基準を超過した品目の食品の流通を防止し、さらに検査結果を迅速にわかりやすく公表いたしまして、皆様にお届けするようにしていきたいと思います。

以上でございます。どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)

 

司会(消費者庁・大浦)

事例発表は以上でございます。

ここで約10分間の休憩とさせていただきます。現在、こちらの時計で3時6分ですが、再開は3時15分からにしたいと思います。それまでの時間に席にお戻りください。よろしくお願いいたします。

 

(休憩)

 

 

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5.パネルディスカッション・意見交換会 

司会(消費者庁・大浦)

時間となりましたので、プログラムを再開いたします。

ここからは、パネルディスカッション及び会場の皆様との意見交換をいたします。先ほどの基調講演や取組事例の発表を受けて、また、ここから参加します行政担当者から聞きたいこと、もしくは日ごろ感じていることなど、本日の会のテーマであります食品に関することについて、御意見、御質問をいただければと思っております。

ここからの進行は、宮城教育大学教授 小金澤孝昭様にお願いしております。小金澤先生、よろしくお願いいたします。

先ほど基調講演をしていただいた大瀬先生にも引き続き御登壇をお願いしております。また、取り組み事例を発表いただきました熊谷様、志摩様にも御登壇いただきます。

また、ここからは消費者の立場から御意見をいただきたく、宮城県生活協同組合連合会常務理事の加藤房子様、行政から、内閣府食品安全委員会事務局リスクコミュニケーション官 木下光明、厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部監視安全課化学物質係長 菅原秀悦、農林水産省消費・安全局食品安全政策課長 吉岡修も参加します。

それでは、ファシリテーターの小金澤先生、進行をよろしくお願いいたします。

小金澤氏(ファシリテーター)

皆さん、こんにちは。小金澤と申します。よろしくお願いします。

宮城教育大学というと、何で教育研究機関の先生が司会をやるのだみたいな話になるかもしれません。私の大学は、皆さんも御存じだと思いますが、学校の先生を養成する大学で、私は社会科を担当しています。これから学校の先生になる人たちに、農業のこと、水産業のこと、農産物の流通のことなどを地理という側面から教えています。

また、私の社会活動としては、皆さんも御存じかもしれませんが、農薬や化学肥料を使わない米づくりということで、宮城県では「環境保全米ネットワーク」を中心とする環境保全米運動が盛んに行われているわけですけれども、農林水産省の有機JASの認定登録機関でありますネットワークの理事長をずっとやっております。課長のほうから話がありましたが、今日もモニターさんたちがたくさん来ていらっしゃいますけれども、そのモニターさんたちと一緒にやっています「みやぎ食の安全安心推進会議」の会長をここ10年ぐらい担当している関係で今日ここに座っているということですので、よろしくお願いいたします。

次に、宮城県生活協同組合連合会の加藤さん、自己紹介をお願いいたします。

加藤氏(宮城県生活協同組合連合会)

皆様、こんにちは。私は、宮城県生活協同組合連合会といいまして、宮城県内にあります9つの生協が団体会員になって組織しております連合会から参りました。

私も、今、小金澤先生がおっしゃった宮城県の「みやぎ食の安全安心推進会議」の委員の一人でありまして、消費者団体代表の立場から会議の場で意見を出している関係上、消費者の立場で今回参加させていただきました。よろしくお願いいたします。

小金澤氏(ファシリテーター)

続きまして、食品安全委員会事務局の木下様、お願いします。

木下(食品安全委員会)

食品安全委員会事務局リスクコミュニケーション官の木下と申します。

食品安全委員会を御存じない方が多いかもしれないので、御紹介いたします。内閣府にある新しい役所で2003年7月にできました。日本でBSEが発見された2年後ですね。食品安全委員会というのは、食品のリスクを科学的に評価する機関で、大学の先生や研究所の先生が集まって食品のリスクを評価して、それを厚生労働省、農林水産省にお伝えするという仕事がメインの役所でございます。12年半で約2,000の評価をいたしました。私のポジションは、評価した内容をいろいろな方々にわかりやすく御説明して、いろんなところでリスクコミュニケーションしております。よろしくお願いいたします。

小金澤氏(ファシリテーター)

続きまして、厚生労働省の菅原様、お願いいたします。

菅原(厚生労働省)

厚生労働省生活衛生・食品安全部監視安全課の菅原と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

厚生労働省では、リスク管理機関としまして、食品衛生法に基づいて食品や添加物、食品に残留する農薬、こういったものの規格や基準などを策定しまして、それらが守られているかというところの監視などを行っております。また、食の安全のためのさまざまな取り組みといったものを行っております。

また、放射性物質に関する対応につきましては、平成24年4月1日に食品衛生法に基づき基準値を設定し、また、検査計画の企画立案を自治体に要請、その結果を報告いただき、取りまとめて週に1回公表する等を行っているところです。

厚生労働省のホームページには、そういった自治体からの検査結果の報告や出荷制限の状況などをお知らせする放射性物質に特化したページを設けておりますので、ぜひそちらのほうもご覧いただいて、何か不明な点等がありましたらお問い合わせいただければと思います。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

小金澤氏(ファシリテーター)

続きまして、農林水産省の吉岡様、よろしくお願いします。

吉岡(農林水産省)

食品安全政策課長の吉岡と申します。

私のところでは、食品に含まれる有害化学物質、食中毒を起こす有害微生物、そういうものが食品の中にどれくらい入っているかを調べ、必要があればそれを減らすための対策をつくるというような仕事をしております。

体に影響を与えるというのは、急性毒性といって一度にたくさん食べて、すぐに症状が出る場合と、少しずつ食べて体の中に蓄積していって、10年、20年たって症状が出る慢性毒性と言われるものがあります。慢性毒性のほうは、体の中にたまってしまうと取り除くのが難しいので、非常に対応が困難になります。ですから、食品安全では未然防止をするというのが非常に大事でして、そういうことに取り組んでおります。今日はよろしくお願いいたします。

小金澤氏(ファシリテーター)

では、これからパネルディスカッションに入っていきたいと思います。

皆さんに事前に御質問等々、アンケートしておきました。今日は、上位の関心の高いものを中心に皆さんと意見交換していきたいと思います。

まず、意見交換に当たって注意事項がありますので、この点は司会のほうからもう一度アナウンスをお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

司会(消費者庁・大浦)

御意見、御質問が会場でおありの方は挙手をお願いいたします。ファシリテーターの小金澤先生が指名しますと係の者がマイクをお持ちしますので、できれば御所属とお名前をお願いいたします。

冒頭にも申しましたが、本日御参加いただけなかった方を含めて広く情報提供させていただくことを目的に、今回の意見交換の内容については議事録として関係省庁のホームページにおいて後日公開予定です。議事録に御所属、お名前を掲載することに不都合がおありの方は、その旨を御発言の際にお申し出ください。お申し出いただいた方の御所属、お名前はもちろん掲載いたしません。

また、できるだけ多くの方に御発言いただきたいと思っておりますので、御発言は要点をまとめて、なるべく2分以内でお願いいたします。御発言の後は、勝手ながらマイクを係の者にお返しいただきたいと思っております。御協力、よろしくお願いいたします。

小金澤氏(ファシリテーター)

皆さんからアンケートで確認したものとして一番多かったのは、生産現場での対策や取り組みについて教えてほしい、知りたいということで、全体の33%に上りました。2つ目は、流通している食品の現状とその安全性について学びたいということで、27%ありました。

残り少ない時間となり、1時間を切りましたが、ここに出ている関心のあるテーマをみんなやることは難しいので、おおむねこの2つに絞ってこれから議事進行していきたいと思います。

まず最初に、生産現場での対策や取り組みについて、先ほどシイタケや水産業のことを中心に現場から、こういう検査をしながら生産物を出しているという話がありました。この点について、先ほど報告されたお二人の方に、特にこういうことを強調したいということがあればお出しいただきたいと思います。熊谷さん、特に皆さんに言いたいこと、主張したいことがあれば言っていただきたいのですが、よろしいでしょうか。

熊谷氏(JA仙台椎茸生産組合)

原木シイタケに関して高放射能というイメージが大分ありまして、私もこのことで生産を諦めるかどうかというところまで追い詰められた時期がありました。調べれば調べるほど、直接降った放射能の影響というのがすごくありました。年数が経つごとに本当は減るはずのものが、だんだん増えてきたということで、原料となるシイタケの原木に使われるナラとか、そういうものが根からセシウムを吸い上げ放射能が高くなってまいりました。このままではシイタケはつくれないということで、平成25年に原木を復興支援でいただいたのですけれども、その後も東北の放射能の影響のないところから安全な原木を買って栽培してまいりまして、現在、放射能はほとんど出ることはありません。

シイタケは、かなり悪いイメージがあったかもしれないですけれども、シイタケには皆さんが普段取り入れられない成分がたくさんあります。そういうものをとるためにシイタケは食生活ですごく大事ですし、和食というのが今、見直されていますので、そういう面でシイタケというものをもう一度認めてほしいと思います。

小金澤氏(ファシリテーター)

どうもありがとうございました。

では、志摩さん、水産のほうの検査体制も含めてお願いします。

志摩氏(石巻魚市場株式会社)

魚市場には、宮城県の各沿岸、近海、沖合の漁場で、今、石巻を中心として約40隻の船が毎日水揚げされております。そういう意味で宮城県沖を7つの区域に分けまして、それぞれの区域でどこの船がいつ操業してどんな魚をとったかということをしっかりと把握しております。その区域ごとに検体数をピックアップいたしまして、それぞれ検査する方法をとっております。

検査する方法は、先ほど申し上げたように、コンベヤーでケースごと流す方法、一尾ずつ流して検査する方法、ミンチにおろして検査する方法、3段階でやっております。うちのほうの買い受け人に関しては、その安全を確認した上で魚を魚市場から買い受けしております。

そしてまた、工場のほうに持っていって魚を出荷する際に、魚をある程度ピックアップして、もう一度魚市場のミンチのほうの機械で検査して、安全であるということを確認した上で石巻から出荷するという段階になっております。ですから、魚市場、生産者、買い受け人が三者一体となって、セシウムを含んでいる魚、100ベクレル/kg以上の魚は絶対出さないという方法で取り組んでおります。

以上です。

小金澤氏(ファシリテーター)

どうもありがとうございました。

水産業とキノコに限られてはいますけれども、生産現場の中で相当努力なさって放射能の問題に対して安全性を確保する取り組みがされています。この実践を聞いて、大瀬さん、先ほど基調講演をしていただきましたが、コメントがあればお願いいたします。

大瀬氏(福島大学)

福島のほうのお話をさせていただきますと、実際、今回の事故で農家さん初め、生産者の方々というのは非常に甚大な被害を受けています。

土壌から農作物へセシウムがどのぐらい移行するか、これを移行係数というのですが、多くの作物で数値が大体わかっていまして、このぐらい土の濃度があると作物の濃度はこのぐらいになるというのがわかっています。それを踏まえて、例えばJA福島さんなどですと全ての田んぼと畑の土の検査をやっています。一枚一枚全部やっています。それをやった上で、この畑は何をつくっても大丈夫、この畑はちょっと高いのでセシウムを吸いやすいような作物をつくるのはやめましょうという取り組みもやっています。

福島は、特に中通りなどは地形が非常に複雑で、同じ福島市内でも場所によってセシウムの濃度が随分違うので、一枚一枚測って、高いところは除染をする、あるいは天地返しをする、いろんな対策を行っています。

ところが、今測ってみるとほとんど出ないのです。セシウムはほとんどの農作物で不検出です。今、生産者の方が何に一番苦労しているかというと、やはり風評被害です。実際にはほとんど出ないのに、以前のようには売れない、あるいは値段がつかない。特にお米など典型的です。実は福島県のお米というのは、以前は、ブランドではないけれども、割とおいしいお米ということで結構高い値段で取引がされていました。ところが、震災後、全袋検査をやってほとんど不検出であるにもかかわらず、外食企業のお米としての取引しかしてもらえなくて、非常に安い値段で流通しています。あるいは桃の農家さんも、もともと福島は桃が主力の果物だったわけですけれども、やはり以前のように売れないので、何とかそれをまた買っていただけるようにPRしようという取り組みに苦慮しています。そういう状況です。

小金澤氏(ファシリテーター)

どうもありがとうございました。

福島の事例も含めて、今、生産現場でどういう努力がなされているのかということがおわかりいただけたと思いますが、この点、消費者の立場で加藤さんのほうから、こうした福島の事例や、シイタケ、水産業がこういう取り組みをしているということに対してのコメントをいただければ助かります。

加藤氏(宮城県生活協同組合連合会)

まず、コメントの前にですが、宮城県生協連は、県内にある7つの消費者団体と一緒に消費者団体を組織して事務局を行っております。本日、行政の方がいらっしゃるので言いづらいのですが、あえて言いますと、震災直後に消費者庁や行政主催でやるリスコミが、消費者に対して放射能の問題は大丈夫だ、安心してくれという説明方式のリスコミでしか開催されていなかったので、私たち消費者団体は、そうではなく、消費者、生産者、行政と三者が集まって、膝を突き合わせて、現場がどうなっているか、何が大変なのか、消費者は何を問題にしているのかということをわかりやすく話し合える場を県内3カ所で開催しました。それは震災の翌年です。

そのときに、お隣にいらっしゃる熊谷さんが原木シイタケのほだ木のセシウムの問題で非常に苦労されているというお話を聞いて、集まった消費者の方々は、頑張ってくれ、やめないで続けてくれというエールを送りました。本日またここでお会いしたということに非常に私は感銘を受けました。

私が思いますに、熊谷さんや志摩さんがおっしゃった生産現場の方は、消費者のために、安全のために頑張っておられますが、それを消費者に伝える役割が行政にはあると思います。現場の人はこれだけ頑張っているということを伝える役割があって、国は国として大きな枠組みの中で国民に対して伝える。宮城県は宮城県独自で、県内の生産者、県民が何を問題にして、何に困っているかを国のほうに伝える。そういう役割を担っていただければ、こういった食品中の放射能の問題の理解がだんだん広まっていって、生産現場も落ちつき、消費者も落ちつき、先ほど言われました福島のお米などもきちんと価格帯も上がっていくのではないかと感じました。

以上です。

小金澤氏(ファシリテーター)

どうもありがとうございました。

今日参加の皆さんは消費者の方が非常に多くて、そのほか、学校教育関係の方、また行政関係の方、食品関連の方もいらっしゃっていますので、いろいろなお立場から、今日の報告等を受けた上で、まず最初の議題であります生産現場の努力、生産現場での対策について、こういうことを教えてほしいという質問があれば出していただきたいと思います。手を挙げていただければと思います。いかがでしょうか。質問等々がおありになる方はいらっしゃいませんでしょうか。

よろしくお願いいたします。可能ならば所属とお名前をいただけると助かります。

質問者A

仙台市立八幡小学校の栄養教諭の大槻といいます。よろしくお願いいたします。

私は給食に携わっているのですが、事故直後、保護者からは、やはり牛乳とかシイタケとかの野菜の不安をよく聞きました。最近は魚がとても不安だという声を聞きます。先ほど石巻魚市場の安全性についてのお話を伺ったのですが、県内のほかの市場も同じような検査体制がとられているのかというところを一つお聞きしたいのと、それから、全国的に見てあのような検査体制は、南のほうはやっているのかいないのかわからないのですけれども、その辺をお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。

小金澤氏(ファシリテーター)

どうもありがとうございました。

志摩さん、最初のほうをお願いします。

志摩氏(石巻魚市場株式会社)

産地のほうといたしましては、私、石巻なのですけれども、わかる範囲内でお話しします。行政のほうで各市町村の関係は発表していただきます。

まず、私たちのほう行っているコンベヤー形式、3秒に1検体、丸ごとはかれる装置に関しては、約5,000万円のお金をかけまして、東北大学と共同で提供したわけなのですけれども、それに関して今は県内で女川の魚市場、それから水産業ではないのですが、農産物で丸森町さんのほうで導入しているという話を聞いております。また、県外では茨城県の北茨城市、平成の合併の前の大津町ですか、そういうところで導入しているように聞いております。

金野(宮城県)

水産物の検査ですと、先ほど説明の中で触れたのですけれども、NaIシンチレーションスペクトロメーターという簡易測定機を、県内に市場が5つあるのですけれども、その5市場に配備いたしまして、検査をしております。先ほど志摩さんのほうから、ミンチ状にして検査をしている説明があったかと思うのですけれども、あれが県のほうで配備しているものに基づく検査です。

小金澤氏(ファシリテーター)

では、農水省のほう、よろしくお願いします。

吉岡(農林水産省)

お魚の検査につきましては、各県がサンプルをとって検査をしております。今年、間もなく丸5年になりますので、どういう魚でまだ放射性セシウム濃度が高いのか、どういう魚はほとんど出ないのかという傾向がわかってきております。例えば遠洋を泳ぐ回遊魚、そういうものはほとんど出ませんし、表層にすんでいる魚、これもほとんど低い値です。海底に近いところにすんでいる魚はどちらかというと放射性セシウム濃度が高いという傾向にあります。あとは内水面、川魚とか、そういうところは、特に閉鎖系のところではまだ放射性セシウム濃度が高いといった傾向もあります。

今、17都県に検査をしてくださいということで国のほうからガイドラインを出していますが、例えば平成26年度では魚を含めた海産物で約1万6,000点、淡水産では約3,400点の検査を17都県でやっております。

小金澤氏(ファシリテーター)

どうもありがとうございました。

今のところだと、いわゆるシンチレーターのすり潰してやるものは各市場に入っているのですけれども、石巻さんがやっているような、ああいう丸ごとやるというところまでは、単に機械を入れるだけではなくて市場の整備の問題があって、さっきお話があったように、いわゆる閉鎖型の市場にするというのは施設面でまだ整備が終わっていないところがありますので、気仙沼とか、あっちのほうはまだそういう体制になっていないのだろうと思います。そのうち入ってくるとは思いますけれども、そういう体制がまだ十分そろっていないところもありますが、食品自体を検体で測る方法に関しては全部入っているということです。

学校給食全般について不安をたくさんの保護者の方が持っていらっしゃるということなのですが、そのことについて課長、お願いします。

金野(宮城県)

学校給食の検査につきましては、給食になる前の食材と調理が終わった後の給食丸ごとの検査をやっております。先ほどのデータの中で、細かくてわからなかったかもしれないのですけれども、学校給食の一食分の事後検査につきましては、平成24年度が県内で296件、25年度が295件、26年度が250件の検査をしておりまして、いずれも基準をクリアしている結果になっております。

小金澤氏(ファシリテーター)

そうしたことは、課長、ホームページに載っていますね。

金野(宮城県)

ホームページにも載っていますし、先ほどお話ししたスマホとか、そういったところでごらんになることができる状態になっておりますので、ぜひ御活用をお願いいたします。

小金澤氏(ファシリテーター)

牛乳について大瀬さんのほうからコメントをいただきたいと思います。

大瀬氏(福島大学)

先ほどの質問にあった牛乳について簡単に御説明します。結構問題になったのは震災直後なのですが、原因は何かというと餌なのです。餌に付着した放射性物質、あのときはセシウムだけではなくてヨウ素もあったのですが、そういうものを食べて、それが乳から出て、牛乳から検出されたということで、新聞などでも大きく取り上げられました。牛も人と一緒でセシウムを蓄積しませんので、しかも人よりも割と早く抜けていくという状態で、きれいな餌、要は汚染されていない餌を与えていれば全く問題ないという状況です。

今、家畜と養殖魚については、鶏、牛、豚、魚でそれぞれ餌の基準も決められています。基準以下の餌を与えていれば、肉はもちろん、乳や卵からもまずセシウムが検出されることはないですし、私の資料の中にも畜産物の結果がありますが、ほとんどというか、完全に不検出の状況ということです。

小金澤氏(ファシリテーター)

では、よろしくお願いします。

吉岡(農林水産省)

今、大瀬先生から、牛乳や牛肉についてはどういう餌をやるかというお話があったのですけれども、そういう観点で言いますと、実は鶏肉や卵からは放射性セシウムが出るわけがないのです。なぜかというと、牛は牧草や稲わらを食べさせるので、当時、上から降った放射性物質のついた餌を食べさせたら、今でも保管しているものを誤って食べさせてしまったら出るのですけれども、鶏は基本的には濃厚飼料を与えて、牧草や稲わらを食べさせませんので、餌という観点からすると出ないし、実際に検査をしても出ていないという状況です。

小金澤氏(ファシリテーター)

どうもありがとうございました。

先ほども不安が出たものの中にシイタケがありましたが、シイタケは先ほどの御説明のとおり大丈夫ということです。

そのほかありませんでしょうか。こういうことを聞いてみたいということがあれば、では、お願いいたします。

質問者B

食育でNPOをやっております横山と申します。

基本的なところで教えていただきたいのですけれども、放射線の測定器で連続式でやっていますとかいうことで、その測定方式とか、金額は先ほど5,000万ぐらいかかっているというようなことでしたが、それが一点。

あと、海の汚染状況はどうなっているのかということです。もちろん、魚のほうはほとんど検出されないということなのですけれども、福島の水の垂れ流しの状況がどうなっているのか、そこら辺のところも聞きたいということです。

検査のところで、県のほうで1万何千点やっていましたということですが、これは義務化なのですか。それとも、例えば私がこれを測定してほしいといったときに県が持っている機械でやっていただけるのか、その価格はいくらぐらいなのかということを聞きたいと思います。

小金澤氏(ファシリテーター)

では、3つですね。

質問者B

もう一点だけいいですか。キノコのところで、推進協議会を立ち上げてやられたということなのですけれども、私、食育のことでちょっとやっていますので、事務局はどこで、どういったメンバーで、県と市町村、どちらが立ち上げたとか、そういったところをお聞かせ願えればということです。

以上です。

小金澤氏(ファシリテーター)

わかりました。

では、最初の測定方式については志摩さんのほうからお願いします。

志摩氏(石巻魚市場株式会社)

コンベヤーの測定方式なのですけれども、東北大学の量子エネルギー工学専攻の中に放射線分野があります。コンベヤーの下のほうに120個のセンサーがあります。コンベヤーの上を魚が通ることによって、魚の取り込んでいる放射能を検出するという機械です。

質問者B

そのセンサーは、どんなセンサーですか。

志摩氏(石巻魚市場株式会社)

シンチレーションと同じような形でやっております。

質問者B

シンチレーション方式でよろしいですか。

志摩氏(石巻魚市場株式会社)

そうです。

質問者B

わかりました。

志摩氏(石巻魚市場株式会社)

福島に関しては、魚はどちらかというと県境がわかりませんから、その辺はある程度、海の表層と中層と着底にいる魚の状況に応じてそれぞれピックアップしてはかるようにしております。福島沖から、福島県と宮城県の県境に関しても重点的にはかるようにしております。

質問者B

多分、吹きだまりみたいなところがあるのですけれども、そういったところは国で調査などはしているのですか。

吉岡(農林水産省)

食品のところではないので正確ではないかもしれませんけれども、報道などで見ておりますと、海に漏れ出したものは湾の外には出ないようにフェンスで止めているので、外には出ていないと聞いておりますし、実際に測っている濃度も非常に低いというのが現状ではないかと思います。

小金澤氏(ファシリテーター)

海の汚染状況について大瀬先生、お願いします。

大瀬氏(福島大学)

セシウムと、汚染水だとストロンチウムの問題もあるのですが、これは何万ベクレル流出とか、そういう報道がなされたりしていますけれども、ベクレルでいうからすごい桁数になるのです。実は量でいうと非常に少ないのです。

例えばセシウムでいうと、福島原発事故で放出されたセシウム137を全部集めても4kgなのです。これが海に入ってしまうと拡散されて希釈されてしまって、濃度としては非常に低い。通常の測定ではまず検出できないレベルです。我々はそれでは仕事にならないので、大量の何十リットルという海水を濃縮したり、いろんな処理をして値を出すのですが、非常に低い濃度になってしまいます。それは海水の場合で、海水はそのようにほとんど問題にならないような濃度です。

ただ、底質、底の土についていうと場所によってばらつきがあります。もちろん原発の近傍というのは比較的高いですし、もう一つは、河口付近というのは山から流れてきた細かい粒子が沈みやすい性質を持っていて、セシウムというのは、少しお話ししましたが、土の中の細かい粒子に非常に強くついていますので、それが河川によってちょっとずつ運ばれてきては河口付近に沈んでたまるということで、河口付近などでは底のほうの土をとるとちょっと高いという状況があったりします。今そういう状況です。

小金澤氏(ファシリテーター)

では、県の検査のほう、お願いします。

金野(宮城県)

検査を受け付けていただけるかどうかというお話だと思いますが、先ほどの資料の中にも入っているのですが、農林水産物等の放射性物質の検査体制を示した表がございます。生産環境、出荷前検査、出荷後検査、その下に市町村による検査というのがございます。全市町村のほうに検査機器を配備しておりまして、住民の方が持ち込んだものを検査できるようになっておりますので、こちらのほうにそれぞれ御相談いただければ対応できると思います。

小金澤氏(ファシリテーター)

各市町村に窓口がありますので、そこに行っていただければできます。

質問者B

1回やったことがあるのですけれども、混んでいてできませんでした。ほかの、例えば穀物検定協会さんとか、シンチレーション方式でやっていたので、そっちでやったということがあったので、現状はどうなのかと思いました。

小金澤氏(ファシリテーター)

現状も変わらないですね。今もやっています。

質問者B

料金は。

金野(宮城県)

市町村のほうですか。

質問者B

はい。

金野(宮城県)

市町村のほうは料金はかからないです。

小金澤氏(ファシリテーター)

よろしいでしょうか。

質問者B

はい。

小金澤氏(ファシリテーター)

では、キノコのほうの推進協議会の説明をお願いします。

熊谷氏(JA仙台椎茸生産組合)

協議会の構成メンバーは、JA仙台の生産者のほかに1名参加してもらっております。会員は12名で、事務局は仙台市の農林土木課にあります。

今まで4回、会議を開催いたしました。これから露地物のシイタケがどんどん出荷されて出ていくわけなのですけれども、先ほど映像で見ていただいたように、商品の安全性を証明するためのシールを作ったり、いろんなイベントを開催するなどのPRを一生懸命やっております。

小金澤氏(ファシリテーター)

ありがとうございました。

吉岡(農林水産省)

県の検査は義務なのですかという御質問がありましたが、国のほうではガイドラインを示しまして。過去1年間で基準値、例えば100ベクレル/kgを超えたもの、基準値の半分の50ベクレル/kgを超えたものについては検査をやってくださいというお願いをしております。それ以外に、基準値を超えたり、基準値の2分の1を超えていないのだけれども、食べる量が多いものなどについては、そういうことも勘案しながら県で計画をつくって検査してくださいというお願いをしております。

小金澤氏(ファシリテーター)

どうもありがとうございました。

次に、2番目のテーマに移らせていただきます。時間がだんだんなくなってまいりましたが、流通している食品の現状と安全性について議論していきたいと思います。内閣府食品安全委員会のリスクコミュニケーション官の木下さんのほうでコメントがあればお願いします。

木下(食品安全委員会)

当委員会では、事故のあった2011年にリスク評価を実施いたしました。最初の御紹介にもありましたが、慢性的な影響を評価するというのは大変難しく、特に放射能というのは非常に難しいのですが、大学の先生などに集まっていただいて世界中の3,300の文献を集中的に審議いたしまして、生涯における追加の累積実効線量がおおよそ100ミリシーベルト以上で健康への影響が見出されるという評価書を公表しております。その後、いろいろな状況を勘案されて基準が策定され、リスク管理がなされていると聞いております。

小金澤氏(ファシリテーター)

どうもありがとうございました。

順々に当てていきますけれども、厚労省の菅原さん、よろしくお願いします。

菅原(厚生労働省)

まず、基準値の話から先にさせていただきたいと思います。我が国の基準値というのは、大瀬先生のスライドにもございましたように、食品の国際規格を策定しているコーデックス委員会が採用しております年間線量1ミリシーベルトに基づき設定されております。

厚生労働省のほうでは、事業としまして、マーケットバスケット調査というものを実施しております。これはどういったものかといいますと、先ほどのスライドの中に陰膳調査というのが出てきましたが、いずれも化学物質等の一日摂取量を推定するための調査で、陰膳調査は一般家庭から特定の個人の食事を集めて調査するというものなのですけれども、マーケットバスケット調査というのは、食品を何群かに分けた上で、それぞれ各地域から食品を購入して試料を作製し、国民の平均的な食事として調査するといったものです。厚生労働省のほうでは年に2回、マーケットバスケット調査を実施しており、全国15地域から市場に流通している食品を買い、食品中の放射性セシウムからどれくらいの線量を受けるかを推定しております。直近の調査結果によりますと、1年間当たり0.0006から0.0020ミリシーベルトということで、先ほどお話ししました基準値の設定根拠の年間線量1ミリシーベルトと比較しましても、1%以下とかなり低い状況にあります。

また、流通している食品を買ってきてそのまま調査するというような買上調査も行っておりまして、そちらのほうでは、野生鳥獣肉や野生キノコで、一部高い値のものも出ていますが、流通しているものには基準値を超過するものはほぼ出ていないという状況でございます。

小金澤氏(ファシリテーター)

今の厚労省のほうでやっていらっしゃる調査は、通常の食品流通のスーパー、そういうところで出ているものをピックアップして持ってくるということですか。

菅原(厚生労働省)

そういうことです。

小金澤氏(ファシリテーター)

そういうときは、こういう農産物、こういう食品とか設定なしに、無作為に何でもかんでも持ってくる形なのですか。

菅原(厚生労働省)

マーケットバスケット調査では、肉や魚など14群に分けて、それぞれ10品目程度以上の食品を含みますので、トータル200品目ぐらいになりますが、そういった方法で試料を作製して調査しているというものです。

小金澤氏(ファシリテーター)

マーケットバスケット調査の結果というのはどこを見るとわかるのですか。

菅原(厚生労働省)

厚生労働省のホームページで公表しております。

小金澤氏(ファシリテーター)

どうもありがとうございました。

同じように食品流通の段階でわかるところで、農水省のほうからコメントがあれば、吉岡さん、お願いします。

吉岡(農林水産省)

安全性について非常に難しいのは、こうやって県の方が非常に御苦労されてたくさんの検査をされて、データなどを出しているのですけれども、やはり心配だという方がいらっしゃるのです。そういう方々がこれからどういうふうに自分の食生活をやっていくのかということについては本当に難しい問題だと思います。

例えば関東の小売業者さんに聞きますと、消費者からの放射性物質に関する質問は今ほとんどありませんということで、ある意味、関心が薄れてきているというところもあれば、たまには、産地で東北の県の名前を聞いただけで拒絶反応を示す方もいらっしゃるというふうに、主観的な心配をなかなか拭えないということもありますので、やはりこういうふうな場をいただいて、私たちは科学的な情報を提供する、皆様にはそれぞれ自分たちで判断していただくということを積み重ねていくことが大事ではないかと考えております。

小金澤氏(ファシリテーター)

どうもありがとうございました。

では、加藤さん、何かコメントがあればお願いします。

加藤氏(宮城県生活協同組合連合会)

今のお二人の質問を聞いていて感じましたことは、消費者というのは報道やマスコミの情報に踊らされる部分が非常に多いと思うのです。私どもがやっております消費者団体では、マスコミの報道だけにとらわれるのではなくて、放射性物質の数値があらわすものは何なのか、たまに高い値が出るのはどういうことなのかということを自分たちできちんと学習して知らせていくということが非常に大事だと常々思っておりまして、この間、活動をしております。

先ほどありました牛乳に高く出た問題や、魚も大型の魚が高く出るのはどうしてなのかという疑問に対して、各専門の学識者の方をお呼びして、理由をちゃんとお示しいただいて、みんなでリスコミをやりながら理解し、今は問題がないということの理解を進めています。

魚についても、上がった魚の検査をして数値が出ないことはわかると思うのですが、では海の中はどうなっているのかという疑問を感じまして、宮城県沖、福島県沖で実際に潜って各地点をはかっている方をお呼びして学習会をして、なぜ大型の魚が高くなるかというのも学習して、みんなで理解を進めております。うちの会員生協は、みやぎ生協という大きな会員がありますので、生協のメンバーに流通商品は問題ないということをわかりやすく伝える努力を消費者団体として行っております。

行政に対して会議の場で常々言っているのは、なぜ高い値が出たのかという理由を消費者に伝えないと、風評被害は拡大するだけで、なくならないということを意見として出しています。今、厚労省の方がおっしゃったようなことを国がいろいろやっておられるのであれば、高く出たときはこういう理由だとか、消費者にわかりやすい情報提供を要望したいと思います。

小金澤氏(ファシリテーター)

どうもありがとうございました。

今日は、消費者モニターの方、特に食品流通の現場でいろいろと調べられている方がたくさんいらっしゃるので、皆さんのほうからこういうことはどうなのかということで、流通上のところで御質問、御意見があれば出していただきたいのですが、いかがでしょうか。いらっしゃいませんでしょうか。

質問者C

主婦の立場で、みやぎ生協にも所属しております一般会員の伊藤ミカと申します。

私、さっきの話を伺っていまして、市場に出回っている魚や野菜、そういうものについては各市場にも機器が配備され、管理されていて安心ということはわかったのですけれども、先日テレビを見ていまして、首都圏ではジビエ料理ということで、野生の鹿肉、イノシシ肉、そういうものの料理が注目を浴びているようです。

宮城県においても、農林水産関係だと思うのですが、増え過ぎた鹿やイノシシを狩猟で駆除して、それを地域の産物として有効活用しようという流れも漏れ聞いています。その際に、先ほどお話の中でありました野生の山菜、キノコ、野生鳥獣、そちらのほうからも、少ない数ではあるもののセシウムなどが検出されていると聞きました。私がこの間、テレビで見たのは、東京のレストランで、そこは山梨県の産地から取り寄せているという話だったのですが、私、狩猟免許を持っているのですけれども、一緒に狩猟免許を取ったメンバーの中には、自分で鹿肉とか、そういうのをさばいてお客様に提供したいという方もいらっしゃるのです。自分のところでちゃんと検査に出してくれればいいのですけれども、自分のところで提供したいという、実際、県内にあるのかどうかは私もよくわからないのですが、管理されていない野生の鳥獣肉が市場に出回った場合の放射能検査の安全性が気になっていたのですが、その点いかがでしょうか。

小金澤氏(ファシリテーター)

宮城県の例でこれから聞きますけれども、宮城県の中で、鳥獣、山菜、渓流の魚類については一定の規制がかかっていますので、それについて課長のほうから説明していただければと思います。

金野(宮城県)

うちのほうでも野生鳥獣の肉ということで検査をしておりまして、基準を超過しているものについては出荷制限が当然かかっております。現在、イノシシは宮城県全域、ツキノワグマ、これも宮城県全域でかかっております。ニホンジカも気仙沼市でかかっています。基準を超過すれば、ほかの農産物と同じような形で規制がかかることになっております。

それから、増え過ぎた場合、個体数の管理をするために狩猟が行われているのですけれども、あれは委託して駆除を行っていますので、それは流通に乗らないような形になっております。

ついでに、もう一点だけいいですか。

小金澤氏(ファシリテーター)

どうぞ。

金野(宮城県)

先ほど陰膳調査やマーケットバスケット方式の調査という話が出ました。皆さんにお配りしている中に「食品と放射能のQ&A」(第9版)という冊子が入っているかと思いますが、ここの48ページに調査した結果が出ております。宮城県のものについても調査されておりますので、見ていただければいいかと思います。目標値の1ミリシーベルトに対してかなり低い値になっております。食品ですから、正確には0.9ミリシーベルトが目標になると思いますが、それよりもかなり低い値になっております。

以上です。

小金澤氏(ファシリテーター)

どうもありがとうございました。

大瀬先生のほうからもコメントがあるようです。

大瀬氏(福島大学)

野生鳥獣、山菜、キノコについて少しコメントさせていただきます。全体的に言うと、山菜もキノコも野生鳥獣についても平均的な濃度は下がってきています。ただ、100ベクレル/kgを超えるものというのもまだあります。基準を超えるものもあるというような状況になっているので、まだ出荷とか流通させるような段階ではないという状況です。

ふえ過ぎた野生鳥獣については、福島のほうではイノシシなどは駆除して、足を持っていくとお金をくれる、そういうことも対策としてやっています。でも、実はこっそり食べている方もいっぱいいます。

山菜も、濃度としては下がっていく傾向がかなり顕著に出てはいるのですけれども、同じ山菜でも場所によっては高く出たり、種類によってもコシアブラなどはかなり高く出やすいので、タラノメとコシアブラは同じ仲間なのですが、同じ場所に生えていてもタラノメは100ベクレル/kgを切るのだけれども、コシアブラは100ベクレル/kgを超えてしまうというケースも結構あります。山のものについては一応、検査所に持っていって、測ってから食べてくださいというお話をこういう場ではさせていただいています。

小金澤氏(ファシリテーター)

どうもありがとうございました。

本日のシンポジウムはそろそろ時間が迫っていますので、最後にここだけは聞いておきたいという方がいらっしゃったら、お手を挙げていただきたいのですが、よろしいですか。

では、どうしても一言、言いたいという方がこちらの側にいらっしゃれば、どうぞ。

志摩氏(石巻魚市場株式会社)

魚関連で皆様にお聞きしたいことがあるのですけれども、よろしいでしょうか。実は3年前の新聞の報道ですが、福島県沖で2万5,000ベクレル/kgという膨大な数字のアイナメが確保されました。その魚を1kg食べると果たしてどれくらいの被ばく量といいますか、何ミリシーベルトの影響があるのか、もし興味があって調べてわかっているという人がいらっしゃったらお手を挙げていただきたいと思います。

失礼しました。私、魚関係なものですから、2万5,000ベクレル/kgのアイナメを1kg食べるということは余りないと思いますが、食べた場合に、被ばく量としては3ミリシーベルトという形でお聞きしております。胃のX線検診を1回受けたときとほぼ同じだと思います。

小金澤氏(ファシリテーター)

よろしいでしょうか。

そのほか、ありませんでしょうか。各省庁のほうからも何かコメントがありましたら、よろしいでしょうか。

どうもありがとうございました。ちょうど4時15分ということで終わりました。つたない司会で申しわけありませんでしたが、皆さんの御意見、質問がある程度出せたのかなと思っています。

以上で終わりにしたいと思います。皆さん、どうもありがとうございました。失礼いたします。(拍手)

 

 

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6.閉会 

司会(消費者庁・大浦)

本日の会に御参加の皆様、熱心なお話、ありがとうございました。時間の都合上、御発言いただけなかった方がいらっしゃいましたら、本当に申しわけございませんでした。

先ほど加藤様のほうから、もっと情報提供を行政からということでしたので、こちらのほうで御紹介させていただきます。皆様にお配りしておりますが、「食品と放射能Q&A」「食品と放射能Q&Aミニ」という冊子を作成しておりまして、こちらは御希望の方に無償で配布しております。放射線の基礎知識から基準値の説明、また検査結果の年度変化や生産現場での取り組み等を御紹介しております。今、お配りしている本年度分はそろそろ在庫がなくなっているのですけれども、平成26年度の状況を反映しました最新版を3月に発行する準備をしておりますので、御希望の方がいらっしゃいましたら、消費者庁のほうにぜひお問い合わせいただきたく思っております。また、消費者庁のホームページにも掲載いたしますので、ぜひ見ていただけたらと思っております。

それでは、本日のプログラムをここで終了いたします。円滑な進行に御協力いただきまして、どうもありがとうございました。長時間、お疲れさまでした。

今後の参考にさせていただきますので、お手元にお配りしておりますアンケートの御提出に御協力をお願いいたします。本日の御感想や御意見を御記入の上、出口でスタッフが回収箱を用意しておりますので、お入れください。

本日は御参加ありがとうございました。

 

 

 

お問合せ先

消費・安全局食品安全政策課
担当者:情報発信企画・評価班
代表:03-3502-8111(内線4474)

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