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姫田消費者情報官
まだいらしていない方もございますが、定刻を過ぎましたので、ただいまから消費者団体との懇談会を始めさせていただきます。本日はお忙しい中、ご出席いただきましてありがとうございます。
本日は、消費・安全局始まって以来1年間に、地方でのリスクコミュニケーションを除きまして、「食品に関するリスクコミュニケーション」を14回、それから「消費者団体等との定例懇談会」を2回開催しております。その中、その間にさまざまなことがございましたが、1年間を振り返りまして、皆様方からご意見をいただきまして、今後の施策に反映していきたいと思っております。
まず、本日は、今まで4回以上ご出席いただきました30団体の方々の中からお声がけいたしまして、その中でご出席くださると回答いただきました19団体の方々にお集まりいただいたところでございます。ぜひフランクな意見交換をしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
議事に先立ちまして、消費・安全局長の中川よりごあいさつ申し上げます。
中川消費・安全局長
消費・安全局長の中川でございます。
本日は大変お忙しい中、またお暑い中、多数お集まりをいただきまして、本当にありがとうございました。日ごろから、きょうご出席の皆様方には、食品に関しますリスクコミュニケーションにご出席いただき、また貴重なご意見もいただいております。こういった活動を通じまして、私どもの消費・安全行政にいろいろとご支援をいただいておりますことに、改めてお礼を申し上げたいと思います。
農林水産省に消費・安全局ができまして1年が経過いたしました。昨年7月の行政組織改革の狙いは、何よりも食の安全・安心確保のために、リスク分析の手法を用いまして、食品安全委員会においてはリスク評価を行い、それから私ども農林水産省や厚生労働省はリスク管理を行う部局としてきちんと役割分担もでき、またそれぞれの責任の所在もはっきりしたわけでありまして、こういった関係の部局がリスクコミュニケーションを消費者の方々ととりながら、きちっとした食の安全・安心確保のための政策を遂行していくと、そういう狙いでできたわけでございます。私ども農林水産省の消費・安全局は、そういった、今、申し上げたような組織改革のねらいが、きちんと国民の方々から評価をしていただけるようにという気持ちで、この1年間精いっぱい努力をしてきたところでございます。
1年間を振り返りますと、詳しくは後ほど資料で申し上げますけれども、昨年の暮れにはコイヘルペスウイルス病、これは魚の病気ですけれども、発生しましたし、またアメリカでBSEの発生もございました。年が明けますと、今度は79年ぶりの高病原性鳥インフルエンザの発生ということで、いろいろと事件・事故、食の安全・安心にかかわるさまざまな出来事がございました。こういったことへの対応に、私ども大変忙殺をされたということでございます。本来、もう少し組織の立ち上がりの段階で冷静に、これからやるべき政策を議論するということも、ある面では大事なことでありましたけれども、当面の対応に忙殺をされたという面もなきにしもあらずというふうに思っております。
こういったさまざまな事件・事故につきましては現場の方々の努力もありまして、高病原性鳥インフルエンザを例にとりましても、4例の発生で抑えることができたというふうな点につきましては、不幸中の幸いであったと思いますし、こういった経験を踏まえて、今後我が国での発生が仮にあった場合にも、より的確な対応ができるように、経験を踏まえてきちっとした対応をしていきたいというふうに思っております。
また、BSEにつきましても、アメリカの発生第一報を受けて、輸入停止措置ということを国境措置としてとったところです。その後、米国との間ではさまざまな交渉なり、あるいは専門家レベルでの事実関係確認のための会合というものが開かれてきておりますけれども、私どもとしての基本的な考え方は、何よりも国民の方々、消費者の方々の安全・安心の確保を第一として、基本的な考え方は、我国がBSE対策としてとっている措置と同等の措置を諸外国にも要求をしていくという、この基本的考え方を貫きたいと思っているところでございます。こういった点につきましては十分消費者の方々にも情報提供するとともに、いろいろなご意見をお聞きして、きちんとした対応をしてまいりたいと思います。
農林水産省の消費・安全局としましては、こういった対応の他に、もっと地道なといいますか、食品、あるいは食料が、生産現場でつくられて、それが流通・加工に回って、最終的には消費者の方々の手元に届くまでの、それぞれの段階でやるべきことがありますし、そういったものをそれぞれの関係者の方に守っていただくのが一番食の安全・安心の確保のためには大事だと思っております。
それからまた、消費者の方々の安心や信頼を確保するためには、やはり国民的な運動としての食育活動の展開、それから食生活指針といったものはもう既に平成12年3月に策定されておりますが、これを、より国民的な運動に結びつけるためのフードガイドのようなものも、私どもこれからつくっていきたいと思っております。やはり単なる知識ではなくて、実践活動に結びつけていくというのが何よりも大事なことだと思っておりまして、こういった面での工夫もしまして、消費者の方々との連携をとってやっていきたいというふうに思っております。
本日は、これまでの私どもの取り組みについての紹介をし、皆様方からいろいろと厳しいご意見もいただいて、さらに一層適切な行政が行われるような、そういう取り組みに私どもとしては生かしていきたいと思うわけでございます。ぜひ忌憚のないご意見をいただきまして、本日の会合がさらなる適切な行政に向けて反映されるように、私どももしっかり頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
本日は本当にありがとうございます。
姫田消費者情報官
それでは、議事に先立ちまして、出席者のご紹介をしたいと思います。
今回は、先程も申し上げたように、消費者団体との施策意見交換会に登録していただいている団体で、「食品に関するリスクコミュニケーション」あるいは「消費者等との定例懇談会」に4回以上ご出席いただいた、あるいは傍聴いただいた消費者団体の方々にご出席いただいております。皆様方のご紹介はお手元の名簿、今新しいものを配っておりますので、これが最新のものでございます。これをもってご紹介にかえさせていただきますのでご了承ください。
それでは、農林水産省の出席者を続きまして紹介いたします。先程ごあいさついたしました消費・安全局長の中川でございます。
7月2日に厚生労働省の年金局から参りました審議官の高橋でございます。
7月2日に畜産局から参りました参事官の伊地知でございます。
総務課長の實重でございます。
本日進行役を務めさせていただきます消費者情報官の姫田でございます。よろしくお願いします。
それから後ろにおりますが、衛生管理課長の栗本でございます。
それでは、議事に入りたいと思います。
配付資料ですが、まず「議事次第」、それから配付資料についている出席者名簿は間違っておりまして、今お配りした出席者名簿が正しいものでございます。それから「消費者団体との懇談会」、目黒区消費者グループの西澤さんが入っておりませんが、それがお手元の座席表でございます。それから「消費・安全局設置から1年間のとりくみ」、こちらは後で局長の方からご説明申し上げます。そしてその後に、「消費・安全局の設置から1年間の主なできごと」、そして「米国BSE問題について」、「BSEに関する専門家及び実務担当者会合報告書の概要」、それから皆様方からいただいた「政策広報に関するアンケート集計表」がございます。以上、配布資料でございますのでご確認ください。
それでは、まず1年間の取り組みにつきまして、消費・安全局長の中川から報告いたします。そしてその後で、消費者団体の皆様方と1年間の取り組みについて十分意見交換したいと思います。安全局の取り組み全体について最初にご議論いただいて、その後皆様方の個別の議論やそれぞれのハザードについての議論もしたいと思います。最後に私どもが行っておりますリスクコミュニケーションについてのご議論をいただいて、最後は私どもの方からご案内したアンケートについても、少しご意見をいただければと思っています。
それから、既に本日ご出席の皆様方の中からもご質問いただいておりますが、この会議が終わった後に、畜産部の食肉鶏卵課長から豚肉のセーフガードについてご説明いたしますので、会議終了後、お時間がある方でご興味のある方はお残りください。よろしくお願いいたします。
それでは中川からご説明いたします。
中川消費・安全局長
それでは、お手元に色刷りで、「消費・安全局設置から1年間のとりくみ」という資料をお配りしてございます。これに沿いましてごく簡単に、これまでの私どもの取り組みを振り返ってまいりたいと思います。
この資料は、大きくは2つに分かれております。ローマ数字のIで書いてありますが、最初が「産地段階から消費段階におけるリスク管理の確実な実施」、それから6ページ以降が消費者の方々の安心や信頼を確保するためのさまざまな取り組みという大きくは2つに分かれてございます。
1ページの方から順次ご説明をいたしますが、リスク管理で特にこの1年を振り返りまして大きな出来事としてありましたのが、人畜共通感染症を含みます家畜防疫体制をめぐる問題でございます。具体的にはBSE対策、BSEの関連のさまざまな出来事、これがその第一でした。
我が国でも昨年この消費・安全局ができまして以降、国内でのBSE牛の発見が4例ございまして、その中には、ご記憶の方も多いと思いますが、昨年の秋には21カ月齢や23カ月齢という、非常に若い牛での感染例も見つかったところでございます。昨年の9月末には、それまで発見されておりました7例の資料をもとにして、BSEの疫学検討チーム報告書が取りまとめられました。具体的に我が国で発生したBSE、その感染原因がどういったものが推定されるかといったことについての取りまとめをいただいたわけです。
平成13年10月から、屠畜場におきます全頭検査あるいは特定危険部位の除去につきましては、完全な実施がされておりますし、また今年の4月以降は各都道府県すべての地域で、死亡牛の24カ月齢以上のものについてのサーベランスとしての検査の体制も整ったわけであります。
2つ目のにありますのは、アメリカにおけるBSEの発生以降の対応でございます。当然、発生の第一報を受けまして、アメリカからの牛肉の輸入は停止をしたわけでありますが、その後の対応につきましては、冒頭ごあいさつの中でも申し上げましたように、消費者の方々の食の安全・安心の確保を大前提に、米国産牛肉についても国産と同等の措置が必要との基本的なスタンス、認識のもとに協議を進めてまいりました。
これまで局長級の協議、あるいは亀井農林水産大臣とヴェネマン農務長官との電話会談等、さまざまなレベルで協議を行ってきておりますが、4月までの段階でいろいろと局長級協議の議論を行いましたが、アメリカと日本ではさまざまな事実関係についても認識が違う、それからいろいろな検査手法その他についても国によって違いがあるということで、まず議論を進めていく上では科学者、あるいは専門家による科学的な事実関係について共通の認識を得ないと、さらなる議論が進まないということがわかってまいりましたので、この一番下に書いてありますように、5月以降3回にわたってワーキンググループというものを設けまして、専門家の方、実務者のレベルでの会合を開いたわけであります。
先般、7月21日、22日の会合で報告書が取りまとめられております。資料の方にも概要をつけておりますので、議論の進み方によってはご説明したいと思います。これは、日本とアメリカの間で、どういうことが事実関係として共通の認識が得られたか、それから議論をしたけれども、見解が違うという部分がどういう点があるかということについて整理をしたものでございます。こういったワーキンググループの作業の先に、これからの具体的な協議、まだ具体的なスケジュールは決まっておりませんが、日米間の協議というものが行われることになっております。
それから2ページをごらんいただきたいと思います。もう1つの大きな出来事、今年の1月12日でございましたが、79年ぶりに我が国で高病原性鳥インフルエンザの発生が確認されました。これは昨年来、アジアの各地域でもいろいろな発生の報がございましたし、私どもとしましても昨年の9月の段階で、日本で高病原性鳥インフルエンザが発生した場合には、どういうふうに初動の対応をするかというものはマニュアルをつくってございました。また、昨年の12月には韓国でも発生が報じられ、それを受けてさらに各都道府県にも注意喚起をしたということでございます。山口、大分、それから京都では2つの事例ということで、これで4例の発生が報告されましたが、防疫マニュアルという初動の対応のマニュアルができていたということ、また現場でも適切な対応を各関係の方にしていただいたということで、さらなる発生は幸いにして食いとめられたということでございます。
この間、政府におきましては関係閣僚会議を開きまして、3月16日には鳥インフルエンザの緊急総合対策というものも取りまとめましたし、その中の1項目でありますが、それまでの対応で、現実に対処してみるとやはり問題点も見えてまいりましたので、家畜伝染病予防法を急遽改正をいたしまして、通報の届出義務違反に対するペナルティの強化、あるいは一定の距離で移動制限をかけますので、その制限のかかった養鶏農家の方々の経済的なデメリットに対する支援をするような措置、あるいはまた都道府県が防疫対応する際のさまざまな経費についての国の負担を設置など、こういったことを法制度としても急遽整備をしたところでございます。
それから6月30日には、この高病原性鳥インフルエンザが、どういうふうにして日本に入ってきたのかという感染経路を、やはりきちっと明らかにすることが今後の対応の上でも重要でございますが、感染経路究明チームの報告書が6月30日に出ております。一番疑われるのは渡り鳥によって日本に持ち込まれたという考えであります。ただこの報告書の中で、もう1つ力点が置かれておりますのは、きちんとした対応、衛生的な管理というものをそれぞれの養鶏農家の方がやっておられれば、それほど渡り鳥から鳥インフルエンザウイルスが入ってくるとしても恐れることはないといいますか、きちっとした対応が何よりも大事だということも強調されておりますし、さまざまなこれからの対応の上で役立つご提言もいただいております。こういったものは、私どもの今後の対応に生かしていきたいと思います。
アジアでは、また最近、中国、それからタイ、ベトナムでの再発というようなことも報じられておりますが、気を緩めることなく対応していきたいと思っております。
2ページの下の方にはコイヘルペスウイルスのことが書いてございますが、これは省略をさせていただきます。
それから3ページ以降、今まで申し上げたのは、どちらかというとマスコミでも大きく報じられ、いわば事件・事故への対応ということでありますが、一番地道な対応として大事なのは、冒頭も申し上げましたが、3ページ以降に書いてございます、それぞれの食料が圃場でつくられ、それから消費者の方々の手元に届くまでの各ステージで、きちっとしたルールどおりの対応をしていただくことだと思っております。生産現場におきましては肥料や農薬、それから餌といったようなもの、あるいは動物用医薬品といった様々な生産資材が、適切に、ルールどおりに使用されるということが何よりも大事だと思います。
ここに幾つかの例が出ておりますが、行政側の対応としましては、今申し上げたようなことがきちんと行われるように、普段から普及啓発、指導を行い、また必要があれば立ち入り検査を行うということもいたしておりますが、消費・安全局が昨年7月に発足して、最初にこの分野で起こったことは、農薬の容器ラベルにおいて1つのアイテムで記述が間違っていた例がございました。ある作物に何回この農薬が使えますよというようなところの、その回数が間違って書いてあったという例が1つ見つかったわけでありますが、局が発足して間もなくでございましたので、この際すべての農薬を一斉点検をしようということで調査をいたしまして、その結果、24の農薬メーカーの製品、100を超えていたと思いますが、そういったものについて何らかのラベルの記載ミスがあったということがわかりました。こういう1つの例をとりましても、きっかけ、何か問題があればそれに基づいてきちんと調べるということの重要性を、改めて私どもも認識をしたところでございます。
それから農薬の使用の面で、生産現場で大きな課題になっておりますのは、農薬というのは、使える作物と農薬の関係がきちっと決まっておりまして、作物によっては使えない農薬というのも多々ございます。ところが、地域の特産物という生産量も余り大きくないものについて、使える農薬がそもそも日本には多くないということ、これはいわゆるマイナー作物に対する適用農薬の問題でありますけれども、そういう問題もありまして、昨年の3月以降およそ2年間の期間を設けまして、この間にできるだけ適用作物に対応する農薬がきちんと登録されるように、今このような取り組みを行っているところでございます。来年の春が1つの区切りになりますので、ここにいろいろ具体的な数字も書いてありますが、今現場ではできるだけ重複を避けながら、必要なデータを収集し、きちんと登録ができるようにという運動をしているところであります。
4ページに参りますが、産地における生産者の方々の自主的な取り組みを支援をしていくということでございます。食品の製造過程にはHACCPというような手法がございますが、農業生産の現場におきましても、もう数年前になりますがO-157の事案がございましたが、こういったものの発生を予防するためには、生産現場できちんとした生産の工程を守ってもらう、あるいはそれを実践してもらうということが大事でございます。GAPと書いてございますが、適正農業規範ということで、既に生鮮野菜についてはそういった衛生管理のためのガイドをつくっておりまして、これの普及に現在努めているところでございます。生鮮野菜以外のさまざまな農産物についても、適正農業規範を新たにつくり、実践・普及に努めていくことがこれから大事だと思います。畜産の分野におきましても、同様に飼養衛生管理基準というものを設けまして、最低限、動物を飼っている、家畜を飼っている飼養者の方々には守っていただきたい事柄を省令で規定して、これを広報するという最終的な準備を今しているところでございます。
それから4ページの中ほどには有害汚染物質のリスク管理の強化ということでございますが、カドミウム、あるいは水銀、ダイオキシン等、あるいはかび毒といったように、さまざまな自然界に存在するもの、あるいは人為的な理由でそういったものが少し増強されたというものがございますが、こういったものについてはなかなか実態がわからない部分もございますので、それぞれにプロジェクトチームを我々の組織の中につくりまして、実態調査、あるいは具体的にこういった汚染物質ができるだけ食料品に取り込まれないように、生産過程でそういった汚染が起こらないようにという手法について、現在、研究をしているところでございます。
それから6ページにありますように、日本は海外から食料としての輸入品を相当受け入れておりますけれども、水際の措置としまして、厚生労働省の検疫所によります調査、検疫のほかに、農林水産省におきましても既に市場に出回ったもの、国内に入って流通したもの等につきましてサンプリングをいたしまして、残留農薬等の調査をするシステムをつくっております。さらに今年から来年にかけましては、主要な輸出国において生産時にどのような農薬が使われているかといった調査にも、もう少し力を入れていきたいと考えております。
5ページは植物防疫の関係、それから管理体制の整備ということで、こちらは食品安全委員会、あるいは厚生労働省など関係の府省との連携をこれからより強めていくことが大変重要でありますので、各省の間での基本的な要綱をつくったり、あるいは事件・事故が起こったとき、あるいは起こるまでの平時のときも含めての連携がきちんととれるような、そういう取り組み体制を構築しているところです。食品安全委員会との関係についても同様でございます。
6ページ以降、2つ目の大きなテーマでございます消費者の方々の安心・信頼の確保のための取り組みでございますが、その第一が食品表示なりJAS規格の適正化の問題でございます。消費者の方々が食品を選ぶ際の、いわば唯一といってもいいようなよりどころが表示でありますので、必要な事項がわかりやすく表示をされているということが一番大事なことかと思います。
これは厚生労働省との間で、食品の表示に関する共同会議というものを発足させておりまして、1年半近く経ちますけれども、この会議におきまして、さまざまな用語についても統一するということについても検討しております。例えば品質保持期限というのが食品衛生法で使われております用語であります。JAS法では賞味期限と言われております。これも賞味期限に統一するといったような、これは1つの成果でありますが、それに限らず加工食品の原料原産地についてもう少し幅を広げて、対象品目を広げていくという取り組み、それから畜産物の原産地表示のルールの見直し等、これまでも着実にこの共同会議でご検討いただいた結果が成果として挙げられてきております。
さらにJASにつきましては、消費者の方々がJASに求めるニーズに応じた新たなものをつくっていくということで、新らしいJAS規格を順次制定しております。例えば有機畜産物なり、そういったもののJAS規格ですとか、あるいは生産工程を公表するようなJAS規格というようなものも既に制定をされているところでございます。
この表示や規格につきましては、それぞれ必要なものをルールとして定めるということとあわせまして、現実に店頭において、それがきちんと守られているかということをチェックすることが大変重要であります。昨年7月の組織改正で、地方に農政事務所が設置されまして、その中で約4,000人が私ども消費・安全局の地方部局になるわけですが、そのうちの約半分の2,000人の職員が、この表示関係の監視に携わっているところでございます。日常のチェックのほかに、それぞれテーマを定めまして、特別調査という形で具体的な、重点的な調査もこれまで行ってきております。
7ページに移りますが、表示関係とあわせましてもう1つ食の安心・信頼の確保という意味で、トレーサビリティシステムの確立なり導入というものがございます。牛肉につきましては、ご承知のように法律でもってこの実施が義務づけられております。昨年の12月に生産段階、農場から屠畜場までのところは既に実施に移されておりますが、今年の12月には、今度は川下の屠畜場を出てから個々の小売店なり特定の外食のところで、このトレーサビリティの導入を図るということが予定されておりまして、現在その川下部分の実施に向けての準備もいたしております。
それから、それ以外の品目につきましては、法律上の強制措置ではございません。むしろ関係者の方々が自主的な取り組みとしてトレーサビリティを導入するための、その努力を行政としてお手伝いをするという意味で、システムの開発、実証事業に対します助成等を現在行っているところでございます。
8ページ、最後でございますが、食の安全・安心確保のためには、やはり消費者の方々、国民の方々とのリスクコミュニケーションの推進というのが何よりも大事だと思っております。大臣との定例懇談会等もこれまで3度行われておりますし、それだけではなくて、むしろ個別具体的に消費者の方々の関心の高いテーマを選びましてのリスクコミュニケーションも13回行いました。この四角く囲ってあります中に具体的なテーマを羅列いたしておりますが、大変熱心な意見交換をしていただいていることにお礼申し上げたいと思います。
私どもとしての課題は、こういったリスクコミュニケーションの場で出された意見を、それ以降の政策にどう具体的に反映していくかということが、これからはむしろ厳しい目で見られるのではないかと思っております。その点は十分留意をして、これからも進めていきたいと思っております。
それから最後に、食育の推進でございます。いろいろと知識では消費者の方々もわかっておられることが多いとは思いますが、日々の食生活には、なかなかそれが実践として生かされていない、あるいは食材等を選ぶことについても具体的な知識自体がやはり十分でないというような、いろいろな問題がございます。日本人の食生活が抱えるさまざまな問題について、やはり自ら判断ができ、自ら考えて行動ができるという、そういう意識を高めていただく、そういう能力を高めていただくという意味での食育を全国展開していきたいと考えております。いろいろと知恵を出しながら工夫をしております。また、全国に3万人、こういった食育推進のボランティアという形で登録もいただいておるわけですが、せっかくこういう善意といいますか、意欲のある方々を、何とか活動していただける、そういう場、チャンスをこちらとしても準備しなければいけないなと思っております。
今、駆け足で1年間を振り返ってまいりましたが、もともとこの組織が発足をする際に、私自身で1つの課題として設定したことがございます。それはBSEをきっかけにして、この消費者の方々から失った行政に対する信頼というものを少しでも早く回復したいということでありまして、それを一番の基本的な考え方に置いて努力をしてきたつもりであります。農林水産省の取り組み、最近は少し変わったのではないかというふうに言っていただくことが1つのあらわれ、我々とすれば努力に対する評価になるのではないかと思っているわけでございます。
本日のこの機会に、ぜひ厳しいご意見も含めて、私どもの方にご意見をいただければというふうに思います。どうもありがとうございました。
姫田消費者情報官
それでは、これから意見交換会に入りたいと思います。今回はお一人の発言時間に制限はございませんが、できるだけ皆さん方のご意見をたくさん聞きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それから、本日は4つに分けたいと思います。
まず1つは、今局長が最後に申し上げました、我々は変わったのか、あるいは農林水産省が変わったのか、農林水産省が信頼に足るようになったのかということについて、局長から厳しく言われておりますが、我々全体がどうなったかということも含めて、皆様方に総論的にお話をお伺いしたいと思います。その後、BSE、鳥インフルエンザの話にはかなり議論が集中すると思いますので、それ以外についてお時間を少しいただいて、各論でお話しいただければと思います。その後、鳥インフルエンザ、そして最後にBSEという順でお話をお伺いしたいと思います。それで大体11時半ぐらいになりましたら、私どもが行っておりますリスクコミュニケーションについての意見交換ということにさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それではまず最初に、今局長が最後に申し上げた、農林水産省は変わったか、あるいは信頼に足るようになったかということについて、どなたからでも、厳しいご意見で結構でございますので、よろしくお願いいたします。
山浦(日本消費者連盟)
昨年から農水省に変化があったかということですが、後で話題になりますBSEをちょっと例にとりますと、アメリカでのBSEの発生を受けて輸入禁止措置をとって現在に至っているということなどを見ておりますと、多少変わったなという印象を私どもは持っております。以前はいろいろな、生産の問題に重点が置かれていましたが、消費者に軸足を置くということで安全・安心を重要視するといった、そういうことが割と目に見える形でもって行われていると思います。
ただ、いろいろな問題があるわけでして、それ以外のところでは、後でまた話題になるかと思いますけれども、必ずしも消費者にとって安全な生産体制が維持できてないのではないかという感じがいたします。例えば、私どもとしては生産現場から変えていかないと安全・安心は得られないのではないかということをかねがね思っておりますけれども、例えば有機農業につきましても、そういった推進体制ということが本当に行われているというふうには思えません。例えば韓国においては、WTO問題に対応する意味で国内の有機農業の推進ということでもって対応しようといった、そういう機運も生まれておりますけれども、そういったことに比べますと、日本においてはそういった意思表示がなされていないと、そういう問題がありますので、畜産の問題を含めて、まだまだ生産のあり方を根本から見直すというところが変わっていないなという感じがいたします。
それから縦割り行政の問題が以前から指摘されているわけですけれども、厚生労働省、農林水産省あるいは環境省のそれぞれの垣根ということが本当に取り払われたのかというと、どうもそうではないのではないかと思います。この問題は農林水産省、この問題は厚生労働省と、そういう形でもって、どうもまだ垣根が高いなと、そういう感じがいたします。
ただ、全般的には去年から比べまして、相当お役所としては変化があったのかなという評価はいたしますが、今申しましたようなことがまだ大きな課題ではないかと感じております。
姫田消費者情報官
どうもありがとうございました。ほかにどなたかございませんでしょうか。
中野さんお願いします。
中野(日本生活協同組合連合会)
先程の中川局長のあいさつにも、事件発生等があっていろいろな対応に忙殺されているというお言葉がありましたが、そういう意味ではこの間いろいろと起こった出来事に対して、各種の対策がとられているということには敬意を表します。そういう意味で食品安全基本法に基づいてスタートした1年ということでは、少しずつ変わりつつあるのかと思います。
ただ、この「消費安全局設置から1年の取り組み」を読んでいて、まだちょっと違和感があり、その違和感について考えていく、まだ変わり切れていない部分があるのではないかと思います。局長のご挨拶にもあるように、リスク管理機関とリスクアセスメント機関を一旦は機能的に分離するということで、去年から1年間やってきたわけです。しかし、例えば「産地から消費段階にわたるリスク管理の実施」という文章中に、米国のBSE発生の対応や、国内の鳥インフルエンザ、コイヘルペスの事が明記されています。私は、どうしてもこれらの事は、やはり起きてからの対応ということでもあって、「リスク管理」というよりも「危機管理」に属するような事ではないかと思いますので、振り返りの視点についても、リスク管理ではなく危機管理がきちんとできたのかどうかという観点から、行ってきたことの振り返りをする必要があると見ています。
また、健康被害の未然防止の規定が食品安全基本法にもありますから、その視点からどれだけ施策が行われたかという視点は外せないと思います。そういう意味では、パツリンをはじめとするかび毒等の対応やその調査・研究というのが、実際のリスク管理としてあるべき仕事であり、そのような取り組みが「リスク管理の確実な実施」という文章の中に、もっと優先的に上がってくるべきではないかと思っています。この1年間の取り組みや施策についての評価軸について、本来の優先事項が後に来ているのではないかという私の違和感が、まだちょっと変わり切れていないのではという感想につながっている気がします。きちんとリスク管理機関としてやるべきことについての政策評価が、その年度の取り組みの中で出された時に、「農水省は変わったな」と感じるのではと思います。
姫田消費者情報官
どうもありがとうございます。お2方からのとても参考になる意見だと思います。
武荒さんよろしくお願いします。
武荒 農水省が変わられたということは、いろいろな意味があると思います。不測の事態に対応していろいろ対処されるということ、それは私たち一般消費者としてはありがたいことだと感謝しておりますけれども、ある口の悪い方だと、いつも後手に回ってからやっているなど、意地の悪い方もありますけれども、それでもやっぱり不測の事態に対処するのはそうそう簡単にいくことではありませんし、意地悪を言う方こそ、本当にやらせてみるとろくなことはやらないと思います。私たちの安全のために努力していただきますこと、本当に感謝しております。
BSEに関しましては、先ほど説明がありましたが、米国で発生したから輸入禁止にしたということ、それにつきまして、私たち消費者としましては、業者と密輸の危険があるんじゃなかろうかというような余計なこと考えておりますが、そういうことの監視だけはうんと厳しくやっていただきたいなと願っております。
それから鳥のインフルエンザですが、以前テレビの報道で見たのですが、オランダで60年ぶりに再発したとか、そういう放送があったように記憶しておりますけれども、そうすると鳥のインフルエンザというのは60年の周期があるんじゃなかろうかと、そういうことを考えていました。ご説明にもありましたが、埋却ですか、鳥の死骸を全部埋める、地下何メートルかどうか知りませんけれども、埋めていますとまた何十年かたつとウイルスがまた浮き上がるんじゃないだろうかと、戦後、パスツールの映画を見ましたときに、あれは脱疽菌だったと思いますが、記憶があまり定かではありませんが、とんでもない時間がたっても菌が動き出したんだと、そういう映画の一節を見たことがありますので、鳥のインフルエンザもまたいつ何時はびこるかわからないなどということを取り越し苦労しております。
それから昭和三十五、六年だったと思いますが、昔旅行で小田急線に乗りまして、停車駅でひょっと外を見ましたらちょうど養鶏場で、窓が接触していまして、養鶏場が丸見えだったんです。それで中を見ましたら、身動きもできないほど鳥が、ぎっしり詰められて餌を食べているんです。人間だったらストレスで死にたいと思うんじゃないだろうかと思いました。最近インフルエンザでいいますと、やはり鳥の1羽についてどのぐらいの面積、空気の量といいますか、そういうのがあるのかを考えております。
私、材木屋育ちで、荷物は全部馬で引かせましたので、戦争中は、ガソリンが無かったので、荷物は全部、トラックにかわる荷馬車でしたので、合計8頭になりまして、量が多いので、飼い方を、騎手のOBのおじいさん夫婦に頼みました。私も馬の世話を手伝いました経験で、生き物の生活空間について学ぶことができました。ですので、厩舎の馬のハウスのことはよく知っておりますが、4畳半ぐらいの広さに、下にわらを敷いていました。やはり馬でも衛生管理をよくしていますし、鳥では下に何を敷いているのかよく知りませんが、そういう衛生管理のことも指導していただくと良いと思います。
それから最近地球の温暖化と申しますね。鳥のインフルエンザというのは少し気温が上がると活性するんじゃなかろうかということも考えてしまいます。
それから農薬ですが、無農薬がいい、有機栽培がいいと消費者は申しますけれども、私、小学校1年のとき農家の方と友達でした。結婚するときに相手の男性は健康ならばいい、うちの娘が嫁に行って肥かご担いでどのぐらいの坂道を上ったり下ったり、どのぐらいの広さの田畑の田の草取りをする、どのぐらい苦労をするか、親にとってはどれほど心配なことかわからないからそういうことを思うのだと、そういうことを聞いた経験がありますので、田の草取りに行きまして、見ますともう水が見えないほど藻が浮いていたり、これを1本1本抜いていたら、とても私、一生こんなことして暮らしたら非常に大変だと思うほど、ホントに雑草取りってつらい仕事なんです。
それで、除草剤をまいたり、ホウレンソウでも蒸れどめの薬をまいたりしますけれども、あれは大変な重労働だと思うんです。手作業で24時間やっても草を抜き切れませんし、1度千葉県の青年の幹部の方と対話をしましたときに、農薬必要ならば私は肯定するけれども、一体実態はどうなんだと聞きましたら、ホウレンソウは蒸れるから蒸れどめの薬品をまくのだそうです。そうしますと運悪く、天気を見たつもりなのに雨が降ってしまい、せっかくまいた薬が駄目になってしまい、また晴れ間を見て薬をまくのだと言うんです。だからホウレンソウ類は蒸れるのが商品価値をなくすし、栄養価値はどうか知りませんが、やっぱり買う方としましては、安くて立派で栄養があるのを消費者は買います。ですので、農家の方が無農薬で生活するのはどれほど苦労なことであろうかと、本当に思っております。それの限度をお国で決めていただければいいんじゃないかと思っています。無農薬がいいということは消費者が長生きしたいからということですが、農家の人はその分早く死ぬんじゃなかろうか、そういうことも考えております。
姫田消費者情報官
どうもありがとうございました。ほか、どなたかいらっしゃいますでしょうか。
では、挙がった順で、飛田さん、それから和田さんの順でお願いします。
飛田(東京都地域婦人団体連盟)
東京都地域婦人団体連盟の飛田でございます。
ただいまのご説明をお伺いいたしまして、全体的に信頼されるようになったかというご質問でございますけれども、確かに皆様、次々起こる多様な問題に一生懸命対応してくださっておられて、昔からこうあったらいいと思っているようなことが少しずつ実現されるような方向が見えてきているのかもしれないと、皆様方のご苦労を思いまして、感謝いたしております。
ただ、少し注文もございまして、例えば産地段階から消費段階にわたるリスク管理の確実な実施に当たると思いますけれども、生産資材について多様な側面から正しく適正に使われているかなどご指導なさったり管理を行っておられますけれども、これは時々、その成果が出ているかどうかの評価を行う必要があると思っております。具体的には、先ほどお話が出ておりましたが、食卓の野菜等、それが昔と比べると栄養価が大変減少してきているという、例えば同じホウレンソウであっても、ホウレンソウの栄養が、近年では農薬や化学肥料を使うために、以前のようなものが期待できないという話が聞かれるようになって久しいわけですが、皆様方がそのリスク管理を行っていらっしゃる過程で、そういった食品に対する栄養分析なども行っていただきたいですし、また土壌の分析ですね、そういうものも農水省としての立場から行っていただく必要があるのではないかと思います。
それから国際的な関係ですが、私どもはもう世界も1つのような中に住んでおりますから、深まってきているわけですが、例えばコーデックスにしましても、WTO交渉にしましても、あるいは日米交渉にしましても、ニュースで取り上げられるものについてはある程度一般の方にも情報は伝わってくるのですが、そうでないものに関して、例えばコーデックスなどでも、日本の行政の方がどのような発言をされていて、どのような提案を行っているのか、世界的な状況の中でどういことになっているかということについては、なかなか知るよしがありません。WTOについてもまた同じことであって、消費者の食の安全にかかわりの深い問題などについては、情報公開をぜひともしていただきたいと思っております。
それから表示等の安心や信頼の確保ということに関しましては、実際に多様な制度変更・制度改正が行われつつありまして、そういう意味では前進しつつあると思いますが、残念ながら、例えばトレーの裏に必要な表示が回っているという事例がたくさんあります。先ほども2,000人ぐらいの農水関係の方が店頭に出向いて調査されているとおっしゃいましたが、そういう意味では、まずトレーの裏などに表示しているものは表示したとみなさないという、そういう厳しい姿勢でやっていただく、調査をしっかりと消費者の視点に置いてやっていただく必要があるのではないかと思います。
それからまた表示に関しては、原材料の国際的な表示のあり方なども視野に入れて、パーセンテージ表示なども考えていく必要があると思いますし、地理的な表示の動きもありますから、そういうことも視野に入れながら、我が国の中での改革も進めていきつつ、国際的に消費者の利益になるものは整合性を持って行っていただきたいということを思っております。
それから1点ちょっと戻らせていただきますが、生産資材に関する評価的な調査の中で、例えば魚などに関しましては、漁網に汚れがつかないような薬剤が使われて、それが大変有害であるという指摘が長く行われてきておりますが、業者の方によっては、手洗いを頻繁に行っている方もいるようなのですが、そういう調査、生産資材の使われ方とともに、それは直接生産資材ではないと言われるかもしれませんが、生育飼養過程における状況の把握というのも生きた調査を行って頂きたいと思います。特に、魚については、獣医さんが直接関与しないということもありますし、魚だけではないのですが、生産資材に関しては、時系列的に見て果たしてそれが、どのように増加、あるいは減少してきているのか、使われ方はどうなのか、国際的に見た場合に我が国はどのような生産量であり、どういう消費量であるかということなど、つまり、足下ばかり見ていると全体的な安全が高まったかどうかが分かりづらいものですから、そういうことも今後、大変お忙しい中で、少しゆとりが生じましたら広い視野で新たな評価も含めた一歩を踏み出していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
姫田消費者情報官
どうもありがとうございました。それでは大分、一般のハザードについて話が出てきていると思いますので、和田さんまでお話していただいて、その次に野田さん、その後は一般ハザード以外の個別ハザードの鳥インフルエンザについて行いたいと思います。
和田(主婦連合会)
消費・安全局設置から1年経ったということで、以前から比べると変わってきたと感じることは多くなりました。ただ、他の方がおっしゃったように、問題は残っているということです。申し上げたいのは、消費・安全局で私達が問題だと思うことを申し上げると、それに対する反応はある程度されるようになりましたが、それが生産の場にどれだけ生かされているのか、結局最後はそこに行くと思うのです。農林水産省全体で考えて信頼回復したかどうかということになると、例えば、畜産で考えますと、BSEも鳥インフルエンザもコイヘルペスも含めて、多頭飼育で効率を追って、肉骨粉もそうですし、鳥も頭数を詰め込んでいくという話もありましたが、やはり畜産のあり方、そのものをこの辺で考え直さないといけないのではないか思うのですが、そういうことはなかなか出てこない。単純に平飼いで数を少なくしてとまで言っている訳ではなく、同じ多頭飼育でも、もっと太陽光線が入るようにし、少し広さも取るという工夫をしているところも沢山あるわけで、そこら辺で畜産というものが値段だけを考えて効率を追っていって良いのかと消費者の反省も含めてその辺の所を考えていかなければならないと思います。
食に対して、私達が期待するのが、やはり安全・安心であり、平行して農に対して求めるのは、環境負荷の少ない生産方法だと思います。この2つを同時に充足させていくのは何かというと、やはり有機農法であり環境保全型農業・エコ農業だと思います。
農林水産省も環境政策の基本方針で環境保全を重視する農林水産業への移行という姿勢を出していますし、環境保全を重視する農林水産業への移行のための基本的な方策というものを出していますが、その辺を生産者の方、消費者も参加して、日本の農業をどうしていくのかというところの考えの中で、もっとキチンと入れていく必要があるのではないかと思います。その後は、身近な所で申し上げますと、例えば表示についても、表示に違反していていないかどうかということは、今の規格なり基準にあっているかどうかということで発表されますので、表示の違反はないということになりますが、その基準なり規格が私達が100%満足しているかというと、決してそうではないものが多いわけですから、まだまだ表示の問題もあると思います。共同会議で期限表示が一本化したといいましたが、私はこれは、共同会議をやらなくても、本気でやるならば農林水産省と厚生労働省が今まで十年2本立てしているときにさんざん1本にすべきだと申し入れしたのですが、10年経ってしまい、PRを一生懸命やったり、パンフレットを配ったりと言うようないってみれば無駄な努力をしてきた責任というのは全然考えないまま、一本化ができました、うまくいきましたという報告がありますが、これはその前の段階の2本でずっと10年来たことの問題の方がはるかに大きいと思っています。
和牛の表示の問題があるという話しがありましたが、例えば、和牛というのが国産牛と非常に言葉として紛らわしいということがいろいろな所から出ているのですが、これに対しての対応がなされていない、まだまだ表示の面ではすぐにやらなくてはいけないことがあると思います。
姫田消費者情報官
ありがとうございました。それでは野田さんお願いします。
野田(生活と文化の会)
板橋から来ました野田と申します。和田さんが非常にまとめてくださったのでうまくいえないのですが、農林水産省は変わったかという点については、変わっていないと思います。ただ、消費・安全局が変わったかと言いましたら非常に変わったと思います。
なぜ農林水産省が変わっていないかと申しますと、和田さんもおっしゃたように生産段階まで入っていかないと、消費者から見た時に変わったとは思えないのです。
行政はやはり縦割りという弊害があるとよく言われますが、私は行政は縦割りが当然だと思うのです。縦割りで自分の専門を、我々ができないような詳しいことをいろいろ調べていただいたり、対策を講じていただくということが必要だと思います。その縦を横で連絡するのが消費者であり生産者である国民だと思います。つまり、国民がしっかりすれば行政の縦割りが非常にうまく生きてくると思います。ではそれをどのようにするかというと、こういうコミュニケーションをもっといろいろやるということになると思います。ですから、農林水産省もこういうリスクコミュニケーションの話をするときに、消費・安全局だけでなく、もっと生産局などいろいろな部門の、生産関係の部署や農家関係の部署や厚生労働省も含めた意見交換会をやるとか、国民を中心にして行政がコミュニケーションをやるというような形のものが良いと思います。地方にある組織や地方自治体などで小さな意見交換会を行いまして、その会にでた人が周りの人にも伝えていく、そのような形で波及していくような制度を、消費・安全局で音頭をとってやっていただきたいと思います。それが食育などのいろいろな面でプラスになると考えております。
姫田消費者情報官
ありがとうございます。それでは全体を取りまとめて局長からお答えしたいと思います。
中川消費・安全局長
いろいろとご意見いただきましてありがとうございます。まず、最初に基本的な考え方のところで、私の発言の中で少し十分でなかった点がありましたので補足したいと思います。
中野さんの意見かと思いますが、私達、無意識にリスク管理と危機管理を混同しがちでございます。また、マスコミを含めて、リスク管理でなく危機管理のところに注目がいって、そちらの方を取り上げるということがありますが、やはり普段やっていること、リスク管理をキチンとすれば、それは様々なハザードといったものが発現する、事故が起こることを防ぐということが一番大事なことでありますから、普段のリスク管理が大事だというのはおっしゃるとおりであります。それから、不幸にしてリスク管理をしていても、実際に事が起こってしまった、そのときにはリスク管理から危機管理に事態は変わるわけでして、今度はできるだけその被害が大きくならないように、最小限で抑えられるようにするのが危機管理と私どもは理解をしております。
私が職員あてに、7月1日に1年間を振り返って今後さらに心を新たにして取り組もうということを書いたペーパーがあったのですが、後で読み返してリスク管理と一部混同していたところがあります。そういう意味でも、日々この大事なご指摘、改めて今申し上げたような意識で取り組んでいくつもりでございます。ありがとうございました。
それから、何人かの方々からこの消費・安全局と、それから生産部局、あるいは産業振興部局との関係についてご意見がありました。具体的なお話に行きます前に、むしろこの局が新しくできた昨年の組織改革の思想は、リスク管理の部局と、それから産業振興、あるいは生産の関係の部局というものをきちんと分けて、チェック・アンド・バランスの関係にする。この考えのもとに省全体としてはバランスのとれた適正な行政が行われるようにするというのが組織改革のねらいであったと思います。これは、何も生産部局とリスク管理部局との間で対立をするというだけが本旨でありませんので、私どもも1週間に1回、あるいは2週間に1回という形で、主要な問題についてすり合わせをするような、担当課長が集まって意見交換をする、情報交換をするというようなこともやっておりますし、それから省としましては、各局の間、消費・安全局と生産局の間で、もしどうしても調整がつかない問題があれば、それは大臣官房の方に上げてそこで調整をするという、これは制度が発足をしました際に申し合わせの形で、省議で決定をしたメカニズムがございます。
具体的な生産のあり方、特にエコ農業などの環境負荷に資するような農業ということへのご意見をいただきました。この点は生産部局にも伝えますし、私ども消費・安全局でそういったものを後押しする仕組みと言うことであれば、1つの例として、特別栽培農産物などの表示をきちんとしていくというところで、我が局としてやるべきことを、きちんとやっていきたいと思います。
それから、ご心配の点でおっしゃておりました、武荒さんの鳥インフルエンザの埋却をしたものが、後々大丈夫なんだろうかということでありますが、これは埋却をする際にきちんと周りの環境への影響も考えまして、地元の公衆衛生当局とも相談をした上で一定の処理をして埋却をしております。鳥インフルエンザはウイルスですので、生きた細胞の中でしか存続しません。ですから殺処分してそこに埋めたとなりますと、その中でウイルスが増殖をするということはありませんので、その点はどうぞご安心いただければと思います。
それから農薬につきましても、残留性の問題、特に農薬の必要性については別途リスクコミュニケーションの場でもお話しましたが、私どもとしては必要な農薬について、その残留性と安全の面できちんとしたコントロールをしているということ、それから登録された農薬であれば、その使用の基準に従ってタイミングよく、かつまた回数も守られた回数で散布をするというような、そういう適正な使用をすれば安全性の面で問題はない、そういうチェックのシステムを登録という制度のもとにやっておりますので、その点は申し上げたいと思います。
まだほかにもお話あったかと思いますが、まず基本的なところで大変貴重なご意見をいただきましたことにお礼を申し上げたいと思います。
姫田消費・安全局消費者情報官
それでは、まだあるかとは思いますが、途中で全体についての議論を出していただいても結構だと思います。
それでは、大分時間が押しておりますので、BSE、鳥インフルエンザ以外と言っておりましたが、鳥インフルエンザも含めてBSE以外のハザードについて皆さん方からのご意見、ハザードの、特にリスク管理についてご意見いただければと思います。もちろん先ほどから出ております表示とかの安心のことについてもご意見をいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
では、手の挙がった順番で、成沢さん、それから山浦さん、西澤さんの順でお願いいたします。
成沢(中央区消費者友の会)
昨年、安全局ができたときから私どもは意見交換会に参加させていただいているのですが、大変なときに安全局ができたなというのと、いいときにできたという2つ考えました。そして私どもとしては、もらえる情報の量が格段にふえましたので、こういうシステムに変わったということをありがたいと思っています。
ただ、私どもは、末端の消費者団体で、直接一般の消費者の方に呼びかけることが多く、今年も6月27日、28日、2日使いまして、食品の安全ということで、主に表示の事について呼びかけをいたしました。表示のことについてだけちょっと申し上げますと、みんなでいろいろ集めてきて、表示がどうなっているのかということをまずしたのですけれども、太平洋産の魚とかが大変多いんですね。そうすると、三陸沖とかというのとはちょっと違うと思うのですが、その辺のご指導をもう少しきちんとしていただきたい。つまり生産国と、どういうところでとれたかというのをちゃんと表示していただきたいということがまず1つです。
それから農薬の容器なのですが、農薬が容器に残ったときの処理をどうするかという表示がないといいますか、使い捨て、全部使い切ったことを前提にしていらっしゃるのかと思うのですけれども、どこの農家でも絶対使い残していると思うので、そういうものをどうすればいいかというのを、その処理まで書いてほしいと思いました。
それからもう1つは、昨年お米の冷害のことでいろいろもめたのですが、のど元過ぎればで、その後、何となく尻切れトンボで、平年作になればいいかというようなことで、その後何もそういうものが新聞に見当たらなかったというのが1つありました。
畜産のことに関してですが、個人的に申しますと、私の娘がアメリカにおりましてテキサスに住んでいるのです。そうしましたら、日本の農林水産省は大したもんだと、日本が輸入しなかったということを、向こうの人たちは評価しています。アメリカ人だから牛をたくさん食べるから平気なのではなくて、やっぱり危惧を抱いており、日本の農林水産省が輸入をしないということをものすごく過大評価していて、大したもんだということをいろんなところで言われるんだそうです。私としては何かちょっと嬉しい感じがしました。その姿勢をつらぬいてほしくて一言つけ加えさせていただきました。
姫田消費・安全局消費者情報官
どうもありがとうございました。
山浦さんお願いします。
山浦(日本消費者連盟)
個別のハザードの問題ということで、遺伝子組み換えの問題を1つ取り上げたいのですけれども、この間、遺伝子組み換え食品の安全性評価のガイドライン等ができました。まずこれについては、一応リスクコミュニケーションの場が与えられまして、私ども意見を述べる機会があったのですが、まずはこのガイドライン自体については私ども非常に不満を持っておりまして、その場におきましても、手法について実質的同等性といった考え方に基づく安全性評価が中心で、さまざまな、まだわからない部分についての解明がなされないままに見切り発車してしまったと、そういう認識を持っていますが、そういったガイドラインづくりにおけるリスクコミュニケーションの不十分さということがあって、その後、これをもとにしたさまざまな遺伝子組み換え食品・飼料の認可が広がっていると、そういうことについて危惧を抱いております。
それから最近、農林水産省の方で調査をされて、港等におけるGMの種子汚染といったことが発見されましたが、これについてやはりカルタヘナ法の問題について、政府の取り組みが非常に甘いのではないかと思います。というのは、いろいろな説明会におきましても、実際の栽培作物についてはこの種子汚染の問題は適用されない、野生の動植物についての問題であるという、そういう非常に狭い考え方を指摘しておりまして、これが実際の運用になってしまうということですから、私ども、やはり栽培作物についてどうなるのだろうかということについては、やはりもっと幅広く考えなければいけないのではないかと、そういう面で非常に危惧を抱いております。
それから遺伝子組み換えの稲の栽培実験が研究機関を中心に行われております。今年の11月の国際米年に向けて、農水省とIRRI(国際稲作研究所)、FAOが会合を持ちますが、その中でも遺伝子組み換えの推進といった要素があるのではないかというように危惧しておりまして、不安を抱えたままこういった問題が見切り発車されてしまうのは困ると、そういうことを考えておりますので、こういった国民の中で議論がある問題については、やはり慎重に行っていただきたいと思います。そういった技術的な推進がなされていくのであれば、この消費・安全局としても消費者の意向を十分に酌み取った上で、さまざまな管理の措置をとられていった方がいいのではないかと、そういう考えを持っております。
姫田消費・安全局消費者情報官
どうもありがとうございました。
では、西澤さんお願いいたします。
西澤(目黒区消費者グループ連絡会)
目黒区消費者グループ連絡会の西澤でございます。
実は昨日の東京新聞の夕刊に、英国で、ヒジキの中に砒素が含有されている量が多いため、イギリスではもう食べないようにという記事が出たという報告がございました。それを見ましたときに、これは鳥インフルエンザの二の舞が来るんじゃないかなと思って心配しました。鳥インフルエンザのときも、私たちも科学者ではございませんが、熱を入れれば大丈夫だということぐらいはわかっていましたが、一般の消費者の方たちには、もう何が何でも鶏肉は食べない、卵は食べないという風潮が広がってしまいました。ですから、ヒジキというのは日本の伝統的な食品で、ずっと日本人は食べていたわけですが、このようなときにどういうふうに対応したらいいかということを少しでも、1時間でも早くその対策についての発表を消費・安全局の方からしていただいたら、国民は混乱しないのではないかと思いました。その点について伺わせていただきたいと思います。
姫田消費・安全局消費者情報官
ありがとうございました。ほかにございませんでしょうか。
手の挙がった順番で、比嘉さん、武荒さん、お願いします。それからこちらの野田さん、それから小池さんの順でお願いいたします。
比嘉(埼玉学校給食を考える会)
埼玉学校給食を考える会の比嘉と申します。
個別のBSE以外のということでちょっとお話しさせていただきます。ぜひ言っておきたいことは、農薬のことが1つあります。農薬の安全性はきちんと確保しているという中川局長のお話がございましたけれども、私たち農薬の安全性についてとても危惧感を持っておりまして、今回の一連の農薬取締法の改正についても、とても不満を持っております。
というのは、登録された農薬の安全確保のためのきちんとしたデータが、全然情報公開されていないというところが根本的にとても問題があるのではないか、情報が企業の財産だからということでほとんど黒塗りの部分というようなものしか消費者には出てこないということが、非常に問題ではないかと思っております。
それからもう1つは畜産の安全性、今いろいろな方が根本的なところということで指摘されておられましたけれども、例えば耐性菌の問題などもこれからとても大きな問題になってくるのではないかと思うのですけれども、遺伝子組み換えのいろいろなことも、農水省としては割とちゃんと推進されていくようなお考えをお持ちになっておられるようですが、ちょっとうまく言えないのですけれども、耐性菌の問題などについても遺伝子組み換えの食品を推進していくということと、根本的に対立していくのではないでしょうか。つまり遺伝子組み換えの中に耐性菌がいろいろ入っていて、ちょっとうまく言えないのですけれども、それが世の中に、さっきの遺伝子組み換えようなつまり自然界になかったいろいろなものがどんどんふえていくことによって、耐性菌がいろいろな動物の腸の中にもどんどん出ていくというようなこととか、とても大きな問題があるのではないかと思います。
それから本来私が言いたかったのは畜産ということが、これから有機畜産のJAS規格なども今検討されておられるようですが、ほとんど、例えばヨーロッパの有機畜産のコーデックスの基準などを当てはめようとすると、とても日本ではそれを満たしているようなものはあるのかどうかというような状態ということを、根本的に考えていって、和田さんがおっしゃったように、そこは本当に根本的な改革を、これからきちんとやっていかなきゃいけないんじゃないかというように思います。
姫田消費・安全局消費者情報官
どうもありがとうございました。
武荒さん、よろしくお願いいたします。
武荒(市川市消費者の会)
先ほどの方と同じですが、私も遺伝子組み換えの農作物についてまだ疑問を持っておりまして、ひところ騒がれましたが、お豆腐とかに遺伝子組み換え品は入っておりませんと書いているのか、入っていると書かれていたらだれも買わなくなるのかどうかと考えております。
私、マンハッタンテロの年にちょうど勉強しまして、それで危険なものはアメリカが多く使用しております。今、日本で許可されたのは、それでも安全ということなのでしょうけれども、この1時間ぐらい勉強した内容で、例えば除草剤の場合、何か腸の長さ、ちょっと難しい問題で、虫は死ぬけれども人は死なないとか、何かそのようなことがあるのだそうですが、例えば除草剤の場合、どんな処置をされるとどんな症状があらわれるのか、人は死なないと言いましたが、人の方に障害があらわれる処置の遺伝子組み換えをされた場合は、どんな症状が出るんだろうかということを、ある会議の場所でそれを尋ねましたら、学識経験者方にお聞きしたのですが、5年前にはまだお答えになれませんでした。そんな大変な希少な問題だったんでしょうと思いました。
それで、ある会合で遺伝子組み換えの物質が検査したら入っていたと、そうしますと、残留農薬みたいに量の制限があるんだろうかという疑問も持ちますし、大体どんな目的で処置されますと、人間にどんな障害があらわれるのだろうか、そういうことを疑問を持っておりまして、それが正当なものならば非常に合理的ではないかと私は思っています。
そこで、農水省に申し上げたいことは、国民の皆さんが安心して遺伝子組み換えの食品を使用していただきたいと思うこと、それは安全に保証されたものであることに限りますけれども、そのことをお尋ねいたします。
姫田消費・安全局消費者情報官
ありがとうございました。
では、大地を守る会の方の野田さんお願いします。
野田(克)(大地を守る会)
野田と申します。
時間もないようなので、私は3つ考えていまして、1つはBSEのことなのでこれは後で話します。それから遺伝子組み換え食品のことについても山浦さんが発言されましたので、そのことについても重複を避けたいと思います。
もう1点、これは消費・安全局のスタンスを伺うということになると思うのですが、照射食品の問題です。食品照射解禁の動きがあるように聞いていますけれども、基本的には食品衛生法の所管ですので厚生労働省の話ですと言われてしまえばそれまでなのですが、食品安全という考え方でいうと、消費・安全局がこの問題にどのように関与できるのか、関与しようとするのか、そのあたりのことについてお伺いしたいと思っています。
以上です。
姫田消費・安全局消費者情報官
どうもありがとうございました。
小池さんお願いします。
小池(杉並区消費者の会)
杉並区の消費者の会の小池と申します。
区ですから、実は一番末端といいますか、消費者に一番近いところでの消費者活動をしております。その中で、いろいろな情報をどこから得ているのかと申しますと、隔月の奇数月に保健所と農政事務所と、場合によっては安全委員会の方と、それから消費者団体と、いろいろな話し合いをしておりまして、その情報をもとに、私どもの消費者の会の会員にその情報を流すという、月1回出します情報紙でそれを流しております。
昨年、実は区内で売られておりますいろいろなものの、生鮮食品に限ったんですが、表示を調査いたしました。かなりずさんな表示をしておりました。その中で、しっかりしているのはやはり大型スーパーだったのですが、中小のスーパー、小売店に至っては全く表示がされていないという問題点が浮き彫りになりました。表示そのものもいろいろ法律のはざまの中で問題があったわけでございますが、この小売店どころか、今度は今日の新聞あたりを見ますと、高速道をもっと楽しくしようということで、サービスエリアとかパーキングエリアで生鮮食品を初め、加工品も含めて売ろうということがますます盛んになるという報道を見ますと、一体ここの表示はどうなるのかという問題が心配になってまいります。全国ベースでこれができ上がりますと、町中の小売店以上に幅広く、いろいろな表示の問題が出てくるのだろうと感じました。
もう1つは、生鮮食品とかいろいろ基本的なことは検討していただいているわけですが、消費者のニーズに合った部分の表示についても入れていただきたい。と申しますのは、その問題があるなしは別にいたしまして、中食と言われる、いわゆる消費者が1日中外に出ておりまして、家へ帰るとなかなか自分で物をつくるのが大変、その中の1品ぐらいはできたものを買おうと思った時、売っているお料理の原材料の表示は全くない、加工食品だから当然なんですが、しかしこれが何兆円産業ということで、たくさんの消費者の食卓に出るのであれば、そういうものの表示についても別枠で考えていただくことも必要ではないかと感じております。
そういう意味で、実はそこに参加いたします農政事務所も一生懸命にいろいろなことを情報提供してくださるのですが、地域の中の農政事務所の位置づけというものが、まだいま一つ私どもにはわからないのでございます。
先月7月の会議の中で、農政事務所が今意見を徴収していると思うのですが、加工食品の品質表示基準改正案をお出しいただいたわけでございますが、これを見ますと、実はカット野菜とか混合したものに対する表示の中で、50パーセント以上使ったものについてそれを表示するというものがありまして、そうすると、私たちは、まさに法律の抜け穴だなんてよく言う結果論もあるのですが、やっぱり50パーセント以上使った野菜について表示するというような規制をつくっていただきますと、業者は多分33%、33%、33%でやったら何も表示しないでいいという、現状が変わらないというのがあるのではないかと、このように20品目を見て考えるわけでございます。せっかくこのように前向きに考え方をつくっていただくわけですので、ぜひとも業者が抜け道をくぐり抜け得るようなことは避けていただきたいなと考えております。
長くなりますので、この辺で終わりたいと思いますが、ぜひとも末端の消費者に一番近い区のレベルの、農政事務所と保健所と消費者、この辺のところが有効に使えるような情報ないしは施策を考えていただきたいと思います。
姫田消費・安全局消費者情報官
どうもありがとうございました。
大分時間も押しておりますので、今までの話に回答させていただいてBSEの方に参りたいと思いますが、まず今、遺伝子組み換えの話、それから放射線照射の話、そしてヒジキの話、そして農薬の話、そして耐性菌の話というようなものが出ております。あと有機農業の話、そして農政事務所の位置づけというようなことも出ております。
食品そのものについては厚生労働省、これは縦割りということでなくお互いの仕事の分担でやっておりますので、組み換え体の話や放射線照射の話については十分お答えできないかと思いますが、まとめまして中川の方から、少しお答えしたいと思います。
中川消費・安全局長
できるだけ簡潔にお答え申し上げたいと思います。
表示の話でかなりいろいろなご意見をいただきました。
まずこれまで加工食品についての表示でありますけれども、表示、特に原料原産地の表示でございますが、平成13年から個別に、漬け物などから始まって、現在ではまだ8つの品目についてですが、その時その時の事情で原料原産地表示をしてきたわけでございます。ただ、これ自体は統一的なルールもありませんし、なかなか何が入っていて、何が入っていないということの説明も難しいということで、昨年から、先ほど出てまいりました共同会議でもって議論をいただきました。
そして基本的な考え方は、小池さんもちょっとおっしゃいましたが、最終的な製品の品質が、どこでつくられた原料を使っているかということと直結するというふうに皆さんが思われるというのが1つのルール。それからもう1つは、その50パーセントというルールなのですけれども、やはり含まれるほんのわずかではなくて、やはりその製品の中心的な材料について表示をしていく必要があるのではないかと、この2つの切り口で、加工食品の原料原産地、しかも加工といってもどこでとれたか、どこの原料を使っているかということが最終製品の品質に影響するとなると、加工度があんまり高いというのはやはりこれもまた違うだろうということで、比較的加工度の低いものというルールで20の品目群ということになりまして、これは個別品目で並べてみますと、今までの8品目とは格段に違う、広く網かけをして統一的に義務化をするということですので、一歩前進というか、かなりの前進だと私どもは自負をしております。
その次に今度来るのが、総菜ですとかもうちょっと加工度の高いもの、中食のものについてどうかということになるわけですが、これは途中でも議論をされましたが、やはり個々の業者の方の原料手当てをずっとさかのぼっていけるかという問題に突き当たりまして、現時点ではなかなか一律に、違反をすれば罰則がかかるというような形での強制的な義務づけをそこまで広げるというのは、いろいろな意味でも問題があるということで、とりあえず整理がされております。ただ、これは、今申し上げましたような加工度の低い原料原産地の表示が実施をされて、その経験を踏まえて次に行くための課題として、私どもは受けとめております。
それから、ヒジキの話が個別の問題として、これは昨日あたりからマスコミで報道されまして大変ご心配のことかと思います。これも役所の縦割りからいけば厚生労働省の話になるのですが、私どもも状況を調べまして、厚生労働省なり食品安全委員会とも、こういう言い方でいいかと今調整をしておりますが、基本的には日本で今、普通に食べているような分量であれば、ヒジキなどを食べて砒素中毒を起こす、健康に悪影響が直接生じるというような報告はないということで、バランスよく食べていただければ、そんなにご心配をいただくことはないかと思います。この点は、厚生労働省も現在ホームページでQ&Aというか、ご質問についてきちんと答えるような、そういう情報提供の準備もしておりますし、さらに状況を見て、よく情報を収集しまして、消費者の方々の不安が生じないように、的確な情報提供を、これは厚生労働省、食品安全委員会と連携をして、情報提供に努力したいと思います。
遺伝子組み換え食品についてもいろいろなご意見をいただきました。それぞれ食品としての安全性、飼料として使う場合の安全性、それから日本に従来からあります在来種に対して及ぼす影響というように、それぞれの問題意識から安全性がチェックされるシステムはできてきております。この現存のシステムについて、さらに不安だとか、あるいは不満があるというご意見は、これを十分私どもご意見として受けとめなければいけないと思いますけれども、今の仕組みの中で、法律に基づきます仕組みの中で、私ども行政としては、まずそれが確保されるようにきちんと対応していくということが大事なことではないかと思っております。
それから個別、ちょっと特殊なものは除きまして、ご懸念等についてはあるかと思いますが、繰り返しますけれども、消費・安全局は食料の、特に農林水産省の所掌ということでは、食料が生産される過程での安全性については私どもが責任を持っております。一旦食品になってしまいますと厚生労働省という、縦割りと言えば縦割りがございますが、厚生労働省との連携という点では、新組織になりましてから従来以上に意識を持って日々やっております。その点は、まだ目に見えた形では皆さんには実感されないかとは思いますけれども、意識してやっておりますことは申し上げたいと思います。
姫田消費・安全局消費者情報官
それでは、ここで改めてまして次はBSEについての議題に移りたいと思います。
それで、お手元に、説明はいたしませんが、今までの経緯をまとめました「米国BSE問題について」というペーパーと、それから「BSEに関する専門家及び実務担当者会合報告書の概要」ということで、先ごろ5月、6月、7月の3カ月にかけて行いましたワーキンググループの実務担当者会合の報告書の概要を付けてございます。どなたからでもご意見を言っていただければと思います。
山浦さんよろしくお願いします。
山浦(日本消費者連盟)
BSEにつきましては、皆さんもご関心のある日米の協議の今の状況に、私どもは非常に懸念を抱いております。
昨年の12月以来、日本がアメリカの牛肉、あるいは加工品の輸入禁止措置をとってきておるのですけれども、この間非常に政治的な動きが目立っているのではないかという感じがいたします。アメリカの大統領選等もその1つの要因ではないかと思いますが、本日配られました報告書の概要におきましても、例えば1番のBSEの定義・検査方法の中で、若齢牛については現在の検査方法では蓄積された異常プリオンタンパクの検出はありそうにないとの見解で一致したということで、原文でノット・ライクリーという、そういう表現があったと思うのですけれども、これについては、こういった形でもって一致することは、どうも政治的な判断ではないかと考えます。
日本としては、この間の2年半以上にわたる日本の状況を踏まえて、むしろ検出方法をより高度化するということはあっても、このように若齢牛においては異常プリオンタンパクの検出はありそうにないと、そういう形でもって同意すべきではないと思います。その結果、日本の国内における検査体制ということが後退するのではないかということが懸念されますし、あるいはSRMの問題、フィードバンの問題につきましても、アメリカとのすり合わせを今後していくのではないかという懸念がありますので、この点についてぜひこれまでの日本政府の対処方針ということを後退させることなく、アメリカ産の牛肉の安全性が確保されるまでは、輸入禁止措置を継続していただきたいと思います。
姫田消費者情報官
どうもありがとうございました。
それでは奥田さん、そして中野さんお願いします。
奥田(東京都地域消費者団体連絡会)
東京都地域消費者団体連絡会の奥田と申します。よろしくお願いします。
BSEにつきましては、全頭検査の経費のことでお尋ねしたいと思っています。
この間、畜産農家の方とお話をしていましたら、検査費用は畜産農家が持っているんだよというようなことを言われて、経費がかかってかなわないから早くやめてほしいというような言い方をしておりました。経費はどのような割合で、どういうふうになっているのかなというのが、そこで不思議に思ったことです。
あともう1つは、その全体、そういう経費ですごい負担もあるから、早く全頭検査を、例えば若齢牛についてはやめる方向に行くという、どういう形で軟着陸させるかということが話題になっているということを聞きましたので、どういう筋道で軟着陸させるつもりなのかということが知りたいと思いました。
姫田消費者情報官
ありがとうございます。
では、中野さんお願いします。
中野(日本生活協同組合連合会)
今山浦さんがおっしゃったような見解を、大部分の消費者団体の方が思われていて、既に一部の消費者団体からは、各大臣宛ての要請書を出すなどの動きもあります。そもそもこの問題に対してミスリーディングが起きているということについての説明がもっと行われないと、ものすごい誤解が生じたまま物事が進んでいくのではないかということに懸念を持っています。BSEの科学的見解についても、例えば「検査法には検出限界がある」というだけの話が、別の意味合いで受けとめられてしまうということ自体、日本の国内での世論が変な進み方になっているように思えるので、そこのところをきちんとしていかないと、多分いつまでたってもこの問題は信頼が得られず、たとえ科学的には正しい事についてもすごい不信が持たれ、結果としてせっかくこの1年信頼を取り戻すことでやってきたこと全てが水泡に帰すようなことになってしまうのではと思います。
姫田消費者情報官
ありがとうございました。
それでは、和田さんお願いします。その後飛田さんお願いします。
和田(主婦連合会)
BSEについては、食品安全委員会のプリオン専門調査会ですか、そこで16日に、報告書がまとめ切れなかったということが1つあると思います。それから日米間で協議しているということの両方があると思います。
私たちとしては、あくまでもプリオンの専門調査会が、リスクの評価についてどういう結論を出すかということが、専門家の中でいろいろな意見が出て報告書がまとめ切れなかったということですので、次回が相当先になるのかどうかはわかりませんが、そこでの結論を見た上で、今の国内のBSE対策をどうするのか。そして今度は日米の問題というように、きちんと時系列的に分けて考えないと、それが全部一緒になって、あたかも日米の問題に絡めて話が出てきてしまって、これは故意なのか偶然なのかはわかりませんけれども、それでおかしくなっているのではないかなという気がします。ですから、きちんとそこが分けて情報を出されるのも、こういう筋道であるべきなんだということをきちんとわかるようにする必要があるのではないかなと思います。
そしてやはり若齢牛という、20カ月にするのか何カ月にするのかということが決め切れない、それから本当にそれを決めたときにも、それではアメリカの若齢牛、日本のもそうですけれども、何カ月かということを間違いなく判断できるのかどうかなどのいろいろな問題がありますので、そういう具体的な問題で1つずつわかるような情報の出し方というのをしていただきたいと思います。
姫田消費者情報官
ありがとうございました。
飛田さんお願いします。
飛田(東京都地域婦人団体連盟)
飛田でございます。
ただいまのご発言とも関係があるのですが、若齢牛そのものの定義ですね、それがはっきりいたしません。確かイギリスの感染実験だったと思いますが、回腸の遠位部に6ヶ月齢牛からの感染がみられたというデータがあったと思います。それからまたトレーサビリティがしっかりと確立していなければ、30カ月齢以上の月齢はその歯列によってある程度わかるというお話がありますけれども、トレーサビリティが確立されていなければ、一体何歳、何カ月齢なのかも、輸入牛に関してはっきりしないわけです。全頭のチェックがなされていない以上はですね。そういう問題があるので、そのことは非常に重要な意味があるのではないかと私は考えております。
それからリスク評価の上で非常に欠かせない死亡牛の全頭検査ですが、我が国では今年の4月から完全実施が行われるようになってきたわけです。それまでにも、もちろん走り出してはおりますけれども、完全実施されて、まだデータもこれからというときだと思います。ですからこのリスク評価上、農水省は評価されるところではありませんけれども、管理をされる前の前提となる評価の材料をもっと蓄積されて、提供する役目があると思います。
それから同様にですが、プリオン病としてのBSEについて、我が国の研究体制はつい先ごろ、ようやく実証的な実験ができる体制が整ってきたという時期にあります。そういう意味では我が国において、大変に、我が国だけでない国際的にも未解明の不確実性が言われているこのBSEの問題ですから、この実証実験をこれから積み重ねていって、我が国なりの見解を確立していく必要がある、そういう時期にあって、農水省もその実証実験を推進していただく。まずそのデータの蓄積に力を入れていただく必要があるのではないかということを考えております。
それからもう1つは、OIEのこの間の改正提案がなされたときに、私、ちょっと調べてみましたら、OIE自体が今年の1月に、輸出国側からの圧力があったのか、輸入をストップすることはけしからんというような政治的なアピールを出しているということもあります。そういう背後には輸出国側の論理が働いていたのではないかということで、国際機関のあり方もやはりいま一つはっきりしないところがあるという状況があり、我が国の国益ということを重要視していただく必要があるわけです。私たちの国は残念ながら発生国となってしまって、BSEに汚染されております。そこへまた汚染国から物が入ってくるということは、どういうことになっていくのかという基本的なところを踏まえる必要があるのではないかと思います。ですので、BSEの発生のリスクが最も低い国の管理のあり方や予防的な措置のあり方などを、いま一度私たちは検証していって、そういう立場をよく理解した上で、私たちはこれ以上問題を深刻にしないということが必要であると思います。
また国の方針を立てていただく場合に、貿易相手国というのは、私たち、お互いにお世話になりながら食生活を確立しているわけですから、もちろんその立場を尊重することは重要ですけれども、輸入国に対する配慮を欠いた発言等や国内での見切り発車論に輸出国側の中でもいろいろな意見が出ており、また労働組合などの意見もあるようですし、ほころびが見えている中で事を強行的に行っていくということは、農水省の歩まれようとしている道を踏み外すことになりはしないかと、そういうことも思いますので、消費者の立場からはもちろん慎重にやっていただきたいということを、今までのやり方を、今先ほど申しましたようなデータの蓄積や何かを踏まえて、それからでも遅くないということをご確認いただきたいと考えております。
姫田消費者情報官
どうもありがとうございました。
ほか、どなたかございませんでしょうか。遠くから来られた方とか、まだご発言ない方もいらっしゃいますが、よろしゅうございますか。
では、小林さん、瀬古さん、お願いします。
小林(仙台市消費者協会)
皆様からたくさん出ましたので、私はちょっと違うのですけれども、農薬の関係で、ここのところ一般の人たちが野菜などを栽培することがふえております。そのときに、農家の方が使うのではないから農薬ではないのかもしれませんが、農薬と同じ成分のものが売られているわけでして、それを家庭菜園などで使っているのですが、その扱い方が、どれだけ理解して使っているか大変に不安に思うことがあります。
農協などで聞いてみたらといいましても、農協さんの場合は農家向けに大量に販売するシステムになっているようでして、そういった大量に買う人にだけしか余り指導をされないということがあるという苦情が来ております。そうではなくて普通に買われているときに、何倍に薄めるとか書いてありますね。その薄め方を間違って使っている方も大勢おられるようでして、そういった一般の家庭菜園向けに使っているものについても、何とか適正な使用ができるように指導をするシステムをつくっていただきたいなと思います。
それともう1つ、JASマークについての改正が検討されております。私どもで数年前に、宮城県内の消費者団体や消費者に対して、JASマークの表示をどれだけ認識しているかという調査をいたしました。大変に認識度が低かったです。それで今いろいろな種類のJASマークをまた新たにつくろうとしておられる。こんなに種類をたくさんつくられますと、それだけでまた認知度がこれからどんどん低くなっていくのではないかと思いますので、もう少しまとめた、JASマークであればこれもこれもこれもクリアされているよというような、総合的なJASマークにしていただきたい。生産情報公表JASや、有機畜産物や有機飼料のJASというようにばらばらにJASをつくるのではなくて、JASマークがついていればこれもこれもみんなクリアされていて、安心のマークなんだというような、レベルの高いJASマークにしていただきたいというように思います。
以上です。
姫田消費者情報官
どうもありがとうございました。
では、瀬古さんお願いします。
瀬古(日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会 東日本支部 食生活研究会)
私ども、消費生活アドバイザーの会です。月1回の例会と、メーリングリストの議論ということで活動しておりますが、BSEについては前回6月、意見交換会がある際に、意見を提出しないと出していただけないということで、その意見を提出するために議論をしたところ、結局全頭検査について非常にいろいろな意見が出まして、まとまらなかったという経緯がございました。
そのときに考えたのですが、BSEについて、食の安全と安心を確保する上では、SRMの除去ですとかフィードバンですとか、リスク管理対策の中で重要な項目がたくさんあると思うのですけれども、どうも全頭検査に注目が集まってしまっているというように感じております。ですから、検査のあり方も大事だと思うのですが、そのほかの重要なリスク管理の対策についても、消費者から軽視されないような情報提供を望みたいと思います。
あとリスコミのあり方について意見を述べようと思って来たのですが、それはまた後で発言したいと思います。
姫田消費者情報官
リスコミについては後で少し時間をとらさせていただきます。
ではこのあたりで、今若齢牛の話と、それからあと和田さん、瀬古さんからの全体をとらえた的確なご意見いただいたかと思いますが、局長から取りまとめて少し説明いたします。
中川消費・安全局長
どのようにお話ししようか、今、私も頭の整理をしつつあったのですが、全体的な情報提供、あるいは物事の整理の考え方は、実は和田さんがおっしゃったことに尽きるかと思いますけれども、もう1度私の方から確認の意味で申し上げます。
まず、ご承知のように、国内のBSE対策、これは平成13年10月から実施をされて、もう既に2年半の実績といいますか、経験をしてきましたが、こういった過去2年半が経過したということをとらえまして、食品安全委員会プリオン専門調査会では、我が国のBSE対策について、一度全般的なレビューをしましょうということで、4月の中旬にそういう議論がスタートしました。そして、その国内のBSE対策全体についてのとりあえずのたたき台を、去る16日に議論したということでございまして、当然これはまだ結論は出ておりませんけれども、とかくマスコミでは、その中でもBSEの検査のところにだけ集中して報道されているようですが、検討というのは日本のBSEに関する国内対策全体についてということでございます。
それで私ども、このプリオン専門調査会、食品安全委員会での議論というのは一定の結論が出るまでの過程、それから出た後の、またその結論についての消費者の方々へのリスクコミュニケーションというのは十分されることが非常に大事だと、別の機関ではありますけれども、私どももそういうふうに思っております。
それから、もう1つの点はアメリカとの協議の関係でありますが、基本的なスタンスというのは、やはり牛肉、この食品であります牛肉についての安全・安心の確保、消費者の人たちに不安が生じないようにするということが大前提ですし、アメリカに対して要求する条件というのは、日本の国内でやっていることと同等のことをやはりしてほしいという、そのことに尽きるわけであります。まだそういった具体的な条件についてアメリカと協議をするような段階には至っておりません。先ほどから少し話題になっておりますワーキンググループでの3回の議論、それからそれを踏まえた報告書というのは、事実関係の確認等についての専門家、実務者の間での議論を取りまとめたものということでありまして、そのところははっきりとさせていく必要があるかと思います。
ただ、現実問題としまして、アメリカに日本と同じことを要求するとなりますと、これは和田さんもおっしゃいましたが、食品安全委員会の方での議論がまだまだ方向が見えてこないということからいたしますと、やはり食品安全委員会できちんとしたメッセージを出すということが、この次に日本とアメリカとの協議をしていく上でのよりどころとして、大変大事なことになるのではないかと思っております。
それから安全確保のためにはBSEの検査のあり方と、それから特定危険部位の除去ということが中心になるわけで、そのほかに飼料の、いわゆるフィードバンという言葉が出ましたけれども、餌のさまざまな規制がきちんとしていくということも、回り回ってこのBSEの汚染が広がるところを断ち切るという意味では、極めて大事な手段でございます。
こういったさまざまな手法についての、それぞれの役割分担ですが、屠畜場でBSEの検査をして、そうした特定危険部位を除去するというのは、これは屠畜場で行われていることでありまして、これはまた役所の役割分担を申し上げるのはあまり良くないかもしれませんが、一応ご参考までに申し上げますと、これは日本では厚生労働省の所管になっております。どの月例からBSEの検査をするかというのは厚生労働省の省令で書いてあります。今は0カ月以上と書いてあって、全部の検査をするということになっております。
費用についてのお尋ねもありましたが、この屠畜場で、1年間に120万頭ぐらいの検査が日本で行われておりますが、それに要するBSE検査の費用というのは約30億円程度だったと思います。これは厚生労働省の予算として、実際は地方公共団体が屠畜場を運営しておりますが、そこに対する補助金という形で出されております。農林水産省は死亡牛の検査を、これは農林水産省の予算でやっておりまして、24カ月齢以上、これはサーベイランスですから、サーベイランスと屠畜場での検査、意味合いが違いますけれども、24カ月齢以上について、この4月からやっと全都道府県で実施をする体制が整いました。去年、既に一部の県では先行してやっておりましたけれども、整ったのは今年の4月からでございます。
繰り返しになりますが、このワーキンググループでの議論も、きょうは簡単な資料をお示ししてありますけれども、そこでどういう議論がされたかということ、それから食品安全委員会での議論も、両方ともやはりその中身について消費者の方々にぜひきちんとした説明をすることが一番大事なことだと思っています。このワーキンググループのことについては、まだ私どもそういう機会を設けておりませんが、近々そういうことについても説明をする、意見交換をする場を設けるつもりでございます。ワーキンググループ自体は専門家の方々が中心に意見交換をし、アメリカとも議論をしたということでありますので、そういった案件についてまずわかっていただくことが何より大事かと思います。
もう1度繰り返し申し上げますけれども、最終的にどういう形で日米協議が決着するにしろ、その過程がきちんと説明できないようだと、無用な混乱を起こすことは間違いありません。その点は十分心にとめて、プロセスを開示をしていくということをよくよく念頭に置いてこれからも進めてまいりますので、その点はよくご理解いただきたいと思います。
姫田消費者情報官
どうもありがとうございました。
それでは、時間も大分過ぎておりますが、今、瀬古さんからもお話がございましたように、リスクコミュニケーションのあり方、 我々がやってきたリスクコミュニケーションについてご意見いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、瀬古さん、中野さん、それから弥富さん、飛田さん、森田さん、深澤さんという順でお願いします。
瀬古(日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会 東日本支部 食生活研究会)
では、手短かに言わせていただきます。
最初に農薬についての意見交換会のときに感じたことなのですが、農業生産の場の安全・安心確保ということに責任持つと先ほどのお話にもありましたが、今の農産物に対する不安というのは、やはり消費者と農業生産の間に距離があるということが1つの原因になっていると思います。私たち消費者団体と行政との2者間の意見交換ではなくて、消費者側と農業生産者をつなげるような、いろいろな産業界とかあるいは流通が入ってもいいですし、いろいろな団体の中で、多様な参加がある中で意見交換会をしていただいた方が、そういう距離を縮める意味では役立つのではないかと思います。
消費者は、農業生産の実態に理解がないままで、非現実的な意見を述べてしまう可能性もあると思います。また生産者の方は、消費者がどんな不安を抱いているのか、それがいかに深刻かということに気づかないような、そういった可能性もあると思いますので、その異なる立場間での意見交換を重視していただいた方が、すぐに不安の払拭ということではなくても、信頼関係の構築につながるのではないかと思っております。
もう1つは、消費者団体からの意見をこうして聞いていただけるわけですけれども、こうやって平日昼間に集まれる消費者というのは非常に少数です。それから消費者団体に所属している方というのは関心が高いとは思いますけれども、やはり少数だと思います。ですから、そうではない、広い層からぜひそういった意見を取り入れていただきたいと、そういったことを何とか考えていただきたいと思いますし、そういうことにぜひ協力したいと考えております。
姫田消費者情報官
どうもありがとうございました。
では、中野さんお願いします。
中野(日本生活協同組合連合会)
瀬古さんの発言にも少し関連するのですが、大きく2点あります。
1つはちょっと原則的な話になるのですが、「消費安全局設置から1年の取り組み」中の「食品安全委員会との適切な関係の構築」という部分にも関係しますが、「事前の意見交換会をもとにリスク評価方針を策定した」との記述については、18件のリスク評価依頼を食品安全委員会に行った中で、薬剤耐性菌のたった1件だけしか行われていません。本来のリスク分析手法でいくと、まずリスク評価方針がつくらなければいけないことになっています。リスク評価方針について、まず政策の意見交換会が消費者や利害関係者を含めて行われなければならないのに、この1年間で1件しか行われなかったという点は不十分です。この部分は、コーデックス委員会等でも検討されていますが、リスク評価を依頼する前にまずリスク評価方針を確立・検討するためリスクコミュニケーションを農水省としてきちんと位置づけることが必要なのではないかと思っております。
もう1つは、リスクコミュニケーションという名前の中に、「食品表示」も含め、本質的には食品のリスクとは関係ない事についても「リスクコミュニケーション」という位置づけで行われているということです。本当は農水省としてのガバナンスの課題でもあり、政策形成の過程において、利害関係者間での政策に関する意見交換会等がきちんと行われており、その全体の中の一部分に、「食品のリスク」を考えるためのリスクコミュニケーションが位置づけられるはずなのですが、なぜか今はそれが逆になっています。瀬古さんがおっしゃるように、利害関係者との距離を縮めるということは、本来農林水産省の政策全体で意見交換が行われなくてはいけないはずですが、何か「消費安全局設置から1年の取り組み」の中ではちょっと記述が逆転しています。この点については、あるべき姿として、農水省全体としての政策に関する意見交換会をはじめとする利害関係者とのコミュニケーションが行われるべきですし、別途リスクコミュニケーションについても行われるべきだと思っております。
姫田消費者情報官
どうもありがとうございました。
では、弥富さんお願いします。
弥富(日本食品関連産業労働組合連合会)
フード連合という、食品関連の企業で働いている労働者の労働組合が集まっている組織の弥富と申します。
今のお2方の発言と重なるのですが、やはり安全でおいしく、さらに安いものを提供をするということが非常に大事だと思っています。その中でも、やはり横のつながり、生産者と私どものような加工に携わるもの、さらには流通、販売、消費者という、フードチェーンの中で、なかなか情報交換ができていないというところで誤解を招いていることが多々あると思いますので、そこについて、私たちもみずからやっていかなければいけないのですが、行政の方でぜひ積極的に進めてもらえたらなと思います。
ちょっと外れますが、先ほどから環境の問題が出ておりますけれども、環境といいますとどうしても自然、緑、山、川ということになるのですが、皆さんのお住まいにある住環境、さらに私たちの働いている労働環境と、環境とはいろいろな分野がありますので、そういう環境というもの、例えば、皆さんの住んでいらっしゃる住環境、更には労働者の立場、働いている環境というのも、守るということも考えていただければなと思います。
あと、変わったかどうかで一言申し上げたいのですが、今回の異動で厚生労働省と農林水産省のチェンジがあったということについては、私ども本音では非常に驚いております。行政も変わろうとしているということを非常に感じておりますので、今後もさらなる革新に向かっていただけたらなと思っております。
以上です。
姫田消費者情報官
どうもありがとうございました。
では、飛田さん、森田さんの順でお願いします。
奥田(東京都地域消費者団体連絡会)
都地消の奥田です。
こういう話をすると笑われるかもしれませんけれども、リスクコミュニケーション、ずっと十何回やっていただいて、なかなか満足感が得られないという原因はどこにあるのかということを自問自答してみましたところ、私たちは農水省の方々に関しては、立法府の方ではないですけれども、立法に近いところにいらっしゃるということで、私たち、法律の改正に少しでもつながるのではないかという希望を持って出席しているわけです。そのリスクコミュニケーションの実態はといいますと、説明が2時間のうちの1時間半とかということになると、何のために来たのかなということになってしまうというのが、一番最初のきっかけでつまらないというか、何でこんな説明会に出席しなくちゃいけないのかと思ってしまう、まず第一がそこにあるんじゃないかと思うんです。
というのは、それは法律があって、その法律に満足していないから来ているわけです。それでそそれぞれの事柄についての状況を説明されて、満足して帰れというのはおかしいんじゃないかという思いが根本にあるということを理解していただいていないのではないかと思います。意見交換というのは、みんなそこに来ている方は、農水が法律をつくるときの一番の肝心の人たちが来るのだというふうに私たちは思っているわけです。だからその方たちが私たちの立場を理解してくれれば、それに沿った法律が少しでもできるのではないかという希望的観測のもとに来ているということが、まず理解されていないというように、私はそこに不満が生じるんじゃないかなというように思っています。
姫田消費者情報官
どうもありがとうございました。
では、森田さんお願いします。
森田(Japan Food Information Center)
1年間を振り返ってみますと、いろいろな機会をとおして情報がたくさん与えられ、行政と消費者が意見交換する機会があるということは、本当にすばらしいことだと思いますし、時代も変わっているんだなと思うのですが、ひるがえって見て、その情報が実は本当に消費者の知りたいことかなと思うことがございます。
例えば今まで行った意見交換会の14のテーマを見ましても、食品の安全とか安心という大きな枠組みから考えますと、消費者にアンケートしたときに出てくるベスト3とかベスト5などの関心のあるテーマを本当に網羅をしているのか。例えば、食品添加物、遺伝子組み換え食品、先ほどのお答えでは厚生労働省が、リスク管理をするからというお話がございました。山浦さんからも遺伝子組み換え食品の意見交換会のお話が出ましたが、あれは食品安全委員会でございますよね。農林水産省でも、やはり各県の農林試験場等で研究をおやりになっているわけですし、今いろいろな問題が出てきています、そういう中で、もっと早い時期にベーシックな問題として意見交換会で、取り上げた方がよかったのではないかなと思います。それからBSEにしても、OIEルールのことではなくて全頭検査に至った経緯ですとか、そもそも論のところをもう少し説明してほしいと思いました。ですから情報が多いのは結構なのですが、情報が偏っているということです。それで、その中で消費者が理解をしろと言われても、なかなか難しい部分も確かにあるかと思います。
一般の消費者は、食の安全とか安心とか、各論の説明をスポット的にもらいますと、怖いもの、恐ろしいものと感じて、昔の食品は安全・安心で、今の食品はとても危ないというように思われている方も結構いらっしゃいます。
これは学校の教科書などもそうでして、私、小学校5年生の子供がいるのですが、5年生の教材を見ますと、今、ちょうど稲の学習をしているのですが、農薬はいけないとか、食添とか遺伝子組み換えのことについても、危ないものというような表記がされておりまして、早い時期からそういうふうに教えられてしまいます。これもいかがなものかと思いますし、例えば文科省とか関係省庁で、今後食育をやっていただくのは大いに結構な事なのですが、あまりに情報にバラツキがあるのはどうでしょうか。情報の出し方によっては、食品の安全性がここ数年で危なくなったというような誤解をしている方が、子供も含めてお母さんたちにもいて、その中ですごく選択の幅が狭まったりですとか、肝心のリスクが見えなくなったりとか、むしろそちらの方を懸念しております。
それから最後に、慣行栽培や有機農業といった農業のお話が出てまいりました。一般消費者は、やはり慣行栽培のものを食べる機会が多いのですから、むしろきちんと農薬を使っておいしいものを作ろうというお話もやはり聞きたいなと思います。農家の方と話していても、農薬を使うことがとても悪いことをしているように思われているのです。しかし、残留農薬検査データを今回見せていただきますと、農林水産消費技術センターでやっているものは基準値を超えたものは1件もないわけですね。ただ、1件もないことに関してあまり報道はされていないわけで、慣行栽培でも残留農薬の基準値を超えたものはほとんどないということがほとんど知られていないんじゃないかと思います。それが情報が偏っていると感じるところでもあるのですが、今後はいろいろな農業が共存する仕組みというか、枠組みづくりというものも、もっとトータルに考えていただけれ思います。
姫田消費者情報官
では、深澤さんお願いします。
深澤(川崎市消費者の会)
川崎市消費者の会でございますが、一般の主婦の方々が私どもの会員の中心でございます。
昨日電話がかかってまいりまして、7月28日水曜日といいますから、おとといですか、NHKの総合テレビ、8時半から生活ほっとモーニングという番組があります。その番組の中で、国立健康・栄養研究所というんですか、前は厚生省の所管で、現在独立行政法人の講師からお話があって、動物実験や細胞レベルでの有効性だけでは、人間にも有効であるとの証明にはならないという話がありました。これは何のことを言っているかというと、健康食品の有効性と安全性についてというテーマで放映したらしいのですが、その際に、安全性とか有効性について、動物実験だけで人間に有効であるとの証明にはならないという明快な判断を示されたそうです。それに付言して、納豆の血さらさら効果は科学的根拠がないと、こう言い切っておりました。どうしてですかと、あのテレビを見たかと言うから、いや、見ていないと。それで慌ててビデオを見せてもらったのですけれども、はっきり言い切っているんです。
それともう1つ、私どもの方では勉強会をしておりまして、前に遺伝子食品組み換え問題についていろいろお話を伺うチャンスがありましたし、それからこれは農水関係の食品科学総合研究所というのがございますね。そこのシンポジウムのときに、遺伝子組み換え食品の安全性についてということで、それを証明するために哺乳動物を使った実験等については十分に尽くしておると。人間にとって安全なことこれは当然で基本的な部分です。人間に動物実験での成果そのものを持ち込んでいいかどうかという基本的な部分についてですね。安全率をどう見るかとか、個体差を何十倍見るかとか、そういう問題とは別の全く次元の違う問題、基本的な問題として、この奥さんは気づいたんですよね。それでどういうわけだと、こういうふうに電話をしてきたわけです。
こういうように、専門機関でこのような基本的な部分について見解が分かれていると、これは重大な問題だと思うんです。そうしますと、我々が頼みとするところは消費・安全局になるわけですけれども、去年の7月に同時に発足しました食品安全委員会、こちらはリスク評価だと先ほどおっしゃいました。管理実行部門が厚生省であり農水省であると、こういうふうにおっしゃいましたが、肝心の鑑定評価するところで、例えば納豆ですが、非常に身近な問題で、あれ食べないと血がさらさらにならないから心配だわといって毎日食べていらっしゃる奥さんも実際いるわけです。だけれども、それは科学的根拠がないと言われてしまいますと、かなりショックなわけです。それであなたどう思いますかという話になったわけです。
本日はその問題で、問い合わせようと思ってきたわけじゃないのです。ただ基本的な問題について、例えば食品安全委員会という立派なスタッフを持っている公的な機関があるわけですから、その安全性・有効性についても、そういうところまでかかわっていただけると、要するに納豆どうなんだと、こういう身近な例に食品安全委員会が何かかかわってくださると、すごく身近な存在になるわけです。これは町の主婦のお話ですから、一々取り上げられるのかと、そういう問題は確かにあると思います。あると思いますけれども、食品安全委員会の存在というのは、みんな今庶民の目にどう映っているかというと、非常に存在が薄いのです。それはやっぱり雲の上の存在になってしまっているからだと思います。雲の上の存在というのは、わからない、監視できないから、どういう”使われ方”をするのかという逆な心配をする人も出てきます。そうなると困りますので念のため。
それからもう1つ、そういうふうに消費・安全局以外から出るリリース、ニュースですが、それが現実には多くの独立行政法人とか公的な機関から実質的な意味でのプレスリリースというような形で出ているということの事実です。情報が氾濫しているということが先ほど言われましたけれども、そういう基本的な部分についても、さっとこういうふうに出てしまうと、一体どちらを信用していいのかというような迷いを生ずるわけですから、その辺、食品安全委員会がかかわるのはちょっと些末過ぎるよというお話しになるかもしれませんが、そういうような問題も含めて、やっぱりお考えいただきたいなと思います。
もう1つあります。プレスリリースという言葉がちょっと気になるんです。リリースという、これは公式見解とか政府発表とか、そういうふうな意味あいに訳されて頭の中に入ってしまっているようですけれども、昨日のヒジキ問題にしても、テレビのニュースで言っておりました、この問題については厚生省はどう言ったかといいますと、その問題は承知しておると。承知をしているけれども、現段階ですぐ問題となる段階ではないと、要するに、使用の禁止を指示するような、そういう段階にはないということで、静観するとこういうふうなことだったようです。
残念なのは、消費・安全局というものがありながら外電でその事実を知ったということがショックでした。1年間やってきたわけですし、非常に活動も華々しい、よくやっていると思います。外電が入ったときに、何で厚生省へ行ってしまったのかと、消費・安全局へ来てくれなかったのかと、そこのところがやっぱり消費・安全局はまだ1年しかなっていない、すぐ食品衛生法という連想から厚生省へ行ってしまう、これはわかるんですけれども、この記者がもっと消費・安全局というのを知っていてくれたら、そのニュースが最初に外電が入ったときに消費・安全局に相談に来てほしかった。そこのところが、1年間のご苦労ではあったのですけれども、もう1つまだ世間の認識の上では頑張らなくてはいけないなという点があるのではないかと思います。
それからもう1つ、リリースという言葉ですけれども、何かリリースというと解禁するとか、解放するとかいう原義があります。そうすると、ヒジキの方でもある時期が来るまで発行禁止しておいて、それである時期が来たらリリースしますよと、そういう意味に使われるとすると非常にいやな感じを受けます。ですからプレスリリースという言葉も安易に使わないで、何か違う表現をお使いになった方が、言葉を選ばれた方がいいんじゃないかと私は思います。
以上です。
姫田消費者情報官
どうもありがとうございました。
さまざまな示唆に富むご意見いただきました。まず1つは食品に関するリスクコミュニケーションというもので言えば、昨年の7月、実際には9月から始めたのが我が国では初めてでございまして、どちらかというと手探りでやっているところがございます。瀬古さんがおっしゃったように、当然消費者と生産者、流通、そして科学者、我々行政、地方行政機関、そういう、いわゆるステークホルダーという利害関係者が全員集まってお互いに意見交換していこうというのが私どもにとっても目標でございますので、できるだけ今後そういうふうに進めてまいりたいと思っております。まだいろいろと時間の関係とか話題の関係上、十分にできていないものもございますが、それが目標だと私自身思っております。
それから平日の昼間だけということ、これは3省でのリスクコミュニケーション担当者会議でもずっと課題になっております。ただ、夜にやりますと今度我々の方が用意がやりにくいとか、場所がなくなってしまうとか、いろいろな物理的な、ロジ的な問題がございます。それから、1回、厚生労働省がアンケートを取った時に、平日の昼間やってくれというのが多かったものですから、ちょっと今はそういうことでやっておりますが、また休日の昼間がいいのかや、あるいはまた、本日は小林さんに来ていただいておりますけれども、地方でもっとこういう、いわゆる東京でやるレベルの意見交換会を地方でやれないかというようなことも含めて考えていきたいと思っております。
それから中野さんからいただいたのは、リスクアセスメントポリシーについてきちんとやってきたのは抗菌性物質だけじゃないかと言われることですが、実は私は抗菌性物質をきちんとやったということで胸を張っておったんですけれども、非常に恥ずかしい次第でございました。我々これからきちんと、そういう面で言えば、おっしゃるような形でやっていきたいと思います。そしてその後ございました施策への反映がないじゃないかというようなこともございました。いわゆるリスクコミュニケーションですが、2つのスタイルがあると思っております。現在の施策について十分お互いに理解を深めていこうということと、それから我々施策をやる途中のタイミング、タイミングで皆さん方の意見を聞き、そしてそれを施策に反映させながらみんなで一緒に、我々と皆さん方と、もちろん生産者の方々も入って、みんなで一緒に施策を進めていこうというタイプのものが2つございますが、そういうものもどんどんふやしていきたいと思っております。
それからテーマの問題でございます。これはBSEをやろうということを最初から思っていたのですが、なかなかこれをやる自信がなかったということ、その間に日米の問題が起こってしまって、実は内情を言いますと、今年の1月頃にやろうということで進めていたのですが、アメリカの問題が起きてしまってすぐできなくなってしまったという、内々の事情がございます。
それと、どう情報を流すのかということでございますが、情報については今先ほどプレスリリースという言葉がございましたが、記者発表を今インターネットのメールマガジンを毎日作って食品安全委員会と私どもと厚生労働省の記者発表をメールマガジンでお送りしておりますので、これが直接皆さん方に届くということが1つのストレートな情報提供かなと思っております。
それから教科書の問題で、実は食品安全委員会のリスコミ専門調査会でも問題になったのですけれども、これは教科書じゃなくて、副読本なので残念ながら手がつけられないというのが文部科学省の回答でございました。これは文部科学省にも申し入れたのですが、そういうご回答でございます。やはりこれはフードファディズムと言っておりますが、食に関する流言飛語、これは先ほどの、特定の番組名を言うとまずいのですが、テレビ番組などでいろいろと、断片ではそれ自身については正しいのかもしれませんけれども、断片的な情報が流れるということがあります。それからそういうものについて、あるいは断片的な情報であればいいのですけれども、健康食品会社さんから恣意的に断片的な情報を、一部の研究成果を流されるというようなこともございます。
やはりそういう意味では、リスクコミュニケーションの1つの形態であります食育、リスクコミュニケーションプロパーというところで食の安全に関する教育というのをこれから進めていかなければいけないということで、やはり全体の食をバランスよくとっていく、食べていくということが重要です。何か1つの品目がいいからみんなそれに走るということではなく、それは1つの考え方ということで理解していただけるような状況をつくっていきたいと思っています。これは今の総理もおっしゃっている食育ということになるかと思いますが、そういうことで進めてまいりたいと思っております。
それと、やはりヒジキの件につきましては、あくまでも食品のことということでございますので、むしろ記者さんが厚生労働省に聞きに行っていただいた方がよかったと思っております。我々の方としては生産段階でどういうふうな、海藻はほとんどが有機砒素なので大丈夫ですけれども、ヒジキはちょっと一部違うんだというような情報もありますが、我々としては生産段階を中心にお話しできるところだと思っておりますので、そういう意味では厚生労働省と使い分けしていただければと思っております。
もう1つ、私どもの方では、消費者相談窓口というのが全国48カ所、47都道府県と本省にですから48カ所の消費者の部屋にありますので、的確なご相談ができるのではないかと思いますし、食品安全委員会には食の安全ダイヤルというのがありまして、そこにかけていただくと十分な回答ができると思っております。それぞれ各省庁連携して答えておりますので、窓口がそれこそ厚生労働省の話だということであっても、それぞれ担当が確実に答えられるように、お互いに3省連携を図ってやっているところでございます。
まだまだリスクコミュニケーションにつきましては不十分だと私自身も思っておりますし、我々ももっと皆さん方とお話、ご意見聞きながら進めてまいりたいと思いますので、厳しいご意見いただければ、積極的に、本日だけではなくて常々ご意見いただければありがたいと思っております。
本日はかなり時間が過ぎてまいりましたので、このあたりで本日の会議はお開きにさせていただきたいと思います。
では最後に、厚生労働省から来ました審議官に締めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
高橋消費・安全局審議官
本日は予定時間を30分ほどオーバーしましたけれども、長時間ありがとうございました。
行政の分野の中でも、こういった一般の民間の、いわゆる事業者ではない、あるいは役所といろいろな関係のある民間の団体ではない、本当に純粋な民間の団体の方々とこういった格好での会合を持つというのは、広く行政の中を見渡しても非常にめずらしい分野だと思いますが、特に食の安全・安心の確保ということは一番基本的な問題・課題でありますので、こういった会合をきちんと今後とも行っていき、出たご意見を政策に反映していきたいと思います。
これまでも幾つかリスコミに関してのいろいろな論評を見ますと、本日もお話に出ましたが、行政の説明が長くて聞かされているだけではないかとか、あるいは似たような話かもしれませんけれども、施策についての了解を得る場になってしまうのではないかと、そういった大変厳しいご批判もありますけれども、例えばBSEについてはまだ施策を形成している過程でありますので、そういったプロセスの中でこういう問題を取り上げて皆様方のご意見を伺っていくという、そういったプロセスの途中でもこういったことをやっているということは、ひとつご理解を賜りたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
姫田消費者情報官
ありがとうございました。
それでは、これで消費者団体との意見交換会を終わりたいと思います。本日はどうもありがとうございました。