パパイヤ葉の検査法について
農林水産省は、カルタヘナ法※1に基づき、生物多様性の保護の観点から遺伝子組換え農作物の規制を行っています。このために、種子及び苗について、科学的信頼性の高い検査法が必要です。
我が国で未承認の遺伝子組換えパパイヤを検知する方法のうち、種子については、平成23年2月に科学的信頼性の高い検査法を確立しました。今般、葉の検査法についても、その科学的信頼性を、確かな分析技術及び設備を有する複数の機関の参加により検証しました。その結果、カルタヘナ法に基づく検査に使用可能な科学的信頼性の高い検査法が確立できました。
この遺伝子組換えパパイヤには、パパイヤの病気の原因となるパパイヤリングスポットウイルスYK株(以下PRSV-YK株という)の外被タンパク質の遺伝子が導入されています※2。今般確立した検査法は、遺伝子組換え技術で導入されたPRSV-YK株の遺伝子配列の一部がパパイヤ葉に含まれているかどうかを判別できます。
検査した葉にこの配列が含まれている場合は、「この葉は、PRSV-YK株の遺伝子配列を持っている遺伝子組換えパパイヤ葉である」と判定します。
この検査法は、3つの段階からなります。
1 葉を磨砕しDNAを抽出
2 DNA検出試薬(プライマー・プローブ)を用い、リアルタイムPCR法※3で目的の遺伝子配列(4種類)を増幅
3 どの遺伝子配列が増幅されたか、されなかったかの組合せで、検査した葉が遺伝子組換え体であるか否かを判断
このうち、第2の段階で用いるDNA検出試薬には、下記の4種類があります。
「Chy」:遺伝子組換え非組換えに関わらず全てのパパイヤが持っている遺伝子(たんぱく質を分解するキモパパインという酵素の遺伝子)を増幅します。「Chy」で増幅があれば、パパイヤから適正にDNAが抽出され、適正にPCRが行われていることを裏付けます。
「YK-1」「YK-2」及び「CaM」:それぞれ、遺伝子組換え技術によりパパイヤに挿入された遺伝子配列を増幅します。3種類全ての遺伝子組換えDNA検出試薬で増幅があれば、種子のDNAにPRSV-YK株の遺伝子配列が存在していると判断します。
1 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律
2 台湾で研究中の遺伝子組換えパパイヤの導入遺伝子と同様の塩基配列を持つ
- 葉の検査法(プロトコール)→こちらをクリックください(PDF : 463KB)
お問合せ先
消費・安全局農産安全管理課
担当者:組換え体管理指導班
代表:03-3502-8111(内線4510)
ダイヤルイン:03-6744-2102