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農林水産省

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第54回コーデックス連絡協議会

 議事概要

厚生労働省と農林水産省は、平成25年10月25日(金曜日)に、「第54回 コーデックス連絡協議会」を霞ヶ関中央合同庁舎5号館専用第18 - 20会議室において開催しました。主な質疑応答事項及び意見は以下のとおりです。

1.経緯


(1) 厚生労働省及び農林水産省は、コーデックス委員会の活動及び同委員会での我が国の活動状況を、消費者をはじめとする関係者に対して情報提供するとともに、検討議題に関する意見交換を行うためコーデックス連絡協議会を開催しています。
(2) 今回は、今年7月以降に開催された総会及び食品残留動物用医薬品部会の報告、本年11月に開催される栄養・特殊用途食品部会及び食品衛生部会の主な検討議題の説明、前回の連絡協議会で委員から質問のあった魚類へのワクチン使用について説明を行い、意見交換を行いました。

2.質疑応答及び意見交換の主な内容


(1) 第36回総会


議題2「第68回執行委員会の報告」及び議題12「財政及び予算に関する事項」の科学的助言に関する資金源不足の問題について、現実的な解決策を提案する小委員会を執行委員会の下に設置することとなっているが、この小委員会へは日本は参加するのか質問がありました。これについて、日本からは参加予定のないことを回答しました。また、プライベートセクターからの供与先の拡大の検討について、FAO及びWHOは後ろ向きの姿勢を感じるとの指摘がありましたが、現在親機関であるFAO及びWHOにおいて議論されている旨回答しました。


議題2「第68回執行委員会の報告」で日本がコーデックスの部会運営について発言した点に関して、現在抱いている問題意識は何かとの質問がありました。これについて、スパイス及び料理用ハーブ部会設立において、その手続きが一部明確になっていなかった等の経緯や、前回のコーデックス評価から10年以上経過したこと等を踏まえ、コーデックス運営全体について焦点を絞った上で、見直すべき事項があるか検討すべきと考えている旨回答しました。


議題5「乳幼児用の調整補助食品ガイドラインの改訂案」の採択における日本からの発言及び今後の原材料の実態把握についての質問がありました。これについて、日本からは特段発言を行っていないこと、また、本ガイドラインは主に途上国を対象とした内容であることから、積極的な対応はしないが、引き続き議論の推移を注視していく旨回答しました。


議題5「食品添加物の一般規格(GSFA)の食品添加物条項案及び原案」及び「第76回JECFAにおいて設定された食品添加物の同一性及び純度に関する規格」についてEU及びノルウェーの留保内容について教えて欲しい旨質問がありました。これに対し、アルミニウム含有添加物について耐容一週間摂取量(PTWI)を超過する可能性があることから、EU及びノルウェーはアルミニウムの添加物条項を残すことについて留保した旨回答しました。また、日本でも本年6月に開催した食品衛生分科会添加物部会においてアルミニウムの摂取量について報告しており、今後、アルミニウムを含む食品添加物の適切な使用について検討していく旨回答しました。


議題5「果実飲料(ネクターを含む。)、果実缶詰及び野菜缶詰中の鉛の最大基準値の改正原案」について、今後の方向性について質問がありました。これについて、タイからの意見に基づき、基準値を設定するときには地域のばらつきをなくすべきというコーデックスの原則に基づいて再度データ収集することになった旨回答しました。


議題9「路上販売食品の衛生実施規範」について、地域規格が複数あるが、販売形態は普遍的であるため、地域のみでなく販売形態に着目していくべきとの意見を頂きました。これについて、今までも地域規格をとりまとめる議論はあったものの、食品衛生部会でのこのような議論はまだなされていない旨回答しました。


議題10「バルクでの食用油脂の保管及び輸送に関する実施規範(許容される前荷のリスト案及び原案)」について、リストの見直しとはどのような物質を対象としているのか質問がありました。これについて、バルクでの輸送時に、以前にそのバルクに入っていたものからの汚染防止が目的であり、添付されている物質リストが基準を満たしているかどうかを見直すこととなった旨回答しました。


議題10「プロセスチーズに関する新規作業」について、前回の第35回総会で作業中止となっているが、今回再度議論されることになった経緯について質問がありました。これについては、特段新しい情報及び問題が生じた訳ではないが、規格を策定したい国々の強い主張により引き続き検討することとされた旨回答しました。


議題10「スパイス・芳香ハーブ及びそれらの製剤に関する部会の設立についての討議文書」について、日本は部会設立に賛成していないようであるが、スパイスについては多くの懸念をもっているため、より良い方向で進めて欲しいとの発言がありました。これについて、日本はスパイス及び料理用ハーブ部会の設立自体に反対なのではなく、可能であれば、時限的な特別部会(Task Force)等で行うべきであり、新たに部会を設立することに懸念を示していた旨を回答しました。


議題11「コーデックス委員会の戦略計画」について、消費者の懸念として環境汚染などについてもコーデックスで取り扱うのかという質問がありました。これについて、今回採択された戦略的計画の中で、気候変動や人口増加などの環境変化の要因を考慮すべきという内容が新たに盛り込まれた旨回答しました。

(2) 第21回食品動物用残留医薬品部会


議題6について、国内の管理措置として、ジエチルベステロール(DES)は、食品において「不検出」とされる農薬等の成分である物質のリストにすでに掲載されているが、これ以外のスチルベン類についても今後当該リストに含まれていくのか質問がありました。これについて、会議文書においてはスチルベン類に含まれる物質の明確な記載がなかったものの、情報を収集した後食品安全委員会に適宜評価依頼をする予定である旨回答しました。


議題6について、オラキンドックスを「不検出」とする案が過去の薬事食品衛生審議会部会で採択されているが、現時点で「不検出」とされる農薬等の成分である物質のリストに掲載されておらず、告示改正に時間を要している理由について質問がありました。これについて、オラキンドックスは現在試験法を開発・検討中であり、当該リストに掲載するためには試験法も告示法として基準改正と同時に告示する必要があるため、時間を要している旨回答しました。

(3) 第35回栄養・特殊用途食品部会


仮議題3について、栄養参照量(NRVs)の策定自体は推奨すべきことだが、今後どのような基準単位を適用するか懸念があり、各国のデータに偏りがない状態で基準を策定して欲しい旨の意見を頂きました。


仮議題3の新たなNRVsの候補値(pNRVs)で、WHO及びFAOの設定している基準をそのまま採用できなかった経緯について質問がありました。これに対し、公的な文書はないものの、NRVs設定の考え方には日本とコーデックスで違いがあり、そのままの基準を採用していない旨回答しました。また、日本では、国際的な流れも踏まえて、今後、日本のNRVsにあたる栄養素等表示基準値の改訂を検討していく予定である旨回答しました。


議題3の(3)信頼できる科学機関(RASB)について、定義の修正案を提示しているとのことだが、国立健康・栄養研究所は現在の定義に合致していないとの認識なのか質問がありました。これについて、現在示されている定義に合致すると考えているが、定義が定まっておらず、部会でも議論が行われるため、同研究所がRASBに合致するように部会で対処する旨回答しました。


仮議題6について、フォローアップフォーミュラ(生後6ヶ月~36ヶ月の児を対象とした、母乳の代替とはならない調整乳)の規格については、国内の専門家と連絡を密にし、規格の必要性について検討が必要である旨意見を頂きました。


仮議題8のカリウムについて、高血圧等の非感染性疾患(NCD)の予防には十分な摂取を推奨すべき栄養素であるが、加工食品を中心に、カリウムの表示がなされた食品のみで必要量を摂取しようとする流れができることには懸念があり、WHOの世界戦略でも推奨されているように天然の野菜や果物からカリウムを摂取することが望ましいため、どのような位置づけでこの規格を利用していくのかも含めて検討するべきとの意見を頂きました。


仮議題9のBiofortification(育種選別による栄養強化)について、日本としてはどのように対応するのかという質問がありました。これについて、Biofortificationの定義が定まっていないこと及び食品表示部会(CCFL)でも議論されていることから、動向を注視していき、現行の表示制度との関連性については定義が決まり次第、対応を検討していく旨回答しました。


さらに、仮議題9のBiofortificationとは栄養摂取が前提であり機能性の強化ではない、という理解でよいか質問がありました。これについては、その理解で間違いない旨回答しました。

日本において、乳用児にくる病が増えており、ビタミンD不足が原因とニュース等で報道されているが、コーデックスにおいてもこのような件について議論されるのか質問がありました。これについて、くる病とビタミンD不足の関係については、事実関係を確認後、次回説明する旨回答しました。また、コーデックスで議論される可能性は否定しないが、日本国内で対応できる件についてはまずは国内で対応すべきものである旨回答しました。


国立健康・栄養研究所については、日本人の食事及び栄養摂取を把握する重要な機関であるため、必要な予算を確保すべきとの意見を頂きました。

(4) 第45回食品衛生部会


仮議題4について、トリヒナのガイドラインは農場での管理が「無視できるリスクとしての状態」の前提となっているが、野生動物を考慮に入れた農場以外での管理措置に関する議論も必要ではないかとの質問がありました。これについて、前回の部会(第44回)において、野生動物のモニタリングについては作業の対象外とされており、今回の内容は野生動物ではない豚等に焦点を当てていること及び第81回OIE総会(2013年5月)で承認されたOIEの陸生コードにおいて、豚肉の輸入時の要件として食肉処理場での検査についての記載がある旨回答しました。

仮議題5について、同じスパイスに関する件であるため、新たに設置されたスパイス及び料理用ハーブ部会に移管できないのか質問がありました。これについて、仮議題5の内容は食品衛生に関する内容であり、本部会で議論することが適当であること、またスパイス及び料理用ハーブ部会設立時に、衛生関係の事項は食品衛生部会で議論するとの説明がなされている旨回答しました。


仮議題5について、スパイスの微生物規準の対象菌がサルモネラとなっている理由について、また芽胞菌の方が適切ではないか質問がありました。これについて、本議題の議長国である米国において2009年から2010年にサルモネラ汚染によるブラックペッパーの大規模食中毒事例が発生したことが関連しているのではないかと考えている旨回答しました。また、現在の文書には、微生物低減措置に関する記載もあり、この中に芽胞菌についても含まれると認識している旨回答しました。


仮議題6について、水分含量を指標とするのではなく、水分活性を指標とするような議論はされないのか、また主な対象菌をサルモネラとしているのはなぜか質問がありました。これについて、水分含量の低い食品(LMF)は、水分活性(aw)0.85以下として定義されている旨回答しました。また、現在FAO/WHOに対して、色々なLMFとハザードの組み合わせについて、どのような食中毒事故が起きているのか、ハザードの低減措置について科学的助言を求めている段階である旨回答しました。


仮議題6について、日本におけるドライフルーツの食中毒に関する調査状況について質問がありました。これについて、日本では、食中毒を調査する際、「ドライ製品」とした分類を行っておらず、魚介類、肉類といった分類で調査しているため把握していない旨回答しました。


前回の連絡協議会で、養殖魚へのワクチンの使用管理について、ワクチンを使用していても有機養殖魚といえるのか、またその安全性について質問がありました。これについて、食品表示部会(CCFL)で議論されている有機養殖のガイドラインにおいて、ワクチンは例外的に使用を認められる方向で議論されている旨回答しました。また、国内における養殖魚へのワクチン使用は水産試験場等の指導のもとで使用されている旨回答しました。これに対し、海外でのワクチン使用実態が不明であり、養殖魚へのワクチン使用についての規格もコーデックスで取り上げるべきではないかとの意見を頂きました。 

 資料

資料一括ダウンロード(PDF:1,598KB)

資料1 議事次第

資料2 委員名簿

資料3 会場配置図

(最近検討された議題について)
資料4第36回 総会

資料5 第21回 食品残留動物用医薬品部会

(今後検討される議題について)

資料6 第35回 栄養・特殊用途食品部会

資料7 第45回 食品衛生部会

お問合せ先

消費・安全局食品安全政策課国際基準室

代表:03-3502-8111(内線4471)
ダイヤルイン:03-3502-8732

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