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農林水産省

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栽培用種子を対象とした遺伝子組換え体検査法

 
農林水産省では、我が国の生物多様性を保全するため、遺伝子組換え体が開発されている農作物ごとに、科学的に信頼できる結果が得られる遺伝子組換え体検査法を確立し、我が国で未承認の遺伝子組換え農作物の種子が混入した栽培用種子の輸入・流通の確実な防止に役立てています。

科学的信頼性が証明された遺伝子組換え体検査法の必要性

  農林水産省が、栽培用種子に我が国で未承認の遺伝子組換え農作物の種子が混入しているかどうかの判断に用いる検査法は、十分な分析技術と設備を有している試験機関であれば、いつ、どこで、誰が分析しても同程度に科学的に信頼できる結果が得られる方法である必要があります。したがって、ある特定の検査機関でしか結果が得られないような方法や検査ごとの結果が大きく異なるような方法は使えません。

  そこで、農林水産省は、遺伝子組換え体が開発されている農作物ごとに遺伝子組換え体の検査法を開発し、十分な分析技術と設備を有している複数の分析機関が参加する共同試験により科学的な信頼性を確認した検査法を用いて、栽培用種子への我が国で未承認の遺伝子組換え農作物の種子の混入の有無を確認することにより、違法な栽培用種子の輸入・流通の防止を図っています。

遺伝子組換え体検査法の仕組み

輸入された栽培用種子に我が国で未承認の遺伝子組換え作物の種子が混入しているかどうかは、遺伝子組換えによって挿入された遺伝子やそれによって生成されたタンパク質が検出できるかどうかで判断しています。

農林水産省が用いているのは、調べたい遺伝子のDNA配列を検出できるPCR法(注1)という方法です。検査の結果、遺伝子組換えか非遺伝子組換えかに関わらず検査対象の農作物が共通して持っている遺伝子のDNA配列(下図二重四角部分)とGMによって挿入された遺伝子のDNA配列(下図□部分又は○部分)が検出された場合、検査した栽培用種子は遺伝子組換え体を含むと判断します。

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(注1)細胞は2つに分裂するときに細胞当たりのDNAを一定に維持するためDNAのコピーを作っています。PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)は、このコピーを作る過程を人工的に応用することにより、目的とする遺伝子のDNA配列(下図の□や○で囲った部分)のみを大量にコピーする方法です(理論的には1回反応させると21倍、20回反応させると220倍に増幅。ただし、大量のコピーで飽和に達するとそれ以上は増えない。)。

輸入時の立入検査に使用している遺伝子組換え体検査法

  農林水産省は、我が国において承認されていない遺伝子組換え農作物の種子が混入するおそれのあるものとして、下記の作物を対象とした遺伝子組換え体検査法を確立し、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成15年法律第97号)第31条に基づく輸入時の検査を実施しています。

海外で遺伝子組換え体が開発中の農作物を対象とした遺伝子組換え体検査法

  農林水産省は、海外で開発されたが、我が国においては承認されていない遺伝子組換え農作物が栽培用種子に混入するおそれが生じた場合に備え、栽培用種子の輸入実績があり、海外で遺伝子組換え体が開発されている農作物を対象に、遺伝子組換え体検査法を確立しています。現在、検査法が確立された農作物は以下のとおりです。

  今後も、海外における遺伝子組換え体の開発状況に応じ、遺伝子組換え体検査法を確立していきます。

お問合せ先

消費・安全局農産安全管理課

担当者:組換え体管理指導班
代表:03-3502-8111(内線4510)
ダイヤルイン:03-6744-2102