更新日:2009年2月2日
担当:消費・安全局国際基準課
WTO協定には、貿易ルールの原則の一つとして、「差別的取り扱いの禁止」があります(注)。これは、外国産製品と自国産製品との間で、途上国への配慮(特別のかつ異なる待遇)などの場合を除いて、条件に差を設けることを禁止するものです。しかし、SPS措置を実施する際のルールであるSPS協定では、むしろ、それぞれの地域の状況に応じて、貿易条件を調整すべき、すなわち差を設けるべきとしている規定があります。
なぜでしょうか。SPS措置の対象である農産物に害を与える病害虫や動物の病気の伝播・分布は、気候(寒冷である、乾燥している等)や地理的状況(海に囲まれている等)の影響を受けます。また、病害虫や病気の撲滅のためのプログラムを実施して撲滅に取り組んでいる場合もあります。この結果、病害虫や病気が発生している地域と発生していない地域が存在することになります。そして、このような発生状況の違いは、必ずしも国境など政治的な境界と一致しません。このため、SPS協定では、各国は、輸出国側から要請があった場合には、このような地域の特性を考慮して産品の輸入に対する要件を調整しなければならないとしています(協定第6条「有害動植物又は病気の無発生地域及び低発生地域その他の地域的な状況に対応した調整」)。
例えば、高病原性鳥インフルエンザがある国で確認されたとしたら、通常、その国から生きた鳥や鶏肉を輸入している国は、その発生国全体からの輸入を停止します(下の左側の図)。しかし、その後、発生国が、病気が発生している地域と発生していない地域(無発生地域)を防疫措置等により区分し、無発生地域からの輸出を認めてほしいと要請した場合には、輸入国は、発生している地域だけを輸入停止しそれ以外の地域からは輸入を認めることを検討することになります(下の右側の図)。


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