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更新日:2010年6月1日

担当:消費・安全局消費・安全政策課

自主及び商業基準(プライベートスタンダード)

近年、SPS委員会において、民間企業や団体などが食品や農産物の取引要件とする「自主及び商業基準(いわゆる「プライベートスタンダード」)」に対する貿易上の懸念が開発途上国より提起されています。

SPS協定によってWTO加盟国政府は、自国のSPS措置の導入や実施に当たって、透明性を確保することや、措置と国際基準(Codex,、OIE及びIPPCの作成する基準)を調和させるといった様々な義務が課せられています。しかしながらプライベートスタンダードに関しては、SPS協定上、政府が義務を負うのかという点に関して、先進国と開発途上国の間で意見が大きく分かれています。

プライベートスタンダードとは

SPS委員会でのプライベートスタンダードの定義は明確にされていませんが、これまでにSPS委員会の中で取り上げられたものの中には、GLOBALGAP、ISOといった国際的に広く使われているものから特定の企業でのみ使用されるものまで、様々なスキームが含まれています。2007年にSPS委員会事務局は、プライベートスタンダードの例として、以下のような表を示しています。

 

プライベートスタンダードの例 

Individual firm schemes

(個別企業スキーム)

Collective national schemes

(特定国スキーム)

Collective international schemes

(国際スキーム)

Tesco, Natures Choice

Carrefour Filière Qualité

Assured Food Standards

British Retail Consortium Global Standard-Food

QS Qualitat Sicherheit

Label Rouge

Food and Drink Federation/British Retail Consortium Technical Standard for the Supply of Identity Preserved Non-Genetically Modified Food Ingredients and Products

EurepGAP

International Food Standard

Global Food Safety Initiative

ISO 22000: Food safety management systems

Safe Quality Food (SQF) 1000 及び 2000

ISO 22005: Traceability in the feed and food chane

 出典:Private Standards and the SPS Agreement (G/SPS/GEN/746, 24 January 2007)

 

いずれのスキームの場合でも、食品安全、動植物衛生を目的とした要件のみがSPS委員会での議論の対象とされ、措置の目的がそもそもSPS協定の対象に当てはまらないと考えられる環境保全、アニマルウェルフェアや労働安全などその他の目的を達成するための要件は、議論の対象外とされています。 

 議論の経緯

プライベートスタンダードに関するこれまでのSPS委員会での議論の経緯をご紹介します。

2005年6月(第33回会合)

会合の「特定の貿易上の懸念」の議題において、セントビンセント及びグレナディーン諸国がEurepGAP(現在のGLOBALGAP)が自国のバナナの輸出に悪影響を与えているとの提起がありました。 

 

2006年10月(第37回会合)

非公式情報セッションを開催し、EurepGAPと国連貿易開発会議(UNCTAD)から、EurepGAPの説明やその利点及び問題点、途上国における課題等についてプレゼンテーションが行われました。またSPS委員会公式会合では、「自主及び商業基準」を次回会合の議題として取り上げるよう各国から要望がありました。

 

2007年3月(第38回会合)

会合の「特定の貿易上の関心事項」の議題の一部として「自主及び商業基準」が設けられ、プライベートスタンダードの透明性、科学的根拠、SPS協定との法的関連性などの議論が行われました。

 

2007年6月(第39回会合)

WTO主催により、以下のプログラムで情報セッション [WTOホームページへリンク] を行いました。

    第1部・・・プライベートスタンダード設定機関(GFSI、EurepGAP、ISO、Tesco)によるそれぞれのプログラムの紹介

第2部・・・国際機関(UNCTAD、OECD)、加盟国による事例研究

第3部・・・TBT委員会事務局からTBT協定上での基準の定義や標準化機関の体系等について、FAOから自主基準に関する途上国支援の概要について、ISEAL Allianceから市場アクセス・開発とプライベートスタンダードの関係についてそれぞれ紹介

 また、この会合以降、「自主及び商業基準」が継続して会合の独立した議題とされています。 

 

 2007年10月会合(第40回会合)

英国がSPS協定のプライベートスタンダードの法的関連性に関する研究結果(注1)を提出しました。

2008年6月会合(第42回会合)

会合に先立ち、STDF (Standards and Trade Develpment Facility:規格及び通商開発機構) による情報セッション[WTOホームページへリンク] が開催されました。またSPS委員会会合で、少人数で効率的な議論を行うための非公式関心国会合の設立が合意されました。

 

2008年10月会合(第43回会合)

第1回目の非公式関心国会合が開催。下記の3段階の作業工程で今後プライベートスタンダードの議論を進めることとし、これについてSPS委員会で合意が得られました。

第1段階・・・事務局から各国に質問状を配布し、プライベートスタンダードが貿易の障害になっている実例や、関連する国際基準の有無、プライベートスタンダードによる正または負の影響について情報を収集する。

第2段階・・・事務局が各国からの回答をもとに事例を収集し、プライベートスタンダードにより影響を受ける産品やマーケットの特定、便益とコストなどをまとめた報告書を作成する。

第3段階・・・第2段階で作成された報告書をもとに、SPS委員会が将来とりうる具体的な活動等を内容とする報告書を作成する。

 

2010年5月現在、非公式関心国会合を中心に、上記の工程に沿って作業が進められています。

加盟国の主張

開発途上国と先進国の間でプライベートスタンダードについての主張の間には、以下の通り大きな隔たりがあります。

開発途上国

開発途上国の多くは、プライベートスタンダードの以下のような点が貿易に悪影響を与えているとし、輸入国政府やSPS委員会が何らかの活動を行うべきだと主張しています。

  • 輸入国政府の食品安全や動植物衛生に関する基準を満たすコストに加え、プライベートスタンダードに決められた要件を満たすためのコストがかかる
  • プライベートスタンダードに決められた基準を生産者や製造者が守っていることについて第三者機関による認証を得ることが要件となっている場合があるが、認証のための査察頻度が高すぎたり、認証に至るまでの透明性や一貫性が確保されていないことがある
  • 多くの異なるプライベートスタンダードが存在し、それらの間で調和がとられていない

先進国

一方で多くの先進国は、以下のような点から、加盟国政府に義務を負わせる、またはSPS委員会として公式にプライベートスタンダードを対象とした活動を行うことは不適当と主張しています。

  • 民間の商行為に政府が介入することは困難である
  • SPS協定はプライベートスタンダードについて加盟国政府に何の義務も負わせていない
  • プライベートスタンダードが貿易に悪影響を与えていることが具体的に示された事例はほとんど存在しない

関連文書一覧

2009年5月までにSPS委員会に提出された主なプライベートスタンダード関連文書は、こちらから入手できます。

 

お問い合わせ先

消費・安全局消費・安全政策課 
代表:03-3502-8111(内線4470)
ダイヤルイン:03-5512-2291
FAX:03-3507-4232

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