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農林水産省

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第57回コーデックス連絡協議会

 議事概要

厚生労働省と農林水産省は、平成26年5月19日(月曜日)に、「第57回 コーデックス連絡協議会」を霞ヶ関中央合同庁舎5号館専用第18 - 20会議室において開催しました。主な質疑応答事項及び意見は以下のとおりです。 

 1.経緯

(1) 厚生労働省及び農林水産省は、コーデックス委員会の活動及び同委員会での我が国の活動状況を、消費者をはじめとする関係者に対して情報提供するとともに、検討議題に関する意見交換を行うためコーデックス連絡協議会を開催しています。

(2) 今回は、平成26年2月に開催された第18回生鮮果実・野菜部会、平成26年3月に開催された第35回分析・サンプリング法部会、第46回食品添加物部会、第8回食品汚染物質部会及び平成26年4月に開催された第28回一般原則部会の報告を行い、意見交換を行いました。

2.質疑応答及び意見交換の主な内容

(1)第18回生鮮果実・野菜部会

・個別の生鮮果実・野菜の規格を策定する意義について質問がありました。これについて、個別食品部会の規格は安全よりも品質に重点を置き、公正な貿易の円滑な促進が主たる目的とされていること、また2002年に第三者機関によるコーデックス業務の見直しを行った際に、コーデックスは食品安全に関する規格に力を入れるべきとの勧告があり、数年前に規格を作る際のクライテリアが設けられたものの、現在も主に途上国から自国の輸出品目の規格提案が数多くなされている旨回答しました。また、これらの問題意識から、現在、日本はコーデックスのマネージメントの見直しに関する提案をしている旨回答しました。

・議題9「生鮮果実・野菜部会の付託事項(Terms of Reference)の見直し」について、付託事項の修正内容及び欧州地域から反対意見はなかったか質問がありました。これについて、修正された付託事項は昨年新しく設立されたスパイス・料理用ハーブ部会の付託事項にならったものとなったこと、電子作業部会では各国による様々な議論があったが、会合時はEUを初めとする欧州地域からの特段の反対なくスムーズに議論が進んだ旨回答しました。

・同じく議題9に関し、国際連合欧州経済委員会(UNECE)の活動関する質問がありました。これについて、UNECEへアジアや南米からもオブザーバーとして参加が可能である旨、生鮮果実・野菜の規格についてはこれまでUNECEにおける規格策定作業が先行していたことからUNECEとの協議について言及されていた背景がある旨回答しました。

(2)第35回分析・サンプリング法部会

・議題4「国際食品貿易におけるサンプリング及び検査の原則(CAC/GL 83-2013)」の今後の作業に関する質問がありました。これについて、本作業の背景には、個別食品部会がサンプリングプランを十分に理解していないまま規格策定が進められているというCCMASの問題意識があり、現場で実行可能なサンプリングプランの例をGL83のAnnexに盛り込むべく、各部会及び各国に依頼しているところである旨回答しました。また、CCMASは科学的に正しいサンプリングプランを策定することを基本姿勢として現場での実行可能な実例を盛り込む方向であるが、一旦GL83のAnnexにサンプリングの実例が記載されると、元々は一事例として掲載したつもりであってもそれが理想的なサンプリングであってそれが原則であると認識される恐れがあるため、我が国としても事例を入れ込む段階から注視していく必要がある旨回答しました。

・また、「国際食品貿易におけるサンプリング及び検査の原則」について、各国によって判断が異なる測定の不確かさについても検討していくのか質問がありました。これについて、現在は、分析結果のみで基準への適合性を判断しているが、将来的には不確かさを考慮に入れることを検討する必要があると考えている旨回答しました。

同様に議題4について、「消費者の健康リスクを考慮した予防的行動に関する記述の追加」の提案国について質問がありました。これについて、オブザーバーからの発言と認識しているが、本件について多く議論はなされていない旨回答しました。

・同議題で議論されているサンプリングプランは、輸出国側のサンプリングプランであるのか、輸入国側も含むのか質問がありました。これについて、輸出国に限らず輸入国も含まれており、ガイドラインにはロット又はコンサインメント(同時に到着した荷全体)という語が用いられており、コンサインメントが複数のロットからなる場合やロットの一部である場面が考慮されている旨回答しました。

・議題8「分析法に関する国際機関間会合の報告」について、国際機関間会合(IAM)とCCMASの関係性について質問がありました。これについて、IAMは国際規格を作成しているISO(国際標準化機構)、AOACインターナショナル、AOCS(米国油化学会)等様々な国際機関の集まりであり、CCMASが国際規格を策定する際には既存の国際規格を利用したりそれらとの調和を図ることが多いため、CCMASではIAMメンバーによる意見が重要な意味を持つ旨回答しました。

・議題5「クライテリアの設定検討に関する討議文書」についてType I とクライテリアアプローチは相容れないのではないのか質問がありました。これについて、Type I 分析法はその分析法自体により値が定義されるものであることから、Type I にクライテリアアプローチを直接適用するのではなく、同等性確認のためのガイドラインを示すための作業である旨回答しました。

 (3)第46回食品添加物部会

・議題5(c)「食品分類14.2.3「ブドウ酒」及びそのサブカテゴリーにおける食品添加物条項」について、日本からはどのように対応したのか質問がありました。これについて、ブドウ酒の食品添加物は国内では食品衛生法及び酒税法で規定されており、業界団体に使用実態を確認し、安全性及び妥当性を吟味した上で意見を提出している旨回答しました。

・議題5(d)「食品分類01.1.1及びそのサブカテゴリー並びに食品分類01.1.2の解説文及び食品添加物条項」に関し、GSFAの食品分類と乳等省令の食品の定義関係性について質問がありました。これについて、乳等省令と同様にGSFAにおいても「milk」と「milk products」を区別する方向で議論が進んでいるが、今後も電子作業部会で継続して検討されていく旨回答しました。

・議題5(g)「選択された甘味料の食品添加物条項への注釈161の使用に関する討議文書」に関する日本の立場について質問がありました。これについて、日本は、甘味料の使用により消費者に誤認は与えないとの考えから注釈161は不要との立場であり、必要と主張しているのは主にEUであると回答しました。

・議題5(f)「食品分類08.0「家禽肉及び猟鳥獣肉を含む食肉及び食肉製品」におけるナイシン(INS 234)の食品添加物条項の提案」について、抗生物質であるナイシンは慎重に議論すべきとの意見がありました。これについて、食肉業界に使用実態を確認しており、他の食品添加物と同様にその安全性のみならず有効性についても議論していくことになる旨回答しました。

・議題8(b)「優先化作業の成果の使用に係るオプション及びJECFAによる再評価の物質を同定するための他の実現可能なステップに関する討議文書」について、日本における着色料の評価は過去に行われたものであり、国際的に関心が高いことから日本も積極的に着色料の再評価を進めてほしいとの意見がありました。これについて、日本が独自で使用している着色料等様々な状況を加味し、今後どのように対処していくべきか考えたい旨回答しました。

(4)第8回食品汚染物質部会

・議題15「穀類中のアフラトキシンに関する討議文書」に関して、各国における汚染の原因調査実施の有無及び重要となる生産管理工程について質問がありました。これについて、アフラトキシンを産生する菌は主に貯蔵中に生育し、適切な貯蔵が行われないとアフラトキシンを産生する可能性があること、サーベイランスをどの段階で実施するかによって結果が異なる可能性があり、かびが生えた穀類に関する調査データ等は存在するが、世界的にも市場流通する穀類のサーベイランスデータは少ないこと、また最も重要な管理工程は貯蔵であり、穀類のかび毒汚染防止・低減に関する実施規範の見直しの中で、最新の知見に基づいてアフラトキシンに関してどのような管理が必要か議論される予定である旨回答しました。

・ヒ素及び鉛の低減に関する実施規範に関して、日本で実施されているコメの農業生産工程管理との関係について質問がありました。これについて、コメ中のヒ素を低減するために節水管理を行うとコメ中のカドミウム濃度が上昇するトレードオフの関係があることから、現在、ヒ素とカドミウム双方を低減する方法の研究開発を行っているところであり、将来的には研究成果を指針として国内に普及していくとともに、コーデックスの実施規範検討の議論にも貢献していく旨回答しました。

・議題6「コメ(玄米及び精米)中のヒ素の最大基準値原案」に関して、玄米と精米それぞれに対して異なる最大基準値が議論されているが、その理由と最大基準値を超過する玄米が精米に加工すると精米の最大基準値を超過せず流通可能となるのか質問がありました。これについて、コメは外側の部分(糠)のヒ素濃度が高く、玄米と精米では濃度が異なるため、異なる2つの基準値を設定する必要があること、国際的には精米として消費される米は精米として流通し、玄米で流通し消費者に届く直前で精米に加工される流通形態は日本に特有ではあるものの、様々な流通経路が存在することによる混乱を避けるためのガイダンスをコーデックスとして作成するかどうかを、電子作業部会で検討していく旨回答しました。

・これに関連して、国際的に玄米の消費が増えている中で、玄米と精米の最大基準値に差を設けることの妥当性について質問がありました。これについて、玄米の基準値についてはALARAの原則に基づき、国際的に流通している玄米の基準値案に対する超過率と健康リスクの低減効果の双方を考慮した上で、次回会合で議論される予定である旨回答しました。

・また、無機ヒ素のPTWI(暫定耐容一週間摂取量)と基準値案の関係について質問がありました。これについて、JECFAの最新の評価結果ではPTWIを取り下げている旨、また、コメ中の無機ヒ素の最大基準値は、健康リスクの低減効果を考慮した上で、国際的に流通しているコメ中の無機ヒ素濃度のデータに基づいて合理的に達成可能な範囲で低い値を設定(ALARAの原則)するよう検討されている旨回答しました。

・議題4「その他の国際機関からの関心事項」に関して、飲料水及び食品の放射性物質にどのような国際基準があるのか質問がありました。これについては、飲料水についてはWHOから飲料水水質ガイドラインが、食品についてはIAEAやCodex等において基準が設定されていること、また国際基準の間においては、濃度として示されているベクレルの数値には差はあるものの実効線量(シーベルト)としては、大きなギャップがない旨回答しました。

・同じく議題4に関して、国際機関間会合のワーキングループの報告書は公表されているのかとの質問がありました。これについて、第34回RASSCの報告書に関してはIAEAのウェブサイトで公開されていると回答しました。

・議題16「魚類及び捕食性魚類のメチル水銀のガイドライン値の見直しに関する討議文書」に関連して、日本におけるリスク管理措置の現状の課題と今後の方針に関する質問がありました。これについて、次回のコーデックス連絡協議会において担当者から回答することとなりました。

(5)第28回一般原則部会

・議題5「経済的影響に関するステートメントに関する問題」について、経済的な影響があったとしても、可能な限り科学的知見に基づく議論をすべきとの意見がありました。これについて、コーデックス規格策定プロセスのステップの中で、経済的影響に関して検討されることとなっている旨回答しました。

・議題11「コーデックスの作業管理」について、コーデックス基準をそのまま自国の基準として採用している途上国も多く、本来、自国の予算で行うべき基準作成を日本が負担している側面についても、今後考慮していく必要があるとの意見がありました。これについて、日本としては規格策定についてはプライオリティをつけて対応していく必要があり、また、コーデックスはWHOとFAOの下部組織であることからWHO及びFAOがコーデックスの効率的な運営ができるよう管理すべきと考えていると回答しました。

・これについて、コーデックスは公正な貿易の促進を目的の一つとし、これまで先進国を中心としたコーデックス規格策定が行われてきた経緯があることから、途上国の考え方も一概に否定できないとのご意見を頂きました。

・議題11について、日本が討議文書を作成し、コーデックスの作業管理を見直すきっかけを作った点で成果があったとのご意見を頂きました。

・CCGPで各部会のリスクアナリシスの文書の再検討が行われているが、国内においても厚生労働省、農林水産省、食品安全委員会の3府省で関連用語の統一化を図り、これらのより適切な和訳を検討していく必要があるとのご意見を頂きました。

  資料一覧

1 議事次第
2 委員名簿
3 会場配置図
4-(1) 第18回 生鮮果実・野菜部会(CCFFV)議題
4-(2) 第18回 生鮮果実・野菜部会(CCFFV)概要
5-(1) 第35回 分析・サンプリング法部会(CCMAS)議題
5-(2) 第35回 分析・サンプリング法部会(CCMAS)概要
6-(1) 第46回 食品添加物部会(CCFA)議題
6-(2) 第46回 食品添加物部会(CCFA)概要
7-(1) 第8回 食品汚染物質部会(CCCF)議題
7-(2) 第8回 食品汚染物質部会(CCCF)概要
8-(1) 第28回 一般原則部会(CCGP)議題
8-(2) 第28回 一般原則部会(CCGP)概要

お問合せ先

消費・安全局食品安全政策課国際基準室

代表:03-3502-8111(内線4471)
ダイヤルイン:03-3502-8732

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