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農林水産省

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我が国における農産物中のカドミウム濃度の実態とカドミウムの摂取量

農林水産省は、国産農産物に含まれるカドミウムの低減対策に取り組んでおり、その成果を検証するため、平成21~26年度において日本全国で栽培される米、小麦、大豆等を対象とした実態調査を実施しました。

その結果、平成21~22年度に生産されたコメに含まれるカドミウムは、平成9~10年度に調査したコメに比べて低く、カドミウム低減対策が有効であることが確認できました。

また、本実態調査の結果を用いて我が国における食品からのカドミウム摂取量を推計したところ、平成15年に公表された研究結果よりも減少しており、その推定摂取量が、食品安全委員会や国際機関が設定した耐容摂取量を下回っていることから、通常の食生活を送っていれば、食品に含まれるカドミウムによって健康が損なわれることはないと考えられます。

農林水産省は、低減対策普及の進展や新たな低減技術の開発・普及等の状況をみて、必要に応じて農産物中のカドミウム濃度の実態調査を行うことにしています。

このページでは、平成21~26年度に実施した国産農産物のカドミウム濃度の実態調査の結果をもとに推計した我が国における食品からのカドミウム摂取量を掲載しています(結果の詳細につきましては、こちら(平成28年2月23日プレスリリース)を御覧ください。)。

食品からのカドミウム摂取量

平成21~26年度に実施した国産農産物のカドミウム濃度の実態調査の結果をもとに、我が国における食品からのカドミウム摂取量を推計しました。

食生活の違い等から、カドミウム摂取量は個人によって異なります。カドミウムの摂取による健康への影響については、カドミウムの摂取量が多いほど健康への影響が大きくなりますので、国内のカドミウム摂取量が多い人の摂取量を推計して健康への影響を検討することによって、カドミウムの摂取による日本人全体の健康へのリスクを適切に考察することができます。

ここでは、2つの手法を用いて食品からのカドミウム摂取量を推計しています。

1.平均濃度と平均摂取量を用いた推定結果

各品目の農作物中のカドミウム平均濃度とその農産物の日本人の平均摂取量を掛け合わせ、得られた各農産物からのカドミウム摂取量を足し上げるという手法により、全農産物からのカドミウム摂取量を推計しました。

この手法で得られた全農産物からのカドミウム平均摂取量は、1日間において体重1kg当たり0.32 μgであり(表1)、米、小麦、大豆の3品目から7割以上、この3品目にばれいしょ、ほうれんそう、たまねぎ、にんじんの4品目を加えた7品目から約9割を摂取していることがわかりました(図1)。

また、これらの品目以外の農産物には、カドミウム濃度が高いものがありましたが、その農産物の摂取量が極めて少ないことから、その農産物からのカドミウム摂取は無視できるレベルでした。

本推計結果は、「食品を介したダイオキシン類等有害物質摂取量の評価とその手法開発に関する研究」(平成25年度厚生労働科学研究費補助金食品の安全確保推進研究事業)によるマーケットバスケット法によるトータルダイエットスタディーの結果と類似しており、本手法によって得られた摂取量の推計値は妥当であると考えられます。

表1 各農産物からのカドミウムの平均摂取量
注) 日本人の平均体重を55.1 kgとして計算しています。


図1 農産物各品目のカドミウム平均摂取量の割合


2.濃度分布と摂取量分布を用いた確率論的アプローチによる推定結果

上述したカドミウムの主要摂取源と特定された米、小麦、大豆、ばれいしょ、ほうれんそう、たまねぎ、にんじんの7品目の各品目におけるカドミウム濃度分布をソフトウェアを用いて最適なモデル式を求め、過去の調査結果として公表されている農産物の摂取量パターンとランダムに組み合わせる手法により、全農産物からのカドミウム摂取量を推計しました。

その結果、7品目からのカドミウム摂取量は図2のとおりでした。また、7品目以外の農産物からのカドミウム摂取量は僅かであるため、体重1 kg当たり一律0.04 mgを摂取すると仮定したうえで、全農産物からのカドミウム摂取量を推計したところ、表2のとおりとなりました。

ここで推計した全ての農産物からのカドミウム摂取量の1日当たりの平均値は、体重1 kg当たり0.32 μgであり、上述の「平均濃度と平均摂取量を用いた推定結果」とほぼ一致していることから、本推定は妥当と考えられます。

図2 分布推定
図2 農産物7品目からのカドミウム摂取量の分布の推定
表2 カドミウム摂取量の分布
表2 摂取量分布


3.推計した摂取量と耐容摂取量との比較


(1)食品安全委員会の評価との比較

食品安全委員会は「『食品からのカドミウム摂取の現状に係る安全性確保について』に係る食品健康影響評価」(平成20年7月3日)において、カドミウムの耐容週間摂取量を体重 1kg当たり7 μgと設定しています。

推計した1日当たりのカドミウム摂取量を7倍して1週間当たりのカドミウム摂取量に換算した値とその耐容週間摂取量に対する割合は表3のとおりとなり、食品からのカドミウム摂取量の耐容週間摂取量に対する割合は平均で35%、カドミウム摂取量の95パーセンタイルで67%と耐容週間摂取量を下回っていました。

表3 週当たりのカドミウム摂取量推定値と食品安全委員会による耐容週間摂取量との比較
食安委との比較


(2)JECFAの評価とその比較


JECFAは、1988年以来複数回カドミウムのリスク評価を実施しており、最新の評価結果は第73回JECFA(2010年)による暫定月間許容摂取量25 μg/kg体重です。

推計した1日当たりの摂取量を31倍して1ヶ月当たりのカドミウム摂取量に換算した値と暫定月間耐容摂取量に対する割合は表4のとおりとなり、食品からのカドミウム摂取量の暫定月間耐容摂取量に対する割合は平均で44%、カドミウム摂取量の95パーセンタイルで83%と暫定月間耐容摂取量を下回っていました。

表4 月当たりのカドミウム摂取量推定値とJECFAによる月間耐容摂取量の比較
JECFAとの比較

4.食品由来のカドミウム摂取による健康への影響


推計した食品からのカドミウム摂取量を食品安全委員会及びJECFAの評価で得られた耐容摂取量と比較したところ、食品からの日本人のカドミウム摂取量の95パーセンタイル推定値はこれらの耐容摂取量を下回っていました。

食べる食品の量や種類は日によって異なり、各食品に含まれるカドミウム濃度も異なっていることを考えると、通常の食生活を送っている人であれば、カドミウム摂取量が95パーセンタイルを超える状況が長い期間継続するとは考えられません。

したがって、通常の食生活を送っていれば、食品からのカドミウム摂取によって健康への影響が出ることはないといえます。

(参考)

「食品を介したダイオキシン類等有害物質摂取量の評価とその手法開発に関する研究」による食品由来のカドミウム摂取量

お問合せ先

消費・安全局農産安全管理課

担当者:土壌汚染防止班
代表:03-3502-8111(内線4507)
ダイヤルイン:03-3502-0306
FAX番号:03-3580-8592