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農林水産省

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第60回コーデックス連絡協議会

 議事概要

「第60回 コーデックス連絡協議会」の概要について、厚生労働省と農林水産省は、平成26年11月11日(火曜日)に、「第60回 コーデックス連絡協議会」を都道府県会館402会議室において開催しました。主な質疑応答事項及び意見は以下のとおりです。

 1.経緯

(1) 厚生労働省及び農林水産省は、コーデックス委員会の活動及び同委員会での我が国の活動状況を、消費者をはじめとする関係者に対して情報提供するとともに、検討議題に関する意見交換を行うためコーデックス連絡協議会を開催しています。

(2) 今回は、平成26年10月に開催された第21回食品輸出入検査・認証制度部会、第42回食品表示部会での検討結果及び平成26年11月に開催された第19回アジア地域調整部会の概要について報告を行い、また、平成26年11月に開催される第46回食品衛生部会、第36回栄養・特殊用途食品部会の主な検討議題及び前回の連絡協議会で委員から質問のあった、農林水産省のハラールへの取組について説明し、意見交換を行いました。

2.質疑応答及び意見交換の主な内容 

(1) 第21回食品輸出入検査・認証制度部会

・議題4「食品輸出国を対象とした質問票の作成及び管理のための原則及びガイドラインに関する討議文書」について、対象を特定の食品に限定する必要があるとの意見があるが、特定の食品とは具体的にどのようなものを指すのかについて質問がありました。これについて、現在具体的な食品はあげられていないが、食肉等が想定される旨回答しました。また、これについて、リスクは様々な食品において存在するため、食品をあらかじめ特定することは困難ではないかとのご意見をいただきました。

・議題2「コーデックス総会及びその他の部会・特別部会からの付託事項」における「ハラールの使用に関する一般ガイドライン(CAC/GL 24-1997)」の改訂について、この議論におけるイスラム法とは何か(立法者、司法者、影響範囲等)について質問がありました。これについては、次回の協議会で回答することとしました。

・本部会の関連事項において、国際植物防疫条約(IPPC)事務局との共同作業はあるのか、質問がありました。これについて、現在までに行ったものはないが、例えば、議題8「その他の事項及び今後の作業」において議論された、貿易における電子的証明書の使用について、IPPCやOIE(国際獣疫事務局)との協力や連携に関連する意見はある旨、回答しました。

・議題7「輸入食品の不合格品に関する政府間での情報交換のためのガイドライン(CAC/GL25-1997)の改訂に関する討議文書」について、国内における消費者への情報公開の仕組みについて質問がありました。これについて、本議題で議論しているガイドラインは政府間の仕組みについて定めていることから直接的に消費者への情報公開については言及していないが、消費者への情報公開に関しては、輸入食品に関する他のガイドラインにおいて定められていること、また我が国における輸入食品の違反状況については、ホームページ等で積極的に公開を行っている旨、回答しました。

(2) 第42回食品表示部会

・議題4「有機養殖漁業(有機的に生産される食品の生産、加工、表示及び販売に係るガイドラインの改訂)」について、EUが天然種苗の使用に反対している理由について質問がありました。これについて、EUは有機養殖で育てた親から得られた種苗を原則使用すべきであると考えている旨、回答しました。また、EUではどの国がどのような魚種について有機養殖を行っているのかについて質問がありました。これについて、魚種としてはサケ、タイ、タラ等について行っているが、国・地域別詳細については不明である旨、回答しました。

・同じく議題4について、産卵誘発ホルモン剤使用時における親や卵・仔稚魚への影響について質問がありました。これについて、親魚は死んだ時点で有機養殖のステータスを失う規定となっていること、卵・仔稚魚へは親からホルモン剤が移行しないとの科学的根拠がある旨、回答しました。また、有機養殖における動物用医薬品の使用について質問がありました。これについて、魚類についても家畜同様、病気等の場合において例外的に使用が認められる規定となっている旨、回答しました。これに対し、魚類と家畜類では環境面での影響度合いが異なるため、考慮の上検討を進めてもらいたいとのご意見をいただきました。

・議題5「日付表示の規定の問題に関する討議文書(包装食品の表示に関するコーデックス一般規格の改訂)」について、消費期限と賞味期限の定義をめぐる議論における今後の方向性について質問がありました。これについて、若干の文言修正がなされる予定であるが、我が国における定義と大きく異なるものとはならない予定である旨、回答しました。

・議題7「食品のインターネット販売に関する問題についての討議文書」について、我が国において様々な問題があるが、それらが反映されるのかとの質問がありました。これについて、アルジェリアから提出される予定であった討議文書が間に合わなかったため、次回へ持ち越しとなっている旨、回答しました。

(3)第46回食品衛生部会

・仮議題6「水分含量が低い食品の衛生実施規範原案」について、乾燥食肉及び乾燥魚介類製品が対象から除かれた理由について質問がありました。これについてFAO/WHOが運営する専門家会合であるJEMRAでのリスク評価に時間を要すること、及び食肉・魚介製品について統一的な基準値を定めることが困難である旨、回答しました。また、水分含量が低い食品の定義とされる「水分活性0.85以下」という数値の根拠について質問がありました。これについて、「水分活性0.85以下」とは、食中毒の原因となる微生物が増殖しない条件であると考えるが、0.85以下と設定された詳細な経緯については、次回の連絡協議会で回答することとしました。

・同じく仮議題6について、対象とする食品における乳製品の有無及び既存の文書との関係性について質問がありました。これについて、対象食品としては乾燥乳製品が挙げられること及び既存の文書が存在する品目については、その文書を参照することとなる旨、回答しました。

・仮議題8「食品媒介寄生虫の管理を行うための食品衛生の一般原則の適用に関するガイドライン原案」について、本ガイドラインを作成する目的及び寄生虫の不活化のためのパラメータについて横断的なパラメータを設定することが可能であるかについて質問がありました。これについて、個別の食品の衛生管理に係る文書中に寄生虫の管理という項目が定められていたが、寄生虫の管理に関してとりまとめた文書を作成することが目的であること、及び本ガイドラインでは対象とする食品を5つの食品群に分類しており、現時点の案ではそれぞれの食品群について管理法や各寄生虫の不活化のためのパラメータが示されている旨、回答しました。

・仮議題10「その他の事項及び今後の作業」における「食品衛生の一般原則(CAC/RCP 1-1969)とHACCPに関する付属文書の改訂」について、この付属文書が改訂された際の我が国のHACCPへの影響について質問がありました。これについて、現在、我が国において食品製造におけるHACCPによる工程管理の導入促進について進めているところ、我が国のHACCPはコーデックスのHACCPガイドラインに準拠しており、改訂内容に対応することも含めて今後検討することとなる旨、回答しました。

(4)第36回栄養・特殊用途食品部会

・仮議題3「必須栄養素の食品への添加に関するコーデックス一般原則(CAC/GL 9-1987)の改訂案」について、どのような制度への支障が想定されるのか質問がありました。これについて、前回部会で我が国の特別用途食品と関連した定義に関する議論があり最終的に特別用途食品に関する部分は定義に含まれなかった旨、回答しました。その上で、もし今次部会で再度同様の議論となった場合、我が国の制度と調整を行っていきたい旨、回答しました。

・仮議題4「コーデックス栄養表示ガイドラインにおける表示を目的とした栄養参照量の追加/改訂原案」に関する新たな栄養参照量の候補値の適切性の判定方法について、コーデックスにおいて示されている考え方を踏まえた我が国における今後の方針について質問がありました。これについて、我が国もコーデックスで示されている考え方と合わせる方向で検討しており、食品表示法に基づく栄養素等表示基準値において対応できるよう、現在検討を行っている旨、回答しました。

また、我が国における対応方針をコーデックスの考え方と合わせることについて賛成するところであり、独)国立健康・栄養研究所(NIHN)を信頼できる科学機関(RASB)にノミネートしていることに関連して、我が国の栄養政策に関する検討会を設立しその議論の土台となる機関としてNIHNがあるべきとのご意見をいただきました。その上で、鉄の栄養参照量について我が国の基準が国際データと差が見られることから、再考を検討してもらいたいとのご意見をいただきました。

・同じく仮議題4について、フッ素については必要量に基づく栄養参照量(NRV-R)と同時に非感染性疾患のリスクに関連する栄養参照量(NRVs-NCD)の両方を策定する必要性について質問がありました。これについて、フッ素については虫歯予防の観点からNRV-Rを設定しようとする加盟国の意見がある一方で、NRV-Rを設定しなくとも良いという意見も多く出ており、今次部会においてNRV-Rが設定されないものと推測される旨、回答しました。

・仮議題6「フォローアップフォーミュラのコーデックス規格(CODEX STAN 156-1987)の見直し」について、特殊医療用フォローアップフォーミュラについて今後議論が継続されるのか、質問がありました。これについて、特殊医療用フォローアップフォーミュラはフォローアップフォーミュラに含まれるため、今後も議論される予定である旨、回答しました。これに対し、我が国において特殊医療用フォローアップフォーミュラは3歳児以上でも使用実態があることを踏まえ、慎重に議論して欲しいとのご意見をいただきました。

・仮議題7「非感染性疾患のリスクとの関連からカリウムの栄養参照量の候補値を検討するための討議文書」について、我が国としても今後カリウムを栄養機能食品の栄養成分に追加していくのか、質問がありました。これについて、我が国でも現在行われている栄養機能食品における対象栄養成分の議論の中でカリウムは追加する方向で考えており、新たに示す食品表示基準の中で基準を示し、適切に対応していく予定である旨、回答しました。

・仮議題8「食品添加物リスト(CODEX STAN 72-1981)の改訂原案」について、我が国の制度等に支障が生じないよう注視しつつ適宜対処したいという対処方針ではなく、国際的な動向を踏まえて必要であれば国内の制度の見直しも検討してもらいたいとのご意見をいただきました。

・第19回アジア地域調整部会

  会議冒頭において、第19回アジア地域調整部会が我が国にて開催されたこと及び我が国から「納豆の地域規格」について次回会合で新規作業提案をしたい旨の発言を行った旨、報告しました。これについて、我が国は以前作業中止となった醤油の規格策定についても再度提案するべきではないか、また、本部会では個別食品の規格策定を行う動きが多く、部会で取り上げる議題について検討が必要ではないか等のご意見をいただきました。

  なお、本部会の詳細な報告については、次回の連絡協議会で行うこととしました。

・前回の協議会において、我が国における輸出促進の観点からのハラールへの取組について質問がありました。これについて、1「輸出総合サポートプロジェクト」としてセミナーの開催や専門家のジェトロへの配置、2「輸出に取り組む事業者向け対策事業」によるハラール認証の取得に向けた有識者を招いての勉強会の開催や検査員の招聘、認証の取得費用等の支援、3「強い農業づくり交付金の優先枠」において、輸出に必要なハラール対応食肉処理施設の整備の支援等を実施している旨回答いたしました。また、東京オリンピックに向けた国内対応について質問がありました。さらに、原材料のハラール調味料の表示について、現在ガイドライン等がない中で、そのような表示が可能なのかについて質問がありました。これらについては、次回の連絡協議会で回答することとしました。

お問合せ先

消費・安全局食品安全政策課国際基準室

代表:03-3502-8111(内線4471)
ダイヤルイン:03-3502-8732

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